第 2 章 LPM 効果および誘電による抑制効果の組み込み 26
2.4 まとめ
(a) 4.4%X
0Copper 0
0.001 0.002 0.003 0.004 0.005
d N /d(l n k )
EGS5:BH
EGS5:LPM Hansen-MC:LPM
Hansen:Experiment
(b) 4.4%X
0Tungsten 0
0.001 0.002 0.003 0.004 0.005
d N /d(l n k )
EGS5:BH
EGS5:LPM Hansen-MC:LPM
Hansen:Experiment
10 100
k [GeV]
2 200
(c) 4.4%X
0Iridium 0
0.001 0.002 0.003 0.004 0.005
d N /d(l n k )
EGS5:BH
EGS5:LPM Hansen-MC:LPM
Hansen:Experiment
図
2.14:
入射電子エネルギーが149 GeV
のときの(a)
銅ターゲット、(b) タングステン ターゲット、(c) イリジウムターゲットのエネルギースペクトル。黒丸はHansen
らの 実験値、破線はHansen
らによるLPM
断面積を組み込んだGEANT
の計算値、実線はLPM
断面積を組み込んだEGS5
コードの計算値、一点鎖線はBH
断面積のEGS5
コー ドによる計算値を示す。10 100 k [GeV]
2 300
0 0.001 0.002 0.003 0.004 0.005
d N /d(l n k )
0 0.001 0.002 0.003 0.004 0.005
d N /d(l n k )
0 0.001 0.002 0.003 0.004 0.005
d N /d(l n k )
(a) 4.4%X
0Copper EGS5:BH
EGS5:LPM
Hansen-MC:LPM
Hansen:Experiment
(b) 4.4%X
0Tungsten EGS5:BH
EGS5:LPM
Hansen-MC:LPM
Hansen:Experiment
(c) 4.4%X
0Iridium EGS5:BH
EGS5:LPM
Hansen-MC:LPM
Hansen:Experiment
図
2.15:
入射電子エネルギーが207 GeV
のときの(a)
銅ターゲット、(b) タングステン ターゲット、(c) イリジウムターゲットのエネルギースペクトル。記号と線種は図2.14
と同一である。10 100 k [GeV]
2 300
(a) 4.4%X
0Copper
(b) 4.4%X
0Tungsten
(c) 4.4%X
0Iridium 0
0.001 0.002 0.003 0.004 0.005
d N /d(l n k )
EGS5:BH
EGS5:LPM Hansen-MC:LPM
Hansen:Experiment 0
0.001 0.002 0.003 0.004 0.005
d N /d(l n k )
EGS5:BH
EGS5:LPM Hansen-MC:LPM
Hansen:Experiment 0
0.001 0.002 0.003 0.004 0.005
d N /d(l n k )
EGS5:BH
EGS5:LPM Hansen-MC:LPM
Hansen:Experiment
図
2.16:
入射電子エネルギーが287 GeV
のときの(a)
銅ターゲット、(b) タングステン ターゲット、(c) イリジウムターゲットのエネルギースペクトル。記号と線種は図2.14
と同一である。EGS5
コードは15%以内で再現した。Anthony
らの実験値に対するこの値は、彼らが 示した放射長X
0の矛盾点に起因した誤差を含んでいる。また、Hansenらが示したす べてのターゲットの実験値を、EGS5コードは10%以内で再現した。
高エネルギー領域では、制動放射と電子対生成が支配的であるため、これらの過程 に寄与する
LPM
および誘電による抑制効果が重要である。その抑制効果における実験 値をEGS5
コードの計算値は良く再現したことから、EGS5
コードはこのエネルギー領 域で、精度良い計算が可能となった。このことにより、EGS5コードは数十GeV
以上 のエネルギー領域における、放射検出器開発や遮へい計算や空気シャワーの計算に利 用することができる。LPM
効果は、電子のエネルギー損失にE
依存のLPM
の変数(ξ、 G、 φ)
が含まれる ために、高エネルギーにおける実効的な放射長を伸ばす。例えば、鉛タングステン結晶中の
0.2、1、4 TeV
の電子の通常の放射長よりもLPM
効果を含めた実効的な放射長は、2.5%、10%、26%長くなる
[55]。
また、LPM効果により電子が物質へ付与するエネルギーの深度分布が変化する。図
2.17
に、EGS5コードにて計算した500 GeV、10 TeV
のエネルギーを持った入射電子 がPb
に付与するエネルギーの深度分布のLPM/BH
比を示す。電子が物質へ入射した直後は
LPM/BH
比が1
より小さいため、抑制がないBH
断面積のエネルギー付与がLPM
断面積よりも大きい。より深い位置になると、LPM/BH比は1
より大きいため、LPM
断面積のエネルギー付与がBH
断面積よりも大きい。例えば10
放射長において500 GeV、10 TeV
の入射電子エネルギーでそれぞれLPM/BH
比は3.8%、23%の差で
ある。EGS5
コード以外の輸送計算コードでは、GEANTコードとFLUKA
コードに制動 放射におけるLPM
および誘電による抑制効果が組み込まれている。GEANT
コードはHansen
ら実験値のみと比較されており、良く再現していることが報告されている[56]。
しかし、Anthonyらの実験値との比較はされておらず、誘電による抑制効果の検証は されていない。また
FLUKA
コードは、これらの抑制効果を組み込んだのみであり、実 験値との比較は出版されていない。電子対生成においては数
TeV
以上でLPM
効果が現れるものの、現状では信頼でき るLPM
効果の測定値がないため、EGS5コードとの比較は行っていない。0.96 0.97 0.98 0.99 1 1.01 1.02 1.03 1.04 1.05
L P M /BH
(a) 500 GeV :Pb
0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4
0 2 4 6 8 10 12
depth [R.L.]
L P M /BH
(b)10 TeV :Pb
0 2 4 6 8 10 12
depth [R.L.]
図
2.17: (a) 500 MeV、(b) 10 TeV
の入射電子エネルギーにおける鉛(Z = 82)
へのエ ネルギー付与の深度分布のLPM/BH
比。第 3 章 放射光施設における低エネル
ギー散乱 X 線の測定
ドキュメント内
本文 総合研究大学院大学学術情報リポジトリ 甲1327 本文
(ページ 59-65)