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廃自動車処理の現状と問題点から

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(1)

廃自動車処理の現状と問題点から

2000年9月21日 山口研究会  自動車パート

1、なぜ自動車廃棄物が問題なのか

現在、日本では年間約500万台の廃車が出ており、80万トンがシュレッダーダストと して処分されている。リサイクル率は 75%〜80%という高リサイクル率ではあるが、さ らにリサイクル率を向上させる必要がある。

  ⇒理由  ・最終処分場の逼迫(安定型から管理型へ移行)

     ・資源制約

2、現在の使用済み自動車処理システムの流れ

(図1)を参照

3、使用済み自動車処理における問題点の分析

①  最終処分場の逼迫・・・最終処分場の残余容量は非常に厳しい状況にある。さらに、

シュレッダーダストからの汚染排水の問題をふまえた環境対策面から、96年 4月 からダストの処分が安定型埋め立て処分から、管理型埋め立て処分に改定された。

管理型処分場は処分費用が高い。また管理型処分場の数は全国で非常に少ないので、

シュレッダーダストを処分できる処分場はさらに限られることになる。安定型処分 場で最終処分場あれば、5、000〜8、000円/tの処分費をシュレッダー業者が支払え ばよいが、管理型処分場へ支払う処分費は25、000/tに高騰している。この費用は 処分場サイドによって一方的に決められてしまう。

②  鉄くず価格の低下・・・鉄くずをリサイクルする電炉業者は、不況の煽りを受けて 減産し、鉄くずの価格はさがっている。このため、シュレッダー事業者は営業を続

B o x1  管理型処分場 

  廃棄物の最終処分を行う場所のタイプの一つ。最終処分場は、埋立処分される廃棄物の環境に与え る影響の度合により遮断型、安定型、管理型処分場の 3 つのタイプに分けられる。遮断型処分場は、

コンクリート製の仕切りで公共の水域および地下水と完全に遮断される構造となっており、有害物質 が基準を超えて含まれる燃えがら、ばいじん、汚泥、鉱さいなどの有害な産業廃棄物が対象となる。

安定型処分場は廃棄物の性質が安定している産業廃棄物(廃プラスチック類、ゴムくずなど)が対象 であり、廃棄物の飛散及び流出の防止に配慮すればよい処分場である。管理型処分場は、一般廃棄物 及び遮断型、安定型処分場で処分される産業廃棄物以外のものが対象であり、埋立地から生じる浸出 液による地下水及び公共の水域の汚染を防止するため、遮水工(埋立地の側面、底面にビニールシー トなどを設ける)、浸出水を集める集水設備、集めた浸出液の処理施設が必要となる。 

経済調査会

(2)

行する十分な資金を得ることができず、解体業者から費用を徴収している。(グラ フ1を参照)

→①,②から、シュレッダー事業者は処理費用を自らの収入でまかないきることが出来ず、

解体事業者が処理費用をシュレッダー事業者に支払って処理を任せることになる。これ によって最終的に最終所有者が処分費用を負担することになる。(逆有償化)

※逆有償化の問題点

1)メーカーにインセンティブなし

  最終所有者がリサイクル費を全額負担し、メーカーが処理費用を負担しないため、メ ーカーにリサイクル率を向上させるインセンティブが働かない。

2)不法投棄

  逆有償により、解体業者やシュレッダー業者が処理費用を負担するのを避けるために 不法に処分場でないところに捨ててしまう。

3)路上放棄

  逆有償により、最終所有者が処理費用を負担するの避けるために不法に処分場でない ところに捨ててしまう。(図2を参照)

※  その他の問題点 4)リサイクル率向上

  リサイクルし易い鉄の使用が減少しており、それに対して、燃費の向上のためリサイ クルしにくい樹脂の使用が増加している。(燃費とリサイクル率のジレンマ)

(グラフ2を参照)

5)業者の諸問題

①  解体業者…最近では、シュレッダー業者に処理を依頼するだけでなく簡易プレス後そ B o x2  豊島問題

  香川県豊島では、廃棄物処理業者がシュレッダーダスト(自動車や電気器具等を破砕し金属を選別回 収した後の残滓で、プラスチック、ガラス、金属等を含むもの)等の不法投棄を行ったために、有害物 質を含有している膨大な量の産業廃棄物が放置された状態となっている。平成5年、住民らが、公害 紛争処理法に基づき、産業廃棄物処理業者、香川県、産業廃棄物を排出した事業者等を相手方として、

産業廃棄物の完全撤廃を求める等の公害調停を申請した。公害等調整委員会において調停手続が進め られた結果、平成97月、県が主体となって廃棄物及び汚染土壌を無害化処理し、できるだけ再生 利用を図り、原状回復を目指すこと等で県と住民との間で中間合意がなされ、現在、県が設置した技 術検討委員会において具体的な処理方法を検討している。また、平成103月までに一部の産業廃棄 物を排出した事業者との間で、住民に対し解決金を支払うとの調停が成立している。

2000年「環境白書」

(3)

のまま輸出されたり、ギロチン材としてギロチン機に投入され、あるいは、直接鉄鋼 メーカーに出荷されたりするケースも増加してきている。シュレッダーでは、選別機 能が発揮されるがその他の場合、不純物が混入したまま電炉業者で炉に投入されるこ とになるので、鋼の品質を低下させる問題がある。シュレッダーで処理されることを 主とする従来のリサイクル体系が多様化している。また、解体作業は職人芸的な人手 中心の業態となっている。家内工業的な小規模業態が特徴的であり、業界全体の団体 を持たないため行政とのつながりや施策の伝達等もしづらい。

②  シュレッダー業者…管理型処分場の絶対的な不足からシュレッダー事業者は、2万5 千円/トンの処分費用を処分場サイドの一方的な出し値で支払っている。安定型処分 当時の処分費は5千円〜8千円/トンであった。焼却処分も平均3万円/トンかかる。

このコストをシュレッダー業者のみが負っている点が問題である。しかし、バブルが はじけ、電炉メーカーの恒常的な減産によって設備過剰になり、全国にある 177 基

(1999年4月現在)のシュレッダー稼働率は約64%という状況にあり、さらに現状 では60%を割っていると見られている。鉄スクラップの価格が下がっていることも 問題である。

6)中古車、中古部品輸出における問題点

  輸出後の使用済み自動車や、自動車部品の海外での廃棄までの流れは不透明であり、不 安定である。例えば輸入国が突然製品の輸入を禁止するとリサイクルシステムの足腰が弱 い日本においては周辺環境の突然変異に耐えうる強さを持ち合わせていない。(鉄スクラッ プ価格の下落でシュレッダーダストの処理費用が高騰したことが良い例である。)リサイク ルシステムを十分に整備していないと、廃棄を輸出に依存していた分を国内で処理しきれ なくなり、適正処理ができなくなる。

4、海外との比較

  (1)EU指令のポイント

①  最終所有者が廃車時に処理費を支払わなくてすむシステムを各加盟国で作り上げ ることが必要とされている。

②  廃車の処理費について。生産者が応分の負担をすべきとされている。すなわち、2002 年7 月からの新造車についてまた、2007 年からは全ての廃車がこの対象となると している。

③  リサイクル率の目標であるが、新型車のリサイクル可能率が形式認証用件になり、

さらに市場におけるリサイクル率についても2015年に95%と厳しい目標が掲げら れている

④  環境負荷物質である水銀、鉛、カドミウム、六価クロムの製品への使用が適用除外 部品リストに記載されている部品以外使用禁止となっている。

(4)

(2)ドイツ、オランダにおける廃自動車リサイクルシステムフロー 図3を参照

(3)ELVO 運営費用

5、EPRに関連付けたシステムの模索。

ドイツ、オランダのリサイクルフローのような既存のシステムを検証し、またELVO の機能を検証した上で、廃自動車を適性処理するためのリサイクルフローを模索している。

現段階で上げられている仮説について述べる。

①  使用済み自動車については無償引取りとする。処理費用はメーカー負担とし、更な るリサイクル率向上のインセンティブを与える。

②  マニフェストを引き続き適用し、適正処理、不法投棄の防止に努めるが、適正な処 理業者かどうか本当に確認できるかどうかは疑問点が残る。

   よって、現在設立準備中の自動車リサイクル促進センターを処理業者の認定機 関として、マニフェストは認定機関によって認定された認定業者しか適用できな いこととする。

[今後の課題]

(1)〜(4)を中心として、リサイクル率の更なる向上や実現可能性が一番あるシス テムは何なのかをこれから検討していきたい。

(5)

図1  自動車リサイクルフロー

不法投棄

自動車メーカー

新車ディーラー ユーザー

解  体  業  者

シュレッダー業者

中古車ディーラー

簡易プレス業者 中古・廃車輸出

地方自治体

シュレッダーダスト

埋  立 路上放棄

焼  却 電炉(鉄鋼)業者

輸  出

鉄  屑

非鉄金属

ギロチン化

国 内 中 古 市 場 、 輸 出

中古部品

リサイクルされる

(6)

グラフ1  鉄スクラップ価格の推移

鉄スクラップ価格の推移

15,128 28,290

36,800

23,833 26,100

20,642 24,300

29,61729,317

24,53324,33325,23326,292 23,333

14,23315,82515,167 19,02518,800

14,794

12,30814,29214,325

12,72112,29213,833 9,183

8,674

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000

1972年 1973年 1974年 1975年 1976年 1977年 1978年 1979年 1980年 1981年 1982年 1983年 1984年 1985年 1986年 1987年 1988年 1989年 1990年 1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年

単位:円/トン

資料:日本鉄源協会

グラフ2  自動車材料の推移

自動車材料の推移

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1973年 1977年 1980年 1983年 1985年 1989年 1993年 1997年

パーセンテージ パーセンテージ

0 1 2 3 4 5 6 7 8

非金属 非鉄金属 合成樹脂 アルミ

資料:日本自動車工業会

(7)
(8)

参考文献とインターネットソース

参考文献

「自動車産業の静脈部」 外川  健一 大明堂 1998年

「2000日本の自動車工業」 日本自動車工業会 2000年

「リサイクル・イニシアティブ

        自主行動計画」 日本自動車工業会 1998年

「高度技術集約型産業等研究開発調査

−廃車再資源化・廃棄物対策推進調査」

日本自動車研究所 1999年

「豊かな環境を次の世代に」 日本自動車工業会 1999年

「JAMAGAZINE 

2000年vol.34」 日本自動車工業会 2000年

「欧米における使用済み自動車

流通実態調査」日本自動車工業会 1999年

「BMWジャパンのリサイクル」 BMWジャパン広報室 2000年

「環境報告書2000」 トヨタ自動車株式会社 2000年

「毎日新聞  2000年8月2日」

「日本経済新聞  2000年7月28日」

インターネットソース 通産省

http://www.miti.or.jp/

日本鉄リサイクル工業会

http://www.jisri.or.jp/menu.html 日本鉄源協会

http://www.tetsugen.gol.com/

トヨタ2000環境報告書 http://www.toyota.co.jp/

日本自動車工業会 http://www.jama.or.jp/

参照

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