第 4 章 鉄筋間隙通過後のコンクリートの品質
4.3 実験結果および考察
4.3.2 かぶり部充填状況
デジタルビデオカメラで撮影した動画を
1
秒ごとに静止画像とし,かぶり部 の充填状況に関わらず,振動締固め開始から8
秒間までの充填状況の観察を行 った。各配合条件,内部振動機挿入位置および鉄筋条件における充填状況の様 子を図 4.14~図 4.25に示す。図 4.14および図 4.15,また,図 4.16および図 4.17の充填状況の結果を比 較すると,配合および配筋条件が同じにも関わらず,振動機挿入位置が鉄筋位 置から離れた図 4.15および図 4.17の方が速く充填されていることがわかる。
本実験では目視により鉄筋内側に投入するコンクリートの量を決めていたた め,いずれのケースでも全く同じ量のコンクリートを投入することができてお らず,このことが原因で厳しい締固め条件でも投入されたコンクリートが多い 場合,充填速度にも影響していると考えられる。
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秒5
秒2
秒6
秒3
秒7
秒4
秒8
秒図 4.14 s/a=37%,鉄筋あき 70mm,挿入位置鉄筋から 75mm
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秒図 4.15 s/a=37%,鉄筋あき 70mm,挿入位置鉄筋から 150mm
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秒図 4.16 s/a=42%,鉄筋あき 70mm,挿入位置鉄筋から 75mm
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秒図 4.17 s/a=42%,鉄筋あき 70mm,挿入位置鉄筋から 150mm
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秒図 4.18 s/a=47%,鉄筋あき 70mm,挿入位置鉄筋から 75mm
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秒図 4.19 s/a=47%,鉄筋あき 70mm,挿入位置鉄筋から 150mm
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秒図 4.20 s/a=37%,鉄筋あき 40mm,挿入位置鉄筋から 75mm
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秒図 4.21 s/a=37%,鉄筋あき 40mm,挿入位置鉄筋から 150mm
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秒図 4.22 s/a=42%,鉄筋あき 40mm,挿入位置鉄筋から 75mm
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秒図 4.23 s/a=42%,鉄筋あき 40mm,挿入位置鉄筋から 150mm
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秒図 4.24 s/a=47%,鉄筋あき 40mm,挿入位置鉄筋から 75mm
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秒図 4.25 s/a=47%,鉄筋あき 40mm,挿入位置鉄筋から 150mm
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(2)かぶり部充填高さの変化
図 4.26~図 4.28に
s/a=37
,42
および47%
における,各配筋条件,各内部振 動機挿入位置の場合の充填高さと振動時間の関係を示す。振動開始初期は目視 にてかぶり部充填高さを測定できない部分があり,本研究においては,その部 分は一定の速度で充填しているとした。図 4.26~図 4.28の結果より,鉄筋あき
70mm
の場合ではいずれの配合にお いても内部振動機挿入位置に関わらず,振動開始から8
秒間で,かぶり部の充 填高さ率が95%
を超えた。既往の研究では,充填高さと振動時間の関係は,振 動開始初期に充填高さが急激に上昇する場合,充填高さが緩やかに上昇する場 合,振動開始初期から途中で充填高さの上昇速度が増加する場合の3
種の傾向 が報告されている3)。本研究では,鉄筋あき70mm
の場合では,いずれのケー スにおいても,充填高さの上昇率は一定であるといえる。また,充填速度に関しては,
s/a=47%
が最も速く,s/a=37%
が遅かった。鉄筋あきが
40mm
の場合では,配合ごとに充填高さの結果が明らかに相違し た。鉄筋あきが狭くなることでほとんど影響を受けなかったのは,s/a=47%
で ある。鉄筋あき70mm
の場合でも最も充填速度が速かったのはs/a=47%
であっ たことから,細骨材率がかぶり部の充填性に及ぼす影響は大きく,細骨材率が 高いコンクリートほど密な配筋条件や厳しい締固め条件下では,高いかぶり部 充填性を示すことが考察できる。次に充填速度の影響が小さかったのは,s/a=37%
の場合で,内部振動機挿入位置が鉄筋からの距離75mm
のケースだったが,
s/a=37%
のコンクリートでは,内部振動機挿入位置が鉄筋からの距離150mm
の時,他の配合では見られなかった明らかな充填不良が生じていた(図4.29)。古川ら4)の報告で,細骨材率が小さいコンクリートであっても内部振動 機を鉄筋の近くに挿入することによって,鉄筋間隙部での粗骨材によるブロッ キングは解消され,充填性は向上することを示しており,その傾向が本実験に
おいても
s/a=37%
で確認することができた。s/a=42%
の場合では,いずれの内部振動機挿入位置でも
8
秒間でのかぶり部充填高さは60%
程度にとどまり,3
つ の配合の中で,最も鉄筋あきが狭くなることによる影響を受けていると言え る。また,鉄筋あき70mm
では確認できなかった,かぶり部充填高さが振動開 始初期から途中で充填高さの上昇速度が増加する傾向が内部振動機挿入位置75mm
の場合のs/a=37%
とs/a=42%
で確認できた。このことからコンクリートが持つかぶり部充填性は配筋条件による影響が大きい可能性が示された。
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図 4.28 s/a=47%の充填高さ率と振動時間の関係
挿入位置
75mm
挿入位置150mm
図 4.26 s/a=37%の充填高さ率と振動時間の関係
挿入位置
75mm
挿入位置150mm
図 4.27 s/a=42%の充填高さ率と振動時間の関係
挿入位置
75mm
挿入位置150mm
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
充填高さ
率
振動時間(s)
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
振動時間(s)鉄筋あき
70mm
鉄筋あき40mm
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
充填高さ
率
振動時間(s)
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
振動時間(s)鉄筋あき
70mm
鉄筋あき40mm
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
充填高さ
率
振動時間(s)
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9
振動時間(s)
鉄筋あき
70mm
鉄筋あき40mm
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図 4.29 s/a=37%,内部振動機挿入位置 150mm で生じた充填不良
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4.3.3 かぶり部充填速度に関する検討