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第 4 章  多機能手法を用いた光ファイバセンサによる圧力と温度の同時計測

4.7    おわりに

第 5 章 

       

結論

本 論 文 は 光 セ ン サ の 多 機 能 セ ン シ ン グ に よ る 複 数 情 報 の 計 測 の 研 究 結 果 を ま と めたものである。この手法の確立において,まず、用いた光センサが複数情報に反 応できることを明らかにすることが必要不可欠であった。そのためにセンサが様々 な情報に反応する可能性を調べ,二つ以上の情報を同時に測定する手法を提案した。

さらに,情報を識別するために用いたセンサの構造及び被測定対象物の特徴を調査 し,これらにより得られたデータを基にして,理論的な識別方法を提案し,また実 験を行った。実験については,第一章述べた多機能センシング手法を用い,様々な 情報の特徴を利用して識別できることを検証した。以下に,本研究の各章における 概要を述べる。

第 一 章 で は , ま ず 本 研 究 の 背 景 に つ い て 述 べ た 。 従 来 の 光 セ ン シ ン グ の 研 究 を 概説し,その使用法を明らかにすることにより本研究の目的を明確にした。

ま た , 多 機 能 セ ン シ ン グ 手 法 に つ い て 述 べ , 本 研 究 に 利 用 す る 可 能 性 を 検 討 し た。また,これまでの多機能手法を用いた種々の計測例について説明した。さらに,

本研究で行う測定に関して,使用する多機能計測手法及び他の計測例と異なる点を 述べた。

第 二 章 で は 多 機 能 計 測 手 法 を 用 い た , 自 動 車 の エ ン ジ ン オ イ ル を 測 定 対 象 と し , これらの新しい状態と一定距離で走行後の劣化した状態のエンジンオイルの関係を 明らかにするため,エンジンオイルの温度,透明度,静電容量とコンダクタンスの 同時測定法を提案した。まず,本研究に用いるセンサとしてのフォトダイオードに ついて,従来と異なる使用法を述べた。ここで,フォトダイオードの内部構造を調 査し,フォトダイオードの端子間容量がセンサの出力として利用した実験を行った。

温度計測には,このフォトダイオードの端子間容量が温度変化による単調な変化を 示すことを明らかにした。また,LEDとフォトダイオードで構成された計測システ ムによりエンジンオイルの透明度を計測した。最後にフォトダイオードと LED の

金属ケースをコンデンサの電極として,エンジンオイルの静電容量とコンダクタン スを計測した。この四つの情報を用いることにより,エンジンオイルの劣化程度を 判断した。実験中のセンサ出力については,温度,透明度及び静電容量の三種類の 情 報 が 単 一 出 力(静 電 容 量)で 計 測 す る こ と を 試 み た 。 結 果 と し て , 本 手 法 に よるエ ンジンオイルの劣化判別の可能性を示した。

第三章では,まず,光ファイバがセンサとして様々な情報に対して反応する可能 性を調べた。光ファイバは多くの特徴を有しており,温度,圧力,振動,音響,放 射線,電気,磁気,電磁波、光などの様々な物理量に反応可能である。光ファイバ をセンサとして計測に利用した場合,液位センサ,温度センサ,圧力センサなどの 色々な種類のセンサとして使用される。本研究では光ファイバセンサにより飲用茶 製造機における美味な飲用茶情報を計測することが試みられた。実験には一対ファ イバを用い,提案した飲用茶製造機のモデルを作成し,数種類の飲用茶について,

四種類の出力を記録した。この得られた四種類の情報を用い,そのデータ処理によ り3種類の飲用茶情報を識別しうることを明らかにした。

第四章では,一本の光ファイバを用いた圧力と温度の同時計測を提案した。具体 的な内容として,アイロンで布地のしわを伸ばし時のアイロンの温度と圧力の計測 する実験を行った。情報の識別方法については温度と圧力の情報がその媒介中での 伝搬速度が違うことを利用して,二つの情報を識別する可能性を示した。更に,温 度と圧力が互いに影響することから,これを利用して,布地の厚さと圧力を加えた 時間についても複合的に計測する実験を行った。これらの実験結果により目的とす る計測の可能性を示した。

 

本論文は,佐賀大学大学院工学研究科生体機能システム制御工学専攻において行 われた研究をまとめたものであり,研究の際しては多くの方々から御指導,御助言 を頂いた。

  本研究の遂行ならびに本論文をまとめるに際し,終始懇切丁寧な御指導,御鞭撻 を頂いた本学大学院工学系研究科  信太克規教授に心からお礼申し上げる。

  本論文をまとめるにあたり,多くの御助言を頂いた本学大学院工学系研究科中村  政俊教授,渡辺  桂吾教授,後藤  聡助教授に心より感謝申し上げる。

  さらに,本論文の完成に際し,本学電気電子工学科信太研究室で本研究を行った 期間において同研究室の和久屋  寛助教授,木本  晃助教授,吉田  浩技官,吉泉  寛  博士,大学院及び四年生の諸氏には様々な協力を頂いた。ここに深く感謝する。

  最後に,留学中に貴重な奨学金を頂いた日本国際教育協会に深く感謝の意を表す る。

 

1) 朱  磊,  信太  克規:“単一センサシステムによるエンジンオイル劣化複数情報の収 集”,電気学会論文誌E,124巻,8号,pp.289−294,2004

2)  Lei  Zhu  and Katsunori Shida,“The plural information sensing measurement for the drink tea automatic manufacture machine” ,Submitted  to the Japanese Journal of Applied Physics.

3)  朱  磊,  信太  克規:“光ファイバによる圧力と温度情報の同時認識”,電気学会論文

誌E(投稿中)

国際会議

1) Lei  Zhu,and Katsunori Shida “ The measurement of plural tea information by fiber-optic sensor”, The 30th Annual Conference of the IEEE Industrial Electronics Society, November2-6, 2004, Busan, Korea  CD−ROM

研究会

1) 朱  磊,  信太  克規:“光センシングの複数情報によるエンジンオイルの劣化判別”

電気学会計測研究会資料  IM−03−71,pp.25−29,2003

  講演会

1) 朱  磊,  信太  克規:“単一センサによるエンジンオイルの劣化検出のための多機 能計測手法の提案”計測自動制御学会  九州支部  第 22 回  学術講演会予稿集  pp.327-330  2003

27-31,1992

[2] 坂本  英樹,信太  克規,「超音波をセンサによる液体の複数情報の検出」,第15回計

測自動制御学会  pp.407−408,1996

[3]  坂本  英樹,信太  克規,「多機能計測の手法を用いた超音波による溶液の温度と濃度 の測定」  平成8年度応用物理学会九州支部講演会  p.114,1996

[4] 坂本  英樹,信太  克規,「超音波を用いた溶液の温度と濃度の推定」  第14回センシ

ングファーラム資料,pp39-42,1997

[5]  春田  正毅,鈴木  義彦,山添  曻、「センサ先端材料のやさしい知識」,オーム社,

1995.1

[6]  自動化技術編集部,「やさしいセンサ技術」,工業調査会,1980,9 [7] 根本  俊雄,「光ファイバ・活用の基礎」  オーム社  1981

[8] 森村  正直,田中  充,高橋  清,竹内  正治,小林  彬,山崎  弘郎,藤村  貞夫,

山内  繁,  五十嵐  伊勢美,「先端センシング技術」  計測自動制御学会,昭和63年 [9]  信太  克規,李  徳勝,「人工皮膚感覚センサの試み」,12回SICE九州支部学術講演 会  pp.409-410,1993

[10] 信太  克規,李  徳勝:「人工皮膚感覚システムの試み」,SICEʻ93  In  Kanazawa、

pp.37‐38,1993

[11] 李  徳勝,  信太  克規:「人工皮膚感覚センサと識別アルゴリズムに関する研究」、

佐賀大学理工学部集報、第22巻、第2号、pp.209-216,1996

[12] 朱  磊,信太  克規,「シリコンフォトダイオードによる光と熱の非接触計測」  電気

関係学会九州支部連合大会  pp.62,平成13年

[13] 朱  磊,信太  克規,「光センサの複数情報によるエンジンオイルの劣化判断」  計測

研究会,IM-03-71,2003

[14] 朱  磊,信太  克規,「単一センサシステムによるエンジンオイル劣化情報の収集」  電

気学会論文誌E,Vol. 124, No.8,  2004

[15] 高江  英樹,信太  克規,「多機能油劣化センサマイクロかのための油インピーダンス

の周波数依存性」  第19会計測自動制御学会、学術講演会、九州支部

[16] 桜井  俊男,藤田  稔,大掛  亮次,杉浦  健介「潤滑剤の実用性能」,幸書房,昭和

50

[17] 年村上  靖宏,松本  栄一,野上  康広:「オイル劣化センサーの研究開発」日産技報 

第30号  pp.92−97,1991 

[18] 星野  道男,渡嘉  敷通秀,藤田  稔  「潤滑グリースと合成潤滑油」  幸書房,昭

和58年

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