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つは,鎮静状態からの回復を的確に評価することである.

2.成果の概要

外来患者において精神鎮静法が重要なことの 1 つは,鎮静状態からの回復を的確に評価することである.

患者の帰宅の仕方はさまざまであるが,一般的な外来患者では公共交通機関を利用して単独で安全に帰宅で きるための判定が必要である.そこで,プロポフォール鎮静後の帰宅判定の評価法を検討した.プロポフォ ール静脈内鎮静を用いた時の帰宅判定として安全で独立歩行の可能な帰宅時期を決めるには歩行テスト,鎮 静スコアによる自覚症状の回復で評価するのが適切であると考えられた. また,target controlled infusion を用いた場合には予測血漿濃度を帰宅時期の判定の客観的評価として参考にすることは有用であると考え られた. 

   日歯麻会誌 

32(3), 345〜355, 2004. 

   2000 年 1 月から 2002 年 12 月までの 3 年間に東京歯科大学千葉病院歯科麻酔科外来で全身管理下に処置 を行った症例について,統計的に検討した.受診患者数は 2000 年 1048 名,2001 年に 1068 名,2002 年 1165 名と経年的に増加していた.特に歯科恐怖症等の患者の増加が著しかった.また 3 年間を通じて,65 歳以 上の高齢者の患者数に増加がみられた.患者の内訳は 3 年間を通じて有病者(約 35%) ,障害者(約 25%)

が多かった.患者管理法では,ミダゾラム単独投与による静脈内鎮静法が多く行われていた.また歯科麻酔

科外来における全身麻酔症例は,2000 年 97 症例から 2002 年 143 症例と増加しており,特に入院を伴った

らでも開始できるシステムの変更によるものと考えられ,全身麻酔症例は,今後も増加していくと考えられ た. 

      歯科学報 104(3), 310〜315, 2004. 

   1996 年 4 月〜2003 年 3 月の 7 年間における東京歯科大学千葉病院外来患者の救急症例で,歯科麻酔科が 管理した 106 例について retrospective に検討した.救急症例の発生頻度は来院患者の 0.007%(106 人 /1508586 人)であった.救急症例は,基礎疾患や既往歴の有無に関わらず発生していた.また,重症症例 も含め,前回報告した全身偶発症の発生率にも差が認められないことから,予防対策とともに,歯科治療に 際しては常に全身的偶発症が起こる可能性があることを認識し,迅速に対応できる体制を確立しておくこと が重要と考えられた. 

日歯麻会誌

33(1), 68〜74, 2005. 

 

  4)ペインクリニック 

   顎顔面領域の慢性疼痛疾患には,allodynia や hyperalgesia が特徴的な complex  regional pain syndrome や心因性疼痛などがあり,いずれも極めて治療が困難である.これらの疾患の大脳皮質の活動状態を脳磁図 から評価し,慢性難治性疼痛の発現における大脳皮質各部位の関与を明らかにし,治療指針の検討目的とし た.CO

レーザー痛覚刺激装置を用いて出力の違いによる三叉神経支配領域皮膚の痛覚誘発脳磁場(pain‐

SEFs)の記録,各種鎮痛薬剤の pain‐SEFs に対する効果を検討した.大脳皮質二次体性感覚野(痛覚領野)

は,三叉神経領域の痛覚刺激強度依存性に活性化される事が認められた.ケタミンはその応答を可逆的に抑 制する事から,大脳皮質への痛覚入力過程におけるグルタミン酸受容体を介する神経伝達機構を抑制する事 で鎮痛効果をもたらす事が示唆された.一方,オピオイド受容体に作用するフェンタニルは,痛覚入力過程 においてケタミンとは異なった作用を持つと考えられた. 

   Int  Congr  Ser  1270, 121〜125, 2004. 

 

  5)教育 

   卒前臨床実習のカリキュラムの変更により,109 期生から当科でも前期臨床実習が独立して行われるよう になった.新しい前期臨床実習では,従来の実習項目(血圧測定,静脈確保,下顎孔伝達麻酔,吸入鎮静法

(後期) ,心肺蘇生法(後期) )に加え,技能系実習として,モニタリング機器の装着,高齢者疑似体験,対 診書作成および全身麻酔記録の作成,症例検討(PBS)として,高齢者・有病者の全身管理計画および障害 者の全身管理計画を行った.実習最終日の前日に OSCE を行い,実習最終日に口頭試問を行った.実習終了 後には,全身に対してアンケート調査を行った.アンケート調査の結果から,現在の歯科麻酔科臨床実習に 対する学生の評価は比較的よく,実習の成果も上がっていると考えられた.今後は,より効率的でより診療 参加型の臨床自習を目指すべく,実習の内容の再検討が必要と考えられた. 

歯科学報 105(1), 55〜60, 2005. 

 

 

 

 

 

 

 

3.学外共同研究 

学外研究施設  担当者 研究課題 

研究施設 所在地  責任者 

櫻井  学  抗炎症を目的としたアデノシン 三リン酸(ATP)製剤の口腔外科 手術への臨床応用 

岡山大学大学院  歯科麻酔学分野 

岡山市 宮脇  卓也 

金子  譲  静脈内投与アデノシンの鎮痛 作用に関する研究 

ハーバーUCLA メディカル センター麻酔科 

アメリカ 福永  敦翁 

一戸 達也  静脈内鎮静時の酸素療法  ハーバーUCLA メディカル センター麻酔科 

アメリカ 福永  敦翁 

櫻井  学  アミノフィリンの麻酔からの 回復に対する研究 

ハーバーUCLA メディカル センター麻酔科 

アメリカ 福永  敦翁 

 

 4.科学研究費補助金・各種補助金 

研究代表者 研究課題  研究費 

一戸 達也  口腔内痛覚誘発脳磁場に関する総合的研究  口腔科学研究センター  松浦由美子 心拍出量の連続的モニタリングによる歯科 

外来患者の治療中の安全性の向上 

科学研究費・若手(B) 

 

 5.研究活動の特記すべき事項      講  演 

講演者  年月日  演  題  学会名  開催地 

一戸 達也  2005.  2.25  「口腔内感覚の脳内認知機構の解明 とその臨床医学的展開」の研究構想

平成16年度東京歯科大学 口腔科学研究センター   ワークショップ 

千葉市 

福永 敦翁  2004.10.  2  血液ガスと組織酸素化からみた麻酔 と呼吸管理の仕方—呼吸回路の Dead  Space、Rebreathing、Hypercapnia、

Acidosis と Low Flow— 

日本歯科麻酔学会雑誌会  東京 

 

シンポジウム 

シンポジスト 年月日  講演演題  学会・研究会名  開催地 

一戸 達也  2004.  3.  5  医学教育における PBL  日本歯科放射線学会  東京 

 

 6.教育講演等教育に関する業績,活動      受  賞 

受賞者名 年月日  賞  名  テーマ  学会・団体名 

一戸 達也  2004.  7.12  教育システム開発賞  SGD を取り入れた「情報科学」   日本歯科医学教 育学会  櫻井    学  2004.10.21  DR.ELMER ZSIGMOND AWARD Exogenous ATP Postentiates 

and Aminophylline Reverses  Propofol‑induced 

Sedative/Hypnotic Effects  as Assessed by BIS in Human  Volunteers 

International  Society for  Aaesthetic  Pharmacology 

 

教育講演等 

講演者 年月日  演  題  学会・研究会名  開催地 

一戸 達也  2004.  5.29  有病者の歯科治療と救急薬品の使用法 山梨県歯科医師会講演会  甲府市  一戸 達也  2004.  7.  8  歯科患者の全身的偶発症と 

救急薬品の使用法 

佐原市香取郡歯科医師会 講演会 

佐原市 

一戸 達也  2004.  7.29  患者が倒れた・・・さあ、どうする? 東京歯科医師会  平成16年度卒後研修 

東京 

一戸 達也  2004.  4.27  歯科の局所麻酔について  KO デンタル講演会  東京 

間宮 秀樹  2004.  8.29  歯科麻酔に関する新しい器材と薬剤  MDA 研修会 福岡市  一戸 達也  2004.  9.13  新しい心肺蘇生法とパルスオキシ

メータ使用のコツ 

東 京 歯 科 大 学 同 窓 会    日本橋支部医療管理講習会 

東京 

金子  譲  2004.  9.15  救急蘇生法  京橋歯科医師会  東京  間宮 秀樹  2005.  9.17  安 全な 顎変形 症手 術のた め の

周術期の麻酔管理 

昭和大学歯学部  口腔外科学講座講演会 

東京 

金子  譲  2004.  9.23  インプラント治療における局所麻酔と 全身管理 

大阪インプラント研究会  大阪市 

金子  譲  2004.10.  9  歯科医療事故の現状と対策  熊本歯科三水会  熊本市  一戸 達也  2004.10.15  歯科治療後の麻痺と痛み  東京歯科大学 

理工懇談会講演会 

東京 

一戸 達也  2004.11.  6  診療室における偶発症とその対処法  夷隅郡市歯科医師会  障害研修講演会 

夷隅郡 

一戸 達也  2004.11.19  口腔外科医のための安全で確実な 顎変形症の外科的治療周術期管理 

日本口腔外科学会  第25回教育研修会 

湯沢市 

金子  譲  2004.12.11  高齢者・有病者の歯科治療を安全に 行うためになすべきこと 

東京歯科大学同窓会  茨城県支部総会 

水戸市 

金子  譲  2005.  2.16  救急蘇生と救急薬品  中野区歯科医師会  東京 

 

  教育ワークショップ等 

氏 名  年月日  ワークショップ名  役 割  開催地 

一戸 達也  2004.  5.15 

〜16 

第 11 回東京歯科大学カリキュラム 研修ワークショップ 

タスクフォース 千葉市 

一戸 達也  2004.  6.18 

〜19 

平成 16 年度第 1 回共用試験歯学系