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各観察回において上記7つの席とり行動のうち1つの席 とり行動でも示した場合1点を与えた。各々の子どもに ついて3回の観察を行ったので得点レンジは0〜3点と なる。平均値を2歳児・4歳児クラスごとに算出し平均 値の差の検定を行った結果,4歳児クラスの値は(1.71, sD=0.89),2歳児クラスのそれよりも(0.30,sD=0.59)

有意に高かった(#(86)=8.62,,〈、01)。

分 析 2 : 座 席 位 置 の 分 析

分 析 2 の 方 法 分 析 1 に お い て 席 と り 行 動 と 評 定 さ れ た 場合について,7つの席とり行動カテゴリーの各々が,

どこに位置する他者に向けられたものかを分析した。ま ず,着席位置の位置関係をタテ,ヨコ,その他に分類し た(Figurelにそれぞれの例を図示した)。タテの関係 とは,身体が正面から向き合う対面関係および斜めに相 対する位置関係であり,かつ子ども達が互いに握手でき るほど近接した距離内にある場合である。ヨコの関係と は,テーブルの一辺に隣合わせて座る場合と,テーブル の角をはさんで並ぶ場合を含み,いずれにおいても,子 ども達が互いに握手できるほど近接した距離内にある場 合である。一辺に隣合う関係とテーブルの角をはさむ直 角関係をまとめたのは, 手をつないだまま座れる, こ とに意味があるように思われたことと(共に手をつない だまま座ることができる),直角関係を「横だよね」と いう発言が3事例観察されたことによる。その他の関係 とは,子ども達が互いに握手できないほど離れた距離に ある場合をいう。

2名の評定者が,全員の座席が決まった場面のビデオ をみて,分析1で席とり行動があったと評定された場合

花 子 ○ ×

。 に .

△ △

相 談 提 案 移 動 抗 議 回 避 積 極 承 諾

○△× ××

× × ×

< a > < b >

○:ヨコの位置関係

△:タテの位置関係

× : そ の 他 の 位 置 関 係 Figurel座席の位置関係の一例

についてのみ,着席位置がタテ・ヨコ・その他のいずれ にあたるのかを評定し(一致率=.94),不一致の点は協 議して決定した。

分 析 2 の 結 果 と 考 察 こ の 分 析 に よ り 以 下 の 結 果 が 得 ら れた。第1に,2歳児では,全ての席とり行動がヨコの 位置関係で生じていた。第2に,4歳児では,「移動」に つ い て は 9 例 の う ち 4 例 が タ テ の 位 置 関 係 で 生 じ て い た。第3に,他の6カテゴリーについては,その全てが ヨコの位置関係で生じていた。幼児が「今日は一緒に食 べようね」と相談したり,提案したりする場合,それは ヨコに並んで座ることを意味しているのであり,タテに 座ること,あるいは 握手できないくらい離れた距離 をおいて座ることを意味しているのではない。他者が自 分のヨコに座ろうとした時には,時として「ここ座らな いで−」と抗議したり,黙って他の場所に席をとること がある。しかし,近接する距離内でもタテに座ろうとし た場合,あるいは離れた場所に座ろうとした場合には,

こうした拒否行動を示さない。

ただし,「移動」については,ヨコとタテの関係で生 ずる席とりがほぼ半数(5vs、4)ずつ観察された。「移 動」は,他者の動きを気にしながら,何もいわずに自分 の位置を他者に接近させるという行動であり,観察され た範囲内では,数名の他者が事前相談等によってすでに 仲 間 を 組 ん で 座 っ て い る と こ ろ に , ア プ ロ ー チ す る と い う文脈でみられた(6/9)。既に形成されている仲間集 団に仲間入りを求めていく際には,仲間入りを拒絶され るという危険性がある(倉持,1994)。そのため,他者 か ら よ り 拒 否 さ れ に く い タ テ の 座 席 が 選 ば れ る こ と も 生 じたのではないかと考えられる。

分析3:2歳児の座席の好みの分析

分 析 2 で は , 食 事 場 面 の 着 席 位 置 に つ い て , 4 歳 児 は タテよりもヨコの関係を好むことが示された。先の分析 1 ( 席 と り 行 動 の 頻 繁 さ の 検 討 ) で 示 さ れ た よ う に , 2 歳 児 は 着 席 位 置 に 関 す る 意 見 を 表 明 す る こ と が 少 な い 。 '1をlble2各席とり行動カテゴノノーについて,一度でも

席とり行動を示した子どもの比率と頻度

0.0 (0 6.7 (3)

誘 い 拒 否 受 諾

注 . 上 欄 は 比 率 , 下 欄 ( ) 内 は 頻 度 。

39師② 9く2く

7.0 (3) 75.6 (34

0.0 (0 31.1

(14 2歳児クラス

"43 4歳児クラス

"45

9.3

20.0

(9)

0.0 (0 6.7 (3) 7.0 (3) 6.7 (3)

実 際 に 座 っ た 座 席 位 置 ヨ コ タ テ そ の 他 ヨ コ タ テ そ の 他 213

これらの結果は,2歳児も4歳児同様,現象的には他 者に対してタテよりもヨコの位置関係をもつ座席を好む ことを示している。ただし,分析1および2で示された ように,4歳児の場合には「一緒に座りたい子」に対す る明確な働きかけであるのに対し,2歳児の場合には,

対象が特定された働きかけであるとは必ずしもいえな い。したがって,2歳児も4歳児同様の噌好(すなわち,

タテよりもヨコを好む)を示しているが,必ずしも同じ 意味をもった行動とはいえないかもしれない。この点に ついては,全体的考察において議論する。

分析4:座席位置と相互交渉の頻繁さの分析

では,なぜ幼児はヨコの位置関係を好むのだろうか。

そこにはどのような意味があるのだろうか。前述したよ うに,成人における対面関係への噌好は,実際の相互交 渉量の多さに関連していることがわかっている(山口,

1996)。これを考慮すると,幼児がヨコの関係を好むこ とについて2つの対立する仮説がたてられる。第1に,

幼児においても成人同様,対面あるいは斜めに相対する 位置関係,つまりタテの位置関係の方が相互交渉が生起 しやすく,幼児におけるヨコの位置関係への噌好は,相 互交渉の生起しやすさによる裏付けをもたない。第2に,

幼児の場合,成人と異なりヨコの位置関係の方が相互交 渉が起こしやすく,ヨコヘの噌好は相互交渉の生起しや すさという裏付けをもった行動である。分析4ではこの 問題を検討する。

分 析 4 の 方 法

く 分 析 の 対 象 > ひ と つ の テ ー ブ ル に 着 席 し た 全 員 の 子 どもが食べ始めてから,子ども達のやり取りを撮影した ビデオを分析した。4つの保育園で各3回観察を行った ので,この分析で対象とするテーブル数は各年齢12卓 である。着席した全員の子どもが食べ始めてから10分 間の全ての発話と主だった視線および行動を転記した。

ただし,ひとつの保育園では準備のできた者から食べ始 めるという様式をとっていたため,参加者全員が食べ始 めてから10分経過するまでに1名が食べ終えてしまっ たという観察回が1回あった。そのためこの回について のみ8分25秒分の分析資料である。ひとつのテーブル あたりに座った子どもの数は,各年齢12テーブルを平 均して2歳児クラスで4.8名(SD=0.72),4歳児クラス で5.1名(SD=00.76)だった。男女の比率はほぼ1:1だ 分析2では,着席位置の噌好が「言語的・身体的行為に

よって表明された」場合のみを分析したため,2歳児が 着席位置に関して特定の噌好をもっているのかが明確で はない。そこで,分析3では,2歳児がいかに着席位置 を決めていくのかを検討することにする。

分析3の方法2歳児が席を決めるときに,テーブルに 既に座っている他者に対してどのような位置関係をもつ 席を選ぶのかを,子どもが,既に座っていた子どもに対 して,タテ・ヨコ・その他の関係をもつ座席のどこに座 ったのかを調べた。Figurel<a>のように,太郎が座 っているところに次郎が現われたとする。次郎が座れる 座席の選択肢は5つあり,うち2つが太郎に対してヨコ の位置関係(○印)にある座席,2つがタテの位置関係 (△印)にある座席,そして残り1つがその他の位置関 係(×印)にある座席である。そこで,次郎が既に席を 決めている他者(太郎)に対して,ヨコの位置関係に座 る期待値は2/5,タテの位置関係に座る期待値は2/5,

その他の位置関係に座る期待値は1/5となる。

座席を決める順番が遅くなるにつれ座席の選択肢が少 なくなるので,各テーブルについて2番目に座席を決め た子ども,3番目に座席を決めた子どもについてのみ,

ヨコ・タテ・そ雲の他の位置関係にある座席に座る期待値 と,実際にどの座席を選んだのか(実際値)とを比較し た。こうした方法をとったのは,子どもが選択すること のできる座席の位置およびその数が,一番初めに席を決 めた子どもや保育者の座る場所等によって変わってくる からである。

4つの保育園各3回の観察を通して,全部で29テーブ ルのデータが得られたため,この分析の対象者数は,2 番目に座った子どもと3番目に座った子ども各29名で ある。これらの対象者を,ヨコの位置関係にある座席と タテの位置関係にある座席に座る期待値が(1)ヨコ>タ テの子ども,(2)ヨコータテの子ども,(3)ヨコ<タテの 子 ど も と い う 3 つ の ケ ー ス に 分 類 し , 実 際 に ど の 座 席 に 座ったのかを調べた。

分 析 3 の 結 果 と 考 察 2 番 目 に 席 を 決 め た 子 ど も , 3 番 目に席を決めた子どもの各々について,Table3に結果 を示した‐期待値がヨコ>タテの場合,ヨコータテの場 合,ヨコ<タテの場合の各々について,実際にヨコの座 席 に 座 っ た 子 ど も の 人 数 v s ・ タ テ に 座 っ た 子 ど も の 人 数 に つ い て サ イ ン 検 定 を 行 っ た 。 そ の 結 果 , 2 番 目 に 座 席 を選んだ子どもについては,ヨコータテの場合について 有意な差が認められた(14vs,1, 〈、01)。3番目に座席 を 選 ん だ 子 ど も に つ い て は , ヨ コ ー タ テ の 場 合 と ( 1 2 vs、1,P〈、01),ヨコ<タテの場合について(10vs、2,

p〈.05)有意な差が認められた。いずれの場合も,子ど もは他者とタテの位置関係にある座席よりも,ヨコの位 置関係にある座席を選ぶことが多かった。

nlble32歳児クラスにおいて,席に座る際の位置関係

5u2

2番目に座った子ども3番目に座った子ども

014

保育園の食事場面における幼児の席とり行動

0皿⑩

期待値がヨコ>タテ ヨ コ ー タ テ ヨ コ < タ テ

2 1 1

030 012

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