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、一 般論 とし て、

﹁原 価を 形成 する 要因 が、 いわ ゆる 企業 努力 によ るも ので なく

、当 該事 業者 の場 合に のみ 妥当 する 特殊 な事 情に よる もの であ ると きに

、こ れら の特 殊事 情の 存在 を考 慮す る必 要が ある こと は、 Xの 主張 する とお りで ある

﹂と 述べ る。 この 中の

、﹁ 原価 を形 成す る要 因が

、い わゆ る企 業努 力に よる もの でな く、 当該 事業 者の 場合 にの み妥 当す る特 殊な 事情 によ るも ので ある とき

﹂と いう 箇所 は、 前掲 の中 部読 売新 聞社 事件

=東 京高 決昭 和五

〇・ 四・ 三〇 を念 頭 に置 いて 述べ られ たの であ ろう

これ は、 いう まで もな く前 記

で検 討し た共 通費 用の 配賦 の問 題で はな い。 しか し、 例え ば仮 に中 部読 売新 聞社 事件 にお いて

、中 部読 売新 聞社 が読 売新 聞社 の一 部局 であ った とす れば

、ま さに 共通 費用 配賦 の問 題に なる

。 当該 行為 者が

、外 部の 者︵ 親事 業者 を典 型と する

。国

・地 方自 治体 を含 む︶ から 補助 や優 遇措 置を 受け て、 競争 上、 有利 な立 場に 立つ とい うこ と自 体は

、し ばし ば見 られ るこ とで ある

︵﹁ 内部 相互 補助

﹂に 対し て、 いわ ば﹁ 外部 補助

﹂ と呼 べよ う︶

。こ のう ちで

、公 的政 策に 基づ く公 共団 体か らの 外部 補助 につ いて は、 本件 に現 れて いる よう に、 競 争に 対し 一定 の影 響を 与え る可 能性 があ り、 競争 政策 上の 観点 から 必要 最小 限に 止め るべ きで ある とい う議 論は か なり 以前 から 行わ れて きた とこ ろで

( )

ある

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:

しか し、 政策 論で はな く、 解釈 論の 次元 にお いて は、 各種 の公 的補 助金 によ って 実現 した 低い コス トは

、原 則と して その まま コス トと して 認め る他 はな いと 考え られ る。 例え ば、 地方 自治 体に おい て正 当な 手続 きで 決定 さ れ、 内容 上も 妥当 とさ れた 誘致 策に よっ て、 ある 事業 者の 土地 の取 得代 金が 通常 の場 合よ り安 くな った 場合

、仮 に 誘致 策が ない とし ての コス トを 算定 する とい うの は、 当該 誘致 策を 否定 する こと にな るし

、ま た非 現実 的な こと で ある 本 。 件の 場合 も、 郵政 公社 の設 立に 関す る制 度が 各種 の優 遇措 置を 認め てい たの であ るか ら、

﹁当 該事 業者 の場 合 にの み妥 当す る特 殊な 事情 によ るも ので ある

﹂と して も、 その こと をコ スト 算定 に組 み込 み、 それ ら優 遇措 置が な いと すれ ばど れだ けコ スト が高 くな るか を算 定す る、 とす るこ とは でき ない と解 すべ きで あろ う。 した がっ て、 前記 の諸 税を 支払 って いな いこ とを コス ト算 定に おい て考 慮す べき であ ると いう Xの 主張 も、 郵政 公社 に関 する 諸制 度が それ を認 めて いる 以上

、あ るい は、 諸税 に代 わる 負担 金等 の別 の形 式で 国庫 への 納入 を義 務 づけ る等 の制 度を とっ てい ない 以上

、無 理な 立論 であ ると 考え られ る。

︿補 注﹀

本稿 再校 の折 りに

、以 下の 報道 に接 した

。 日本 航空

︵J AL が︶ 会社 更生 法の 適用 を申 請し

、公 的資 金を 活用 して 再建 に乗 り出 すこ とを うけ

、全 日空 は、 JA Lが 巨額 の公 的資 金を 得て 競争 力を 過度 に高 め、 公的 支援 を受 けて いな いラ イバ ル企 業の 経営 を圧 迫し かね な いと の懸 念を 示し た。 その 上で 公的 支援 を受 けた 企業 が不 当に 安売 りす るこ とな どを 禁じ る指 針を 求め た︵ 二〇 一

〇年 一月 二一 日付 朝日 新聞 朝刊

。︶ ここ で、

﹁公 的資 金﹂ が直 ちに 個別 の輸 送サ ービ スの コス トを 低下 させ るか 不明 であ るが

、上 記の よう な公 的な 優遇 措置 をコ スト 算定 にお いて 考慮 する こと は原 則と して しな い、 とい う立 場に 再考 を迫 る事 案で ある よう にも 思 われ る。 この 点に つい ては

、別 の機 会に 検討 する こと にし たい

;

これ に対 し、 上記 の公 的補 助金 や公 的助 成措 置の 場合 では なく

、事 業者 がも っぱ ら経 営上 の戦 略と して

、他 の事 業者 に対 して 一定 の補 助を 行っ た場 合は

、コ スト 算定 にお いて

﹁こ れら の特 殊事 情の 存在 を考 慮﹂ する こと も 十分 あり 得る こと であ る。 例え ば、 中部 読売 新聞 社事 件の よう な、 一方 で、 全国 紙を 発行 する 新聞 社に 独占 化の 意図 とそ れを なし 得る 用 意・ シス テム が形 成さ れて おり

︵中 部読 売新 聞社 との 特殊 な補 助関 係︶

、他 方で

、地 方紙 が企 業努 力に よっ ても 到底 対抗 でき ない よう な場 合に は、 仮に その よう な補 助が ない とし た場 合の コス トを 算定 する とい う仕 方で

、ス タン ド アロ ーン 方式 に似 た考 慮を すべ きこ とに なる

。 本件 では

、郵 政公 社に 対す る各 種の 優遇 措置 は、 いう まで もな く、 上記 のよ うな 経営 上の 観点 から の外 部補 助で はな く、 法的 な制 度と して 定め られ たも ので ある から

、結 局、 これ につ いて のX の主 張は 認め られ ない と考 えら れ る。

三 不当 な利 益に よる 顧客 誘引

︵一 般指 定九 項︶ 判旨 二の

、﹁ Aに 対す る利 益供 与行 為は

、取 次所 とし ての 契約 締結 を目 的と して コン ビニ エン スス トア のフ ラン チャ イザ ーに 対し て行 われ た働 きか けで あり

、X の顧 客と なる 宅配 便サ ービ スの 利用 者に 対し て利 益を 供与 した も ので はな いか ら、 そも そも 上記 指定 に反 する 行為 には 該当 し得 ない

﹂と いう 部分 は、 消費 者に 対す る景 品を 念頭 に 置い た文 章の よう にも 推測 され るが

、明 らか な誤 りで ある

。 一般 指定 九項 は、 取引 の相 手方 に対 し、

﹁不 当な 利益

﹂に よっ て取 引を 誘引 する こと だけ が要 件で あり

、宅 配便 サー ビス の利 用者 では なく

、事 業者

︵こ こで は、 フラ ンチ ャイ ザー であ るA

︶に 対し て行 われ た働 きか けも

、取 引の 誘引 に当 たる

。A に対 して

、Y とX は競 争関 係に あり

、Y は、 既存 のA とX の提 携関 係を つぶ して

、A が自 社と 提 携関 係に 入る よう に誘 引し

、そ のた めに 利益 供与 行為 を行 った もの であ り、 一般 指定 九項 の行 為要 件を 満た す。 し かし

、Y の本 件利 益供 与が

﹁不 当な

﹂と 評価 でき るか は別 の問 題で ある

。 本件 に類 似す る形 態、 事業 者に 対し 契約 締結 また はそ の継 続を 目的 とし て行 われ た利 益供 与行 為に 対し

、本 九項 が適 用さ れた 事例 とし ては

、損 失補 填事 件に 係る 野村 証券 事件 等の 三事 件が

( )

ある

。そ れら にお いて は、 損失 補填 と

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いう 利益 は、

﹁証 券投 資に おけ る自 己責 任原 則﹂ から 不当 であ ると いう 価値 判断 が入 って

、本 項が 適用 され てい る と理 解さ れる

。 判旨 二の 後半 は、 そこ に示 され てい る事 実認 定を 前提 とす る限 り、 本件 にお いて は、 上記 のよ うな 意味 での

﹁不 当な 利益

﹂に 相当 する もの もな いと 思わ れ、 一般 指定 九項 には 当た らな いと した こと に問 題は ない であ ろう

四 競争 者に 対す る取 引妨 害 判旨 三の 取引 の不 当妨 害に つい ては

、本 判決 の事 実認 定を 前提 とす る限 り、 判旨 は妥 当で あろ う。 すな わち

、そ こで は、

﹁Y がA に対 して 専売 店契 約を 締結 する こと を求 める 等し てX との 取引 を打 ち切 るよ う求 めた 事実 を認 め るに 足り る証 拠は なく

、A がX に対 して 一般 小包 郵便 物︵ ゆう パッ ク︶ と宅 急便 を併 売し たい との 申出 をし たの に 対し て、 Xが これ を拒 絶し てA から 撤退 する こと を決 めた

﹂と され てい るか らで ある

。 ただ し、

﹁コ ンビ ニエ ンス スト アに 対し て取 次所 とな るよ う働 きか ける こと につ いて も、 その 手段 にお いて 不当 であ ると 認め られ ない 限り

、Y が競 争者 とそ の取 引の 相手 方と の取 引を 妨害 した と評 価す るこ とは でき ない

﹂と 述 べて いる 部分 につ いて は、 取引 妨害 の﹁ 手段 とし ての 不当 性﹂ に着 目し た議 論で ある

。 これ は、

﹁契 約の 奪取

﹂と も呼 ばれ る類 型で あ

( )

るが

、こ れは 取引 の相 手方 に対 し、 契約 を変 更し て自 己と 取引 す

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るよ うに 説得 する こと であ るか ら、 ノー マル な競 争の 過程 との 区別 につ いて 特に 注意 が必 要で ある

。例 えば

、個 別 の契 約奪 取行 為が 全体 とし ての 反競 争的 戦略 の一 環で ある 場合 とか

、説 得の 材料 とし て提 示さ れた 契約 条件 が、 前 記の 不当 な利 益に よる 顧客 誘引 に当 たる よう な性 格の もの であ った 場合 など が考 えら れる

。本 件は

、こ のよ うな 反 競争 性が 認め られ なか った ので ある

。 なお

、取 引妨 害に おけ る公 正競 争阻 害性 のも う一 つの 性格 とし て認 めら れて いる

﹁競 争減 殺﹂ につ いて は、

﹁そ の手 段に おい て不 当で ある と認 めら れな い限 り﹂ とい う限 定は 狭す ぎる が、 本件 では この 点に つい ての Xの 主張 も なく

、判 旨は 妥当 と考 えら れる

五 差止 請求 の要 件︱

︱﹁ 著し い損 害を 生じ

、又 は生 ずる おそ れが ある

﹂ 判旨 四の 差止 請求 に関 して

、次 の一 点だ け簡 単に 述べ てお く。 本件 にお いて

、Y は、

﹁本 件に おい ても

、原 告は

、原 告が 著し い損 害を 生じ

、又 は生 ずる おそ れが ある こと を立 証す る必 要が ある にも かか わら ず、 被告 との 競争 によ って どの よう にし て赤 字が 生じ

、宅 急便 事業 から 撤退 する と いう 事態 を招 く高 度の 蓋然 性が ある かと いう こと につ いて

、具 体的 な主 張・ 立証 をし てい ない

﹂、 と主 張し た︵ 傍 線は 舟田

。︶ これ に対 し、 本判 決は

、﹁ 主観 訴訟 であ る差 止請 求を 基礎 付け る利 益侵 害、 著し い損 害も

、事 実審 口頭 弁論 の終 結時 に現 存し

、又 は発 生の 蓋然 性が ある こと を要 する

傍線 は舟 田︶ とし

、こ の立 証が なさ れて いな いと した

。 この 点に つい ては

、独 禁法 二四 条は

、﹁ その 利益 を侵 害さ れ、 又は 侵害 され るお それ があ る者

﹂、 およ び、

﹁こ れ によ り著 しい 損害 を生 じ、 又は 生ず るお それ があ ると きは

﹂と 規定 して いる

。﹁ おそ れが ある

﹂こ とが 要件 であ る から

、後 者︵ 本判 決︶ が妥 当で あっ て、 前者

︵Y の主 張︶ にお ける

、﹁ 赤字 が生 じ、 宅急 便事 業か ら撤 退す ると いう 事態

﹂、 また

、﹁ 高度 の蓋 然性

﹂と いう 箇所 は、 不要 な制 限を 付し たも のと 考え られ る。 本差 止請 求制 度を 立法 する 際に 当た って まと めら れた

﹁独 占禁 止法 違反 行為 に係 る民 事的 救済 制度 に関 する 研究 会﹂ の報 告書

︵平 成一 一年 一〇 月二 二日

。そ の第 三、 ⑷

︶に おい ても

、﹁ 現在 損害 が生 じて いな いが

、近 い将 来に お いて 差止 めに よる 救済 が必 要な 損害 が生 じる 蓋然 性が ある 場合 につ いて も、 差止 めを 認め るこ とが 適当 であ る﹂ と され てい たと ころ であ る。 また

、﹁ 損害

﹂と は、 当該 行為 がな かっ たら

、あ り得 たで あろ う状 況と 比べ て被 害者 に損 害が 生じ たか を問 題に して いる ので あっ て、 赤字 が生 じる か、 撤退 する かな どは

、本 要件 該当 とす るた めに

、そ れ自 体と して は不 要で あ

ドキュメント内 不当廉売を理由とする差止請求︱︱ (ページ 36-46)

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