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(28) となる.右辺の第 2 項目に対して,前節と同様にしてダイアグラムの方法を適用することができ

る.すると式

(28)

d

dt λ | ρ ( t )| ν = i

λ |[ ρ ( t ) , H s ( t )]| ν

+

λ ν

t

0 dt

M ˆ ( t, t )

(λ,ν)(λ )

λ ( t )|ν

, (29)

と書き換えられる.ダイアグラムから行列

M ˆ ( t, t )

の式に変換する規則は

(1)

を除いて前節と同じ である.規則

(1)

は次のように変更される.

(1’)

垂直な線で2つに分割できない位相幾何学的に異なるダイアグラムをすべて描く.ただし ダイアグラムの両端には必ず結節点が1つずつなければならない

.

2,3

にダイアグラムの例 を示す.

2:

摂動の

2

次のダイアグラム

3:

摂動の

4

次のダイアグラム 量子ゲートとして二重量子ドットを用いた場合,そのハミルトニアンは

H S ( t ) = J ( t )S 1 · S 2 + 2 j=1

B j ( t ) · S j , (30)

で与えられる.

本講演では,二重量子ドットに対して

M ˆ ( t, t )

の部分を摂動の

4

次までで近似したときの結果 を報告する.

 

  高頻度金融時系列の特徴について高頻度金融時系列の特徴について高頻度金融時系列の特徴について高頻度金融時系列の特徴について 田中美栄子

宮崎大学工学部情報システム工学科

[email protected] Abstract

Abstract Abstract Abstract

為替変動の微細な動きを調べると、大まかに言 ってランダムに見えるが有限の記憶長を持つ。

ここでは

5

年半にわたる大量のデータを計算 機で自動処理することにより、この記憶長が長 期にわたって一定の値を持つことを、条件付確 率、自己相関関数、および相互情報量によって 計算し、それぞれの方法で独立に求めた記憶長 が一致した値となることを示す。

1.

1. 1.

1.

序論序論 序論序論

価格変動は長期トレンドと短期ノイズに分け て考えることができ、短期ノイズは第一近似と してはランダムウオークであるとされ、正規分 布で近似するのが普通である[1]。しかし為替 や株価の短期変動データを調べてみると正規 分布ではなく、裾野の広がった分布をしている。

これは

fat-tail

と呼ばれ、多くの研究者のあい

だで一致した見解となっている。

しかしながら、裾野が広いという以上に厳密 な統計分布の形となると、初期に言われていた 指数

1.4

Levy

分布[2]かどうかには様々の異 論がある。特に分布の裾野のほうと中心部分を 同一の分布として扱うことは困難であるとさ れているようである。定常性が必ずしも保たれ ているとは限らない為に、安定分布と決めつけ ることにも疑問がある。

また、統計規則だけからは時系列が何個前ま での情報に支配されて動いているのかといっ た、予測可能性に関わる情報は引き出しにくい。

また、短期変動のデータは分量が大きいことや、

主に投資のプロのあいだで高価格で購読され ているという事情により、入手は現在でもまだ 比較的困難である。また、配布自体が始まった ばかりであるため、数々の問題を抱えている。

その最たるものが誤記録である。周辺の値と何 桁も異なる値が

1

点だけ入っているのはどう 見ても誤謬である。しかし中には注文そのもの が間違っていたけれども、一桁安い価格をつけ たために即時に実行されてしまうという場合 もあるので、常に誤りを伴う人間行動に関する データから何らかの法則を読み取る場合には 様々の条件を考慮しなければならない。

次に問題となるのはデータの種類である。ロ イター端末などからリアルタイムで流れてく る為替の現在価格を記録したデータなどは実 際に取引が行われた価格のみではなく、いわゆ

quotation

価格が多く含まれている。そのた

めに取引の少ない時期には同じ価格が並んで 続くということがよく起こる。しかも、世界の 異なる地点における

quotation

が次々と時系 列になって出力されるため、全く無相関な事象 が連なって出てくるということが多い。

これらの問題を考慮した上でなお、数百万個、

あるいは数千万個にわたる時系列を一挙に見 渡すことにより、高頻度金融時系列のみが持つ 様々の特徴を拾い、その性質を知ることが可能 である。[4--7]

本論文ではまず、細かい値動きにどのような 規則が見えるのかを、大量のデータを処理する コンピュータ・プログラムを用いて行った結果 を報告する。その一つの方法として、価格の変 動幅を無視して上下の運動のみに注目した場 合に、上下運動に見えるパターン、すなわちあ

る時点での向きとそれに続く向きに相関があ るのか(相関がなければ「↑↑」と「↓↑」は 同義であり、次に上昇する、「↑」という現象 が過去の履歴に関係なく生成される。)、またそ れはどのくらいの長さの記憶を持っているの か、を

2

値運動の条件付確率の時系列をコンピ ュータ・プログラムによって自動生成すること によって行う。

その結果驚くべきことが判明した[3,4,5]。全 体として「↑」と「↓」はほぼ半分ずつ現れる が、「↑↑」、すなわち上昇の後にさらに上昇す るものは7割、「↓↑」、すなわち下降の後に上 昇するものは約

3

割と非対称になり、しかも非 常に長期にわたって条件付確率が一定となる のである。このことはある種の定常性が長期に わたって見られることを意味しており、価格変 動の性質を解明するのに重要な手がかりを与 えるものと期待される。

ここで条件付確率を計算する際に

2000

個の データを単位として平均を取っているが、この 単位を短くしすぎると、この性質は見えなくな る。

500

以上にとればかなり落ち着くので、こ こでは

200

個を単位として確率を計算してい る。このような経験則から確率を計算すること には危惧もあるが、他に方法もないのでこれを 採用する。

この結果を見ると、ある時刻における事象の 生成には、少なくとも一つ前の事象が影響して おり、その影響には一定の規則性のあることが 伺える。では二つ前まで遡るとどの程度の影響 があり、何らかの規則が見えるものであろう か?  このような考察を次々と続けて行って、

ある一定の深さでそれが途切れるならば、この 時系列はマルコフ的な性質を持つと言える。そ の場合、系はマルコフモデルで記述でき、予測 が可能になる。ここで注意すべきことは、予測 可能な動きは決定的ではなく、あくまで確率的 なものに限定されるということである。

プログラムは記憶長

7

までのバイナリ条件

付確率を自動生成する。記憶長

m

に対してそ れぞれ2の

m

乗個の条件付確率が存在するの でそれらを

200

個ごとに区切ったデータごと に計算して時系列を出力する。これをグラフに 描くと、m=1,2,3,4,5くらいまではかなり安定 であるが、

m=1

から

3

までは

m

が増すごとに 明確な差異が出現するのに対し、m=4 以上で は、生成される条件付確率が本質的に

m=3

と 同じ

8

つの値の上に重なって行き、新たな情報 としては現れない。このことは記憶長が高々3 つの上下運動程度以内であることを示唆する。

このことを確認するために、過去の動きと未 来の動きのあいだの相互情報量を計算すると、

記憶長を

m=1から m=2

に増やすと明らかに

相互情報量は増加し、更に

m=3

まで増やすと 更に増加するが、

m=4

以上は

m=3

に重なって しまうことから、上の考察と同じく記憶長は

3

であることが結論される。

同じことはもっと直接的に、自己相関関数を 計算することによっても確かめられる。価格時 系列を

T

単位ずらしたものとの積の平均から それぞれの平均の積を引いたものは、現在価格 と

T

時刻もし無相関なら

0

の値をとる。

2.

2. 2.

2.

     微細な価格変動の特徴微細な価格変動の特徴微細な価格変動の特徴微細な価格変動の特徴

為替データは価格変動の細かい動きが最も大 量に連続した形で手に入るため扱いやすい。ここ では

5

年半にわたる長期の

tick

データから読み 取れる、価格変動の微細な動きの定常性に焦点を 当て、価格変動の持つ記憶の長さが長期にわたっ て一定であることを示す。

Tick

データとは価格が動いたときにその時刻 と

bid

値と

ask

値を記録したもので、時間的には 等間隔ではない。また、為替については指値注文 のあるたびに記録されるが誰がどのような分量 の注文をしたかは明らかにされないし、それが約 定したのかどうかも不明である。しかし膨大なデ

ータが蓄積されていることから、それらが示す価 格変動の特徴を分析することは価格がどのよう な規則を持つものかを探る上で重要な手がかり を与えるものと期待される。

同時刻における

bid

値はその時刻の

ask

値より 常に低い。何故なら

bid

値はディーラーの買値で あり

ask

値はディーラーの売値であるから、安 く買い、高く売るのでなければディーラーとして は利益が上がらないことになる。このディーラー と取引する場合、売るときはあちらの買値で売ら ねばならず、買うときはあちらの売値で買わされ ることになる。

bid

値の時系列を調べるのと

ask

値のそれを調 べるのとでは一般に

bid

時系列の方が誤りが少 ないと言われている。しかしこの二つはほぼ平行 に動くため、実際にはどちらをとっても大差はな い。ここでは

ask

値の方を分析に用いた。

価格変動の特徴を見るためにデータの単純化 を行う。

1

回の動きの大きさまで考慮すると場合 の数が多すぎるので、思いきって上下運動に限定 する。しかも「動かない」場合はさまざまの理由か ら少々多く出過ぎるため、これを無視して「動い た場合」のうちでいくつが上昇し、下降したかと いう情報に限定する。こうすると、上下運動はほ ぼ半分ずつ現れるため、もし現時刻の価格がその 前の価格と全く無相関であるならば、

P(↑|↑)=P(↑|↓)=P(↑)=0.5 (1)

であると予測される。

  ここでは

1995

年から

2001

年にわたって日本 円対アメリカドルの為替値を記録した

usdjpy.a

(データ数:10,000,000)から条件付確率を推測 する。このように分量の多いデータはコンピュー タで自動解析するのが良い。

まず

10,000,000

データをいくつかのデータセ

ットに分割し、それぞれのデータセットに対して

2 m

個の条件付確率を記憶の深さ

m

に対して計 算し、結果を条件付確率ごとに名前をつけた別の ファイルに、データセットの順番に時系列として 自動出力する。

表記の便宜上、価格上昇を示す↑の代りに「1」

を、価格下降を示す↓の代りに「0」を使うこと にすると、(1)式は

P(1|1)=P(1|0)=P(1)=0.5     (1’)

と書ける。

このデータセットの大きさをどの程度にすべ きかが問題となるが、Fig.1に示すように様々の 大きさの分割データに対して深さ

1

での条件付

確率

P(1|0)、P(1|1)を計算した結果、2

万個以

上でほぼ安定することを確認した。

0.0005 0.001 0.0015 0.002 0.0025 0.003 0.0035 0.004 0.0045 0.005 0.0055 0.006

0 10000 20000 30000 40000 50000 60000 70000 80000 90000 1000

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