擬制資産
↓
現 金
擬制資産
《問題状況》
5 費用の見越し(引き当て)
しかし,複数期間の費用に配分したい!
費用に相当する額だけ,少しずつ財・ 擬制負債を
まとめて支出
放っておくと,支出したときに全額が費用になってしまう!
3
月決算の企業が,3
月1日に銀行借入をした。半年分の利息を
8
月末に600
支払う予定である。当期分の支払利息
100
を計上したい・・・5 費用の見越し(引き当て)
現金 1,000
純資産 1,000
現金 1,000
純資産 1,000
期首のB/S 期末のB/S
純資産の減少がないため,このまま
当期分の費用額を「未払費用」という名で負債に計上
5 費用の見越し(引き当て)
現金 1,000
純資産 1,000
現金
1,000 純資産 900
期首のB/S 期末のB/S
未払 費用 100
△
100
翌期の処理
5 費用の見越し(引き当て)
現金
1,000 純資産 900
翌期首のB/S
未払費用
100 現金
400 純資産
400
8月末の状態B/S
翌期の8月末までに,4月~8月の 支払利息500が費用になる。
8
月末の600
の支払い=未払費用(負債)の返済100
△
500
5 費用の見越し(引き当て)
将来の支出 を 現在の費用へ(一般形式)
負 債 負 債
純 資 産
うち 当期純利益 負債の増加&純資産の 減少により利益の減少
(費用の計上)
純 資 産
うち 当期純利益
↓
資 産 負 債
純 資 産
将来,支出したら,
I.
会計処理の考え方1. 放っておくと,資産・負債・純資産はどのように計算され,その結果,
どの会計年度にどれだけの費用が計上されるのかを確かめる。―
「補正前純資産額」の計算
2. 計画通りに計算すると,各年度末の純資産はどれだけになっている べきかを確かめる。―「あるべき純資産額」の計算
3. A) 「あるべき純資産額」が「補正前純資産額」よりも大きい場合,
つまり,当期の費用を減少させるときは,「前払費用」(または「繰延 費用」)という資産を計上する。
B) 「あるべき純資産額」が「補正前純資産額」よりも小さい場合,
つまり,当期の費用を増加させるときは,「未払費用」(または「引当 金」)を計上する。
6 費用の繰り延べ・見越しのまとめ
II.
擬制資産と擬制負債をめぐる論点1. 資産と負債の定義を充たさなければならない。
2. 各期の費用の計算方法が,合理的かつ客観的に決められていなけ ればならない。
3. 制度上は,擬制資産と擬制負債は制限されている。
4. 擬制資産と擬制負債の経験的意味(リアリティ)は限定されている が,その犠牲(コスト)があっても,年度利益の計算を優先するため,
それらは完全には排除されていない。
6 費用の繰り延べ・見越しのまとめ
営業上の支出は,必ずいずれかの期の費用になる
7 支出と費用の関係
過去支出 当期の費用 当期支出 将来支出
前期以前
の支出 翌期以降
の支出
繰り延べ
見越し(引き当て)
《原則
Ⅰ》
当期の支出について・・・
擬制資産を計上する
⇔
純資産が大きくなる⇔
当期の費用は小さくなる⇔
将来の費用は大きくなる《原則
Ⅱ》
将来の支出について・・・
擬制負債を計上する
⇔
純資産が小さくなる⇔
当期の費用は大きくなる⇔
将来の費用は小さくなる8 支出と純資産・費用の関係
I.
資産の増減に連動して,当期の利益は増減する1. 資産の数量が増減しているケース 2. 資産の価格が増減しているケース 3. 会計記録の名目的な増減のケース
II.
企業評価(企業価値の推定)に影響をあたえるのは,期末 時点の資産の評価額の大小ではなく,当期の利益の大小(正確には,それから予測される将来利益の大小)である。
9 資産の増減情報の意味
III.
利益の大小は,ただちには企業価値の大小に結び付かな い。現在の利益(業績)が将来も維持されるのか,成長(あ るいは衰退)するのかによって,企業価値は左右される。IV.
資産の増減情報も,企業の将来業績との関係を考えて利 用しなければならない。9 資産の増減情報の意味
資産の増減
企業価値の上 昇を期待させる
企業価値の低 下を期待させる
企業価値とは 無関係,不明 ケース1
ケース2 ケース3
資産評価額の増加=企業価値の上昇期 待とはかぎらない点には注意が必要
!!
I.
ここまでの計算原理の説明1. 資産と負債の増減を記録
2. 純資産の増減を把握 → 貸借対照表の作成 3. 純資産の増減記録から収益と費用を把握
→ 損益計算書の作成
II.
実際の複式簿記の計算手続き1. 資産と負債の増減と同時に収益と費用を記録 2. 全記録を統合して,網羅性と正確性を検算 3. 全記録から,貸借対照表と損益計算書を作成
10 T 字型記録(複式簿記)の計算構造
◇資産の増加と収益の獲得◇
10 T 字型記録(複式簿記)の計算構造
資 産
1,000
拠 出 資 本
1,000
資 産
1,000
拠 出 資 本
1,000
資産800
(+) (-) (+) (-)
収益
800
同額を記録 収益は,資産の増加の鏡像
なので,資産の増加が(+) に記録されるのと反対に,
◇資産の減少と費用の発生◇
10 T 字型記録(複式簿記)の計算構造
資 産
1,000
拠 出 資 本
1,000
資 産
1,000
拠 出 資 本