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ちょうど n 面をもつ方形描画の符号

ドキュメント内 離散構造の効率的な符号化に関する研究 (ページ 82-85)

第 6 章 様々な離散構造の符号

6.2 ちょうど n 面をもつ方形描画の符号

本節では, ちょうどn面をもつ底辺つき方形描画に対して符号を定義する[53].

3,4章では, 各点の次数が高々3の底辺つき方形描画を取り扱っていたが, 本節では,

6.2. ちょうどn面をもつ方形描画の符号 83

図 6.6: ちょうど5面をもつ底辺つき方形描画の根描画R(5).

v v v

F F F

(a) (b) (c)

図 6.7: (a), (b)上向き消去可能な第1面と, (c)左向き消去可能な第1面 各点の次数は高々4の底辺つき方形描画を扱っていく. 次数が5の点を含む底辺つ き方形描画は存在しないので, 本節では,全ての底辺つき方形描画を取り扱うこと になる.

ちょうどn(≥ 2)面をもつ底辺つき方形描画からなる集合をSnとする. Sn中の 各方形描画に符号を定義するため, Snの間に根つき木の構造を定義する.

いくつかの定義からはじめよう.

外周上の2本の垂直線分を含む面をスパン面と呼ぶ. 直感的に, スパン面は, 方 形描画の西側と東側の外面に隣接している. スパン面F の下側にある全ての面が スパン面であるならば,F を底スパン面と呼ぶ. これ以降の図では底スパン面を点 線で書きあらわす. n面をもつ底辺つき方形描画をRとする. Rの全ての面が底ス パン面であるならば, Rを, ちょうどn面の方形描画の根描画と呼び, R(n)と書く.

例として, 図6.6にR(5)を示す.

Sn中の底辺つき方形描画をR 6= R(n)とする. 外周上の左上隅の点を含むRの 面をF とする. FRの第1面と呼ぶ. 図中の方形描画の第1面は全て灰色で表 されている. F の右下隅の点をvとする. もし, vが南へのびる線分をもつならば, F を上向き消去可能という. 図6.7(a)と(b)に上向き消去可能な第1面の例を示す.

そうではなく(vが南へのびる線分をもたず),vが東へのびる線分をもつならば, F を左向き消去可能という. 図6.7(c)に左向き消去可能な第1面の例を示す.

84 第6章 様々な離散構造の符号

(a)

(b)

図 6.8: (a)上向き消去可能な第1面を消去, (b)左向き消去可能な面の消去

次にRの第1面を消去し, 新たに面を1つだけRに追加することを考えよう.

R 6= R(n)であり, かつ, n 2なので, Rの第1面F は, 上向き消去可能であるか, または, 左向き消去可能であるか,のどちらかである. もしF が上向き消去可能で あるならば,上方向にF を押しつぶしてF の下方にある各面を広げ, Rの下側に底 スパン面を追加する. 図6.8(a)に例を示す. 同様に, もしF が左向き消去可能であ るならば,左方向にF を押しつぶしてF の左方にある各面を広げ, Rの下側に底ス パン面を追加する. 図6.8(b)に例を示す.

どちらの場合も,Rの面を1つだけ消去して, 新たに面を1つだけ追加するので, 得られる方形描画もSnに含まれる. また, 得られる方形描画はSn中のRとは別の 方形描画である.

上で示したの操作により,底辺つき方形描画RからSn中の方形描画を得ること ができる. Rから得られる方形描画をP(R)と書くことにする. R 6=R(n)なる全て の方形描画Rに対してP(R)を定義できることに注意しよう. このとき,RP(R) の子描画, P(R)をRの親描画とそれぞれ呼ぶことにする.

Sn中の任意の方形描画Rが与えられたとき, 繰り返し親描画を求めることによ り,R, P(R), P(P(R)), . . .なる方形描画の列を得る. この列の最後には必ずR(n)が 現れる. P(R)の底スパン面の個数はRよりも1つだけ多いことに注意しよう. 図 6.9に描画の列の例を示す.

これら全ての描画の列を併合したものをちょうどn面をもつ方形描画の家系木 Tnと定義する. Tnの各点はSn中の底辺つき方形描画に対応し,各辺は,RP(R) の間の関係に対応する. 家系木の根は必ずR(n)である. 図6.10にT4の例を示す.

図6.10において, 実線の辺は, 上向きに第1面を消去することを表している. 同様 に, 点線の辺は, 左向きに第1面を消去することを表している. 各辺に書かれてい

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