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草 原 観 光 等 の 面 的 な 観 光 利 用 に 起 因 す る 土 地 資 源 の 劣 化 に 及 ぼ す 影 響 の 評 価 手 法 の 確 立 と そ れ に 基 づ く 具 体 的 な 改 善 策 を 提 言 す る た め に , 中 国 の フ ル ン ボ イ ル 草 原 に お い て , ジ オ ス タ テ ィ ス テ ィ ク ス を 用 い て , 観 光 利 用 に 伴 う 土 壌 硬 度 の 空 間 変 動 を 解 析 し た 。 結 果 は 以 下 の 通 り で あ る 。

① 利 用 区 で は 植 被 率 , 地 上 部 バ イ オ マ ス 量 , 優 占 種 の 草 丈 , 多 様 性 指 数 が 非 利 用 区 に 比 べ 有 意 に 低 下 し , ま た 草 原 退 化 の 指 標 植 物 で あ る C.

duriusculaが 優 占 種 と な っ た 。

② 対 象 地 で は 土 壌 母 材 が レ ス で あ り 細 砂 と シ ル ト の 割 合 が 高 い こ と か ら , 風 食 に 対 す る 受 食 性 は 高 い と 考 え ら れ た 。 表 層 土 壌 の OC,TN,LFC,LFN,

CECは , 利 用 区 で 非 利 用 区 に 比 べ 低 下 し た が , 土 壌 構 造 ,pH,EC な ど に つ い て は 両 区 で 大 き な 相 違 が 見 ら れ な か っ た 。

③ 土 壌 硬 度 は 利 用 区 で 非 利 用 区 に 比 べ 有 意 に 上 昇 し , そ の こ と が 植 生 の 劣 化 を 引 き 起 こ し て い る 可 能 性 が 考 え ら れ た 。 ジ オ ス タ テ ィ ス テ ィ ク ス を 用 い て 観 光 利 用 が 草 原 退 化 に 与 え る 空 間 的 な 影 響 を 調 べ た と こ ろ , 非 利 用 区 で は 土 壌 硬 度 の 空 間 依 存 性 が 低 く 測 定 範 囲 内 で レ ン ジ が 検 出 さ れ な か っ た が , 利 用 区 で は Q 値が 0.7 と 空 間 依 存 性 が高 く , レ ン ジ が 111 m で あ る こ と が 判 っ た 。 よ っ て , 対 象 地 で は 観 光 行 動 が 与 え る 土 壌 硬 度 へ の 影 響 が 111 m の 範 囲 で 見 ら れ る こ と , ま た 今 後 観 光 行 動 の 影 響 を 分 散 す る た め 観 光 施 設 を 移 す 場 合 ,元 の 場 所 か ら111 m以 上 離 す 必 要 が あ る と 考 え ら れ た 。 以 上 の こ と か ら ,内 モ ン ゴ ル 自 治 区 フ ル ン ボ イ ル 草 原 の 観 光 地 に お い て , 観 光 客 の 踏 圧 に よ り 土 壌 が 圧 密 さ れ , 表 層 土 壌 の 有 機 物 含 量 と 植 生 の 減 少 を も た ら し , 草 原 退 化 を 引 き 起 こ し た 。 ま た , 対 象 地 域 で は 利 用 区 の 土 壌 硬 度 は 非 利 用 区 と 比 べ て 有 意 に 高 く , 観 光 利 用 に よ る 土 壌 硬 度 へ の 空 間 的 影 響 が 111 mの 範 囲 で あ る か ら , 持 続 的 に 草 原 観 光 を 行 う た め に 観 光 施 設 を 移 す 際 に は ,現 在 の 場 所 か ら 111m以 上 移動 さ せ る こ と で ,現 在 の 観 光 利 用 に よ る 影 響 を 受 け て い な い 場 所 へ 移 動 で き る こ と を 示 し て い る 。 こ れ ら の こ と か ら , ジ オ ス タ テ ィ ス テ ィ ク ス を 用 い る こ と で , 観 光 資 源 の 持 続 的 な 利 用 法 が 提 言 可 能 で あ る こ と を 示 し た 。 こ れ ら の 成 果 は , 今 後 草 原 退 化

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の 評 価 お よ び 改 善 策 の 策 定 を 行 う 際 に 必 要 な 情 報 を 提 供 す る も の で あ る 。

89 5章 結 論

本 論 文 で は , 観 光 資 源 で あ る 土 地 環 境 を 持 続 的 に 利 用 す る た め に , マ レ ー シ ア の エ ン ダ ウ ロ ン ピ ン 国 立 公 園 お よ び 中 国 の フ ル ン ボ イ ル 草 原 に お い て , 観 光 利 用 が 土 地 資 源 ( 土 壌 ・ 植 生 ) の 劣 化 に 及 ぼ す 影 響 を 線 的 ・ 面 的 に 定 量 評 価 す る こ と で , 観 光 の あ り 方 を 検 討 し た 。 そ の 議 論 は 以 下 の 通 り で あ る 。

第 2 章 で は , マ レ ー シ ア の エ ン ダ ウ ロ ン ピ ン 国 立 公 園 に お い て , 土 壌 侵 食 は 林 道 周 辺 域 に 線 的 に 広 が っ た 。 実 測 値 ( 平 均 27 t ha-1 y-1) と 推 測 値

(122 t ha-1 y- 1) は 大 き く 異 な っ た 。 こ の 原 因 は , 現 地 で 観 測 さ れ た 地 表 面 に 存 在 す る バ イ オ ク ラ ス ト お よ び レ キ に よ る 侵 食 軽 減 効 果 を 既 存 の USLEで は 考 慮 で き て い な い と 考 え ら れ た た め ,係 数 の 一 部 を 補 正 し た 。そ の 結 果 ,実 測 値 と 推 定 値 は 有 意 に 相 関 し ,USLE が 当 該 地 域 で も 使 用 で き る こ と を 示 し た 。ま た ,今 後 USLEの 推 定 精 度を さ ら に 向 上 さ せ る た め に ,遊 歩 道 周 辺 に お い て レ キ や 木 屑 , バ イ オ ク ラ ス ト を 用 い た 土 壌 被 覆 実 験 を す る こ と が 必 要 で あ る と 考 え た 。

第 3 章 で は , マ レ ー シ ア の エ ン ダ ウ ロ ン ピ ン 国 立 公 園 に お い て , 合 計 1,877個 体 ( 一 番 多 い 場 所 で は 平 均 13.7 N m-2) の 外 来 種 C. hirtaの 侵 入 が 確 認 さ れ , こ れ ら す べ て は 林 道 お よ び 遊 歩 道 で の み 観 測 さ れ , 林 内 で は 観 測 さ れ な か っ た こ と か ら , 国 立 公 園 に お け る 観 光 客 の た め の 大 き な 道 路 改 変 は C. hirta の 繁 殖 を 促 進 し て い る と 考 え ら れ た 。C. hirta の 分 布 に 影 響 を 与 え る 環 境 要 因 と し て , 光 環 境 が 多 様 な 林 道 で は 林 冠 開 空 度 と 土 壌 pH が 抽 出 さ れ た 一 方 ,光 環 境 が 総 じ て 悪 い( 暗 い )遊 歩 道 で は 土 壌 硬 度 と 土 壌 炭 素 量 が 抽 出 さ れ た 。 こ の こ と に よ り , 土 地 利 用 毎 に 外 来 種 の 侵 入 規 定 要 因 は 異 な り , 林 道 で は 光 環 境 , 遊 歩 道 で は 土 壌 環 境 で あ る こ と を 示 し た 。 今 後 は 調 査 範 囲 を 拡 大 し , ほ か の 生 息 環 境 な ど の デ ー タ を 追 加 す る こ と に よ り , モ デ ル の 精 度 を 高 め て い く こ と が 必 要 で あ る と 考 え た 。

第 4 章 で は , 中 国 の フ ル ン ボ イ ル 草 原 の 観 光 地 に お い て , 観 光 客 の 踏 圧 に よ り 土 壌 が 圧 密 さ れ , 表 層 土 壌 の 有 機 物 含 量 と 植 生 の 減 少 を も た ら し , 面 的 な 草 原 退 化 を 引 き 起 こ し た 。 対 象 地 域 で は 利 用 区 の 土 壌 硬 度 は 非 利 用

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区 と 比 べ て 有 意 に 高 く ,か つ そ の 空 間 依 存 性 の 範 囲 が 111m で あ るこ と が 判 っ た 。 よ っ て , 持 続 的 に 草 原 観 光 を 行 う た め に 観 光 施 設 を 移 す 際 に は , 現 在 の 場 所 か ら 111m以上 移 動 さ せ る こ と で ,現 在 の 観 光 利 用 に よ る 影 響 を 受 け て い な い 場 所 へ 移 動 で き る こ と を 示 し て い る 。 こ れ ら の こ と か ら , ジ オ ス タ テ ィ ス テ ィ ク ス を 用 い る こ と で , 観 光 資 源 の 持 続 的 な 利 用 法 が 提 言 可 能 で あ る こ と を 示 し た 。 今 後 の 課 題 と し て は , 異 な る 観 光 地 の デ ー タ を 蓄 積 し て 解 析 す る こ と に よ り , よ り 汎 用 性 の あ る 土 地 劣 化 の 影 響 範 囲 を 提 言 す る こ と を 目 指 す 。

第 2~4 章 ま で で 得 られ た 成 果 を ま と め る と ,① 林 道 で 発 生 す る 線 的 な 土 壌 侵 食 は 地 表 面 の 被 覆 に よ り 軽 減 さ れ る た め , 地 表 面 の 被 覆 が 重 要 で あ る こ と , ② 林 道 や 遊 歩 道 に 侵 入 す る 外 来 種 を 防 ぐ た め の 対 策 は 土 地 利 用 毎 に 異 な り う る こ と , ③ 空 間 的 な 広 が り を 持 っ て 土 地 資 源 を 観 光 利 用 す る 際 に は , ジ オ ス タ テ ィ ス テ ィ ク ス を 用 い る こ と で , 具 体 的 な 利 用 法 を 提 言 す る こ と が で き る こ と , で あ る 。

以 上 の よ う に , 本 研 究 に よ り , 観 光 利 用 に 起 因 す る 土 地 資 源 の 劣 化 を 定 量 的 に 評 価 す る こ と で , 土 地 資 源 を 持 続 的 に 利 用 す る た め に 必 要 な 知 見 を 提 供 で き た 。

91 参 考 文 献

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