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第 2 章 太陽光発電の発電量予測手法の導出

2.1 はじめに

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第 2 章 太陽光発電の発電量予測手法の導出

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2.1 はじめに

長期エネルギー需給見通しに従い、太陽光発電(以下、「PV:PhotoVoltaics」)は、2020

年に2.8GW,2030年に53GW(東海地区で2020年に0.4GW,2030年に0.8GW:独自

に算出)の導入が見込まれている(【図 2-1】参照)。図 2-2,図 2-3 に示す通り2013年度 には、PVの電力購入が風力発電を超えて0.9GWhとなり、中部電力管内においては、当 初の導入予想(2020年に0.4GW)に反して平成26年度に再生可能エネルギーの余剰電力

購入量が0.4GWhに迫る勢いであったとの報告がある[2.1]。

図 2-1 太陽光発電の導入シナリオ

〔出典:経済産業省『長期エネルギー需給見通し(2010年度)』より、作成〕

前章では、再生可能エネルギーの導入拡大が進むと、電力系統の安定維持に影響を及ぼ し、安定的に電力を需要家に供給できなくなる可能性があることを論じた。当初予想より も早くPVの導入拡大が進んでおり、発電量が1GW を超えると、系統側では出力変動に よる影響を吸収し切れなくなることが指摘されている[2.2][2.3][2.4]。

このため、「新エネルギー導入大網」や「経済危機対策」で政策設定したPV導入目標、

「エネルギー基本計画」で設定した再生可能エネルギー導入目標を達成するために、課題 解決に向けた取組みが実施されている。具体的には、図 2-4 に示すように導入拡大に伴い 発生するであろう系統課題に対して電気事業者,メーカー,法人間で課題を整理し、段階 的に対応していく計画である。

図 2-2 太陽光・風力発電からの電力購入量の推移

〔出典:電気事業連合会『INFOBASE2014』より、抜粋〕

図 2-3 中部電力の余剰電力購入量の推移(H26年度は暫定値)

〔出典:中部電力(株) 『CSR2014』より、作成〕

2.1 はじめに

図 2-4 太陽光発電システムの導入と系統課題

〔出典:(財)電力中央研究所『1stINT’L SMART GRID EXPO講演資料次世代電力 インフラを構成する最新技術動向』より、作成〕

近年、始めに表面化した系統問題は、図 2-4 にある通り配電系統の電圧管理であった [2.5][2.6][2.7][2.8][2.9]。軽負荷時に配電系統に接続する一般家庭のPVにより、系統 側の電圧が上昇すると共に、配電用変電所から見て末端のPV発電者(一般家庭)は、適 正電圧を超えたため出力抑制がかかる(PV発電不可)事象が多発している(【図 2-5(a)】

参照)。

図 2-5(b)のようなSVC等の新設による設備対策などには時間を要するため、現在、系 統運用者が、電力系統からSCの切離し、ShRの投入、配電用変電所の変圧器で降圧する など、その都度、電圧調整を実施している。なお、配電用変電所の変圧器(バンク)で逆 潮流が発生するため、配電変電所の設備対策も必要となる。なお、本対策について、中部 電力(株)は、既にの検討済みであり、順次対策を行っていく予定である[2.1]。このため、

本研究では、これ以上の追及は実施しない。

PV は、他の再生可能エネルギーに比べて地域的な偏在の度合い少ないことから基本的 に設置場所を選ばない[2.10]。このため、面的に多地点で電力系統に接続するため、将来 的には全系周波数の維持など安定度が課題となる。供給信頼度を維持し安定した電力系統 の運用を行うためには、短周期・長周期の各時間軸において発電量を精度良く把握,予測 することが重要となる。

PV の出力予測や変動予測時間を需給運用に対応すると、数分先から数十分予測は負荷 周波数制御(以下、「LFC:Load Frequency Control」)に、数十分から数時間先予測は経

済負荷配分制御(以下、「EDC:Economic Dispatching Control」)に、翌日予測に関して は経済負荷配分計画(以下、「ELD:Economic Load Dispatching Control」)に対応する。

日射量予測やPV出力予測(出力変動予測)について注目し、これまでに多くの研究が行 われているが[2.11][2.12][2.13]、近年の社会情勢を踏まえると、よりEDC や ELD に 対応したPV発電量予測の精度向上が望まれる。

(a) 設備対策前

(b) 設備対策後

図 2-5 太陽光発電システムの導入と電圧問題

〔出典:経済産業省『次世代送配電ネットワーク研究会(2010年度)』より、作成〕

最適な経済負荷配分を立案するためには、PV 発電可能量(上限・下限)を推定する必 要がある。高精度な推定が可能となれば、火力発電等の待機電源が計画的に効率良く運転 可能となり、将来的に需給バランス(供給力確保と最適な需給調整)の確保が期待できる。

そのためには、入力データとなる全天日射量の予測精度向上が必要となる。

そこで、本章では、最適な経済負荷配分を立案するために、全天日射量の予測精度向上 を図り、翌日(又は当日)のPV発電可能量(上限・下限)を推定する手法について論じ る。