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ひだ構造と電流を用いた運動表現手法

3DCG を用いたオーロラの表現手法

3.3 ひだ構造と電流を用いた運動表現手法

本手法では,電離層上部の2次元平面において磁気圏起源の電流と,電離層起 源の電流からひだの一部にかかる斥力を計算しオーロラのスプリッティング,シ アーという運動を再現する.さらに,電場からオーロラのひだの回転運動を再現 し,そのうえで,磁気圏起源の電流と電離層起源の電流からひだの一部にかかる 引力を計算し,ディスコネクション,リコネクションという運動を再現する.

第 3.3.1項でオーロラ分布や,運動を計算する領域について述べ,第 3.3.2項で

オーロラの発生初期段階から起こるスプリッティングや,シアーを再現する手法 を述べ,第 3.3.3項でひだの回転運動を再現する手法を述べ,第3.3.4項でオーロ ラに複数のS字構造が発達することで発生するディスコネクション,リコネクショ ンを再現する手法に述べる.

3.3.1 オーロラの分布表現

本手法では,オーロラの分布や,その変化を電離層の高さ方向を無視した2次 元平面上にて考える.オーロラの分布に関して複数の点列で構成する折れ線とし て近似することで,各点列にかかる力を計算しスプリッティングや,シアーや,ひ だの回転運動を再現する.また,点列の接続状態を条件によって変更することで,

ディスコネクション,リコネクションを再現する.オーロラの分布を表す点列中 の点には,オーロラのひだ構造を表現するために2つの種類を設けた.1つ目は,

オーロラのひだを構成する端点として電流からかかる力で運動する点であり,2つ 目は,ひだの周囲で運動する点にかかる力の補間によって運動する点である.一

定間隔ごとに電流によりかかる力で運動する点を生成し,その各点の間に補間で 運動する点を生成した.また,オーロラの運動を電離層上部の電流の働きと想定 して表現するために,上向き電流の流れる点と下向き電流が流れる点を1つのペ アとして考え,電流からかかる力によって運動する各点には,磁気圏起源の電子 が電離層に入射することで発生する上向き電流と,電離層起源の電子が磁気圏に 入射することで発生する下向き電流を交互に設定した.このようにひだの構造を モデル化した.

3.3.2 スプリッティング,シアーの表現

スプリッティング,シアーの運動を表現するために,その運動が発生する主因を 電流により生じる磁場と想定し,ひだ構造の各点に流れる電流からアンペール力 を求める.

ひだの構造モデルに設定する電流は,地球の磁場に沿って平行に流れる電流で,

電流の向きは逆であるため,2点間の電流よって各点には互いにアンペール力によ る斥力が働く.アンペール力が働くことで,ひだが引っ張られるようにして広がっ ていく動きを再現する.

現れる運動がシアーか,スプリッティングかどうかは,ひだの各点間をオーロラ にそった方向の成分と,垂直な成分に分離し距離を比較することで分かる.オーロ ラにそった方向の成分が卓越していると運動もオーロラにそったものとなり,オー ロラの運動としてはシアーと対応する.オーロラに垂直な成分が卓越していると 運動もオーロラに垂直なものとなり,オーロラの運動としてはスプリッティング と対応する.

真空の透磁率をµ0 1点目の電流をI1,2点目の電流をI2,2点間の距離をr,電 流が流れる長さlにかかるアンペール力の大きさを,次の式 (3.15)で示す.

F = µ0I1I2

2πr l (3.15)

ここで,本手法では電離層の高さ方向を無視したので,電流が通る長さlは,実際 24

の電離層が存在する高度80kmから500kmに対して十分小さな値として1mとし た.また,アンペール力の向きは,アンペール力の発生元である点からアンペー ルが働く相手の点の方向である.

3.3.3 ひだの回転運動の表現

ひだの回転運動を,地球の磁場に垂直な電場と,現在の速度,地球の磁場から 求めたローレンツ力により再現する.ここで,アンペール力とローレンツ力は互 いに根本的には同じ力ではあるが,スプリッティング,シアーの表現法と,ひだの 回転運動の手法において求まる運動は異なる.それは,スプリッティング,シアー の表現法では各点に流れる磁場に沿った電流と,各点の平行電流によって発生す る磁場の作用によって生じる力であるのに対して,ひだの回転運動の手法では地 球の磁場に垂直な電場と,現在の速度,地球の磁場の作用によって生じるからで ある.

電荷素量をq0,地球の磁場をB,ひだの構造モデルの各点における現在の速度 をv,地球の磁場に垂直な電場をEとしたとき,ひだの各点にかかるローレンツ 力を式 (3.16)で示す.

F=q0(E+v×B) (3.16)

3.3.4 ディスコネクション,リコネクションの表現

本手法では,高緯度側に存在するひだの端を構成する点同士には同じ向きの平 行電流が流れているため,アンペール力によって互いに引き合う引力が発生する.

本研究では,高緯度側に存在する同じ向きの平行電流による引力の大きさと,高 緯度側の点と低緯度側で接続している点における逆向きの平行電流による斥力の 大きさを比べ,高緯度側の点同士の引力が強くなった場合,点列の接続関係を変 更する.高緯度側と低緯度側で接続していたひだの接続関係がなくなることがディ

スコネクションに相当し,高緯度側の点同士で新しい接続関係を持つことがリコ ネクションに相当する.

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