▪
レセプト摘要欄に「検査実施日」を記載
規定上は明記されていないが、心不全の疑いで実施する場 合、胸部レントゲンや心エコーなどがないと、査定される 事例あり 腫瘍マーカーの連月算定
転帰の確定までに1回のみという算定規定があり、疑い病 名のまま再度算定不可
再度同一の疑い病名で実施する場合は、少なくとも3か月 以上の間隔が必要
腫瘍マーカーの意義は、診断に寄与するというより治療効 果と再発の監視用
原則として画像検査(CT)や超音波検査など画像系検査の 併施が前提
触診等で癌が疑われ、画像系検査を併施しない場合は、そ の旨をコメント付記32
骨粗鬆症の疑いで、骨代謝マーカーを実施
疑い病名で実施できるのは、骨塩定量検査のみ
骨代謝マーカーは確定病名が必要▪
骨吸収マーカー:TRACP‐5b、DPD、NTx▪
骨形成マーカー:Intact P1NP、BAP
骨吸収マーカーは算定規定があり、経過観察で継続不可▪
薬剤治療方針の選択時に1回(=薬剤投与前)▪
その後、薬剤効果判定時に6か月以内に1回(=薬剤投与後)▪
薬剤治療方針変更後の効果判定時に6か月以内に1回(=薬剤投与後)
経過観察は骨形成マーカーで実施▪
算定規定はないが、3~6か月に1回程度が目安 感染症スクリーニングで、HBs抗体を実施
感染症スクリーニングは、「手術前」「内視鏡検査前」などが 該当
感染症スクリーニングの対象項目▪
HBs抗原(定性)▪
HCV抗体▪
梅毒脂質抗原(RPR定性)▪
TP抗体
HBs抗体やHIVなどは対象外
HBs抗体の意義は、B型肝炎の治癒判定が目的
「手術前」や「観血的検査前」であれば「HBs抗原(定性)」で はなく、高感度の「HBs抗原」(=精密)で算定可▪
社保のみ34
関節リウマチの疑いで、RF定量と抗CCP抗体を併施
抗CCP抗体の算定要件▪
関節リウマチと確定診断ができない患者が対象▪
診断補助として実施した場合に1回▪
結果が陰性の場合は、3か月に1回算定可▪
2回以上算定する場合は、レセプト摘要欄に「検査値」を記載▪
上記とは別に、関節リウマチに対する治療薬の選択のために、1回に限 り算定可(=確定後)
疑い病名の場合は、あくまでも「診断補助」が目的
段階を踏んでの実施が前提で、最初から「RF定量」と併施す ると査定されるケースあり
同一検体に追加して実施した場合は、その旨をコメント付記
「MMP-3」は基本的に確定病名が必要(疑いでは不可)35
• 淋菌感染症の疑い病名で、淋菌核酸検出と細菌細菌培 養同定検査を併施
–
以下の検査は主たるもののみ算定▪
淋菌抗原定性▪
淋菌核酸検出▪
細菌培養同定検査(淋菌を疑って実施するもの)
全く異なる目的で細菌培養同定検査を実施した場合は、それ ぞれ算定可
上記の場合は、材料名や検査目的が異なる旨をコメント付記 しておくほうがよい36
• ヘリコバクター・ピロリの除菌後感染診断(除菌終了 後1ヶ月目)で、ヘリコバクター・ピロリ抗体を実施
–
除菌後感染診断は、除菌終了後4週間以上経過後に、以下のう ちいずれか1項目のみ算定▪
迅速ウレアーゼ試験▪
鏡検法(病理組織標本作製)▪
培養法▪
抗体測定▪
尿素呼気試験▪
糞便中抗原
ただし、結果陰性であれば別検査を1項目のみ算定可
抗体測定のみ、以下の両規定を満たす必要あり▪
除菌終了後6ヶ月以上経過▪
除菌前の抗体測定結果との定量的な比較が可能37
• 両側の乳癌疑いで、生検にて病理組織検査(2臓器)
を実施
–
3臓器を限度として算定–
下記区分ごとに1臓器とカウント▪
気管支及び肺臓▪
食道▪
胃及び十二指腸▪
小腸▪
盲腸▪
上行結腸、横行結腸及び下行結腸▪
S状結腸▪
直腸▪
子宮体部及び子宮頸部
対称器官(腎臓、乳房、肺、卵巣)は左右で1臓器38
投与日数間違いによるバルトレックス錠の査定
病名:腹部単純ヘルペス
バルトレックス500×2錠を7日分処方したところ、2日分が査 定
バルトレックス錠の投与日数▪
単純疱疹 → 5日間▪
帯状疱疹 → 7日間
添付文書の「使用上の注意」欄▪
単純疱疹の治療においては、本剤を5 日間使用し、改善の兆しが見られ ないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること▪
ただし、初発型性器ヘルペスは重症化する場合があるため、本剤を10日 間まで使用可能とする40
消化性潰瘍病名でのガスター注の査定
病名:胃潰瘍
静脈内注射でガスター注を投与したところ、薬剤料が査定
注射は上部消化管出血の病名が必要
消化性潰瘍の適応▪
ガスター錠(内服):胃潰瘍のみで可▪
ガスター注(注射):潰瘍+出血
食有入院=経口摂取可能な患者は、注射ではなく内服を選択【「ガスター注射液」の添付文書上の適応】
①上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、急性胃粘膜病変による)
②侵襲ストレス(手術後に集中管理を必要とする大手術、集中治療を必要とする 脳血管障害・頭部外傷・多臓器不全・広範囲熱傷)による上部消化管出血の抑制
③麻酔前投薬
※①は一般的に1週間以内(PPIは3日)に効果の発現あり → 内服に切り替え必要 (1週間超の投与は要コメント)
逆流性食道炎のみでPPI製剤を8週間超投与
PPI製剤は胃潰瘍・逆流性食道炎は8週間、十二指腸潰瘍は6週 間の投与日数制限あり
難治性逆流性食道炎の場合のみ、投与日数制限はない
8週間超で投与する場合は、病名を「難治性逆流性食道炎」に 変更する必要あり▪
事前に、逆流性食道炎の病名が付いていることが前提▪
胃潰瘍 → 難治性逆流性食道炎 は不自然42
病名漏れによる悪性腫瘍特異物質治療管理料の査定
病名:胃癌術後
実施検査項目:CEA・PSA
管理料(その他:2項目以上)で算定し、(その他1項目)に 査定
腫瘍マーカーの算定方法▪
悪性腫瘍の確定病名あり:管理料▪
悪性腫瘍の疑い病名のみ:検査料
悪性腫瘍の確定病名ありの場合▪
他の悪性腫瘍を疑って腫瘍マーカーを測定しても管理料としてまとめて 算定
包括算定の場合でも、各腫瘍マーカーの対象病名が必要 次回検査のみの外来管理加算の査定
脂質異常症で受診した患者に対し、脂肪肝を疑い、3日後に超 音波検査のみで受診するよう指示
上記診察日の算定:再診料+外来管理加算
翌日の算定:超音波検査のみ
診察日の外来管理加算が査定
超音波検査は外来管理加算を算定不可
次回の検査のみの受診は、前回の診察と一連となる
診察が一連となる事例▪
検査・画像診断の結果のみを聞きに来た場合▪
薬剤のみを取りに来た場合▪
一旦帰宅し、後日検査・画像診断・手術等を受けに来た場合44
・今回の事例は査定(減点)された事例のみ
・その他に意外と請求漏れしている事例も多い
・請求漏れは審査では教えてくれない
・医療機関で未然に請求漏れを防ぐ対応が必要
現状把握 → レセプト点検
スキルアップ → 院内勉強会
ドキュメント内
最近のレセプト審査傾向 ~よくある査定事例のご紹介~
(ページ 31-46)