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7.1  くい基礎を有する擁壁の設計  1) 擁壁の底版厚さ 

(1) 擁壁底版の平均厚さは、原則として底版の幅から壁の厚さを差し引いた値の 1/5 以上 としてください。 

(2) くい頭から底版上部までの厚さは、くい径以上とすることが望ましいです。 

(3) 擁壁底版は、くいにより押し抜きせん断されないでください。 

2) 擁壁の底版幅とくい配置 

(1) 基礎くいは、底版の横断面に対し 2 列以上の配置とし、単ぐいとしないでください。 

(2) くいの間隔 

くいの中心間隔  :くい径の 2.5 倍以上  くいの中心と底版縁端との距離  :くい径の 1.25 倍以上  (3) 常時においては、くいに引抜き力が生じないようにしてください。 

      図 7‑1  擁壁底版と基礎くい間隔   

7.2  くい本体の設計 

1) 擁壁にかかる鉛直力および水平力は、くいのみに支持させてください。 

2) くいは、先端支持を原則とし、斜ぐいとしないでください。 

3) くいの長さは、原則として半無限長としてください。 

 

7.3  くいの鉛直力に対する許容支持力  1) くいの許容支持力 

常    時:極限支持力の 1/3 以下としてください。 

大地震時:極限支持力の 1/2 以下としてください。 

くいの極限支持力 Ru は、次式であらわせます。 

    Ru=qdA+UΣli  f

ここに、q:くい先端で支持する単位面積あ          たりの極限支持力度 

        A  :くい先端面積          U  :くいの周長 

        li  :周面摩擦力を考慮する層の層厚          fi  :周面摩擦力を考慮する層の最大       周面摩擦力度 

2) 引抜き力 

  常時においては、くいに引抜き力が生じないで ください。 

3) くい頭変位量 

原則、許容くい頭変位量は定めません。隣接構 造物等から定める場合の目安としては、下記の 値を用いてください。 

常    時:1.5cm 以下  大地震時:1.5cm 以下   

7.4  くい材の応力検討 

1)   くい材の応力度は、それぞれの許容応力度 以内としてください。 

2)   くい材の各部に働く曲げモーメントは、く い頭固定の場合とヒンジの場合を比較して 大きい値を使用してください。 

 

7.5  くい頭部の設計 

  擁壁底版とくいとの結合は、原則くい頭固定に より設計を行ってください。特に軟弱地盤上、ま たは擁壁の高さが 5m以上のものについては、く い頭固定で設計してください。 

1) 底版内に、くい頭部を 10cm 入れる方法    (図 7‑2〜図 7‑4) 

(1) くい頭部における底版コンクリートの支圧 応力度および押抜きせん断応力度の検討  (2) くい頭部前面における底版コンクリートの

支圧応力度の検討 

図 7‑2  鋼管くいの補強方法 B

図 7‑4  場所打ちくいの補強方法 B 図 7-3 PC、PHC くいの補強方法 B

(3) くい頭曲げモーメントによるくい頭補強鉄筋量の算定  (4) くい頭補強鉄筋の定着長さの算定 

2)底版内に、くい頭部をくい径以上入れる方法(図 7‑5、図 7‑6) 

(1) くい頭部における底版コンクリートの支圧応力の算定  (2) くい頭部前面における底版コンクリートの支圧応力度の算定  (3) 底版下側の鉄筋を補強すること。(図 7‑7) 

      図 7‑5  鋼管くいの補強方法 A        図 7‑6  PC、RC くいの補強方法 A 

図 7‑7  ベース配筋   

3)くい頭と底版をヒンジ結合する方法(図 7‑8) 

(1) くい頭部の底版コンクリートの支圧応力度および押抜きせん断応力度の算定  (2) くい頭部前面における底版コンクリートの支圧応力度の算定 

(3) くい頭鉄筋の引張応力度の算定 

(最小鉄筋量として、D16 をくい径に応じて 4〜6 本程度設置してください) 

図 7‑8  くい頭ヒンジ結合の構造例 

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