オーディオ・アプリケーション(DAWソフトウェア)をインストール したUSB搭載のコンピュータにVoiceLive 2を接続した際の一般的な活 用法は次の通りです:
1. パフォーマンスのフル・ミックスをキャプチャーする 2. DAWで再生したヴォーカル・トラックにプロセッシングを施す 3. ヴォーカルとギター・トラックをドライで録音する
2. DAWで再生したヴォーカル・トラックにプロセッシングを施す VoiceLive 2をエフェクト・インサートとして使用するには、I/Oパラ メーターを次の通り設定します。
DIGITAL IN: USB:VOX L / INST R DIGITAL OUT: FULL MIX
DAW側で、ヴォーカル・トラックをVoiceLive 2のレフト・インプット に、そして楽器のトラックをライト・インプットに送るようにAux センドを設定します。モニタリングはVoiceLiveのヘッドフォンまたは メイン・アウトから行なえます。VoiceLive 2を出力オーディオ・デバ イスとして再生する場合は、DIGITAL INをUSB: STEREOに戻します。
3. ヴォーカルとギター・トラックをドライで録音する
ハーモニーを使用するには、完全にドライのモノラル・ヴォーカル・
トラックと、オプションでドライのインストゥルメント(ギターまた はキーボード)トラックまたはMIDIトラックが必要です。I/Oパラ メーターを次の通り設定します。
DIGITAL IN: USB: FULL MIX DIGITAL OUT: VOCAL & GUITAR
マイクとギターをVoiceLive 2に接続します。ヘッドフォンをVoiceLive 2 のヘッドフォン・アウトに接続します。ヘッドフォンからはプロセッ シングが施されたヴォーカルとギター・エフェクトを含むギターの サウンドが出力されますが、DAWへはヴォーカルとギターがドライの まま出力され、後から2.の方法でプロセッシングを行なえます。
デジタル・インプットについて
サンプルレートは自動的に入力デジタル・オーディオに同期します。
VoiceLive 2では、独立したサンプルレートの設定はありません。マイク 等のアナログ・インプットをVoiceLive 2のデジタル・アウトから出力 させるには、先に短時間DAWを再生するなどしていずれかのデジ タル・インに信号を送ることでサンプルレートが設定されます。
DIGITAL INをUSB:-- またはSPDIF:VOX L / INST Rに設定すると、MICと GUITAR IN端子は無効となります。
DIGITAIL INをUSB(またはSPDIF):STEREOに設定すると、NATURAL PLAYがAUX INPUTに設定されているプリセットにおいて、選択した デジタル・インプットの信号がハーモニーをコントロールします。
VoiceLive 2 をコンピュータに接続する
デジタル・アウトプットについて
DIGITAL INパラメーターをSPDIF:からはじまるいずれかの設定にする と、USBオーディオ出力はオフとなります。
SPDIFデジタル出力はDIGITAL IN/DIGITAL OUTの設定に関わらず、
常に有効です。
USB オーディオと ASIO アプリケーション
Cubase等一部のPC用DAWアプリケーションでVoiceLive 2をオー ディオ・デバイスとして認識させるには、ASIO4ALL(www.asio4all.com からダウンロード可能)等の「WDM-ASIOラッパー」と言われるソフ トウェアをインストールする必要があります。
オーディオ・デバイスの選択
OS XとWindows Vistaでは、ワークステーション・プログラムで使用 するVoiceLive 2のオーディオ・デバイスを名称で選択できます。一部の Windows XP用DAWアプリケーションでは、デバイス名が「USBオー ディオ・デバイス」となります。
USB と MIDI コントロール
VoiceLive 2をUSB接続しながらMIDI INジャック経由でハーモニー/
プリセット変更/リアルタイム・コントロール等を行なう場合は、
SETUPメニューのI/Oタブ内にあるUSB CONTROLをオフにします。
USBオーディオは通常通り機能しますが、MIDIコントロールはMIDI IN ポートのみが有効となります。
VoiceSupportの機能とDAWからのMIDI受信を有効にするには、USB CONTROLをONに戻します。
VoiceLive 2 をコンピュータに接続する
本セクションでは、VoiceLive 2のエディット・パラメーターを個別に 解説いたします。本セクションは次の3部に分かれています。
グローバル・コントロール: TONE / PITCH / GUITAR
FX - トーン/ピッチ/ギター・エフェクト
EDIT - エディット・メニュー(エフェクト固有のタブを
含む)
SETUP - セットアップ・メニュー(メニューに含まれる
4 つのタブを含む)
詳細セクション
TONE - トーン・ボタン
TONEボタンは、「ライブ・エンジニア・エフェクト」と呼ばれる機能 をオンにします。これらは標準的なヴォーカル・プロセッシング・
エフェクトとは異なり、プロフェッショナルのオーディオ・エンジ ニアが行なう操作のように、シンガーの声や、歌い方の変化に合わ せて設定を変えていきます。ここで施されたEQやコンプレッション によるエンハンス効果は、ハーモニー/ダブリング/リバーブ等、
全体のサウンドにも反映されます。
TONEは、次のエフェクトで構成されます。
o ADAPTIVE SHAPE EQ - アダプティブ・シェイプEQ o ADAPTIVE COMPRESSION - アダプティブ・コンプレッション o DE-ESS - ディエッサー
o ADAPTIVE GATE - アダプティブ・ゲート
TONE - トーン・タブ
TONEボタンを長押しするとTONEスクリーンが表示され、設定の 確認と調節が行なえます。TONEタブでは、TONEを構成する4つの プロセッサーを一つの画面からコントロールできます。HOMEボタン を押すことで、いつでもこのタブ・メニューを終了できます。
TONEのデフォルトの設定は次の通りです。
o SHAPE
ADAPTIVE = X(On)、SHAPE = 50%
o COMPRESS
ADAPTIVE = X(On)、COMPRESS = 50%
o DE-ESS DE-ESS = 50%
o GATE ADAPTIVE
これらのセッティングは幅広いシンガーのテイストとPA機器にマッ チングするようになっています。設定を調節するには、LCDの下の MIX/EDITノブを回します。TONEボタンをオン/オフさせることで、
原音とのサウンドの違いを比較しながら設定を勧められます。
「Adaptive」(アダプティブ)エフェクトはアルゴリズムの構造上ヴォ イスの入力を解析する必要があるため、設定を調節してからサウンド が聴こえるようになるまで若干のタイムラグが生じます。
グローバル・コントロール: TONE - トーン
ADAPTIVE - アダプティブ・チェックボックス
「ADAPT」は「順応」「適合」という意味の単語です。SHAPEと
COMPRESSエフェクトでは、アダプティブ機能を使用することにより、
原音の変化に合わせてエフェクトの設定自体を自動的に調節させる ことができます。
NOTE: いずれか、または両方のADAPTIVEチェックボックスを外す と、そのコントロールはMANUAL(マニュアル-手動)に変わります。
手動で設定を調節するには、ナビゲート・ボタンで調節したいパラ メーターのエディット・タブを表示させ、ノブを回します。
SHAPE - シェイプ・コントロール
「SHAPE」は「形成」という意味の単語です。VoiceLive 2のSHAPE コントロールは、ADAPTIVEチェックボックスをオンさせることで 有効となる、自動調節型のEQです。SHAPEプロセッシングはカー ディオイド・マイクの近接効果による音のこもりを軽減させ、声に 空気感とブライトネスを与えます。0%〜50%の範囲ではこもりを 軽減させながら、一般的な範囲でブライトネスを与えます。50%〜 100%の設定では、ブライトネスがさらに強調されます。
こもりの軽減
低周波数帯域が少ない声質のシンガーにとって、サウンドのこもりの 軽減は微量となり、場合によってはその違いが確認しにくいかもしれ ません。これは心配することではなく、低域に関しては特別な対策を 講じる必要がないことを意味します。一般的な男性シンガーやマイク を口に近づける女性シンガーの場合は、差が確認できる範囲で、有効 にベースが低減されます。声の低域が多すぎると、帯域がかぶる他の 楽器と音が混ざり、全体的なサウンドが「団子状態」になりがちです。
低域を下げることで相対的な比重が中域・高域に移り、楽器隊との 分離が向上します。
最後に、「近接効果」と「カーディオイド」といった用語と低域のこも りの関連を解説します。典型的なヴォーカル・マイクは、マイクの 前面からの音を主として背面から音を拾わない、「カーディオイド」と いわれるハート型のピックアップ形状を持ちます。これは、マイクが シンガーの声を集音しながら他の楽器等の音を極力排除するためのも のです。この特性の副作用として、ほとんどのカーディオイド・マイ クでは、近接すると低域が強調されます。この現象はマイクの「近接 効果」と呼ばれます。VoiceLive 2のシェイプ機能はマイク入力のヴォ イスを継続的に解析し、プロフェッショナルなプロダクションのバラ ンスに近づけます。
グローバル・コントロール: TONE - トーン
ハイの強調
シェイプ機能のもう一つの側面として、声を細らせることなく高域を 加えることにより空気感やプレゼンスを加えることができます。CDや ラジオで聴くことのできるヴォーカル・サウンドは、マイクなしの シンガーを生で聴く音とは音響的に大きく異なります。一般的な
「ヴォーカル・サウンド」は、リアルであることが主目的ではなく、
楽器隊との分離を高めてリスナーに歌唱のインパクトを強調するバラ ンスに仕立て上げられています。シェイプ機能は、通常の設定では、
平均的なマイクとPAシステムを通したサウンドをエミュレートし ます。
SHAPEを調節する時には、ステージ上のモニターではなく、PAシス
テムを通った観客側のサウンドを基準に設定を行なうことが極めて 重要です。
COMPRESS - コンプレッション・コントロール
「COMPRESS」とは「圧縮」を意味する単語です。ADAPTIVEコント ロールをオンにすると、COMPRESSコントロールは声の大きい瞬間と 小さい場面での音量差を少なくして、ヴォーカル・サウンドを音量的 により均一にします。この処理は、歌唱内容を解析(30秒以下)した 上で自動的に調節されます。
典型的なコンプレッサーは多くの調節が要求され、知識と経験、そし てその場面に合わせた設定の微調整が必要となります。TC-Heliconの アダプティブ・コンプレッション機能は、これらの負担を軽減します。
デフォルトの設定である50%は、一般的なライブ環境において、コン プレッサーの一般的な副作用であるフィードバックを誘発せずにシン ガーのダイナミクスをほどよく制御するバランスの設定となっていま す。フラットな周波数特性の高品質なモニタリング/PAセットアップ でコンプレッションをより強くかけたい場合は、COMPRESSコント ロールで値を上げることも可能です。通常のシステムは周波数特性の ピークがあるため、過度のコンプレッションをアダプティブ・シェイ プEQと組み合わせるとフィードバックが生じる点にご注意ください。