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国際経済論(公共政策) 国際経済学(経営管理)

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Academic year: 2024

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(1)

2019年度後期

国際経済論(公共政策) 国際経済学(経営管理)

国際経済政策(経済学研究科)

公共政策/経済学研究科 教授 岩本 武和

http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/~iwamoto/category/teaching/

(2)

1 10月4日 2 10月11日 3 10月18日 4 10月25日 5 11月1日

6 11月8日 ch.5 ヘクシャー=オリーン・モデル(1) 7 11月15日 ch.5 ヘクシャー=オリーン・モデル(2) 8 11月22日 NFのため休講

9 11月29日 10 12月6日 11 12月13日 12 12月20日 13 1月10日 14 1月17日

ch8-ch9 貿易政策(1) ch8-ch9 貿易政策(1) ch4. 特殊的要素モデル(2) オリエンテーション

ch,3 リカード・モデル(1) ch,3 リカード・モデル(2) ch4. 特殊的要素モデル(1)

韓国出張のため休講 ch.6. 標準的貿易モデル

ch.7 規模の経済性と国際貿易(1) ch.7 規模の経済性と国際貿易(2)

テキスト:Krugman,P., M.Obstfeld and M.Melitz, International Economics (10th Edition), Pearson,2017 (第8版の邦訳は、山本章子訳『クルーグマンの国際経済学(上)国際貿易編』ピアソン桐原,2011年)

(3)

国際経済学の考え方 (裁定と一物一価)

経済の国際化:モノ・カネ・ヒトに関して、国境の壁が低くなり、

自由な移動が可能になること。

モノ→価格差→国際貿易

⇒貿易の自由化⇒財市場の統合

カネ→金利差→資本移動

⇒資本の自由化⇒金融・資本市場の統合

ヒト →所得差→国際労働力移動

⇒???

・ 全て安い所から高い所へ移動する。

(4)

裁定(arbitrage)の数値例

日本:100万円→自動車→アメリカ:1万ドル→コメ2t→日本:200万円

アメリカ:5000ドル→コメ1t→日本:100万円→自動車→アメリカ1万ドル

こうした取引によって利鞘を稼ぐことができるのは、日本とアメリカの間で、

自動車とコメの相対価格に差があるからである。

日本 :自動車1台=コメ1トン(コメに対する自動車の相対価格は1)

アメリカ:自動車1台=コメ2トン(コメに対する自動車の相対価格は2)

日 本 アメリカ 自動車

(1

) 100

万円

1

万ドル

コ メ

(1 t) 100

万円

5,000

ドル
(5)

一物一価の法則(law of one price)

日 本 アメリカ 自動車

(1

) 120

万円

9000

ドル

コ メ

(1 t) 80

万円

6000

ドル

日本でもアメリカでも、

自動車3台=コメ2トン(コメに対する自動車の相対価格は1.5 となり、価格差は消滅する。

裁定(arbitrage)

地域間の価格差を利用して利ざやを稼ぐ行為

(

安い所で買って、高い所で売ること

)

⇒裁定の結果、地域間(国と国の間)の価格差(内外価格差)が消滅し、一物一価に

収束する
(6)

要素価格の均等化

日 本

(

労働豊富国

)

アメリカ

(

土地豊富国

)

自動車

(

労働集約財

)

賃金が安い

⇒賃金が上昇

賃金が高い

⇒賃金が下落

コ メ

(

土地集約財

)

地代が高い

⇒地代が下落

地代が安い

⇒地代が上昇

(7)

裁定取引と一物一価

自動車価格 名目為替レート 実質為替レート 日本

200

万円

( ↗ 225

万円

)

1

ドル

=100

( ↘ 90

) 1.5( ↘ 1)

アメリカ

3

万ドル

( ↘ 2.5

万ドル

)

(8)

実質為替レート

(自国財に対する外国財の相対価格)

3 100( / ) 300

= 200 200 1.5

アメリカ製自動車 万㌦ 円 ㌦ 万円

日本製自動車 万円 万円

自国通貨で測った外国財の価格 自国通貨で測った

実質為替レート

自国財の価格

2.5 90( / ) 225

= 1

225 225

アメリカ製自動車 万㌦ 円 ㌦ 万円

日本製自動車 万円 万円

一物一価になったときの名目為替レート=購買力平価(PPP)

PPP=225万円/2.5万㌦=90円/㌦

8
(9)

市場メカニズム(価格メカニズム)

裁定取引によって実際に一物一価が成立するためには、次のような市 場メカニズム(①②)が働かなければならない。

① まず、日米の自動車市場(財市場)において価格が伸縮的でなければなら ない。すなわち、需要が増加すれば価格が上昇し、供給が増加すると 価格が下落するといった市場メカニズム(価格メカニズム)が有効に作用 しなければならない。

② また、外国為替市場においても為替レートが伸縮的でなければならな い。すなわち、ドル買いが増えればドル高になり、ドル売りが増えれ ばドル安になるといった変動相場制が有効に作用しなければならない。

(10)

①のメカニズムを働かせるためには?

価格を下げるためには、

(a)労働生産性(

y=Y/L

)を上げるか

(b)コストとりわけ人件費(

W=wL

)を下げるか

しかない (

Y

は生産高、

L

は雇用者数、

w

は一人あたり賃金率)。

自動車の生産

Y

が全て労働という生産要素

L

だけで行われているならば、

労働生産性(

y

)の上昇は技術進歩を伴わなければならないので、短期的には期待で きない。

したがってコストのうち多くを占める人件費(

W

)の削減しかないが、それには、賃 金(

w

)のカットか、雇用(

L

)の削減かしかない。どちらにしても、アメリカ経済の実 体経済への痛みを伴う。

1

PY wL P w L w / w

Y Y L y

  

10

(11)

②のメカニズムを働かせるためには?

こうした痛みをともなう①の調整メカニズムを拒否すれば、②の調 整メカニズムを利用するしかない。

日米間の自動車価格が全く変化しないくらい価格が硬直的ならば、

名目為替レートが1㌦=67円(200万円/3万㌦) へと、大きく円高に動けばよい。

ただし、1㌦=100円から67円へといった大幅な円高には、為替リス クが伴う。つまり同じ3万㌦の自動車を販売しても、円建ての受取 額が300万円から200万円へと大きく減少してしまう。

同じ財を輸出して、受取額が変動するというのも、日本経済の実体 経済への痛みである。
(12)

欧州債務危機

2009年のギリシャの財政赤字をきっかけに広がった欧州債務危機 は、この①②のメカニズムが全く働かなかった典型的な事例。

ユーロという共通通貨を採用しているユーロ圏諸国では、②のメ カニズムは全く作用しない。

そこでユーロ導入後、①のメカニズムを作用させるべく、生産性 の上昇や労働市場改革を柱とした中期計画(リスボン戦略)にユー ロ圏諸国は合意。

そうしなければ、ユーロ圏内で一物一価は成立せず、大きな価格 差が残存したまま共通通貨を使用することには、困難が伴うから である。

12

参照

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