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外国語活動 - pweb

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小学校・中学校

移行措置への対応ポイント(高階玲治編)教育開発研究所、 2008 . 10.1 pp. 118-120

(本稿の最終原稿は、上記を参照)

外国語活動

吉田研作

  小学校の外国語(英語)活動は、必修ではあるが、教科ではない。とは言え、必修であ るからには、必ず週1時間は5年生と6年生で取り入れなければならない。そこで、2011 年までの間にどのような準備をすればよいかについて、主に2つの点に絞って考えてみた い。

1.  教科書およびカリキュラム

一つ注意しなければならないのは、小学校の英語活動には、正式な教科書がないことで ある。文部科学省が今回作った「英語ノート」は「教科書」ではない。現在、すでに全国

の 97.5%の小学校で英語がなんらかの形で取り入れられているが、授業のやり方や使って

いる教材は、千差万別である。教育委員会や学校がかなり綿密な年間カリキュラムを作成 し、そのための教材も色々用意し、教員研修も行いながら、着実に成果をあげているとこ ろもあれば、ALT等、外国人教師に、教材から教え方まで、全てを任せてしまっている ところもある。子供が喜びそうな歌やゲームを使って、その場限りの授業を展開している、

というところもある。

このような現状を考えると、「英語ノート」は大いに助かるはずである。少なくとも、そ れぞれ年間 35・6 時間は使えるように編まれているし、かなり具体的な指導資料も用意さ れている。懇切丁寧なレッスンプランや、実際の授業運営で使える教室英語も掲載されて いるし、ティームティーチングを前提としたレッスンプランの書き方になっているので、

ALTや外部指導者との打ち合わせにも役立つだろう。

ただ、「英語ノート」は教科書ではないことを忘れてはならない。内容も指導方法も、そ の通りにやる必要はないし、既に別に独自の教材やレッスンプランがあるところは、自分 たちが考えて、教えてきて一番良い、と判断したものを使えば良い。ただ、「英語ノート」

で扱われている題材等で、取り入れられそうなものがあれば、取り入れると良い。それに 対して、今まできちんとしたカリキュラムも教材もなかった学校や地域においては、「英語 ノート」は役立つだろう。少なくとも、何を教えるか、どのように教えるか、という点に ついて細かく書かれているのだから。

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そこで、教材やカリキュラム、という点から2011年までの移行期間にやっておくべきこ とを整理してみると、次のようなに言えるだろう。

1)  既にしっかりとしたカリキュラムや教材を持っている学校は、そのまま続ける。

ただし、「英語ノート」の内容を吟味して、既成のカリキュラムや教材の補助として使える ものがあるかどうかをチェックする。

2)  まだしっかりとしたカリキュラムや教材がない学校の場合は、まず、「英語ノート」

をじっくり研究する。「英語ノート」だけを見ていると、小学校では扱わないはずの文字が 随所に出てくるので、どんどん読み書きを教えれば良いのでは、という間違った解釈をし てしまう危険性がある。「名刺」を作ろう、というタスクがあるが、それは、別に英語の単 語を教えるとか、英語の綴りを教えることが目的はなく、名前をローマ字で書いたり、「英 語ノート」に出てくる表現を「丸うつし」し、それを使ってコミュニケーション活動の道 具にすることが目的なのである。「指導資料」や学習指導要領をしっかり読み、「英語ノー ト」を使ってどのような活動が求められているかを研究することが必要なのである。

3)  文部科学省としては、現在出ている「英語ノート」は、あくまでも試作版なので、

移行期間の間に、使いやすいところ、使いにくいところ等について、文部科学省にフィー ドバックをすることを忘れてはならない。2011年から正式に英語活動が学校現場に入った 時には、現在の試作版よりもずっと良いものが出来ていることが大切なのである。

2.  小学校教員の英語力

小学校英語は、中学校レベルの英語力がしっかり身についていれば十分対応できる。た だし、英検3級が中学卒業程度の英語力の指標になると言われるが、単に 3級を持ってい れば良い、ということではなく、英検 3 級程度の英語が「使いこなせる」ことが大切なの である。

中学校時代の教科書をもう一度取り出してみれば、そこに出てくる様々な日常会話表現 のかなりのものが小学校英語活動でも役立つということ分かるだろう。教員同士で、中学 時代にならった会話表現を使って英語を使う練習をする。グループでも良い。どんなに英 語が苦手、という小学校の先生でも、一応、知識としての英語は結構身についているだろ う。問題は、それを使うことなのである。移行期間の内に、校内、あるいは、教育委員会 主導で、中学レベルの英語を使えるようにする研修を行うことが大切である。

  もう一つ大切なのは、いわゆる教室英語である。指導資料の中には、各レッスン毎に教 室英語のリストが載っているので、基本的にはそれを使って授業をすることが期待されて いる。授業の内容もさることながら、それをどういう表現を使って教えるか、ということ も非常に大切なのである。

  では、ここで、教室英語の簡単な種類分けと例を示そう。

 

A:授業内容に関する英語

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(例、What’s this? How do you say 〜? How many are there? 等)

B:授業運営に関する英語

(例、Stand up. Sit down. Make a circle. Make pairs. Go to the blackboard. Ask your friend. 等)

C:授業運営に直接関係ない英語

(例、Be quiet, please. What’s wrong? Do you have a pencil? How do you feel today? 等)

  教室英語は、上記ように、授業の内容の理解、説明等に使われるもの、授業(活動)運 営に関するもの、そして、それ以外に、授業内容や運営と直接関係のない普通の会話表現、

というのがある。ところで、英語に慣れていない先生の場合、この中でも、特に B の授業 運営に関する英語から始めると良い。Aの場合、授業の中身がその都度変わるので、少し慣 れてからの方が使いやすいだろう。また、Cの普通の会話表現も、直ぐには出てこないかも しれない。しかし、Bの表現は、内容がどうであれ、立ったり、座ったり、円になったり、

列に並んだり、ペアを作ったりするので、表現が授業内容と関係なく、慣用的に使えるの である。

3.  おわりに

  小学校の英語活動は、英語を使ってコミュニケーションすることの面白さ、楽しさをま ず伝えるところから始めなければならない。そのためには、教える側の教師は、自らも英 語が楽しく使えるように、今からしっかり準備しておかなければならないのである。

 

参照

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