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この悲惨な事件

ドキュメント内 ノヴァ急報 (ページ 80-88)

宇宙のアングル野郎たちが生物法廷ビルの便所や掃除用具置き場から勧誘しアンモニアでハイに なって突撃し、オーブン刑から生物学的怠慢による召喚に到る、ありとあらゆる事件の始末を売り 込む――八百長裁判で役立たずの始末をいくつか買いこんだ陳情者弁護側法廷係官たちや有罪の傍 聴人たちは、フィルター・スクリーンを使って悪質な気狂い沙汰の波長はねることを覚える――こ の装置は、法廷ビルの廊下やパティオで売られ、法的なアドバイスを必要としているすべての生命 体に、生物法の詳細や見た目の矛盾について訓練を受けた正式な生物カウンセラーとコンタクトで きるようにする――一年次の学生に与えられる古典的な判例は、酸素行き詰まり事件だ:生命形態 Aが、異星に故障した宇宙船で不時着する――生命形態Aは「酸素」を呼吸する――この異星の 大気には「酸素」は含まれないが、この異星に土着の生命形態Bを侵略して占拠することで、生 命形態Aは必要な酸素を、生命形態Bの血流から変換することができる――占拠した側の生命形 態Aは、宿主である生命形態Bのあらゆる行動やエネルギーを、酸素の収量が最大になるように 計算された方向へと導く――宿主の健康や利害は無視される――宿主の宇宙段階への進歩は、侵略 者の「酸素」の必要性を阻害することになるので停止させられる――永年に渡り、生命形態Aは 生命形態Bからは目に見えない存在であり続けたが、これは他の生命体を認識できる知覚領域を 走査して外す簡単な操作によって行なわれた――しかし緊急事態が、まったく予想もしなかった緊 急事態が生じた――生命形態Bが生命形態Aを見たのだ――(きみの見ることは阻止したと思っ ていたかれら)そして何千年にもわたる筆舌に尽くし難い侮辱行為や金属的肉体的な残虐行為、精 神、肉体、魂の萎縮を根拠に、生物法廷に訴えて出て、異星寄生体の即時退去を要求したのだ――

これに対して生命形態Aは第一回の審問でこう返答した:「あれは食料調達上の問題だったんです

――絶対的な必要に迫られてのことでした――すべてはそれに端を発しているんです:苦痛と快楽 の鉄の爪が惑星を締め上げて、宿主を肉体牢獄に閉じ込めておき、われらの『酸素』惑星を動かさ せ続けました――もしかれが、われわれが何者で何をやっているのか一瞬でも知ったら――(切り 替えてわれわれのやり方は数秒のうちに壊滅すると知りつつ)――そしていまやかれは、われわれ がもとの媒体に戻るためのダイビング・スーツとして利用しようとしているのを知ったんです――

もちろんその媒体内では、生命形態Bは異星の条件のために破壊されてしまいます――激昂した パルチザンたちが提示する代替案は、うろつきつつどんどんわれわれを生命形態Bから締め出し

『酸素』供給をカットするスイッチのほうににじり寄る――こういう状況下で、他にどうしようも

なかったんですよ――われわれの侵略した生命形態は、われわれにとって完全に異質で忌まわしい ものでした――われわれにはかれらが『感情』と呼んでいるものがない――宿主の弱点が、侵入し て操ってくれとマークしてあるんです――」

酸素行き詰まり事件は、絶対的な必要性の算術の基礎を提示している――「酸素」は、ある生命 形態の基本的な生物学的ニーズをあらわすものとして、置き換え可能な要素である――この提示を もとに、学生たちは摘要書を作成する――ずらし切って並べ替え、事件を異なった角度や媒体から 見られるようにするのだ:

ノヴァ・ギャングの裁判は、まったく予想もしなかった緊急事態をもたらした:掃除用具が生じ る――生命形態Bを掃く――見た始末を生物法廷で――精神、肉体、魂の萎縮を八百長どこで役 立たずの始末をいくつか買いこんだ――長年を学ぶ――長く――多く――そんな場所――異星寄 生体を前兆にわたって走査して外す――そして筆舌に尽くし難い侮辱行為や怠慢を訴えて出て要求 した即時生物学弁護士は決して形態を売りつけない――最高の生物カウンセラーは天王星人U―

―かれの顧客は重金属から――印象物があの鉄の爪摘要書から続いた――あるインタビューからか れはサミーが惑星を締め上げてるスイッチの中――緑タコが動かす植物判決――そしていまやかれ らは、ダイビング・スーツに「酸素」がないのを知ったんです――土着の生命はかれらの呼吸する

「酸素」のために破壊されてしまいます――

「この圧力――健康がわれわれの『酸素』ラインを切断――あまりに無視される――」

「するとそういう状況だったんですか?」

「宿主の生命は、われわれにとって『THE』を越えて忌まわしいものでした――宿主の弱点が 侵入者から剥奪される――」

きみの手持ちの材料で絶対的な必要性の性質と生物法廷の第一回審問――

「そちらがおわかりと主張してわたしは侮辱行為や残虐行為と闘わなくてはならず土着民はみな 精神、肉体、魂で要求しわたしは毒の責任は負えない――(がこれによって顧客を失ったことはも ちろん一度もありません)――紛れもない事実と判例が食料調達上の問題ふさわしくない――そこ から拝借した二つの爪が脅かして堕落させる――」

「苦痛と快楽の逮捕された犯罪者が締め上げるカウンセラーは生物法の肉体牢獄の矛盾について 訓練を受けた――千年のダイビング・スーツがわれわれの媒体まで戻って逆回しスイッチのかわり に――代替世界島――」

そこでどこで生物法状況の一年次を?――生命形態Aは完全に異星の故障した宇宙船――大気 中にかれらが「感情酸素」と呼ぶものを持っていない――

生命形態Aの立場にたった学生は、生物検察官の質問を予想しなくてはならない:――

「どうしてその宇宙船は、そんな都合のいい近所で『たまたま』故障したりしたんですか?――

その遠征の目的は、『酸素』を発見してあらゆる手段でそれを抽出することだったんじゃありませ

んか?――長年の占領期間中、生物警察介入以前に生命形態Aによって生じた変化を元に戻そうと する努力は少しでも行なわれたんでしょうか?――生命形態Aは、自分たちの『旅行の手配』が整 い次第、生命形態Bの『酸素』供給を断とうと企んでいたんじゃありませんか? それどころか実 は、『感情酸素』、つまり人間やその他の哺乳類生命体が依存しているエネルギー源を断つことで、

生命形態Bを粛正しようと計画していませんでしたか?――(ウィルヘルム・ライヒ博士は、人 間生命はかれの言う『オルゴン』なるもの(これは地球のまわりを帯状に取り巻いている)によっ て活性化されていると示唆した)――生命形態Aは明らかにオルゴン帯をブロックして、生命形 態Bを魂なき真空の中で窒息させ、生命形態A出身惑星に見られる惑星表面温度、摂氏三百度を 実現しようと企んでいたのです――」

一言で、生命形態Aによって提出された、緊急避難の主張は不当である――審議の準備のため には、現場での生命形態Aのもとの条件や生物学的歴史を調べることが必要となる――生物カウ ンセラーは顧客をよく理解し、「生物法の詳細や見た目の矛盾について訓練を受け」ていなくては ならない――生命形態Aとしては「この悲惨な事件」を扱ってくれるカウンセラーを見つけるの に大いに苦労することだろう――

第一回審問のための摘要書

生物カウンセラーたちは作家でなくてはならない、作家だけがその任に当たれるのであって、な ぜならカウンセラーの機能とは顧客にとっての生物的可能性を開くような事実を創りだすことにあ るからだ――偉大なカウンセラーの草分けはフランツ・カフカで、かれの摘要書はいまだに標準と なっている――学生はまず自分の摘要書を書き、それからページを半分に折って、手持ちの事件に 関連したカフカのページに重ねる――(何が関連していて何がそうでないかを決めるのは、必ずし も簡単ではない)――この手法を示すため、ここに生物法廷の第一回審問用の仮の摘要書がある:

――カフカの一ページから用意されたものが学生による摘要書とオリジナルの発言を通り抜けて 行ったりきたりして、やがて生物的立場の表明が出現する――このオリジナルの発言をもとに、学 生は自分の主張を発展させなくてはならない――

フランツ・カフカ「審判」からの引用

身なりのよい男が言った。「思うに、この紳士の弱気は、ここの空気のせいかもしれま せんな――つまりこの紳士が気分を悪くするのはここでだけのことで、ほかの場所で はこんなことはありませんから――」かれらのように事務所の空気に慣れていると、階 段からのぼってくる比較的新鮮な空気でも気分が悪くなるのだ――かれらはほとんど

ドキュメント内 ノヴァ急報 (ページ 80-88)

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