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図 6‑4‑2

基板温度に対する欠陥の活性化エネルギー

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T[KJ  1 0 0  

図 6 ‑ 4  ‑ 3 F .   D w o r s c h a k 達の結果

‑67‑

‑66‑

6‑5 まとめ

以上をまとめると、(1)低温基板上に金属を蒸着した場合、作製される膜は、表面凹凸 や欠陥を多数含む多孔質なものとなる。 (2)蒸着の際に生じた欠陥は、膜のアニーリング により欠陥消滅の活性化エネルギーの低いものから消滅する。 (3)欠陥消滅の活性化エネ ルギーは基板温度に比例する。

7 章多重極表面ポラリトン (MSP) の励起及び観測用装置の開発

参考文献

[1]  A.G.Matbewson and 日P.Myers.  J. Pbys. F 2(1972)403.  [2J  O. Hunder i and 日P.阿yers.J.Phys.F3(1973)683. 

[3J  E. V.Albano.  S.Daiser.  G.Ertl.  R.Miranda and K. Wande1t.  Phys.Rev.Lett.  5] (] 983) 23] 4. 

[4J  K. R. 0・Sheaand R.W.Fane.  J.Phys.F 1(1971)925. 

[5]  P.H.McBreen and M.Moskovites.  J.Appl.Phys.  54(]983)329.  [6J  C.E.Reed.  J.Giergiel  and S.Ushioda.  Phys.Rev.  B31(1985)1873. 

[7]  L.Le.  L. Yanghua.  Y.Gongda.  W.Wencheng and Z.Zhiming.  Phys.Rev.  B39(1989)8728.  [8]  S.Nagata.  M.Ogino and S. TaniJchi. Pbys.Sta

t .

Sol.  102(987)71

1 .  

[9J  R. W.Fane and W.E.J.Neal.  J.Opt.Soc.畑.60 (970) 790. 

[10J W.E.J.Neal.  R. W.Fane and N.W.Grimes.  Phil.Mag.  21(1970)167.  [1]] A. W.Overhauser.  Phys.Rev.  90(1953)393. 

[12]阿.Doyama and J.S.Koehler.  Phys.Rev.  127(1962)21. 

[13]  F.Dworschak.  K.Herschbach and J.S.Koehler.  Phys.Rev.  133(1964)A293.  [14]  M.Doyama and J.S.Koehler.  Phys.Rev.  134(1964)A522. 

[15J  C.Lee and J.S.Koehler.  Phys.Rev.  176(1968)8]3.  [16]  V.  Vand Proc.Phys.Soc.  A55(1943)222. 

[17J  S.  Ceresara.  H. El kho Iy  and T. Federi gh

i .  

Phi 

1 .  

Mag.  ] 2 (1965) 1105.  []8]  S.Ceresara.  Phi

1 .

Mag.  19(968)99. 

7‑1. はじめに

薄膜の表面近傍の電子密度は、複雑な空間分布をしていることが知られている。ジェリ ウムモデルでは、図5‑1‑1に示すように、表面の電子密度は、バルク値から徐々に零 になっている。この部分は、バルクに対してセルページと呼ばれている。この表面の電子 状態を観測することが、今後の薄膜技術の発展には必要である。

バルク

セルページ

5 ‑1

金属表面の電子密度

しかし、このセルベージの厚さは極めて薄いため、この部分の電子状態を観測するのは 非常に困難である。セルページに光が入射されると、セルベージは電界や磁界を放射する 電気双極子層となる。そして、この極めて薄いセルページ部分に励起される多重極表面ポ ラリトン CMSP)の存在は理論的に知られている[1.2] 0 このMSPの励起による共鳴吸 収をATR法を用いて観測すれば表面近傍の電子状態を探ることが可能である。

J. 

E .  

S i pe [1]は、セルページを考慮して、 MSPの分散関係を理論的に計算した。これを 図7‑1‑2に示す。

図7‑1‑2中の実線がセルページを考慮した時のMSPに対する分散関係で、点線は セルベージを考慮しない場合の通常のSPに対する分散関係である。又、破線は、それぞ れ真空中とプリズム中の光の分散関係である。しかしながら、このMSPの存在は、理論 や電子エネルギー損失分光法[3Jを用いて間接的に確認されているものの、未だにに光を用 いて観測したという報告はない。以前、我々の研究室でもその分散関係を計算し、励起観 測を試みた[4J。しかし、観測装置に膜のアニーリングをする機構が装着されていなつかっ たため、 MSPの直接励起・観測には至らなかった。そこで、本研究では、このMSP励.

起・観測用装置の開発をした。

︒ ︒

U

‑69‑

3.5  3. 11  (10 s cm ‑1 ) 

2. 2.0 

15 

〆 れ じ ん

⑧ 

アンプルを用いた蒸発源

B:流量調節バルブ C:フレキシブルチューブ D:アルカリ金属アンプル

図 7 ‑2 ‑1

A:蒸発源取付けフランジ

&.11

5.

5.

5.4 

5.2 

{τ

S

Ee

5

4.

4.

4.

7

‑3

.   MSP

観測のための光学系

図7‑3‑1に、測定系を示す。図7‑1‑2を見ると、 MSPの励起・観測を行うた めには、紫外域 (300nm近辺)の平行光が必要である。紫外域の光源としては、重水 素ランプ(約200"‑'400凹)、 Xeランプ(約300‑‑‑‑‑1100nm)等がある。紫外域から可視域にわた る広い周波数域で、 1つの光源で測定を行えるようXeランプ(ILCTechnology PSI000‑ 1 A)を用いた。ランプから出た光は分光器(応用分光AIR50A)に入射され、任意の周波数 成分の光りとされる。そして、チョッパー(MonoLight9000)を通して任意のチョッピング 周波数とされ、フィルターを通して余分な波長成分をカットした後、レンズ・ピンホール を通し平行光とされる。この光を、プリズム底面に焦点を持つレンズに入射する。このレ ンズへの入射位置を変えることで、光の入射角度を変えることができる。出射された信号 は、光電子増倍管(浜松ホトニクス372)により検出されロックインアンプ (NF5020A)を 通してコンビュータ (NECPC9801)に入力される。この光学系は、 3章で述べた、超高実 空のI‑ATR装置と同一平面上にある。このため、蒸着中は I‑ATR装置の光学系を 用いて、波長632.8nmの光に対するATR信号を観測することで膜厚の制御を行う。又、

蒸着後にI‑ATR装置で得られた角度スキャンのATR信号と、 MSP観測用装置で測 定した波長632.8nmの光に対する角度スキャンのATRを比較することにより、正確に信

1i i

7

‑1 ‑

2 J .  E .   S  i 

peにより計算された

MSP

の分散関係

7 ‑ 2 .

実験装置

MSPを観測するにあたり、試料としては、 「可視域に近い領域で、MSPの観測可能な プラズマ周波数の低いもの。 Jという点からアルカリ金属を選んだ。しかし、アルカリ金 属は、非常に反応性が高いことはよく知られている。このため、清浄な表面を得るために は、超高真空下で、液体窒素温度で冷却した基板上に蒸着し、表面を平滑にするため膜の アニーリングを行う必要がある。アルカリ金属は、 Al以上に反応性が高いため、蒸着後 1O‑7pa以下の真空圧力で、さえ残留ガスとの反応が考えられる。この反応をある程度抑えるた めに、アニーリングを行った後に基板を再び冷却する。前章で示したように、アニーリン グによる欠陥の消滅による変化は不可逆的であるので、基板を再び冷却することによるアル カリ金属膜への影響はないと考えられる。又、アルカリ金属の蒸着源としては、ディスペ ンサーを用いる方法と、アンプルを用いる方法がある。蒸着速度のコントロールが容易で、

ガスの放出の少ない後者を選んだ。アンプルを割るために、アンプルが入れられている部 分にはフレキシブルチューブが用いられている。アンプルを用いた蒸発源を図7‑2‑1

に示す。

‑70‑

号の角度補正を行うことができる。そして、それぞれの入射角度で、周波数を走査し、 M SPの分散関係を測定する。この分散関係を解析することで表面の電子状態を探ることが できる。

7‑4.  まとめ

アルカリ金属を蒸着するための蒸発源を作製した。周波数スキャンのATR装置を、超 高真空のI‑ATR装置に取り付けることでMSPの励起 ・観測可能な装置の作製に成功

した。

参考文献

[1J J.E.Sipe.  Surf.Sci. 84(1979)75. 

[2J E'JecrOlllagnetic

s n

九令'ceKode ,s ed.  A.  D. Boardman.  (John Wi ley & Sons.  New York.  1982). 

[2J  K.‑D. Tsuei  and E. W.Plummer, Phys.Rev.Lett. 64(1990)129.  [3]  B.Morita.  M.Fukui  and O.Tada, J.Phys.Soc.Jpn.  54(1985)278. 

‑72‑

Vacuum 

Optical 

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Xe‑Lump  Amp I i f i e r 

7 ‑ 3 ‑1MSP

観測装置光学系 L '"'‑'L:レンズ PD1、PD2:フォトディテクター

‑73‑

Current  Supply 

Terminal 

8

章 ま と め 付 録 反 射 率

R

の導出

全反射減衰 (ATR)法は、金属薄膜の物性を解明するにあたり非常に有効な点法であ る。この手法で得られるATR信号を様々な条件下で測定できる超高真空のI‑ATR装 置の開発に成功した。

金属薄膜の光学定数を、 I‑ATR装置用いて測定し、表面凹凸、残留ガスや基板温度 が金属膜の光学定数に与える影響を調べた。これにより、

1)  CaF2LiFを下地膜とし、その上に銀を蒸着した場合、銀膜は大きな表面凹 凸を持つ。その大きさは、下地膜の厚さに比例する。下地膜がMgF2の場合には、

大きな表面凹凸は形成されない。

2)  残留ガスによりAlは容易に酸化され、 10‑4Pa以上では蒸着中でさえ酸化が 起こり、 10‑5'"'‑'10‑6Paでは蒸着後徐々に酸化が進む。このため、表面の汚染 を防ぐには 10‑7p a 以下の真空圧力が必要で、ある。また残留ガスの殆どは水素で あるが、この水素は、 Alの光学定数に全く影響を与えない。

3)  低温基板上に金属を蒸着した時、その膜は多数の欠陥を含んで、いる。この欠陥はア ニーリングにより消滅する。欠陥の種類や、消滅過程には様々なものがあるために、

欠陥消滅に対する活性化エネルギーには分布がある。

というととが明らかになった。。

本研究では、基板の表面凹凸、真空度、基板温度を変えて、その上に作製した金属膜の 光学定数を測定した。これらの結果は、金属薄膜に見られる様々な現象の解明やデバイス の開発に非常に有用であると考えられる。

多重極表面ポラリトン

(MSP)

の新しい測定系を提案し、その開発に成功した白

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ε 1 α 1  

2 α 2  

αI=Jk

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I(ω2 / 

C 2 )  

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z=O、dで電界の接線成分及びの法線成分が連続であることから

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謝 辞

3‑E(

ー に + : 恥 + : ) α p 附 + ( : ‑ : ) ( : 一 二 αp ) ( ‑

本研究の遂行と論文の作成にあたり、終始適切な御指導を賜った徳島大学工学部光応用 工学科工学博士福井高嘉夫教授に心より感謝の意を表します。

本研究を進めるにあたり、数々の有益な御指導を賜った徳島大学工学部電気電子工学科 工学博士新谷義康教授に心から感謝致します。

本研究の遂行にあたり、適切な御指導を賜った徳島大学工学部光応用工学科Ph.D西岡

一水教授及び徳島大学工学部共通講座理学博士金城辰夫教授に心より感謝の意を表します。

本研究の遂行にあたり、終始適切な御教示を賜った徳島大学工学部光応用工学科工学博 士原口雅宣講師に心から感謝致します。

超高真空装置の開発や実験を進めるにあたり、惜しみない協力を賜った桑原稔文部技官 に心から感謝の意を表します。

超高真空装置の作製にあたり、適切な御指導を賜った徳島大学機械工場の古市、平川、

森本文部技官に心より感謝致します。

長きにわたり、共に同じ研究室で学んできた芝治也氏に感謝致します。

実験を進めるにあたり、惜しみない協力を戴いた徳島大学工学部電気電子工学科物性デ バイス講座福井研究室の学生の皆様に感謝致します。

最後になりましたが、長きにわたり学資の援助を戴いた

OMRON

株式会社に心から感

謝致します。

となる。これをフレネル係数を用いて表すと、

2 +3exp(‑2α

グ)

23‑

+円んexp(‑2α

〆)

となる。 r12r23はそれぞれの界面でのフレネルの反射係数である。反射率Rは、 R=I円231

2

となる。ここでは3層構造の時のRの導出を行ったが、 4層構造の場合も同様の手順によ り、

│ κr234exp(

←一2勾α3

〆 列

d

刈 )I   ρ

R=

ι

斗→

ι

h

'ii23412 11+

234exp(‑2α

〆)

一 ろ3 +4exp(‑2α

戸 )

34

+弓んexp(‑2α2h) となる。

‑76‑ ‑77‑

研究業績 [研究論文]

論文題目

Optical constants of  silver films  on  fluoride films and their aging  histories. 

Thc effects of  resjdual  gases  on  optical  constants Al  films.  Attenuated total  reflection  spectra of  the aluminum and  silver bilayer. 

[解説論文

J J

論文題目

金属薄膜の表面凹凸と物性計測

発表誌・巻・号・頁・年

Surface Science  Vol.271  (1992) 201.  Surface Science  Vol.290 (1993)  421.  J.  Phys. Soc. Jpn. 

(投稿中〉

発表誌・巻・号・頁・年 応用物理

第61巻、第12号 (1992) 1231. 

78‑

共著者

M.  Fukui  Y.Shintani  M.Kuwahara  M.Fukui  Y.Shintani  R.Lung  M. Fukui 

講演報告

講演報告題目 発表学会・年月 共同研究者 金属薄膜形成過程における 電気関係学会四国支部 矢 野政則 光学定数の変化 連合大会、1989年10月 福井高書夫 アルミニウム膜の品真空中での 電気関係学会四国支部 福井議書夫 光学膜厚と光学定数の経時変化 連合大会、1990年10月

CaF2膜上の銀膜の光学定数と 日本物理学会 福井詩書夫 その経時変化 1991年春の分科会講演

1991年3月

Al薄膜の光学定数に与える残留ガス 第52回応用物理学会 福井高書夫

の影響 学術講演会

1991年10月

表面凹凸上の銀膜の光学定数 電気関係学会四国支部 福井高需夫 連合大会、1991年11月

削減膜の光学定数に与える残留ガス 電気関係学会四国支部 桑原稔 の影響 連合大会、1991年11月 福井蔦毒夫

新谷義虜 低温基板上に蒸着された金属膜の 日本物理学会第47回 桑原稔 光学定数 年会、1992年3月 福井高書夫

新谷義虜 金属膜の光学定数に与える基板温度 電気関係学会四国支部 福フじ博文 の影響 連合大会、1992年10月 桑原稔

福井蔦書夫 新谷義虞 波長及び角度スキャンATR信号の 電気関係学会四国支部 福フE博 文 瞬時的観 測装置の開発 連合大会、1992年10月 原口雅宣

福井高書夫

Alの光学定数に与える残留ガス及び 日本物 理学会第48回 桑原稔 基板温度の影響 年 会、1993年3月 福井高蕎夫

新谷義贋 銀薄膜の誘電率の偏光方向依存性 日本物理 学 会 川下義之 の研究 1993年秋の分科会 原口雅宣

1993年10月 福井蔦書夫 低温基板上に蒸着した金属膜の 電 気関係学会四国支部 桑原稔 光学定数 連合大会、1993年10月 福井高著夫

新谷義康 波長及び角度スキャンATR信号の 電 気関係学会四国支部 福フE博文 瞬時的観測装置の開発 連合大会、1993年10月 原口雅宣

福井蔦書夫

‑79‑

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