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ドキュメント内 Japan Advanced Institute of Science and Technology (ページ 61-73)

6@ 塩水楔長さの推定

次に、逆に塩水楔長さの観測結果から界面抵抗係数を求める。式76 8と同じ く、界面抵抗係数の経験式は一般的には次式となる9&:

BJ

7608

7 6 8は、この式7608において、 B06 B6としている。塩水楔長 計算を行った2 ケースについて、塩水楔長さの観測値をに用いて式7 68より

を求め、最小二乗法によって を同定した。その結果次式が得られた。

B6J 7618

これが江の川における界面抵抗係数の評価式である。

つぎに塩水楔の形状から界面抵抗係数を求める方法は次式となる9&:

B

½

C

 

 

½

K

K C

K

K

7668

ただし、:上・下層の水深、:水路幅、:下流向きにとった距離座標、

K:区間内の変化量である。塩水楔の観測結果から必要な形状のパラメータを読み 取り、この式766 8を用いて界面抵抗係数を算出した。

以上の界面抵抗係数に関する検討結果をまとめて図 60に示す。昭和3年度江 の川塩分解析検討業務報告書93:によると、江の川における界面抵抗係数の近似 式は、

B1J

7638

であり、本論文で我々が提案した式7 618より界面抵抗係数がかなり大きくな る。江の川の水理量が現在と差がないとすると、界面抵抗係数が大きいために塩 水楔の長さは相対的に短くなるはずであり、式7 63 8について言えば、逆に塩水 楔長さの観測値が現実より短かった可能性がある。流量を考慮に入れ、塩水楔長 の観測データを本報と比較すると、確かにより短い傾向があり、これは観測精度 の差と塩水楔先端の定義の違いなどによるところが大きいと考えられる。本研究 で用いた塩水楔の観測方法は、非常に精度良く塩水楔の形状を把握することがで きる。しかし式7 668を用いた楔形状からの界面抵抗係数の算出値はばらつきが 大きく、観測とは一致しない。観測結果によれば川床の形状が塩水楔の形状に大

きく影響しており、次元解析モデルではこれが表現できないことによると考えら れる。

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60@ 界面抵抗係数の比較と提案式

塩水楔の溯上速度

本論文では、溯上速度の推定に密度フロントの浸入モデルを用いた。完全流体 を前提として、水平床上のダクトから放出される密度フロント先端の進行速度は、

を用いて次式で表される9&:

B7

8

7628

B

 

76'8

ここで、:進行速度、B7C8である。

この式による評価に必要なパラメータがそろっているのは、&&' 年度5地点に おいて光ファイバ分布型温度計により塩水楔溯上速度が観測された以下の 1 ケー スである。

¯ &&& 年 6

¯ &&& 年 0

¯ &&& 年 0

¯ &&& 年 2

これらのケースについて溯上速度の推定を行い、観測値との比較を図 61に示 す。その結果、観測では溯上速度は 63D程度であり、これは電磁式流向流速 計の観測結果 6D9:とも一致する。しかし計算結果は約 Dとこれより はるかに大きい。これは、

78計算が非粘性流体を前提としているのに対し、実際の塩水楔溯上は粘性の影 響(二層間および河床抵抗)がかなり大きい。

78モデルは静止流体中への進入であるのに対し、河川水の影響は逆に溯上を阻 害する方向に作用する

などによると考えられる。さらに溯上時の流量変化を見ると(たとえば図1)、

流量の低下と観測区域への塩分浸入とはタイミングが一致しており、またその時 の流量が大きい程溯上速度が小さい傾向が見られる。これらは明らかに塩水溯上 が二層間の粘性に影響されることを示している。

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61@ 塩水楔の溯上速度の推定

今回は塩水楔溯上速度の計算モデルとして、完全流体を前提とした密度フロン ト浸入モデルを用いたが、実際の塩水楔では粘性の影響を無視できなかった。上 層の流れ(粘性)が考慮できる二層流モデルを採用した非定常問題としての解析 を今後の課題としておきたい。

謝辞

まず最初に、本研究を進めるにあたって貴重な御助言、御指導を賜りました松 澤照男教授に深く感謝致します。

本論文で報告した観測データは、塩水楔観測システム研究開発グループによる ものです。特にグループの代表者である徳岡隆夫島根大学名誉教授には、 0 年間 にわたり特別研究学生として島根大学汽水域研究センターに受け入れて頂き、さ らに観測全般にわたって御指導頂きました。ここに深く感謝いたします。また、産 業総合研究所海洋資源環境研究部門西村清和氏、同じく石原丈実氏には、論文原 稿をはじめ有益な助言を頂きました。各位に厚く御礼申し上げます.

観測に使用した機器類については、塩水楔音響動態観測システム7オンライン 式8は千本電機78の須崎聡氏、塩水楔音響動態観測システム7オフライン式8は クローバテック78の松田滋夫氏、光ファイバ分布型温度計は78E44(旧78 ワイ・オー・システム)の久保田俊輔氏、多点型4センサケーブルは78鶴見 精機の鈴木重教氏にご協力頂きました。ここに厚く御礼申し上げます。

建設省(現国土交通省)浜田工事事務所には観測全般、水位、流量データの提 供などでご協力頂きました。

最後に、本論文をまとめるに当たって御協力いただいた松澤研究室、島根大学 総合理工学部徳岡研究室の諸兄に、厚く御礼申し上げます。

参考文献

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汽水湖中海における塩分躍層動態の長期観測M!;,"HA,7汽水域研究8! A0!

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91: 西村清和! 鈴木重教! 徳岡隆夫! L多点型CTセンサケーブル−測定システム の開発と汽水域での塩分・温度観測実験−M! 海洋理工学会誌! F1! A!

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!松田滋夫!山中正!L汽水域の塩分躍層の動態長期観測システムの開発(予 報)M! ;,"HA,7汽水域研究8! A!2! &&6

92: 西村清和! 松林修! L光ファイバ分布型温度センサの海洋および湖沼調査への 適用M! 海洋調査技術! A'!20!&&3

9': 神部勉! 流体力学! 裳華堂!1! &&6

9&: 土木学会編! L水理公式集M!土木学会! 6232! &'6

90: 須賀堯三! 高橋晃! L弱混合河川における内部抵抗係数M!0回土木学会年次 学術講演会講演概要集! ! &26

90: 山本晃一!高橋晃!深谷渉! L感潮河川の塩水溯上実態と混合特性M! 建設省土木 研究所資料! A02!&&0

本研究に関する発表論文

査読付き論文

9: 上野博芳! 徳岡隆夫! 松澤照男! 「江の川の塩水楔 −&&'年観測データの水 理学的解析−」! 日本海洋理工学会論文集!印刷中

国際会議等

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7採録決定済8

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ドキュメント内 Japan Advanced Institute of Science and Technology (ページ 61-73)

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