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■人間文化セミナー

 今回の人間文化セミナーの講師をマーク・コー ディ・ポールトン先生に依頼しました。ポールトン 先生はカナダヴィクトリア大学アジア太平洋学科を 卒業後、日本演劇における「非人間的なるもの」と の遭遇:霊・動物・テクノロジーを中心に研究をさ れてきました。2012年8月より、国際日本文化研 究センター外国人来訪研究員も務めておられます。

このたびは国際共同研究のため来日され、これを機 に本学でセミナーを開く運びとなりました。

 講演では、ポールトン先生は江戸時代に生まれた 人形浄瑠璃が日本人の三百年も前からの「しかけ」

への関心を物語っていると主張し、木で作られた人 形が命を吹き込まれ、生きているかのように動く不 思議を江戸の庶民に見せることによって、昔の日本 人の世界観を描写していると、ユーモアを交えなが ら話をされました。また、ロボット工学者石黒浩と 劇作家平田オリザのコラボを中心に、写真やビデオ を豊富に取り入れて、現在の日本のアンドロイド技

☆演題☆

Gods and Puppets: The Ghost in Japanese Theatre’s Machine

と  き:平成 28 年 6 月 13 日㈪ 16:30 〜 18:00 場  所:滋賀県立大学 A 1-301 中講義室 対  象:学生・教職員および一般

講  師:Cody Poulton 博士(カナダヴィクトリア大学 教授)

進 行:呉 凌非氏(人間文化学部国際コミュニケーション学科教授)

術のルーツはからくり人形にあるのではないかと力 説しておられました。

 当日は学内外から多数の方々が来場し、活発な質 疑応答が交わされ、熱気あふれる楽しいセミナーで した。

☆演題☆

寿命の限界まで20歳代の体力と美貌を 維持する夢のビタミン・バイオファクター

と  き:平成 28 年 11 月 21 日㈰ 15:00 〜 17:30 場  所:滋賀県立大学交流センター・大ホール 対  象:学生・教職員および一般

 2015年1月に NHK にて放映された「NEXT WORLD」で,「若返り薬」「不老不死の薬」

とも言われているビタミン・バイオファクターが紹介されました.そこで,(公益社団法人)

ビタミン・バイオファクター協会と共同で,以下の三つの講演を企画しました.講演要旨を 以下にまとめました.

 私たちは,糖類,タンパク質,脂質,ビタミンと ミネラル(五大栄養素)を摂取して生命を維持して います.ビタミンとミネラルは少量摂取で良いの で,微量栄養素と呼ばれます.ビタミン類は13種 類あり,身体を健康で正常な状態に調節し,維持す るために機能し,体内では合成出来ない,あるいは 合成できても健康を維持するには不足する化合物の 総称です.そこで疲れた時にはビタミン剤をという ことが私たちの常識となっています.最近,これら のビタミンも含めて,食卓あるいはメディアの紙 面,書店などで,「サプリメント」,「機能性食品」

あるいは「機能性表示食品」なる文字が加工食品等 の説明書きの中で目に留まります.そして,これら の食品の成分分析が進み,遺伝子レベルでそれらの 成分の身体に与える影響評価 ( 機能性解析 ) が進め られてきています.その中で,特に植物が生産する 物質群で,ポリフェノール類,アミノ酸類,多糖 類,脂肪酸類と多岐にわたる化合物で,食物として 毎日摂取するお陰でその効能に浴している化合物が あることがわかってきました.中野先生は,新しい ビタミン様食品成分ついて紹介されました.

講演2

「アロニア含有成分による病気の予防と健康効果」

山根 拓也 中垣技術士事務所食品科学研究所 所長  バラ科に属する小果樹アロニア・メラノカルパ

(Arinia melanocarrpa Elliott, Black chokeberry)は 北米原産で,ロシアに渡って100年余りをかけて観 賞用から食品加工用の大粒果実に品種改良されまし た.ロシア名ではчёрноплодная рябина

(黒いナナカマド)と呼ばれ,その名前は高いアン トシアニン含量を示す濃黒紫色に由来しています.

植物は厳しい環境から自らを守るために光合成に よって体内にポリフェノールを生成し蓄積していま す.ポリフェノールの抗酸化力によって紫外線によ り生じる活性酸素の害を消去し,ポリフェノールの 抗菌作用によって病虫害による損傷を防御していま す.ベリー類はポリフェノール,とりわけアントシ アニンを多く含有することがよく知られています が,アロニア果実はベリー類の中でもポリフェノー ルの含有量が高く,アントシアニンの含有量も格段 に高いことが分かっています.アントシアニンには 血糖値上昇抑制効果,視機能改善効果,動脈硬化予 防効果,肝機能障害の軽減,メタボリックシンド ローム予防効果,ガン予防効果,抗ウイルス作用と

るフラボノールに属するケルセチンやその配糖体を 含んでいます.それらの健康効果には抗炎症作用,

抗ガン作用,抗肥満作用,胃の保護作用,寿命延長 作用,血管保護作用など様々な作用が報告されてい ます.山根先生は,アロニアには多くの健康効果が 期待されていることを紹介されました.

講演3

「夢のビタミン・バイオファクター

  ~ 抗老化物質 NMN(ニコチンアミドモノヌク レオチド ) ~」

     柴田 克己 滋賀県立大学 教授  栄養学の領域には,"Less is more." という呪文が あります.「腹八分に医者いらず」と同じ意味であ ると思います.栄養素の化学的な代謝経路に加え て, 栄 養 素 感 知 経 路 (nutrient sensing pathways) というシグナル伝達経路があります.栄養素の濃度 変化を感知して,からだの恒常性を保つために,他 の栄養素の化学的な代謝経路の強弱を調節して,か らだ全体の調子を整えるために情報交換をしていま す.このような栄養素感知経路の適度な減弱は寿命 の延長につながるという報告があります.さらに,

驚くべきことに,これらの栄養素感知経路の適度な 減弱は NAD+(酸化型ニコチンアミドアデニンジヌ クレオチド)代謝を介して調節されていることが明 らかになりつつあります.柴田先生は,NAD+の代 謝を体の内部からの調節に加え,外部から,すなわ ち,栄養素,ビタミン,バイオファクターなどとよ ばれる物質の上手な摂取により,抗老化が可能であ ることを紹介されました.

 以上の三つの講演から,ビタミン・バイオファク ターを上手に摂取することで、「寿命の限界まで若 年成人の体力と美を維持できる」ことも夢では無く なってきたように思います.

(文責 柴田克己)

☆演題☆

南宋・孝宗皇帝の「生前退位」の背景について

と  き : 平成 29 年 2 月8日㈬ 15:00 〜 16:20 場  所 : 滋賀県立大学 A1-301 講義室

対  象 : 学生・教職員および一般

講  師 : 毛利 英介氏(関西大学東西学術研究所非常勤研究員)

 本学では、教員の専門領域との関係で、中国史の 近世領域の話を耳にする機会がほとんどないので、

このたびは、宋と契丹(遼)・女真(金)との関係を 専門とする若手研究者の毛利氏をお招きし、最新の 研究を述べてもらいました。毛利氏は、京都大学 大学院文学研究科東洋史学専修博士後期課程修了 で、日本学術振興会特別研究員(PD・京都大)な どを経て、現職。業績として、「澶淵の盟の歴史的 背景ー雲中の会盟から澶淵の盟へ」(『史林』89-

3、2006)・「満洲史と東北史のあいだ─稲葉岩吉と 金毓黻の交流より」(『関西大学東西学術研究所紀要』

48、2015)・「大定和議期における金・南宋間の国書 について」(『東洋史研究』75-3、2016)などがあ ります。

 内容について、毛利氏によれば「南宋(1127 ~ 1276)では、初代から三代続けて皇帝が生前退位=

譲位を行った。それに伴い、中国の歴代王朝として は珍しく、先代の皇帝が「太上皇帝」として存在す るという、日本史で言う院政のごとき状況が一定期 間継続したことで知られる。ただ、三人の皇帝は結 果的に連続して譲位を行って太上皇帝となったが、

実際には個別の事情も大きかった。本講演では、講 演者の関心から、そのうち南宋第二代皇帝である孝 宗皇帝の譲位の原因について、隣国である金との関 係に着目して論じてみたい。」ということで、その ような時代背景・事情のもとで、南宋第二代皇帝で ある孝宗皇帝の譲位の原因について詳しく論じられ ました。極めて細かい分析の結果をわかりやすく述 べられたもので、中国歴史研究の方法についても、

知る機会になったかと思います。

 当日は、学生・教職員および一般の方も含め、お よそ60名の参加を得ました。  (文責 田中俊明)

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