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まとめ(本事業の成果を高めるための工夫と具体的事例)

ドキュメント内 Microsoft Word - 事業報告書.docx (ページ 190-197)

本年度、経済産業省から指示された各案件を実施するにあたり、特に次の四点について留意・工夫す るよう心掛けた。下図の示すとおり、第一に各案件を「効果的」かつ「効率的」に実施すること、その 結果として、より「具体的な成果」につなげること、さらには、案件の成果が持続・発展できるように

「持続発展性」にも配慮することを常に心掛け案件を遂行した。

案件が形成された背景と経緯、関係者の範囲、最終的な達成目標等は案件毎に多様であり、個々の案 件のロードマップに基づき実態に即した工夫を行う必要がある。「開発調査」を含め、「受入研修」「海 外研修」「専門家派遣」の 3 つの人材育成スキームを「どのように組み合わせて企画・実施するか」、各 案件の運営方法について、効果を最大化できるように組み合わせる工夫を図りつつ事業を遂行した。一 方で、一定の予算内で「成果を最大にするにはどうしたらよいか」、「より広範囲に効果を波及させるに はどうすればよいか」、効率的に案件を実施することは、効果を最大にすることに並ぶ重要なテーマと して認識し効果と効率のバランスを取る工夫をするよう心掛けた。以上のように「効果」と「効率」に 留意しながら案件を実施した結果として最も重要なことは「具体的な成果」を得ることである。昨今の 環境の変化により、各案件においては成果が実ビジネスに繋がり、日本への裨益が解り易いものとする ことがより求められている。この点についても工夫をしながら各案件を実施した。さらには、各案件終 了後に、「どのようにその成果を持続・発展させるか」という課題にも可能な限り配慮しつつ事業を遂 行した。次に、本年度実施された案件の事例を交えつつ、この四点についてまとめる。

(1)人材育成スキームを効果的に組み合わせる工夫 (「効果的」案件実施)

①3つの人材育成スキームと効果的な組み合わせ

3つの人材育成スキームは、それぞれ固有の特長を備えている。「専門家派遣」は、各分野における 専門技術や知識を有し高い指導力を兼ね備えた日本人専門家を企業・組織に投入しピンポイントで実践

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的に指導することを可能にする。「海外研修」は、開発途上国/新興国内で「5S」「カイゼン手法」に 代表されるような汎用性の高い技術や高度に特化した技術を短期集中的かつ集合的に習得させること ができる。そして、「受入研修」は、将来的に開発途上国及び新興国の産業界を牽引するとみなされる 有望なキーパーソンを日本へ招聘し、日本の先進技術や優れた企業経営等を実際に見聞し学ぶことや日 本とのビジネスパーソンと接触する機会を提供することができる。本事業の成果を高めるために、各案 件の目標を明確にして、その目標を達成すべくこれら3つのスキームを最適に組み合わせ、創出される シナジー効果の最大化を図った。

下表に本年度実施全案件の組み合わせパターンとその案件数を示す。本年度実施 26 案件中 16 案件(約 62%)が組み合わせによる実施であり、前年度全 30 案件中 10 案件(約 33%)から大きく増加させその 効果を上げた。

パターン 案件数

開発調査及び 3 つの人材育成 スキームの組み合わせ

による実施

※「専門家派遣-受入研修」のパターン 9 件には「開発調査」も組み合わせて実施 した 1 件を含む。

9

16

2

3

2

3 つの人材育成スキームの

単独実施 10

10

192

案件名 開発

調査

専門家 派遣

海外研修 受入 研修 通常 第三国

1 ミャンマー流通政策支援事業

2 インドネシア流通政策支援事業

3 ベトナム流通・外食事業者のためのマネジメント支援事業

4 ミャンマーサービス産業経営支援事業

5 中国土壌修復技術普及・標準化支援事業

6 中国排ガス測定・処理技術普及標準化支援事業 7 ミャンマーNSDI システム導入支援事業

8 中国電気自動車充電関連制度構築支援事業

9 ベトナムネイル産業検定・認証制度導入支援事業

10 インドネシア消化器内視鏡アドバンス手技普及支援事業

11 バングラデシュ画像診断技術普及支援事業

12 ベトナム消化器系がん検診システム普及支援事業

13 アジア紙リサイクルシステム構築支援事業

14 ASEAN 地域の重要インフラの情報セキュリティ強化支援事業

15 東南アジア若手デザイナー活動支援事業

16 ミャンマーゴム品質規格向上支援事業

17 タイ IT スキル標準策定・導入支援事業

18 タイ生産現場における安全管理資格制度構築事業

19 ベトナムコンテンツ産業知的財産普及支援事業

20 インドネシア向け日本の防災鉄鋼技術普及展開事業 21 カンボジア産業人材育成支援事業(MOTEGI プログラム) 22 ラオス産業人材育成支援事業(MOTEGI プログラム)

23 ミャンマー国鉄等経営改革支援事業

24 ミャンマー縫製産業人材育成支援事業

25 ミャンマー産業人材育成政策支援事業

26 インド産業人材ソフトスキル構築支援事業

②「3 つの人材育成スキーム」の組み合わせによる具体的取り組み

案件の中には現地の実態を調査・把握しないと案件の目標を達成するための有効な手法や指導内容の レベル設定等、研修や専門家派遣の計画設計を確定できないものもあった。このような案件については、

研修・専門家派遣を開始する前に当協会職員が関係者とともに海外カウンターパート候補及び現地関係 機関を訪問し、現地事情の調査、案件の目的や実施内容について説明・協議を行った。(開発調査⇒専 門家派遣/海外研修/受入研修)

本年度実施した組み合わせの中で最も多いパターンが、「専門家派遣/海外研修⇒受入研修」のパタ ーンであった。人材の効果的な育成には、「選抜と育成」が必要であり、研修参加者一人あたりの研修 経費がかかる受入研修では、キーパーソンの適正な選抜に工夫を要する。

そこで、海外研修の参加者又は専門家派遣の指導対象者の中から、講師又は専門家とともに審査(選 考)を行い、経済産業省と協議の上、受入研修の参加者を決定した。また、この組み合わせとすること で、有為のキーパーソンに対して継続的な人材育成を行うことが可能となる。帰国後に高い波及効果を 見込める人材を選抜し、かつ日本での研修に参加できるという機会提供によってモチベーションを維持 しつつ継続的に人材育成を実施することでその効果を高めることができた。下表は「専門家派遣/海外 研修⇒受入研修」の組み合わせ実施により成果を上げた案件事例である。

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<実施事例>

案件名 内容

ミャンマーサービス研修

(海外研修・受入研修)

ミャンマーにおいて経営者、店長クラス、現場リーダーのそれぞれに対する職位別 の研修を実施した後、経営者研修に参加させ、かつ部下をそれぞれの階層別研修に 参加させた経営者の中から日本とのパートナーシップに強い関心を持つ参加者を 選考し受入研修を実施し、日本のサービス業経営・政策を深く学び、日本とのビジ ネス連携に可能性のあるアクションプランの策定に至った。

バングラデシュ画像診断 技術普及支援

(専門家派遣・受入研修)

専門家派遣により、日本メーカーの超音波診断装置を活用して、現地医師・技師の スキル向上を図った。その上で、現地指導拠点の自律的な運営を促すため、受入研 修においてカウンターパートのインストラクターや技師に重点的な指導を行った ことにより、長期的には日本メーカーの超音波診断装置の将来的な機器販売の拡充 につながることが期待される。

ASEAN 地域の

重要インフラの情報セキュリ ティ強化支援研修

(海外研修・受入研修)

インドネシアを対象として「ISMS 全般に関する 3 日間コース(ENISK)」及び「ISMS と制御セキュリティに関する 5 日間コース(ENCSK)」の 2 種類の海外研修を実施し た。また ASEAN8 か国を対象とした海外研修「ISMS 制御セキュリティ・普及政策ワ ークショップ(ENPAT)」を実施したことにより、ASEAN 域内で合計 3 種類の海外研 修を実施した。さらにその後実施した受入研修は、ASEAN8 か国を対象に ISMS 導入 の際の具体的ステップや留意事項を深堀する内容とし、ASEAN 域内での水平展開が 進展した。(「ISMS」は下記(※)を参照)

東南アジア若手デザイナー 活動支援研修

(専門家派遣・受入研修)

フィリピン、タイ、インドネシア、ベトナムの 4 か国を対象に専門家派遣を行い、

本案件の主旨を周知させるとともにカウンターパートとの親密な関係を構築しつ つキーパーソンを発掘し、フィリピン向け、タイ向け、インドネシア・ベトナム向 けの計 3 回の受入研修を実施したことによって、各国のキーパーソンであるデザイ ナーとの連携関係が構築された。

カンボジア産業人材育成 支援事業

(海外研修・受入研修)

経営者研修、現場マネージャー向け研修の 2 種の海外研修に同じ会社から参加して もらい、全社的取り組みの重要性に対する認識を深めると同時に、経営者の中から 経営改善と日本とのビジネス連携に強い関心を持つキーパーソンを選定し、日本で の受入研修に招聘した。

※ISMS: Information Security Management System

(2)費用対効果を最大にし、広範囲に効果を波及させる工夫 (「効率的」案件実施)

人材育成スキームを組み合わせることによって効果の最大化を追求すると同時に、効率的実施にも配 慮しながら各案件を遂行するように努めた。同予算で大人数に対して実施することが可能な「海外研修」

や「専門家派遣によるセミナー」を効果的に配置し案件を効率的に実施した案件や、さらに広範囲に効 果を及ぼすためにテレビ会議システムを利用した遠隔人材育成手法も用いた案件もある。下表にそれら の事例を示す。

<実施事例>

案件名 内容

ミャンマー国鉄等経営改革 研修

(海外研修)

ミャンマー鉄道運輸省及び国鉄職員 25 名に対して民間の資金やノウハウを活用す る PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)型プロジェクトのスキー ムについて指導する海外研修を行った。次いで、当該内容を広く普及することを目 的として、鉄道関連業務に密接に関連するミャンマーエンジニアリング協会の会員 を対象に、海外研修の内容のエッセンスをまとめたセミナーを開催したところ 195 名の参加があった。

ベトナム消化器系がん検診 システム普及支援事業

(受入研修)

受入研修中に早期胃がん患者に対する内視鏡的治療(ESD(内視鏡的粘膜下層剥離 術))の様子をベトナムの 4 病院とライブ接続し、ベトナムでは事例の少ない日本 人医師の治療技術をより多くのベトナム人医師に紹介することができた。

ミャンマー縫製産業人材 育成支援事業

(海外研修)

現地滞在中の日本人に講師を依頼したことにより、研修の質を落とすことなく講師 派遣の手続きや費用の削減を可能にした他、土曜のみの 2 回構成での研修実施が可 能となった。そのため、最低賃金法の改正による人員削減の影響で、どの工場も平 日に研修生を派遣することが難しい中、現地縫製事業者からは研修生を参加させや すいと好評であった。また、研修生には研修初回と 2 回目の研修の間に学んだ内容 を復習、実践の上、2 回目の研修に参加してもらう事ができ、研修効果も高まった。

ドキュメント内 Microsoft Word - 事業報告書.docx (ページ 190-197)

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