第 7 章 提案システムの方向性 49
7.3 その他の用途への転用
提案システムは実験、特に実験の準備の段階を効率的に行うことを目的としている。実 験環境の保存・復元は、ネットワーク技術の検証だけでなく様々な用途で使うことができ るだろう。
例えば、実機を使ったネットワーク技術の教育では、実験に利用できる機器や時間が限 られている。実験者が構築した実験環境を保存・復元できることで、実験者にとっては実 験の中断・再開が容易になるメリットがあり、機器の管理者にとっては各機器の設定を元 に戻す作業を効率化できる。そして、教育者にとっては、保存された実験環境を容易に復 元できることで、時間や機器の使用状況に左右されずに評価を行えることになるだろう。
さらに、提案システムは実験環境を保存するだけでなく、実際に運用されている環境を 保存するためにも利用できると考えられる。実際に運用されている環境で提案システムを 利用するためには、現在実験用ネットワークと管理用ネットワークの2つのネットワーク を用意して確保しているネットワークの到達性を、何らかの方法で確保する必要がある。
同時に、ネットワークの管理者等が資源管理機構に環境を把握させることで、環境の保存 が可能になる。問題が発生した環境を保存し、それを実験支援システム等に導入して検証 を行えば、運用されている環境に影響を与えずに不具合を修正することが可能となる。
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第 8 章 おわりに
本研究では、実験環境の保存と復元のシステムを実現し、実験の繰り返しや中断・再開の たびに必要になっていた実験環境の構築を容易にすることと、本研究で実装した実験環境 の保存・復元による実験環境の構築と実験実行を主とした既存の実験支援システムを接続 し、ネットワーク技術検証全体を容易にすることを目的とし、システムの検討、設計、実 装を行った。
そして、提案システムを用いたネットワーク実験の提案を行い、それを評価・考察し た。その結果、提案システムにより実験環境の保存・復元が可能できたことを確認した。
実験環境の保存と復元では、実験環境の保存した要素を全て復元する等価な復元、保存し た要素の一部と代替の資源を用いて復元する柔軟な復元を実現できた。また、実験環境の 拡大や、再利用、合成も容易に実現できることが確認できた。さらに、提案システムを用 いた実験を実際に行った。これにより保存した実験環境からの外部の実験支援ソフトウェ ア用の実験記述の生成を実現した。加えて、提案システムを利用することで従来行われて きたネットワーク技術を対象とした検証手法よりも、実験時間、実験工数を削減できるこ とを確認した。
謝辞
研究を行うにあたり、主指導教員である篠田陽一教授には多くの御助言や御指導をいただ きました。深く感謝し、心よりお礼申し上げます。また、適切な御指摘、御指導を賜りま した主テーマ審査委員である丹康雄教授、敷田幹文准教授、副テーマ指導教員である鳥澤 健太郎准教授に深く感謝致します。
情報通信研究機構 三輪信介研究員、宮地利幸研究員、本学 知念賢一助教には、実験環 境の保存・復元を実現のために必要な基盤を提供していただき、適切な御意見と多大な御 協力をいただきました。心より感謝致します。
情報通信研究機構北陸リサーチセンター 佐野正行氏、竹中ゆかり氏にはStarBEDでの 実験において多大な御助力をいただきました。心より感謝致します。
奈良先端科学技術大学院大学 砂原秀樹教授、倉敷芸術科学大学 小林和真教授、メディ アエクスチェンジ株式会社 高田寛取締役には研究会等の活動において多大な叱咤激励を いただきました。心より感謝致します。
本学 宇多仁助教、中川晋一客員准教授には様々な場面で多くの御助言をいただきまし た。心より感謝致します。
本研究室 高野祐輝氏、LATT Khin Thida氏、安田真悟氏、井上朋也氏、SABER ZRELLI 氏、Nguyen Lan Tien氏、芳炭 将氏、NGUYEN, Nam Hoai氏、平佐誠道氏、上野隆資 氏、中井浩氏、三浦良介氏、松井 大輔、梅木 孝志氏、佐川 喜昭氏、千装俊幸氏、石渡優 祐氏には様々な場面で御指導、御意見、御協力をいただきました。心より感謝致します。
最後に、研究や生活を支えてくれた家族に感謝致します。
参考文献
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