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やってみよう、続けてみよう

ドキュメント内 ファイルページ Misari Oe, M.D., Ph.D. (ページ 58-77)

●この対策が向いている問題の種類

●やってみよう、続けてみようの導入 の仕方

●クライエントの参加を促す様々な 活動例

この章で何を学べますか学習

●セッション3,4

●セッション3この章の導入に35分 とります

●セッション4振り返りに20分とり ましょう

セッション

この章はどのセッションに 関連しますか

●やってみよう、続けてみよう  配布資料-付録E

●活動カレンダー-付録E

ワークシート どのワークシートが この章に関連しますか

 やってみよう、続けてみようはクライエントの気分に関わらず楽しいあるいは課題志向の活動への 参加を促すことでこの悪循環のサイクルを壊し、クライエントの気分を改善することを目的としていま す。14あなたはクライエントに対して、行動する前に意欲が上がってくるのを待つよりも「まず行動する。

気分は後から付いてくる」ことを伝えなければいけません。

 クライエントはおそらく活動に参加できないと思っており、意欲もほとんどないため、クライエント が達成できるとても小さなゴールを設定することが重要です。たとえ小さな課題だったとしても、この 対策はクライエントの気分や達成感、自信を高めることにとても有用です。ですから、成功と思える課 題を設定することがとても重要です。簡単な課題をいくつか選び、スモールステップの中に組み込むこ とも、成功を感じる手段として良いでしょう。

 もっと深刻な活動的でない、気分の落ち込んだケースでは、もっと小さく簡単な課題を設定する必要 があるでしょう。多くのクライエントは課題を始めることをとても困難に感じますが、一度始めるとそ れを続けることができるようになり、設定していたことよりも高い課題を遂行できるようになります。

そのため、単純で簡単な最初の課題は彼らがまず「やってみる」ことに役立つでしょう。

第8章

やってみよう、続けてみよう

事例

 そのクライエントは、もはや以前楽しめていた地域活動にすら参加していなかった。その行事 は週に3回夕方行われていた。クライエントの援助者は彼にその行事に友人と一緒に本当に参 加するのではなく(言い換えれば、ただ見るだけ)、一回だけ行くことを提案した。そのクライエ ントは徐々に参加する回数を増やし、その行事への関わりも増やしていった。

やってみよう、続けてみよう:活動しなくなる悪循環

気分の落ち込み

気分の落ち込み

活動的でなくなり、引きこもる 活動的でなくなり、引きこもる

14 やってみよう、続けてみよう(行動活性化として知られる)では、一般的な活動レベルを上げていくことに注目し、運動もこれに含まれます。

 意欲や気分が特に低い場合、日課を決めることや一日のスケジュールの中で特別の時間を設定する ことは有用です。クライエントの気がまぎれ、疲れや絶望を感じにくい時間や日にちを選ぶ支援をして ください(例;子ども達を学校へ送り出した後)。この情報を記録してクライエントが持ち帰るのに、活 動カレンダー(付録E参照)を利用してください。他の思い出させる手段も有用です。例えば、電話のタイ マー、地域社会の活動、食事に一致した課題、もしくは、友人や家族に思い出させてもらう。これらは全 て、クライエントが課題を遂行するために有用な手段です。

やってみよう、続けてみようをクライエントに説明する

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 導入する全ての対策がそうであるように、やってみよう、続けてみようが効果的で精神的安定に肝 要であることを説明することが重要です。クライエントが過去に活動性を高めようと挑戦したけれど 失敗した経験がある場合、特に良い説明をすることが重要となります。彼らをもう一度挑戦してみよう と納得させることができるでしょう。よくあるのは、クライエントの設定したゴールが意欲的すぎるた めに遂行するのが難しいということです。つまり、説明する際には、この対策に対して不信感を持つク ライエントの不安に対しても、暖かく支持的に接することが重要です。より活動的になることで、失うも のはないことを強調することも検討しましょう。

事例

 そのクライエントは洗濯を数週間のうちにしようと決めていた。彼女はとても疲れていて悲 しく、その課題は大きすぎると感じており、結果的にまだ何も洗濯していなかった。援助者はもっ と課題を細分化するように提案した―1日で洗濯するべき汚れた衣類を選び、他の日に洗うも のと分けること。衣類の山から1種類を選ぶことから始まり、毎日1着は洗うことを目標とした。

家族や友人の参加

 クライエントが信頼する家族や友人などにやってみよう、続けてみようの導入への参加を希望され た時には、同席してもらうようにしましょう。同席は友人や家族が課題や活動の支援をしてくれる時は 特にクライエントの役に立ちます。

1.活動しなくなる悪循環

 やってみよう、続けてみようの導入の際は、必ずそのクライエント個人の問題と一般的な情報を関 連づけるようにしてください。特に、特定の活動に参加できない現状に寄与するクライエントの問題を どのように見ているか話題にしてください。そのサイクルを説明する際には、やってみよう、続けてみよ うの配布資料(付録E)も見せてください。

 以下に示すものは、標準的な導入です。クライエントに関連がある具体的な情報を付け足しても、こ の導入が終わってからそのような情報を伝えても構いません。(例;さて、あなたが教えてくれたことか ら、あなたが◯◯をやめてしまったことが分かってきました。。。。)あなたが最も安心できて、自信のあ る方法で行ってください。

 困窮や喪失、精神的に疲れる日常生活上の出来事に遭遇すると、多くの人が気分 の変化や疲れやすさを経験します。もしその人の気分が時間とともに改善しなけれ ば、その人は大抵これまで簡単にやれていたことに対しても気力も意欲もないと感じ るでしょう。また、これまで楽しめていた活動にさえ参加できなくなってくるでしょう。

これが、気分の落ち込みが活動からの引きこもりにつながり、その結果落ち込みが長引くという悪循 環のサイクルの始まりです。(クライエントに前述のようなサイクルを描いてあげます。)

 このサイクルを活動しなくなる悪循環と呼びます。残念ながら、この活動しなくなる悪循環はあなた を落ち込みや悲しみから抜け出せなくします。大抵の場合、「気分が良くなったらまたやり始めよう」

と考えます。もしくは、気力が沸いてくることで活動的になると考えています。しかし、実際は活動的に なることで気力が沸いてくるのです。多くの人は活動的になるまで気力が沸いてきたとは感じません。

このサイクルを壊すためには、そんな気分になっていないと思っても、何か始めないといけないので す。多くの人が活動的になるまで気力が沸いたと感じないことを覚えていてください。

 多くの人にとって、何かをやり始めるのは一番大変なことです。しかし、1つ確信できるのは、多くの 人が1度何かをやり始めるとそれを続けるのは比較的簡単だと気付くということです。15

第8章

やってみよう、続けてみよう

15 状況によっては、車を押してあげることでまたエンジンが復活し、車のバッテリーが再び動き出すことを例に挙げてもいいでしょう。

2.クライエントがもう一度関われるようになる活動を特定する

 下記の活動例(表)を参考にこのステップを行ってください。少なくとも1つの楽しい活動(最初の3 つの表からどれでも)と、少なくとも1つの課題(後ろの2つの表からどれでも)を短い時間で選びま しょう。楽しい活動とは、以前は楽しめていたにもかかわらず、今はしなくなってしまった活動です(例;

子どもと一緒に遊ぶ)。日常生活に不可欠な課題には、支払いをする、食料品を買う、洗濯、食事などが あります。活動が与える楽しみと、クライエントが味わう達成感のバランスで、気分を有効に改善しま す。このバランスを保つように気をつけてください。言い換えると、日々の課題がすでに困難なく実行 できていない限り、楽しい行事にだけに参加することは避けましょう。

 多くのクライエントが自分自身はどのような活動に再び参加したいかの考えを持っているかもしれ

事例

 そのクライエントは失業、貧困による過度の絶望を感じ、地域の暴力的犯罪率の高さから危 険なため、家族も外出できないと考えていた。彼はセッションの中でよく「人生は変わらない。変 えるために自分は何もできない;私が何も変えられないためにうちの子どもは貧困家庭に育っ ている」と話した。彼は自分が家族にもっと良い暮らしをさせられないことから無気力、苦しみ を感じ、徐々に家族からも閉じこもるようになった。

 彼の援助者は彼に以下のように伝えた。

「今の状況はあなたにもあなたの家族にもとても困難に思えます。そして、その状況をあなたは 絶望的だと感じていることも、それが子どもたちに与える影響についても苦しんでいることも 理解できます。でも、この感情があまりに強すぎるために、あなたは今の状況から抜け出せなく なっているようにも見えるのです。もちろん、貧困や社会の暴力問題の全てを解決できることは ありませんが、あなたが自分の置かれた状況や気持ちを向上させるためにできる小さなことは たくさんあるはずで、あなたが何か行動することでもっと前向きになれれば、状況も変わってき ます。例えば、これから何か小さなステップから始めてみることで、機会が巡ってきたときに生計 を立てる方法を見つけやすくなるかもしれません。絶望的で無気力な状態ではそのような機会 があっても行動することが難しすぎるでしょう。」

「あなたのような状況では、多くの方が絶望感や無気力を味わっています。そして、多くの方が悲 観的で疲れやすいために、家族と一緒に楽しめていた活動にさえ参加しなくなるのです。しか し、時間とともに活動的でないサイクルはあなたの精神状態をさらに悪化させ、気分は落ち込 み、実際の問題に対して前向きに行動できなくなるでしょう。さて、これからあなたの気分や疲 れやすさを改善するために、あなたの活動性をあげていくという対策についてお話しします。ま た、一度この対策を始めれば、このような難しい現実的な問題に対しても上手に向き合うことが できるようになると気づくでしょう。」

ドキュメント内 ファイルページ Misari Oe, M.D., Ph.D. (ページ 58-77)

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