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買い物環境が地域住民の健康状態に与える影響についての縦断的調査

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Academic year: 2021

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平成 30 年度学長裁量研究成果報告(様式2号)その2 1

< 買い物環境が地域住民の健康に与える影響についての縦断的

調査 >

研究年度 平成30 年度 研究期間 平成30 年度~平成 年度 研究代表者名 竹内昌平 Ⅰ. はじめに 本学の所在地である長与町を含め、長崎県は坂が多い地域として知られている。そ のため、高齢者は遠くへの移動が制限されるなど、生活に不便を強いられることがあ る。特に昨今は人口構造の変化の影響で、商店街の減少など住民がアクセスしやすい 食料品販売店の数にも変化が見られている。このような地域における買い物環境の変 化は、住民の健康・栄養状態に大きな影響を与えることが考えられている。 本研究では、住民の栄養状態と地域の買い物環境の特徴を長期的に評価していくこ とを目的とした。特に買い物環境および住民の生活行動圏においては、地図上におけ る店舗の位置情報だけではなく、実際の買い物中の移動情報について、GPS を用いて 精緻に測定し、詳細な検討を行うことにしている。 Ⅱ. 研究内容 本研究は、長崎県内在住の健康な住民(40 名:52~89 歳)を対象とした長期縦断 研究の一部として行われており、以下の内容は、長期縦断研究のうち、本研究のみに 関わる内容となっている。 1. 質問紙の作成 買い物頻度、買い物先への移動手段、買い物での不便や苦労、買い物先までの不満 のない時間、普段よく行く買い物先および買い物先別の選択理由を尋ねる自記式の質 問紙「健康状態と生活環境に関する質問」を作成した。 2. 説明会および調査 説明会および調査は、9 月中旬から 12 月にかけて行った。質問紙への回答は、参加 者の同意を得た後、長期縦断研究で行われる測定と同時に行い、男性13 名、女性 21 名から回答を得ることができた。 生活行動圏に関わる位置情報の測定は、GPS 機能付き腕時計(ForeAthlete 735XTJ) を用いて行った。参加者に2 週間使っていただき、外出する際の位置情報を記録した。 ただし、GPS 機能付き腕時計の数に限りがあったため、測定は時期をずらして順番に 行うこととなり、参加者は男性12 名、女性 15 名となった。

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平成 30 年度学長裁量研究成果報告(様式2号)その2 2 3. データ解析 質問紙への回答は、記述的にまとめ、位置情報に関するデータは、国土地理院地図 から対象者の自宅と普段よく行く買い物先の緯度・経度を算出し、GIS(地理情報シ ステム)を用いて、対象者の位置情報から直線距離と移動距離を計測した。 4. 対象者へのフィードバックおよび結果報告 対象者へのフィードバックは現在、調整中であり、長期縦断研究全体の報告と合わ せ、5 月中旬に行う予定である。また、研究成果の報告は、2019 年 10 月に行われる 日本公衆衛生学会において第1 報を報告予定としている。 Ⅲ. 研究成果 本研究の対象者は、買い物頻度、買い物先までの移動手段について、週3~4 回、自 動車を用いると回答した者が最も多く、食物の入手に関して、特段の不都合はきたし ていないようであった。そのため、移動販売や配食・宅配サービスについてもほとん ど利用していなかった。しかし、今後利用したいと答えた対象者が9 名確認されたた め、今後のフォローアップでどのように変化していくのか注目したい。 また、GPS 機能付き腕時計による移動情報を利用した年齢別の買い物先までの距離 に関して、今のところ年齢と買い物先までの直線距離および移動距離について有意な 相関は見られなかった。 Ⅳ. おわりに 本研究は、長期縦断調査の一部として行われているため、本稿における結果は、ベ ースラインデータとして扱い、今後の経年変化を調査するための基準となる。結果を 見る限り、健康な一般住民だということがよくわかる内容となっており、今後、本研 究の対象者が年齢を重ねて行くにつれ、栄養状態と買い物環境、生活行動圏の関連が どのように変化していくのか、追跡していく必要がある。 高齢者の健康と買い物環境の関連が注目されている現在、このような研究は、地域 包括ケアシステムに代表される地域が地域を支えるしくみを整えるための基礎情報を 提供可能とするため、重要性を増していくことが考えられる。

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