第4学年○組 国語科学習指導案
指導者 S.K
<単元名>
願いを受け止めて読もう『一つの花』
<育てたい力>
○場面や登場人物の様子を想像しながら読むことができる。また,読み取ったことを発言した
り,書いたりすることができる。 <関心・意欲・態度>
○場面の様子や登場人物の心情について,叙述を基に想像しながら読むことができる。
<読 む こ と>
○意味が難しかったり,わからなかったりする語句について,辞書を利用して調べることがで
きる。 <言 語 事 項>
<指導要領との関連>
C読むこと(1)ウ
場面の移り変わりや情景を,叙述を基に想像しながら読むこと。
<児童の実態>
~ 願い書で,
父親の願いを表現 ~
<単元について>
本単元は,「一つの花」を時代の状況や人物のおかれた立場を考えて,お父さんやお母さんがどのよ うな願いをもっていたかを想像しながら読む文学教材単独の単元である。
「一つの花」には,戦争という過酷な状況の中ではあるが,家族への愛情を見失うことなく懸命に生 きようとする人々の悲しみや愛情が描かれている。
ひもじさから「一つだけちょうだい。」という言葉を最初に覚えてしまったあどけないゆみ子。その ゆみ子を満足させてあげられない両親の悲しみや,苦しい状況を打開できない父親の無力感は辛くて やりきれない。ゆみ子を思う両親の願いを読み取らせていくために,ゆみ子・父・母の行動や様子,
場面の情景などの描写の読みに注意を向けるようにしていきたい。また,読み取ったことをもとに,
父の気持ちに寄り添って願い書を書かせることで,ゆみ子に対する両親の心情を豊かに想像させてい きたいと考える。丁寧に読み進めるにしたがって,子供たちは,自分たちと同じ日常の家族の場面に 親近感を覚え,ゆみ子の姿に身を重ねながら読み,さらには,両親の思いも現実の自分たちのものと 比べながら読んでいくであろう。この時代を生きてきたゆみ子の家族の一員として読み取らせたい。
また,いつの時代でも両親が我が子の健やかな成長を願うことは普遍的であることにも気付かせてい きたい。そして,互いの考えを交流することができれば,更に深い読みへとつなげていけると考える。
学習後に,このような家族愛をテーマとした児童文学作品を準備して,読み浸ることができるよう にしていきたい。図書を読む活動を取り入れることで,作品の中から心温まる家族の情愛を感じとっ てほしいと願っている。
2.単元に関する実態
本教材で扱う『戦争』について児童が知っていることは,戦争とは,国と国との争いによって起 きたもので,町を焼き,何十万人もの多くの人の命を奪い,家族を引き裂き,何もかも破壊してし まった辛く悲しいものであるということである。ほとんどの児童は,これまでに,戦争に関するテ レビやビデオを視聴したり,本を読んだりしたことがある。この経験は,これから学習していく中 で,場面の様子を想像しながら読む時に役立つであろう。
本文を読んで感想を書いてみると,「食べる物もなく,毎日,不安な生活を送っていてかわいそう。」
「読み進めていくうちに悲しい気持ちになってきた。」というように,自分の生活と比べて書けてい たり、「なぜ,お父さんは戦争に行かなければいけなかったのか。」「なぜ、ゆみ子にコスモスを一輪 だけ渡したのだろう。」という疑問を書いたりしている。また,「コスモスのトンネルになったのは,
お父さんからもらった一輪のコスモスを10年間大切に育てたからだ。お父さんからもらった最後 のプレゼントが嬉しかったのだろう。」とゆみ子の気持ちに寄り添って書いている内容も見られた。
このような感想は,これからの読みにつなげていきたい。
3.考察
これらの結果を見ると,本学級の児童は,「物語が好き」という児童は半数以上もいる。しかし,
「音読」や「読み取り」については,好きな子は少なく,「作文」「詩」「漢字」等の書く学習の方が,
面白さや楽しさを感じているようである。また,ワークテストの結果から,読むこと・書くこと・
話すこと・聞くことの能力は低いことがわかる。しかし,実態から,戦争について何らかの知識を 持っている児童が多いのと,登場人物に対して自分なりの感想が書けていることから,興味を持っ て読み進めていく学習ができるであろうと考える。
『楽しく 力のつく 国語学習』
ア 読んだことを豊かに表現する。自分から本に手をのばす子
イ 声に出して読む 。
ウ 言葉にかかわって読む。
エ 指導に生かす評価をする。
一人読みができる子
新出漢字が書ける 難語句の意味が分かる 評 価 の 工 夫
イ声に出して楽しく読む
・時代の状況や人物のおかれた立場を考 え,登場人物の願いを想像し,願い書 に書く。
・登場人物の気持ちや場面の様子に合わ せて,自分なりの表現を工夫しながら 音読する。
・時を表す言葉や,「・・・」や丁寧な言葉 で終わる文末表現,倒置法,比喩表現 のはたらきに注意しながら読む。
読書の日常化
文 章 の 姿
願いを受け止めて読もう一つの花今西祐行お父さんやお母さんが、どのような願いをもっているかを考えながら読もう。
さ一「戦争のはげしかったころ」しゆみ子「一つだけちょうだい。」貧お母さん「じゃあね、一つだけよ。」
み二「ある時」深いため息し「喜びなんて、一つだってもらえないかもしれな悲いんだね。」→めちゃくちゃに高い高い
へ三「それからまもなく」争戦争に行かなければならない日戦ゆみ子のなき顔を見せたくなかった。
り四「いよいよ汽車が入ってくるという時」送ゆみ子はなきだしてしまいました。見「一つだけ
・ ・
・ 。一
つだけ
・ ・
」 ・ 。 と 言 っ て
。
れ五「お父さんがぷいと」一輪のコスモス別「一つだけあげよう。一つだけのお花、大事にするんだよう
・ ・
」 ・ 。
活何も言わずに汽車に乗って行ってしまいました。生六「十年の年月がすぎました。」な・コスモスの花でいっぱい和・ミシンの音平
・ 「 お 肉 と お 魚 と
、 ど っ ち が い い の
。 」
・登場人物の願いを,願い書に,どれだ け表現できたか確認する。
・目標到達度を把握できる評価カードを 活用する。
<指導計画>(10時間扱い)
時 主 な 学 習 活 動 留意点(◇) 評価(☆)
〈1〉 ○単元の目標を知り,学習の見通しをもつ。 ◇戦争中の物語であることを知らせる。
○全文を通読し,初発の感想を書く。 ◇感想が書けない子には,「強く心に残ったこ と」や「疑問に思ったこと」などの観点を 示して書かせる。
☆心に強く残ったことを,ノートに書くこ とができたか。
〈2〉 ○この時代の戦争に関係する言葉について調 ◇意味がよく分からない言葉は,辞書を引い
べる。 て調べさせる。
〈3〉 お父さんやお母さんが,どのような願いを ◇あらすじを簡単に押さえ,文章の姿(文章 もっているかを考えながら読もう。 全体の構成)をつかませる。
○初発の感想をもとに,疑問に思ったことや ◇児童の感想や疑問から読みのめあてを設定 詳しく読み取りたいことなど,課題を出し する。
合い,学習計画を立てる。 ☆初発の感想をもって話し合いに参加し,
学習のめあてをつかむことができたか。
○情景や心情を効果的に表現している叙述に ◇キーワードやキーセンテンスに線を引かせ,
気付き,場面や人物の様子を想像しながら お父さんやお母さんの願いについて話し合 読む。お父さんの願いを想像し,願い書に わせる。
書き,話し合う。 ◇読み取ったことをもとに,お父さんになり
〈4〉 ・「一つだけちょうだい。」というゆみ子の言 きって,願い書を書かせる。
葉から,戦時下の生活の厳しさ。 ◇コスモスの花をゆみ子に手渡し,去ってい
〈5〉 ・父と母の対話から,ゆみ子の将来を案じる く父の心情を読み取る。
両親の気持ち。 ☆戦時下の厳しい生活状況を表す叙述を手
〈6〉 ・駅に見送る場面から,出征ということの意 がかりにして,ゆみ子への両親の気持ち
味や父母の心情。 を想像することができたか。
〈7〉 ・コスモスの花をゆみ子に手渡し,去ってい
本時 く父の心情。 ☆見送り当日の家族の様子を読み取り,コ
〈8〉 ・10年後のゆみ子と母のくらしぶり。 スモスにこめられたお父さんの気持ちを 想像することができたか。
☆戦中と戦後の生活の様子の違いを読み取 り,母の気持ちを想像することができた か。
〈9〉 ○感想をまとめる。
・自分の読みの深まりを確認して,ゆみ子・ ☆読み深めた作品の感想を,登場人物へ 父・母への手紙を書く。 の手紙という形式で書くことができた
・「一つの花」を音読する。(全文を)味わい か。
ながら音読する。 ◇登場人物への手紙を書くという形で,読み
〈10〉 ○戦争に関する本や家族愛をテーマとした, 深めた作品への感想を持たせ,評価に生か
児童文学作品に親しむ。 していく。
◇他の作品を紹介することで,学習を広げさ せる。
<本時の展開>(7/10)
(1)育てたい力
○場面や登場人物の様子を想像しながら読もうとしている。 <関心・意欲・態 度>
○コスモスを渡して別れていく,父親のゆみ子に対する気持ちや願いを読み取ることができる。
<読 む こ と>
○心情や情景を効果的に表現している叙述に気付くことができる。 <言 語 事 項>
(2)展 開
時配 学習活動と内容 留意点(◇) 評価(☆)
1 ○前時までの学習を想起する。 ◇前時までの学習を掲示物を見て振り返らせ、
これまでのお父さんやお母さんの願いを確 2 ○本時のめあてを確認する。 認させる。
お父さんは,どんな気持ちでゆみ子にコ スモスをあげたのだろう。
3 ○場面(5)を音読する。 ◇お父さんの思いを考えながら音読するよう
・一人読み ・指名読み 声かけをする。
16 ○叙述から,お母さんやゆみ子のおかれた状 ◇手がかりとなる文章に,サイドラインを引 況や,コスモスに託した父親の思いを話し かせる。
合う。
〔お父さん〕 ◇どうしてお父さんが「ぷいといなくなって
ぷいといなくなってしまいました。 しまったのか。」を考えさせる。
・可哀想で見ていられない。 ◇「プラットホームのはしっぽ」「ごみすて場
・喜ばせたい。 のような所」「わすれられたように」の表現
「一つだけあげよう。一つだけのお花, から,このコスモスの花が咲いていた様子 大事にするんだよう・・・。」 を想像させる。
・お父さんからの最後のプレゼン ◇どうして一つだけのコスモスをあげたのか,
トだよ。この花をお父さんだと思 考えさせる。自分をコスモスに託している って,大事にするんだぞ。 ことをおさえる。
◇「キャッキャッと~」から「喜びなんて一 にっこりわらうと,何も言わずに汽車に乗 つだってもらえないかもしれない」ゆみ子 って行ってしまいました。ゆみ子のにぎっ が,今、全身で喜びを表している様子をお ている一つの花を見つめながら・・・ さえる。
・本当は戦争になんか行きたくないんだ。 ◇コスモスをあげた理由とともに,コスモス
・お父さんはいつもゆみ子の側にいるよ。 に込めたお父さんの思いや願いがあること
・お父さんだと思って,大事に育てるんだ に気付かせる。
よ。 ◇お父さんの目は笑っているが,その奥はど
・ゆみ子の笑顔,忘れないよ・・・。 うであるか考えさせる。「何も言わず」では
○「~一つの花を見つめながら・・・。」の所は, なくて「何も言えず」であることをおさえ お父さんは心の中で何と言っているのか想 る。子どもを見つめる父親の無限の悲しみ
像させる。 と怒りを想像させる。
◇父親は一つの花を見つめながら,ゆみ子の 笑顔を胸に焼き付けている様子を想像させ る。
15 ○話し合って深まった読みを「お父さんの願 ☆コスモスの花に込められたお父さんの思 い書」に書き発表する。 いを想像することができたか。
4 ○両親の気持ちを想像しながら音読する。 ◇読みの変容や深まりが表れるようにする。
・指名読み ◇書けない児童にはキーワードに着目させる。
2 ○次時の学習内容を知る。 読み取ったことを願い書に書くことが 2 ○振り返りカードに記入し,自己評価をする。 きたか。