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まとめと今後の課題

ドキュメント内 Microsoft Word - 修士学位論文2.doc (ページ 77-81)

本章ではこれまでの研究のまとめと今後の課題について述べる

6.1 測定結果のまとめ

QVC-ASICの評価については以下のように結論付けることができる。

z 評価に使用した全てのQVC-ASICについてリニアリティがあることが観測され、

電流積分機能による基本動作がきちんと行われていることを確認することがで きた。

z 初期のQVC2005に見られたノイズの問題はバイアス回路のフィルターが原因で

あることがわかった。この問題に対してはバイアス回路のローパスフィルター周 りのレイアウト変更や、ローパスフィルターの容量の WELL について電源や GNDからの分離を行うことにより、QVC2006やQVC2007ではノイズは観測さ れなくなった。従ってノイズの問題は完全に解決されたといえる。

z QVC セル毎のオフセット電圧のばらつきはトランジスタのばらつきによるもの であることが確認でき、トランジスタのマッチングを考えたデザインによりこの ばらつきは抑えられることがわかった。

z QVC-ASICのゲインやダイナミックレンジは入力容量と積分容量によって決ま

るが、QVC2007の測定では実際のゲインがデザインから求められる理論値より

も大幅に小さいことがわかった。この原因はまだ特定されていないが、積分容量 値が設計値よりも大きめであることや入力容量値が設計値よりも小さめである こと、またバイアス条件が最適でなくこれによりオープンループゲインが低くな りゲインがさらに小さくなっていることなどが考えられる。一方ダイナミックレ ンジに関しては入力容量と積分容量の調節により、問題なく広げられることがわ かった。

z MPPC との接続試験においては LED の光量に比例した出力信号が観測され、

MPPCから出力される1p.e.毎のピークをQVC2007の出力において確認するこ

とができた。従って MPPC からの出力信号を電流積分機能によりきちんと処理 できていることがわかった。しかしゲインの値がテストパルスを用いて測定され たゲインよりもさらに大幅に小さいことがわかった。この原因はまだ特定されて いないが、容量の絶対値が大きくなってしまっていること、ASICのバイアス条 件が測定中に可変抵抗値を変更してしまったことにより最適値からずれてしま ったことなどが考えられる。

6.2 今後の課題

今後の課題としては以下のことが挙げられる。

z QVC2007 においてゲインが理論値よりも大幅に小さい値を示している理由につ

いて原因を究明する必要がある。現段階で理由として考えられる入力容量や出力 容量の設計値とのずれのやバイアスの最適値からのずれについても確認する必 要がある。

z MPPC からの信号を入力した際に QVC2007 のゲインが大幅に小さくなってい た原因を解明するため、さらに詳細な MPPC との接合試験を行う必要がある。

そのため測定環境においてノイズを低減すること、使用する MPPC の信号を前 もって測定し、どのような信号が入力されているのか明確にしておくこと、また MPPCがLEDから受ける光量を厳密に調節できるシステムを作り、再現性のあ る実験環境を整えることが必要である。

z 上記の確認やテストを行った後は、新規デザインにおいて多チャンネル化に向け たレイアウトの修正とそのテストを行うことが課題となる。さらにTMCを組み 込み、時間分解能1nsec を出すことも目標となる。

謝辞

本研究を進めるにあたり、指導を下さった川越清以先生に深く感謝致します。出張先 でしか測定が行えない私の状況をいつも心配して下さり、多くの助言を頂きました。

高エネルギー加速器研究機構(KEK)測定器開発室の田中真伸先生、村上武先生には直 接熱心なご指導を頂き、大変感謝しております。不慣れな土地に出張し、何もわからず 不安で一杯だった私に知識や技術を一から教えて下さいました。また訪問の際はスケジ ュールや宿舎の心配までして下さるなど大変親切にして頂き、常に安心して研究を進め ることができました。お二方の丁寧なご指導と多大なサポートなくして本論文を完成さ せることはできませんでした。心より感謝しております。また同じくKEK測定器開発 室の藤田陽一先生、児玉英世先生には実験の新システム立ち上げの際やネットワーク接 続に問題が生じた時に何度も助けて頂きました。本当にありがとうございます。

本研究を進めるにあたって必要となる知識や技術を指導して下さり、また多くの助言 を下さった田村勇樹氏には深く感謝しております。教わった知識が様々な場面で生かさ れ、私にとって大きな助けとなりました。

魚住聖氏にはMPPCの知識や実験を行う際の技術についてご指導頂き、研究生とし ての考え方も学ばせて頂きました。大変感謝しております。

研究室で同期の岡田勝吾くん、門坂拓哉くん、楠本彬くん、新保直樹くん、丹羽正く ん、松川陽介くんには困った時はいつも助けて頂き、大変心強かったです。とても感謝 しております。

毎日楽しく研究生活を送ることができたのは上山敬五くん、池田紘子さん、金子敬宏 くん、高崎耕平くん、松浦朋希くんが同じグループにいてくれたおかげです。本当にあ りがとう。

研究室の皆様には常に助けて頂き大変ご迷惑もおかけ致しました。本研究は皆様の支 えがあってこそのものです。楽しく充実した研究生活を送らせて頂き本当にありがとう ございました。

最後に、常に私を支えて下さった両親、祖父母、弟妹、そして私を励まし味方となっ て下さった全ての方々に深謝致します。

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