流体力学及び演習 I 期末試験解答例(2018)
1.水中の平面板に作用する全圧力は,板の図心に作用する圧力p に板の面積Sを乗じた ものとして求まる.図心はプールの底から1.00 m(水面から5.00 m)[途中点5点]の位置 にあるから,この点の水圧(ゲージ圧)は
1000 kg/m3×9.81 m/s2×5.00 m = 4.91×104 Pa [+5点](有効桁数3桁として計算)
したがって,全圧力は
P = p・S = 4.91×104 Pa×(/4)×(2.00 m)2 = 1.54×105 N [+10点]
2.氷の体積をV,氷を海水に浮かべた時の排除体積を Vˊとおく。氷にかかる重力と浮力 が釣り合っているから,sVg = Vˊg [+5点],すなわちVˊ/V = s/となる[+3点]。水上に現 れている体積の占める割合は
114 . 0 1
V
V [+5点]
パーセントで表示すると,11.4 % [+2点]となる。
※ 論理的な説明がなく,適当に数値をいじくり回して計算した感のある答案が多かった.
また説明に用いている記号についての説明がない答案も多かった.理系の人間なら,きち んと理詰めで書いてください.
3.高度差(あるいは深さの差)と圧力差の関係を使う.
(1) p0 + ˊghˊ [10点] (2) pA – g(h – h´) [10点]
(3) pA – g(h – h´) = p0 + ˊghˊより,pA – p0 = g(h – h´) + ˊghˊ [10点]
4.(1) くびれ部分と出口の間に連続の式を適用すると D V
d v
4 4
2
2
[10点]
(2) 中心軸を通る流線上のくびれ部分と出口でベルヌーイの定理を適用すると
2 2
2
1 2
1 2
1 V p v
p [10点]
(3) 空気の高度差による圧力差を無視すれば,中心軸上の圧力がそのまま水銀表面の圧力 になる。したがって、p1 = p2 +ˊgH [5点]
(4) (1)より V
d v D
2
。これをベルヌーイの式に代入してvを消去し,(3)を用いて圧力差を 消去する.
d H V D V
v p
p g
1
2 1 2
1 2
1 2 2 2 2
2
1 より
1 2
4
d D V H
g
[10点]
※ 問題文に「与えられた記号を用いて」と指定されているのに,別の記号を使用してい る人がいました.これについては採点しませんでした.問題文をよく読むこと.