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年の私たちの調査は,新しく生ま れたデジタル機器やサービスが,どれくらい

ドキュメント内 誕生から60年を経たテレビ視聴 (ページ 32-38)

~今後の研究課題~

この 10 年の私たちの調査は,新しく生ま れたデジタル機器やサービスが,どれくらい

の人にどのように利用されているかの実態,

特にその量的な広がりを世論調査で正しく把 握することに重点をおいてきた。このため,

利用の実態の把握はある程度できたが,それ が意味することや人々の生活や意識に及ぼす 影響などについて考えられるデータが十分で あったとは言いがたい。そもそもそのために 世論調査で明らかにできることには限りがあ るのも確かである。また,これまでにみてき

たように,テレビ視聴を考える上で,インター ネット利用やタイムシフト視聴を切り離して は,その実態に迫れない事象も出てきている。

これらのこともふまえ,世論調査だけでなく,

さまざまな調査データを組み合わせて,Ⅲ章 までに述べてきたことや上記の課題につい て,継続して追っていきたいと考えている。

(みつや けいこ)

注:

1)現行方式になったのは 1976 年から。

2)1970 年と 1995 年に方法を変更。「使用調査一覧  その 2」の 1 ~ 12。

3)「 使 用 調 査 一 覧  そ の 1」の 11,12,15,18,

20,25。

4)「使用調査一覧 その 1」の 10,14,19。

5)世論調査としてその実態が把握できる程度まで デジタル放送やデジタル機器が普及したと考え られた 2007 年から 2010 年まで,「デジタル放送 調査 20××」として,利用の実態を中心にした調 査を実施した。「使用調査一覧 その 1」の 22,

23,24,26。

6)「テレビ 60 年」調査では,配付回収法の調査と時 系列比較が可能な面接法の調査の 2 種類をそれ ぞれ異なる調査相手に実施した。「使用調査一覧  その 1」の 27,28。

7)Ⅱ章で述べるが,この調査では「人と人とのつな がりを促進・サポートするコミュニティ型のウェ ブサイト」を広義の SNS と定義して,テレビ局 の公式番組サイトなども含めている。

8)この時代区分は「国民生活時間調査」の結果に「全 国個人視聴率調査」の単年の動きも考慮して決め ている。テレビ視聴の変遷をとらえる時代区分 は,焦点をあてる内容や基準とするものによっ て若干異なる。例えば牧田(2005)は,放送開始 の 1953 年 ~ 1970 年 代 前 半 を 成 長・ 発 展 期,

1970 年代後半~ 1980 年代前半を停滞・減少期,

1980 年代後半~ 2000 年代前半(=執筆当時)を 回復・堅調期としており,本稿とほぼ共通して いるが,細かい年までは必ずしも一致していな い。

9)1976 年の選択肢は,「くつろいでこころから楽 しめる番組」,「世の中の出来事や動きを速く正 しく伝える番組」。

10)一見理想的にみえた中流サラリーマン家庭が崩 壊していく様を描いたドラマ「岸辺のアルバム」

(1977 年 TBS)の登場がその最初と言われる。

11)デジタル元年と言われた地上デジタル放送が開 始された 2003 年を第 4 期の開始とした。このた め,第 3 期を 2002 年までとした。

12)「テレビ 50 年」の分析・報告では,「熟練した視聴」

「熟練した視聴者」と名づけている。

13)「使用調査一覧 その 1」の 16。

14)牧田(2005)は,漠然視聴に伴って出現している テレビの見方の特徴から,こうした漠然視聴の

「内実はもはや漠然視聴と呼ぶにはふさわしくな く,」(略)「探査型視聴へと変質していると考え られる」としている。

15)国勢調査では,1985 年に 20 代女性で,配偶者の いる人といない人の割合が逆転し,配偶者のい ない人のほうが多くなった。トレンディドラマ の登場の背景にはこうした女性の晩婚化もある。

16)「日本人とテレビ」調査の「テレビをひとりだけ で見たいほうか」など。

17)先述のように,NHK の生活時間調査でとらえて いる「インターネット」は,仕事や学業,家事で の利用は除いた自由行動としての利用に限り,

さらにメールを含まない。そして行動分類上は 自由行動(大分類)の中の「レジャー活動(中分 類)」の 1 項目(小分類)としているが,ここでは,

インターネットも合わせて「メディア接触」とし て扱った。

18)NHK の「国民生活時間調査」では,メディア接触 には食事をしながらのテレビ視聴,仕事をしな がらのラジオ視聴など,自由時間の行動として ではないものも含まれるが,ここでは,自由時 間としての行動にほぼ匹敵する“専念”の接触に 限った。そして,インターネットも含めた各メ ディアの専念の接触時間(全員平均時間)の合計 を「メディア接触時間」とし,自由時間からこの

「メディア接触時間」を引いたものを「メディア 以外の自由行動時間」とした。

19)層別の変化は,三矢(2012)に詳しい。

20)インターネットの普及を反映して 2000 年の「日 本人とテレビ」調査は,「どうしても欠かせない メディア」について,選択肢にインターネットを 含まない時系列比較可能な質問と,インターネッ トを含む新規の質問の 2 種類の結果が得られる 設計とした。

21)2000 年の「日本人とテレビ」調査は,効用比較に ついても,選択肢にインターネットを含まない 時系列比較可能な質問と,インターネットを含 む新規の質問の 2 種類の結果が得られる設計と した。同じ機能の名称を使っているが,質問の しかたを若干変えた機能や新たに付け加えた機 能では,2000 年の前と後の結果の絶対値を比較 して増減に言及することはできない。

22)竹下(2012)は,同じ「日本人とテレビ」の国民全 体のデータの分析から,「明らかになったのはテ レビに対する評価の圧倒的な高さ」であり,「テ レビが依然『スーパーメディア』であることを印 象づける調査結果である」と述べている。また,

インターネットについては年層別の分析から,

「40 代以下の層でネットの普及の影響がはっき り見てとれる」が,「ネットの役割が目立つのは

『趣味』(筆者注:本稿の“情報機能”のこと)だけ」

であり,「他の目的に関してはネットはまだまだ

補足的な役割しか果たしていない」と述べてい る。

23)機能別にみたメディアの効用評価は,これまで にも多くの調査でとらえてきた。それぞれの調 査の目的に合わせて,機能の表現のしかた(質問 文)や選ぶメディアの種類(選択肢)が少しずつ 異なっている。本稿では,インターネットが普 及する前後の長期的な変化を見られるというこ とで,「日本人とテレビ」の結果を用いた。本稿 では言及しなかった 2003 年以後の調査としては

「ネットワーク社会の中のテレビに関する世論調 査」(「使用調査一覧 その 1」の 21)の結果もあ る。

24)本稿は,「テレビ 60 年」調査の結果をベースにし ているため,制約からの解放によりもたらされ る視聴者の裁量の拡大という側面に焦点をあて た。デジタル化によるサービスの拡充という側 面からみれば,このほか,チャンネル数の増加 やデータ放送などもある。

関連するデータとして例えば,衛星放送のチャ ンネル増加によって,衛星放送の視聴時間は増 えている(舟越 2012)。

データ放送も「全国放送サービス接触動向調査」

(「使用調査一覧 その 1」の 29」)では,1 週間に 5 分以上利用した人が 37 %と比較的多く,年層 による差も小さいことがわかっている。

25)事例が少なく,またデータもないのでここでは 触れなかったが,内容に関しては,2 通りの筋書 きや映像が用意されていて,視聴者は,見たい ほうをリモコンで選んで見ることができるマル チチャンネルドラマなどがある。

26)2013 年 6 月から開始した。「使用調査一覧 その 1」の 29。

27)生活時間調査の自宅外視聴とは,もともとは自 宅以外での(主に)屋内視聴のことであるが,ワ ンセグによる屋外での視聴が増えれば,このデー タにも反映される。

28)普及率は「日本人とテレビ」調査の結果による。

29)「使用調査一覧 その 1」の 13。この調査では,

録画と再生を分けずに頻度を尋ねている。1988 年,1989 年にも同様の調査を実施し,同様の結 果が得られている。

30)「使用調査一覧 その 1」の 17。

31)「使用調査一覧 その 2」の 13。

32)録画視聴の理由として,「録画してみるのが習慣 になっている」という人は,2012 年の調査では,

利用者の 8 %(国民全体の 5 %)でごく少数。「メ ディア利用の生活時間調査」で実態のデータをみ ても,1 日の中でタイムシフト視聴しかしない人

は,平日,日曜ともに全体の 3 %(諸藤 2012)。

33)「使用調査一覧 その 1」の 6。

34)「使用調査一覧 その 1」の 9。

35)「テレビ 50 年」調査の報告では,「古典的な見方」

と名づけていた。

36)2007 年の調査で,「よく録画する番組(種目)」と しては映画やドラマ,バラエティが多くあげら れたが,「保存しておくために録画する番組(種 目)」は映画のみが目立って多く,そのほかの種 目はそれほどでもなかった。このことからも「保 存のためでない」録画をすることが多く行われて いることがうかがえる。

37)ごく限られた例だが,メディア関連の講義を受 講している大学生に筆者が「テレビは生で見るの と録画で見るのとどちらが多いか。また,生で 見るのと録画したものを見るのと,同じ感覚で 見ているか」を尋ねたところ,「生と録画はまっ たく別もの」という学生がいる一方で,「見てい るときは生か録画か特に気にしたことがない」,

「(番組の種類によっては)生と同じ感覚で見てい る」という学生もいた。

38)同時かどうかを問わず,番組がどれだけ見られ たかという意味での「番組の視聴率」では,すで にそのような考え方もある。

39)「テレビ 60 年」調査では,テレビを見ながらする こととして,16 ~ 29 歳の 34 %,30 代の 27 %が インターネットをあげている。

また「メディア利用の生活時間調査」で 1 日の実 態をみると,20 代のテレビ視聴時間,月曜 1 時 間 59 分,日曜 2 時間 16 分のうち,インターネッ ト(自由時間としての行動に限る)との“ながら”

はそれぞれ 23 分,25 分で,テレビ視聴の約 2 割 を占めている。

40)「使用調査一覧 その 2」の 14。

参考・引用文献:

・安楽裕里子(2013)「幼児のテレビ視聴と録画番組・

DVD の利用状況~ 2013 年 6 月『幼児視聴率調査』

から~」NHK 放送文化研究所編『放送研究と調査』

2013 年 10 月号(NHK 出版)

・荒牧央,平田明裕,石橋亜理(2007)「人々の情報 観とメディアへの評価~ネットワーク社会の中の テレビに関する世論調査から~」NHK 放送文化研 究所編『放送研究と調査』2007 年 8 月号(日本放送 出版協会)

・荒牧央,増田智子,中野佐知子(2008)「テレビは 20 代にどう向き合ってゆくのか~2008 年春の研究 発表・ワークショップより~」NHK 放送文化研究

ドキュメント内 誕生から60年を経たテレビ視聴 (ページ 32-38)

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