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まとめ、今後の課題

2 章では、途中結果を復号鍵とする暗号化の方式は、暗号化理論により、確実に計算量が 増大する難読化方式である。途中結果を復号鍵とする暗号鍵を求めることができる。十進 数 8 桁の計算時間の実測は約 0.5 秒で、計算時間が見積もれるようになった。計算量を見 積もる難読化方式に加え、計算アルゴリズムを隠蔽する ROM 方式の難読化方式を検討し、

実際に実現構成を行い、モノクロ画像での電子透かし埋込み実験を行った。埋込み領域が 小さいため、周囲の切取りにも耐性があることが特徴である。一方、埋込みを拡大するに は、ROM 容量の限界が有り、難読性の強さを減らして、階層的な形式にしていくことが考え られる。

3章では、変換にDCTを用いて、1、2、3次元変換後に量子化による埋込みを行う電 子透かし方式を比較した。従来単独の結果しか得られていなかったが、埋込みビット数を 揃え比較し、定量的な特性比較を行うことができた。離散コサイン変換(DCT)を用いる 方式においては、1次元よりも2次元の耐性が高く、更に2次元よりも3次元が高い耐性 を持つことが示された。また、Chirp変換を用いる方式はDCTと同類の直交変換であるこ とから、耐性に関する性能はほぼ同程度であった。しかし、Chirp 変換は非対称で有るた め、平坦な画像部分にも有効な埋込みがなされ、DCT では埋め込んでも埋め込まなくても 検出ができ識別性が劣るのに比べ、平坦部にも埋込むことができることによる埋込み範囲 の拡大という特徴を持つ。Chirp変換を用いる方式においては、1次元、2次元、3次元の 比較を行ったが、特に3次元共にChirp変換を用いる3D-chirp変換方式は埋込み特性が悪 いことが分かった。これは、提案したChirp 変換が1次元のモデルで設計したためと考え られた。これに関し、多数の検証実験を繰り返した結果、DCTとChirp変換を組み合わせ る方式が特性がよくなることが分かった。最終的に、2D-DCTと1D-Chirp変換を組み合 わせた合計で3次元の変換を用いると耐性が最も高く、埋込み範囲も最も広くなるという 貴重な結果が得られた。

埋込み誤差については、誤差の逆数の対数評価である信号(S)対誤差ノイズ(N)の比で あるSN比の値で評価と比較を行った。埋込みビット数により、誤差が異なるので、1ビッ トあたりの埋込みに対する誤差に換算して、次元の違いで起こる不整合を調整した。また、

変換に用いた係数精度の詳細な検討などを行った。

4章では、2、3 章にまたがる統合方式の実験、その他文献に記載された他の方式の追試 実験、埋込みによる誤差の評価、他の多数の画像での実験を行い有効性を確認した。

今後は、難読化については、サイズの小さいブロックで ROM 方式によるアルゴリズムの隠 蔽を行う手法を開発してきたが、サイズの大きい領域への展開を行っていくことも重要で

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ある。また、特殊関数として、電子透かしに適合したものを検討することも有効である。

3D 電子透かしについては、2D-DCT と1D-Chirp 変換を組み合わせた方式が最適であった が、今後は新たな変換や、Chirp 変換に対しては、2、3 次元にも適用可能なモデルの構築 と、変換係数の開発など重要なことがらである。

76 論文リスト 学術雑誌(査読あり)

[1]Yuanyu Wei, Kazuo Ohzeki.”Two Obfuscation Methods by Controlling Calculation Amounts and by Table Function for Watermarks”. IJCSA 01/2011; 8:110 -122

国際会議プロシーディング(査読あり)

[2]Yuanyu Wei and Kazuo Ohzeki, “Obfuscation Methods with Controlled

Calculation Amounts and Table Function”, Proc. 3rd International Symposium on Multimedia ? Applications and Processing (MMAP), pp.775-780, Oct. 2010.

[3]Yuanyu Wei and Kazuo Ohzeki, “A New Obfuscation Method Using Random Functions”, Proceedings of Telecommunications, Networks and Systems (TNS), IADIS of MCCSIS July, 2010

学会

[4]魏遠玉、大関和夫、「表関数による難読化方式を用いた電子透かし埋込方式にお ける量子化特性の考察」P1-1, 2011 年度 画像電子学会第 39 回年次大会 2011 年 6 月 25 日

[5]魏遠玉、大関和夫、「DCT による難読化を用いた電子透かしの応用例の考察」、第 17 回創発システム・シンポジウム「創発夏の学校 2011」予稿 pp. 59-61 2011 年 8 月、計測自動制御学会システム・情報部門

[6]魏遠玉、大関和夫、平川豊、「難読化を用いた 8 次 DCT による電子透かし埋込み 方式」2011 年度映像メディ処理シンポジウム、pp.109-110、IMPS-I5-12、2011 年 10 月 26-28 日

[7]魏遠玉、大関和夫、「表関数による難読化方式を用いた電子透かし埋込方式」、情 報処理学会全国大会、セキュリティ部門、6Y-3、2011 年 3 月

[8]魏遠玉、大関和夫 情報処理学会第 73 回全国大会 6y-3-(561-562) 表関数による難読化方式を用いた電子透かし埋込方式 3/10 2012

[9]魏遠玉、大関和夫、平川豊、佐藤清次、「電子透かし埋込む方式に於ける 1 次元,2 次元,3 次元の DCT 性能比較」2013 年度画像電子学会第 41 回年次大会 P-7 6月23 日

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研 究 業 績 書

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