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ドキュメント内 佛教文化研究 第61号 (ページ 113-142)

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活動の種類

  自死予防や自死遺族支援としてどのような活動を行っているか、複数回答可で質問をした。手紙相談と分かち合いに従事する僧侶が各

最も多く、その次に面談、電話が 11名と

((名、メール

どで取り組んでいる活動と思われる。 や電話相談、メール相談は僧侶の会では行っておらず、他団体や自坊な 1名となっている。面談

    

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一一二              

活動にかける時間

 

に対しては、 (週間でだいたいどれくらいの時間を活動にかけているかという質問

(~ 1時間が

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1名、

11時間以上が

て、多いときと少ないときの差が結構ある」、「週に手紙が 1名であった。ただし、「その週の忙しさの度合いによっ

1~ ば、やり取りのメールも含めて、それだけで 1通あれ

(1~ います」、「往復書簡が自分を含め班員に多く届けば、 (1時間近くなってしま 週もあります。また、電話や面談があれば、 (1時間以上かかる

(回に ど相談者に応じて、やりくりしなければならない実態も見えてくる。 とは言えない。また、僧侶側の都合ではどうにもならず、手紙や面談な ともあります」という回答も見られ、必ずしも正確な数字が割り出せる 1時間ほどかかるこ

    

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活動を始めたきっかけ

  自由回答を分類すると、「年間

からという回答が 僧侶の役目だと思っていた」など相談活動は僧侶としての役割と思った 何かできないかと考えていました」、「人の相談(苦しみ)を聴くことが 1万人以上の自死者がいる現実に対し、

加する傾向が多いように思われる。 誘いなど、外的要因から活動に参 近な存在の自死や知り合いからの きことという強い信念よりも、身 いう回答が続いた。僧侶がやるべ かという期待からです」など)と 動を通じて成長できるのではない そもそもの動機です」、「自身も活 としてのアイデンティティーの確立というのが活動を始めたいと思った らの紹介がきっかけです」など)、自分の成長のため(「自己研鑽と僧侶 の紹介・勧誘(「知り合い僧侶からの誘い」、「先に活動していた同僚か 1件と多く、次いで、先に活動をしていた知人等から 4、活動における疲労やストレス

  本論冒頭で、困難や無力さに直面した時にこそ、「宗教的理念や宗教的感覚」がセルフケアとして機能するのではないかという仮説を立てたが、活動に従事する僧侶

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一一三     自死予防活動に従事する僧侶のセルフケアと変容 はどのような困難に直面するのだろうか。そもそも、活動で疲労やストレスを感じることがあるのかをまず尋ねると、

11名中 がストレスを感じていることが分かるだろう。 したものではありません」と記述している。多かれ少なかれ、全回答者 はありません。しかし、それは当り前のことと整理できていますので大 は対話の格闘技みたいなものですから、疲労やストレスを感じないはず 容範囲です」と、「どちらともいえない」と回答した僧侶は「相談活動 回答した。「いいえ」と回答した僧侶は「全く無いとは言えないが、許 11名が「はい」と

    

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  それでは、「はい」と回答した僧侶は、どのような場面で疲労やストレスを感じるのだろうか。自由回答を分類してみると、「時間的余裕のなさ、生活ペースの乱れ」と「相談相手との信頼関係が築けない、共感できない」が各

や焦りからストレスを感じます」、「 「相談活動と相談活動以外の仕事が幾つも重なってしまった時は、疲労 (1名と最も多かった。前者では、「睡眠時間が減った。」、

い」などの記述がみられた。 も、納得もしくは何らかの合意があり相談を終えた時は疲労は感じな 長にかかわらず、相手と言葉や思いが通じなかった時。長時間であって 中々汲み取れない時に自己嫌悪に陥りストレスを感じます」、「時間の短 いときもある」、「相談者の変化が見られないとき」、「相談者の気持ちを 準として考えがちなので、内容によっては、相談者に対して共感できな したいと思う程、しんどいこともあった」、「どうしても自分の尺度を基 かない時は疲れてしまいました。手紙相談を始めた時は自分が手紙を出 「なかなか信頼関係が築けず、相談内容が進展しないとき」、「上手くい 「時間的余裕のなさから来る心の余裕のなさ」などの記述、後者では、 ないので、長時間の相談になることもあり疲労感を感じることもある」、 (回当たりの時間枠などを設けてい   「無力感、不安」に分類した回答には、

「自分のいたらなさを痛感することが一番でしょうか」、「どのように対処すれば良いのか迷うことは、多々ある。この方法で上手くいっているのかの不安な時」、「相談者の気持ちを中々汲み取れない時に自己嫌悪に陥りストレスを感じます」、「共感はできても即座に解決できない無力感を痛感します」といった記述もあり、「相談者との信頼関係が築けない」と重なる部分もある。より大

一一四                   䇸䈲䈇䇹䈫䈍╵䈋䈮䈭䈦䈢ᣇ䈲䇮∋ഭ䉇䉴䊃䊧䉴䉕ᗵ䈛䈢ᤨ䇮䈬䈱䉋䈉䈮䈗⥄り䉕䉬䉝䈘䉏䈩䈇䉁䈜䈎䇯

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別すると、自分自身の余裕の無さからくるストレスと相談者との関係構築が良好でないために生じるストレスに二分できるだろう。

    

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  続いて、疲労やストレスを感じた時のセルフケアを質問した。「同じ活動をしている仲間に相談する」、「仲間で共有する」といった「仲間に話を聞いてもらう」方法を取る僧侶が最も多かった。次いで、「一時保留して、個人的な懸案事項を処理してから、相談に向きあう」、「活動時間をはっきり区切る」といったオンとオフの切り替えを上げる回答、

1 位には「趣味の時間を持つ」が続く。セルフケアの方向性も、大別すると、自分自身の気持ちを表出する方向と、相談活動の時間を区切り、メリハリをつけるという方向に二分できるだろう。ギャンブルらによる心理士の専門的および個人的セルフケアの調査 (1

では、上位

でおり、僧侶のセルフケアの上位とほぼ変わりはないが、仏教実践 (1 の読書」、「難しいケースに対してコンサルテーションを受けた」が並ん を取った」、「人と親しく交わった」、「同僚からの心理的支援」、「娯楽で 1位に、「休暇

は、やはり僧侶に特徴的なものと言えるだろう。本調査では

(1 とに関する実践」、「瞑想」、「ヨガ」の順位はきわめて低い結果が出てい を挙げているが、ギャンブルらによる調査では、「スピリチュアルなこ 1名が仏教実践

一一五     自死予防活動に従事する僧侶のセルフケアと変容      䇸䈲䈇䇹䈫䈍╵䈋䈮䈭䈦䈢ᣇ䈲䇮∋ഭ䉇䉴䊃䊧䉴䉕ᗵ䈛䈢ᤨ䇮䈬䈱䉋䈉䈮䈗⥄り䉕䉬䉝䈘䉏䈩䈇䉁䈜䈎䇯

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5、僧侶自身が救われた経験   活動のなかで、仏教の教えや実践、仏教者の存在などによって、救われた、癒された、勇気づけられた等を感じたことがあるかという質問には、「仏教、宗義、信仰による救い」に分類される回答記入者が

仲間の存在という回答が (1名、

1名、仏教実践を挙げた僧侶は

ずなどの言葉に癒されました」 花、弥陀の光明は遍く十方世界を照らし念仏の衆生を摂取して捨て給わ   「常懐悲感心遂醒悟(法華経如来寿量品)、泥水をくぐりて清き蓮の になった」 「『スタニパータ』などのお釈迦様の声に近いものが心に強く響くよう であり、救いである」 じく一人の凡夫としてともに救われていく同朋であることが大きな喜び た事を心から慶ぶ事ができるようになった。僧侶は救う側ではなく、同 「〈私〉には他力念仏往生しかないこと。そして、今、本願力に出遇え 「ベースが僧侶でなかったら、立ち位置が存在しえないと思う」 分も頑張らなければ!)」 「宗祖の思想や活動などをよく知れば知るほど、すごいなぁと思う(自   め、本願の力にゆだねる南無阿弥陀仏)」 「宗祖の人間観に慰められた(どうにもならない状況にわが計らいを止 「阿弥陀さまは見守ってくださるという安心感」 で、安心を得られています」 「仏教の教えや実践や仏教者の存在そのものが相談者への対応となるの ここでは、「仏教、宗義、信仰による救い」に分類した回答を紹介する。 1名であった。

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