囗本 管理 会副 学会誌
を奪罎里会言計学2000 年 身与8 巻 鮮二1・2 合11i:写・
論 文
生 産 性 測 定 に 関 す る
一考 察
秋 庭 雅 夫
*〈 論 文要 旨〉
生 産性 と は 生 産 す る能 力を指す が,今まで は産出 と投入の比 によ る 生 産能 率の測 定と
い う立 場 を一般に とっ て きた .し か し な が ら生 産は,基本的に は 設定さ れてい る 生 産目 的 を達 成 する こ とが求め ら れ,生 産 する能 力 として は こ の 目標 達 成が本 来 的に検討さ れ
るべ き性 格の もの であ る と考える .目 的 達 成を果たすこと がで きた 上 で, 生 産 能 率 が 評 価 さ れる こ とになる.
本 研 究では,生産 性は 生産 する能 力とい う 今まで の 解 釈に基づ ぐが, 産 出と投 入の 比
に よ る 生 産 能 率の評 価とい う 見 方に対して,設 定 さ れ た 生産 目 的を達 成で きる能 力を評 価 するとい う見方を 新た に加える こ と を提 案 する.
また, 今まで生産要素で区分 し た偏生 産 性と して,労働生産 性,原材料生産 性, 機 械
生産 性を評価 し,総合生 産性をこ れ らの 偏生産性 の 投入要 素 を経 済 的 単 位な どで .・元 化
し た総 合 能率と して求め て き た,これ に対して本 研 究で は , 達 成 すべ き生産目的は, 品 質 (設 計 品質,製 造 品 質,使 用 品 質な ど),数量 (生産 数量,使 用 数量,保 管 数 量 など), 時間 (納 期,工 期 な ど )金 額 (利 益,原 価な ど〉の 特性 と し て与 えてお り,これ らの 特 性の相互 関連 を図 っ た総 合 能 力 として 総合 生 産 性 を 考 えるこ と を提 案す る.
以 上の ように,本 観 究で は,生産 する能 力を目 的達 成 と 生産 能 率とに 区 分し, これ ら を関連 さ せ た 生産 性 測 定の考え方につ い て提案する .
〈 キーワ ー ド〉
生産 性, 総合生産性,目的達 成,生 産能 率,総 合目標,個 別 目標,目 標 展 開
1999年11 冂 受付
2000 年 2月 受埋
*東 京理科大学 経 営 学 部 教 授
管理会 刮 学2000 年 第8巻第1・2 合 併 号
1
. は じ め に生 産性 と は,生 産する能 力 とそ の程 度を 意味 し,こ れ を投入 と 産 出 の 比 で表示 する 生 産能 率
の 尺 度 とい う 見 方 が 今 まで 一般に とら れ
て き た.し か し な が ら, 作 りや すい 品 物を まと めて沢 山に生 産すれ ば,投入 と産 出の 比 は 向上 する こ とが 期待で きる .し か し, 生 産 は, 何で も勝手
に都合の よい 品物を作 っ て い れ ば よい とい う問題で は ない .生 産におい て は, その生 産 に 課せ ら れた 目的を達成する た めに 期待され て い る 成果を挙げ る こ とが 第一義的 な要件で ある とい え
る 。そ の 意味で は, 生 産す る能 力 とは 目的と成果 と を対比す るこ とが 第一義 的で あ り, その 産 出 を得る際の投 入 と 産 出 との 比 は第二 義的 であ ると考え られる.
本 研 究は, 生 産 性 を生 産 能 率 として捉 え る見 方に対 して , 新 た に生 産 目 的 を 達 成 す る能 力 と その程度とし て捉える見方 を提 案 し て , こ れ らの関連 を 明ら か にする こと を意図 し て い る.そ の た め には, 今 まで 生 産 性 は どの よ うに捉 えられて い るの か, そ の概 要を 明確に する必要が あ る .
(
1
) 生産 性 は能 率 評価
の 尺度高宮 [
1
]は 「生産性 とは, 生産する能力 ,そ の程 度 とい う 意味で ある」 と 述べ , ま た高宮[
2
]は 「生産性は人的 ・物 的資源の 利 用 度, すな わち, 生 産力の程 度を示 すもの で ある」 と も 述べ て い る.こ の よ うに,生 産性 は, ど れ く らい 生 産 す る能力 が あ るか を示す 尺度であ る と受 け と め ら れて い る.その 際, 生 産する 能力の 評 価に つ い て , 辻村 [3 ]は 「一般に 生産 駐とい う語 は,生 産の た めに投入 さ れ る生 産要 素の 量 に対 する製 品産 出物 との 比率と して 定 義さ れる .こ の と き投入 ・ 産 出は物 的 に測 られ るの が 原 則で ある 」と した .
ま た,小 川 [4 ]は 「生 産性分 析とは, 投入 し た 生 産要 素が どれ だ けの 生 産物 を 産 出 し た か を 測 定 する こ と に よっ て , 企 業の 生 産 能 率 を 的 確 に 把握 し, 能 率向上の た めの 情 報 を提 供 する こ とを 目 的 と し て行わ れ る経 営分 析の一手法である .生 産性 とは,基 本 的に は次の 式に よっ て 示 さ れる.
生産 性= 産 出/ 投入 (
1
> つ ま り, 生 産i
生 と は 生 産要 素の 有 効利用の 度合い であ っ て ,一定期 間に お ける 生 産 諸要 素の 投 入に対 して ど れ だ けの 産 出 が 得 ら れ た かの関 係 を 明 らか にする もの で あ る」 と述べ て い る. こ こに述べ ら れ てい る よ うに,生 産 性 は 生 産 す る能 力 を 示 す もの で あ り,
その 能 力の 程度は,投入に対 す る産出の 比で測定 さ れ ,
人 的 ・物的資源 の利 用魔 見 方 を 変える と生 産の能率と して捉え られ る とい うことが 理解で きる.
(
2
) 偏生産 性と総 合生産 性そ れ で は, 投入 さ れ る生産要素は , どの よ うに分け ら れて い るの で あろ うか .こ れ に対 し,
小 川 [
5
]は 「これに は各種の見 解が あ り,た と え ば古典 経 済 学の 立場に立てば,労 働 資 本お よ び 土 地 を 生 産 要 素 と して 認めて お り, また セ イ (say , 」.)は こ の ほ か に企 業 家 活動を 投 入
の 要素 とし て加える こ と を 主張 し, さ ら にマ ル ク ス (
Marx
,K
.H
.)は労 働 以 外の投 入 要 素を生毒性測 定に関 する ・一考 察
認め てい ない . し か し,個 別 企 業で 能 率測定の ため に生 産 性 分 析 を行 う場 合に は, 抽 象的な論 議 で は な く, 能 率 測 定 に もっ と有 効 な 要 素 を投 入 と して認 め分 析 し な け れ ば な ら ない 」 と 示 し
て い る.
この 生 産 要 素 に つ い て , 高 宮 [6 ]は 「純 粋に 物 理 的に と りあ げ られ る場 合 は,
一定の 労 働 量 当た りい くば くの 生 産物が 生 産 さ れ るか (労働 生 産 性), ま た,一定の原 材 料 当た りい く ば くの 生 産 物 が 生 産 され るか (原 材 料 生 産 性 また は原 単位), あ る い は一定の 機 械 (た とえば , 馬 力 数で 表示 さ れ る) 当た りい くばくの 生産 物が生 産さ れ る か (機 械生 産性 ),
一定の 固定設 備 当た りい く ば くの 生産 物が 生 産 され るか (資 本生産性 )な どの 問題が ある」とし て い る . こ れに関連 して , 辻 村 [7 ]は 厂各種生 産要素の う ち, い ず れ か一つ の投入 に対 して定 義さ
れ る生 産 性 は偏 生 産 性 と呼 ば れ る.偏 生 産 性は い ずれ も単 一の
生 産 要 素の 投 入 量 と製 品 産 出 量 との比率で ある か ら,他の生 産要 素投入量 とはtt−tA応 無 関係に そ れぞ れ の効 率を示 すに と ど まる. そこで ,すべ て の 生 産 要 素 投 入 量 を一
元 的 な 尺 度に換 算 し, こ れ を 合計 し た投入 量 を 産 出 量 と 対比する こ とに よ り総合生 産 性 を測定する とい う方法が と ら れる こ とが ある .総 合生 産性 とし
て は, 価 格 換 算 に よ るもの, 労働 量 換 算 に よ る もの が ある」 と説 明 して い る.
た しかに ,良い 原 材料を使え ば,作 業の 容 易 性 とか使用 ロ ス の 減少が期 待で き, 労 力の 投入 量 も減 る こ とや 機械の 稼 働率が良 くな る こ と が予想さ れ るなど, 労 力, 原 材 料, 機械の 投 入 量
の 間に は, 相互 に強い 関 連 が 認 め ら れる の が一般で あ る.た だ
1
つ の生 産要 素の み を 取 り 上 げ て生 産 性 を 評 価 して も, 全 体 的 に生 産の 能 力 を表 示 す る に は不 十 分であ る.こ こ で 述べ ら れ てい る よ うに ,
偏生 産 性の 役 割 には 限 界 があ り, 総 合生 産 性の捉 え方 を必要と し,
その際 に は,各生 産 要素 を一元化 し た尺度 を用い て 総合 する とい うこ と が 理 解で き る.
2
.生 産性
にお け る生産 能率
と 目的達 成
の 区分
こ こ で は , 今 ま で の生 産 能率の測 定とい う生 産性の 見方に加 えて, 生 産目 的の 達 成とい う見 方 を提 案する.
上 記に引 用 して きた ように , 生 産 性 は, 生 産 能 率 を投 入と産 出の比 で 表 示 する方 法 をこれ ま で とっ て きた.こ れ は, 図1 の よ うに描 くこ と が で きる .
投
1
入 一 一 ・
匚丕:至コ
ー 一 一 産…
出生産性 (生産 能率 )=産出÷投 入 図1 生産能率の測定 と しての生 産 性
し か し,津田 [
8
]は 「生 産性とは, 基 本 的に生産の た め に投入さ れ る費用に対す る成果の 比率と して 把握す るこ とが で きる .こ こで , 費 用/ 成果の 比 とい っ て も, そ れ は あ くまで 目的に対 応 して 出て くる概 念 で あるの で, 企業経 営 にお ける生 産性向上の意 味を考察する場合で も,
まず, 『な にを もっ て ねらい とするの か』『そ れ が 達成さ れ た ら な にが 変わ れ ばよい の か 』とい
管理会 言1学2000 年 第8巻 第1・2 合併 号
う目的 を明確に す るのが第
1
の前提 と なる」 と 述べ てい る.こ こ で指摘 され て い る よ うに , 生 産 する能 力を評 価 する に は, 生産 に課せ られ て い る目 的
(これ を 生 産 目 的 と呼ぶ )の達 成 とい う本 来 的 な 能力を対 象か ら外 すわ け に はい か ない .こ の 生 産が 持つ 目 的 達 成 の能 力に つ い て は ,生産能 率の 図示と対比 し て,図
2
の よ うに描 くこ とが で きる .目 的 一一一一一一一一「
↓
匚 ≡藍]
1 生 敵 (・的翻 一 成果・ 目的↓ ;
成
果 … 一… 一・
図
2
目 的 達 成の測 定 とし て の生 産 性以上の ように, 本研究で は生産性測 定の 立場 を次の
2
つ に分 けて考え る こ とを提案する. 目 的 達 成 : [評 価 尺 度]成 果÷ 目的 (生 産目的が 達成で きる能力 )生 産 能 率 : [評 価 尺度 ]産出÷投入 (能 率的に生産で きる 能力 )
目 的 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一… 1
↓ i
投,
入 一 一
[ : 垂 コ
ー 一騨 i目朧
i ↓ i i
l 成 果 一一一一一… 一一… 一… 一一一一一一一一一一一一… 」
1
1 1
生産 能率の 測定
図
3
生 産性測 定に お け る 目的 達 成 と生 産 能 率の関 係こ の よ うな 生 産 性 測定に お け る 目 的 達 成と生 産能率の関係は, 図3 で 示 す ことがで きる. 生 産能率とい う立 場か らす る 生産 性の研究は今まで に も数多く行わ れ て い る .こ こ で は , そ れ らの生産性の 概 念に つ い て触れ るこ と は し ない .本 研究 で提起する 目的 達成 とい う立場か ら
の 生 産 性 測 定の 考え 方 を 中 心 と して 以 下 に 論 述 する .
3
.総 合 生 産 性
の考
え方
こ こ で は,生産能 率の立場が ,労 働,原材料 ,機械 とい う生産要 素の 一
元化に よっ て総合生 産 性 を 示 す の に対 して , 目 的 達 成の 立 場で は, 達 成 すべ き 生 産 目 的の 統 合 化 に よっ て総 合 生 産 性 を示 すこ と を提案 する .
生 薤 性,則定 に 閏 す る一考 察
(
1
)管理 特 性 に よ る 生産 目標の 設
定
生 産目的を具 体的な尺度 (こ れを 生産目標と呼ぶ ) とし て設定 する た め に は,一般に次の 管 理特性 が 用 い ら れる.
品 質 :設 計 品 質, 製 造 品 質, 使 用 品 質 な ど. 数量 :生 産 数 量 ,使用 数 量,保 管 数 量 な ど. 時 間 :納期, 工 期など.
金額 :利益 ,原価な ど.
こ れ ら は 基 本 的
4
特性と呼ばれ,その他 も必 要に応 じて生 産 目標に加 えてい く.こ の 管 理 特 性 は相 互に関 連する部 分が 多い の が一般 である 。 そ こで , これ らは個 別の 生 産 目 標 と し て で はな く,統 合化 して 達成して い か なけれ ば ならない .
こ の よ う な 生 産 要 素の 一
元 化 と生 産 目 標の 統合 化 に よ る総 合 生 産 性 は , 図4 の よ う に考え る こ とが で きる.
生 産 目 標
1 品 質 1 数 量 1 時 間 1 金 額
i
「一一一一”mr『一一一一一一一一一一t一一’t t T−一一一’一一t
i
統合
化
1
生 厂一一一一一… 一一 1−一一一一
↓
1i
労働 :一 :
勢 醗 1元 …
投 入 一 一 [ :壅 コ
ー 一 産 出
素
{ 騨 ∴ ↓
成 果
図
4
生 産 目 標の統合 化 と生 産要素の一元 化に よ る総合 生 産性(
2
) 管理特 性の 統合 化これ らの管 理 特 陸 は 元 来 独 立 した 見 方 と して 区分 さ れ た もの であ り,こ れ ら を統 合 化した 尺 度で示すこ とに は難しい 面が ある.し か し,限定さ れ た適用の場で はある が, こ こ に価 値 概 念
を持ち 込 むこ と による統合 化 が 試み ら れて い る.そ の 考え方を次に示す. い ま,
一つ の 例 として,
現在販 売 さ れて い る
1
つ の 商 品を 対象 と し, その商品の 魅 力 度 を向上 して 競 争力を増 し,顧 客満足 を獲得 し て市場での 占有 率を高め , 利 益の 向 上 に寄 与 させ る
とい う, 生 産目 的を掲 げた と しよ う.
こ の 生 産 目 的 を達成 す る には, どの よ うに具 体的な 生産 目標を設 定 し た ら よい か が 問題 と な
る.こ こで は,顧客は 納 期 ,数 量に対 す る要求が 遵守さ れる こ と を 前 提 と して, 商 品の 品質を
fl’
ミ理 会 卩1学2000 年 第8巻 舞}1・2 合fヰ 号
受け 取 り金 額 を 支 払 う もの と考え よ う.
こ の場 合, 生 産 目 標は管 理 特 性の う ち, 品 質 (使 用 品 質〉と金 額 (商 品 価 格 又 は ラ イフサ イ クル コ ス ト ; こ こ で は 課 題 を簡単にす る た め 商品 価格 とする )の バ ラ ン ス を どの よ うに図っ て 商品の 企 画, 設 計, 製 造, 販 売するか が 生 産 目標の 決定に とっ て重要 となる.
こ の 例で は,
品質の 生産 目標 :品 質係 数 .金 額の生 産 目標 :価格係 数 と 置 くこ とにす る.
こ こで,
使用 品 質 :顧 客 が持つ 商 品へ の 品質上 の期待に対す る適 合の 良 さ
品質係 数 :現在の 商 品の 品質につ い て顧客が感 じ る満足 を
1
と した 場 合,新 しく 企 画 す る商 品に つ い て, どの程 度の 満足 を感 じる か を 示 す 尺 度
価 格 係数 :現在の商品の 価 格 に対 して , 新 し く企 画 する商品の価 格の 割合 を示す尺 度 をい う.
そ の際, 顧 客 満 足向上度 とい う尺 度 を設 け, 煮 2)に よっ て求 め る こ とにする。
顧 客 満足向 と度= 品 質係 数÷ 価 格係 数 (
2
) こ こ で,顧 客 満 足向上 度 :現在の 商 品 に対 す る満 足の程 度 を
1
と した場 合 , 新 し く企 画 され た 商 品 に対する満足の程 度が ど れ くらい になる か を示す 尺度をい う.
要する に,価 格が 同じで 品質が向上すれ ば顧 客満足向上 度が 大 き く な り,品 質が同じで価格 が 下 が れば顧 客 満 足 向上 度 が 大 き くな ると考え る.
こ の うち,価 格係数は現在の 商品 と 企 画 する商品 との 価 格に よっ て 求め ら れ る が,品 質 係 数
につ い て は次の よ う なこ と か ら統 合化 して 表示を する こ とが 難しい とい える.
顧 客は
1
つ の商 品で も, 数多くの項目につ い て品 質向上 を期 待して い る .またその程 度 も 顧客の 属性 によっ て 異 な っ て い るこ と が考え ら れ る.さ ら に, 商品ご とに異 なっ た内容 の 期待 を抱い て い る.こ の よ う な多様 な期 待 を1 つ の尺 度で 表示 する こ と は難 しい . 品 質は,技 術 的に直 接 に 比 較し た り加算 し た りで き ない 場 合 が多い .例 えば , 基 本 性 能 (出 力 が 大 きい )と操 作 性 能 (扱 い やすい ) とは技 術的に全 く異 な る問 題で, ど ちらが優 れ てい る か とか, 両方を採用 した場 合 には品 質 が どれだ け 良 く なる か とい っ た一元 的 な表 示 に は 馴 染 ま ない 場合 が多い .こ れ に対 し て, 秋 庭 [
9
]は顧 客 の商品 評 価 の心 理 構 造 を 解 析 し,生 産 者 が 企 画 す る 商 品の 機 能 向上の 程 度につ い て, そ れ を顧客が 期待 する程度で ウエ イ ト付け し て,品 質係 数を一つ の 指 標 と して 統 合 する方 式 を 提 案 し, その有効性 を実 証 し てい る.こ の 品 質係 数と価 格 係数は, 図
5
の ように示すこ とが で きる.例 えば 図
5
に示 す ように, 品 質係 数1
.4
, 価格 係 数0
.7
とい う 生産 目標を設 定 した とする と, 顧客満 足向上度 は, 式(2
)か ら顧 客満足向上度 =1,4 ÷
O
.7
= 2 .0 と なる.
牛産 性 測定に開3る 考察
ゐ
4 3
。
2 1 0
1
1
1
1
1
1
品
質 係 数
0
.7 0
.8 0
.9 1
.0
価 格 係 数図
5
生産目標 :品質 係数と価 格係数(
3
) 顧 客 満足 と 商 品価 値品質と 価格の比 は ,一般に価 値 と呼 ば れ る もの で ある. し た が っ て , 顧 客 満 足 向上度 と は,
顧 客か ら見た商 品価 値の 向上 度を 意味 する.
こ の よ う な 方 式を用い る と, 納 期, 数 量 (こ れ ら も 生 産 目標 と考える )を 条 件 と し た 顧 客 満 足 向上 度 (品 質 ,価 格の 生 産 目標 )は, (品 質÷ 価 格
1
納期 , 数 量)と して , 各 管理 特 性 の 関 連 を統 合 的 に組 み 込 んだ 総 合 生 産 性の尺度 にな ると考える.一般 的に は,顧 客満足向上 度 とし て 2 .0 を とる場 合が 多い .それ は, 特 殊な条 件に ある商 品 を 除い て, 経験 的 に は
顧 客が , 新 し く企画 し た 商 品が今 ま で よりも良 くなっ た と満 足 を感 じ る下 限
生 産者が体 質革 新 な どを 通 して実現で き る 上 限 と受けと め て い る こ とが考 えられ るか らで ある.
もし,品質係 数を
1
.0
, す な わ ち晶質を現状 どお りとする と,価 格係 数は式〔2
)か ら 価 格係 数= 品質 係数1
,0
÷顧客 満足 向上度2
.0
=
O
.5
と なる .これは価格ハ ーフ を 意味 し,企業努 力の 一つ の生産 目標とな っ てい る.
また , 顧 客満足向上 度 を
2
.0
と 設定 して も, 市場で は品質競 争が行 わ れ て い る の か,価 格競 争が行われ て い るの かによっ て,その バ ラ ン ス に よ り品 質係 数を重視 するの か, 価 格係 数を 重 視 する の か, 商品 価値の 向上 に対 す る方向に よ り各生 産 目 標の 置 き 方 が 異 なっ て くる こ と に留 意すべ きで ある.この顧 客 満 足向上 度を 自社の 新旧 商 品 につ い て比 較 した り, あるい は他 社商品の 品 質 係 数, 価 格係 数を試 算 して市 場 占有 率の 推移 を想定 する な どし て,適 切 な発 売 時 期を決めて納 期の生 産 目 標 を, 販 売 数 量を見 込ん で数 量の 生 産 目 標 を 設 定 する と ともに,こ れ を 商 品 全 般に 展 開 し て, そ こ か ら利 益の推 定を行 う事 業所 も見 受けら れ る.