ヒシ属の継続栽培試験に見られる変異 3-香川大学学術情報リポジトリ

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ヒシ属の継続栽培試験に見られる変異 3

久 米

修 〒76ト4121土庄町渕崎甲2079−5 香川県小豆総合事務所森林整備室

TyIqPanutSVariationcultivatedfbr・generations3

05amuKllme,尺bg(‡WαP/早々c血〝αJGove川朋e〃J∫力oz‘J尺egfo〃αJq併c・ち2()乃−・ち ダ〟C旭αんんrbJ‡05ん〃乃ノーイブ2J,ノ呼d〝 必要がある。 筆者は,果実の変異の遺伝性を確認するた め,数系統のヒシ属について世代を継続して 栽培した。筆者が栽培したヒシ属は,大型無

刺,大型2刺,大型4刺,中型2刺,中型4

刺,/ト型4刺であるが,その結果の一周;とし て大型無刺,大型2刺,大型4刺,小型4刺 については先に報告した(久米,2006・ 2007)。今回は,中型2刺と中型4刺,大型4 刺として栽培した3系統について報告する。 試験の方法 栽培試験に使用したヒシ属の親果実と栽培 の方法,果実の計測部位(図1)と計測方法 は,久米(2006)に示した通りである。今回 報告するヒシ属の産地を表1に示した。

は じ め に 角野(1988)は,ヒシ属打叩αの変異に関す る議論は果実に基づくものが多く,果実の変

異の多さから未整理の状態にあるとしてい

る。その上で,現在日本に自生しているヒシ

属を,ヒメピシT.incisaSieb.etZucc小,ヒシT

′呼0〝fcαFle10V,コオニビシr、〝αね那L..vaf ク〟刑‘血Nakano,オニビンr.〝d加15Lvaり呼0〝− わαNakaiの4分類群とし,栽培種としてトウビ シr.地画似氾 Roxb.を上げている(角野, 1994)。 果実の形態をヒシ属の分類基準とするなら ば,遺伝的変異と偶発的変異の差異を明らか にする必要がある。その為には継続して栽培 試験を行い,果実の変異の迫伝性を確認する 図1..果実の計測部位と記号. ー1−

(2)

果実形態の各部位の名称は,既報(久米, 2006)の通り,基本的には三木(1953)及び

角野(1987)に従った。下位突起について

は,刺針の先端部に逆刺のつくものを下刺と し,つかない突起を擬角(Nakano,1964)と した。 栽培試験の結果 今回報告するものは,2000年に生産された 果実を親として,2001年から2006年の6年間 表1.試験に使用したヒシ属の産土臥 産地名は採集時の地名である. 系統番号 採集年 産 地 種 類 大型4刺 中型2刺ヒシ 中型2刺ヒシ 中型4刺コオニビシ 2001年未発芽 中型4刺コオニビシ 2002年途中枯死中型4刺コオニビシ T6 2000…9.2 香川県高松市川島東町稗田「下金法寺池」 T7 2000け9.30香川県三豊郡高瀬町佐股皿池「皿池」

T17 2005年産 T7変異種子,上刺短刺針型

T8 2002..9.15香川県三豊郡高瀬町上勝間首山「雁ノ池」 T8−12000..10い9香川県三豊郡高瀬町上勝間首山「雁ノ池」, T8−2 2001い川.27香川県三豊郡高瀬町上勝間首山「雁ノ池」,

表2..系統別果実生産数と各部位の計測凰 計測は正常果実のみとした一.数値は平均値/範囲を示す・・

部 位 計 測 値(m)

生産数(個) 系統番号 生産年

正常謂腐敗

WI HI Dl

8.. 7

9、7/7…5∼ほ.4 8.3/6.6∼10.ち 9‖2/8.2∼臥7 9い0/7.2∼1仇3 10.2/8…8∼11り5 10.5/8い0∼12“8 臼麗⊥監 22..2/19.1∼26小4 20..4/ほ.7∼27..9 22.3/1臥2∼25..7 19り4/16..1∼22.7 21..8/17.5∼26い6 1臥8/17.1∼22…8 34小6 35.2/31..卜〉40..4 35..1/28..3′、一42..2 35..5/30..8∼38い7 33..0/27.7∼35り6 34.1/28…6∼38−4 33.9/31い9∼35.6 2000 1√、. 2001 13 9 2002 8 1 2003 4 1 1 2004 7 2005 8 2006 6 1 Tti 軋9/6‖0∼7…6 6..9/5..3∼8い7 軋5/5.5∼7い3 6.7/5‖6∼8..0 7.1/5..9∼8.9 6り6/5∼0∼7..7 8..3/6小9∼臥6 14.6/12.9∼16…4 17.0/14い7∼20.1 15.7/13い5∼18.9 15‖3/12..1∼17.8 1臥0/12、.5∼18い4 15巾3/ほ.4∼17り6 1臥9/13。.6∼19.5 27…6/26.3∼2臥4 32い1/26..8∼36..0 30い1/24..6∼34..1 28..8/24..5∼32.0 29.9/23..9∼35.2 26.、1/19..9∼30小3 33一.0/29.4∼37い1 2000 6 1 2001 41 4 5 2002 14 2003 16 1 2004 26 2005 24 2 2006 15 1 T7 5い5 15.9 20い1 30い6/2軋1∼34..7 2005 1 2006 8 1 16..1/13。.4∼18リ7 8り2/6.6∼9..1 12..5/10..3∼15.8 6∼9/6い1∼7∼6 16.3/11.5∼189 7一.6/6.3∼8..5 15‖4/12.5∼19..1 7.4/6.0∼8∼5 15.5/11い6∼19.2 7い2/6.2∼8.0 15い4/13.1∼18い1 6.9/5.9∼7..9 29..4/26い0∼33.7 29‖0/22。4∼32り4 29..5/23り7∼34.1 28..1/22。3∼35い3 24.8/21..6∼27.6 2002 11 2003 34 2004 34 2005 27 T8 2006 16..9/15い9∼18.6 7い4/7.2∼7い7 36一.4/35.0∼37い1 T8−1 2000 15..1/14.1∼15.7 6..4/5−.7∼7一.0 13。5/12.8∼14‖7 6い6/5..6∼7.2 14.2/11.5∼16.6 6.8/5.4∼8.3 33一.6/32い9∼34..0 28い5/27.3∼29い4 33.4/26.3∼36.8

2001a 3

T8−2 2001b 3

2001混合 25

(3)

た。2002年から2004年にかけてと2006年は, 得られた果実は各年全て元親と同じ形態の2 刺型であった。2005年に生産された果実の内 から,上刺の刺針部が著しく短い形態のもの が4個出現した。残りのものは元親と同じ形 態の2刺型であった。刺針部の短いものから 1個を選抜し,2006年に系統番号T17として 栽培した。当年生産されたT17の果実は,全 てT7の元親と同じ長さの刺針と形態であっ た。 系統番号T8は,中型4刺であり,親の原 産地のため池では,中型2刺のヒシと混生し ていた。2000年に生産された果実を親とした が,2001年には発芽しなかった(T8−1)。再 度2001年に原産地のため池で生産された果実 を2002年の親として栽培したが,1個だけ発 芽した株は栽培途中でサカマキガイ靴y5dαC〟ね の食害により枯死した(T8−2)。あらためて 2002年産の4刺型果実を原産地のた.め池から 2003年の親に選択したが,当年生産された果 実は全て同じ形態をしていた。2004年から 2006年にかけても,得られた果実は各年全て 元親と同じ形態の4刺型であった。上刺或は 下剤,逆刺ともによく発達しており,下刺が 細ぐて途中が膨らまず,大型4刺T2のオニビ シ及びT6とは形態が異なっていた。 上刺先端部の位置については,年により多 少のばらつきがあるが,T6・T7・T8い ずれの系統でも肩よりも上がっているもの, 下がっているもの様々であり,平均値は水平 からやや下向気味であった。 下刺先端部の位置については,T8で1例 だけ付着点よりも上方にもち上がっているも のが見られたが,それ以外はT6・T8いず れの系統でも付着点より下方にあった。その 値は,年により多少のばらつきがあるが,T 6がT8よりもやや大きく,下刺先端部がよ り下向していた。琴筒基部よりも下がって−い るものがT6で1例,T8で数例見られた が,ほとんどのものが琴筒基部より上にあっ た。

に渡って世代を継続して栽培したものであ

る。その結果を図2及び表2,表3に示した。 1。.果実形態の変異

系統番号T6は,上刺或は下刺,刺針部の

逆刺ともによく発達しており,大型4刺とし て栽培したが,上刺或は下刺の途中が膨らむ 事なく,大型4刺のオニビシ(既報の系統番

号T2)とは形態が違っていた。個体内或は

年次による形態変異は少なく,全て4刺型で 安定していた。

系統番弓T7は,中型2刺で,擬角位置に

/ト症状突起がある果実を2001年の親に選択し たが,当年生産された果実は小症状突起の僅 かな大小はあるものの全て同じ形態をしてい 表2..(つづき) 部 位 計 測 値(mm) D3 e h 2..3 1 0.2/−1い8∼2い4 10 −0.1/−1小1∼1…3 5 −0..4/−1.4∼1.4 3 0‖1/−1..0∼0.9 4 −1叫1/−2…4∼0い6 6 0.8/−1.1∼4一.0 6 1軋1 15い8/12..9∼18.5 15い2/ほ.6∼19.7 15い0/11い6∼17い6 14..3/11…1′〉16..8 16い5/13り8∼19.9 16い2/13一1∼20.9 9..9/8.7∼10.8 11.4/凱8∼13..0 10、4/8.8∼12〃4 10..5/7..8∼12.1 10..9/9り2∼12り5 川.1/8..4∼12..4 11..0/9.0∼ほ.5 一1…0/−1..6∼−0..4 −1い3/−3..9∼0.8 −0い0/−1一.0∼1..9 −0…9/−2一.9∼1.2 −1、3/−2…8∼−0..1 −1..6/−3..5∼1.1 −1.6/−3..7∼−0..2 9..2 10。1/7..7∼12..1 ー1、.1 −1。.3/−2.2∼−0,5 】∬.4/8‖3∼12.2 11.4/凱2∼13..0 10“8/8‖9∼12..6 10.8/8り6∼12い5 拍.2/8い5∼11い6 −1..1/−2..9∼−0..2 0 0い0/−1..4∼2..3 13 −0.4/一1.9∼1.1 8 −0り6/−2.8∼1.7 8 2.3/0。9∼3,.0

14

−1い9/−3い1∼−0..8 0 ほ、8/12..5∼13小0 11り3/11い0∼11..5 9.8/9.5∼10,.3 10.7/9.2∼13.3 一1..6/−2…3∼−0..8 0 −1…2/−2..0∼−0.6 0 −1.4/−3.0∼−0.2 0 − 3 −

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表3.4刺型果実の下刺に関する計測値・計測は正常果実のみとした・数値は平均値/範囲を示す・

部 位 計 測 値(mm)

生産数 系統番号 生産年 (個) Dh hw hl

11.0

13.9/11.6∼17.4 11.5/7.6∼14.4 13.4/11.6∼15.2 11.4/9.8∼13.1 11.4/8.5∼1臥0 11.1/9.0∼14.1

7.2

8.1/5.6∼10.5 7.0/5.8∼9.1 7.7/6.9∼8.5 7.4/5.7∼8.8 8.2/5.9∼9.1 7.2/5.9∼8.4 1 37.5 13 37.6/32.2∼43.1 8 35.9/31.6∼43.2 4 36.6/33.7∼39.1 7 33.4/30.5∼36.4 8 36.3/31.7∼39,∠主 6 37.1/34.4∼43.5 O 1 2 3 4 5 氏U nU O O O ハU O O ハU O O O O O O 2 2 2 2 2 2 2 6.5/5.0∼8.2 9.6/6.5∼12.5 8.8/7.0∼11.4 8.1/5.6∼10.2 8.8/6.8∼10.0 2.7/1.6∼3.2 2.7/1.7∼3.8 2.7/2.0∼3.4 3.1/2.0∼4.1 11 26.3/21.0∼29.2 34 28.5/22.3∼32.7 34 27.7/22.4∼32.4 27 27.0/20.8∼31.1 2 3 4 5 6 0 0 nU O O O O O O O 2 2 2 2 2 7′−2,7 14 27 8.8/8.5∼9.3 7.9/7.2∼8.4 7.3/6.6∼8.3 7.0/5.5∼9.2 3.1/3.0∼3.2 2.9/2.9∼2.9 2.6/2.2∼3.1 28.1/27,1∼28.7 23.5/21,1∼25.5 28.7/25.6∼33.1 nJ3 r6

∴・J、∴・

=二十.・∵㌧ ̄・−∴、

r17

禽⑧ご各港烙一恕、素食恩救援

 ̄ 、、、.∴  ̄、−∵、\● \

\、.∴二・

∴ 図2.継続栽培したヒシ属果実の変異・

T6・T7は最上段が2000年産,T8は最上段が2002年鼠T17は上段が2005年産親果実で下段が

2006年産を示す.各系統とも左端の個体が次年の親果実.物差の目盛り数字はmm・

(5)

曹筒表面の突起や隆起の程度は,果実により 変異があるが,系統である程度まとまった形態 をしていた。T6では,肩部や琴筒縁辺部で波 状の隆起が目立つものがあった。T7では,擬 角位置に/ト症状の突起物があり,肩部の隆起は 目立たないが,琴簡側面の子房との縁辺部では 波状の隆起が目立ち,症状に突出した外突起が

左右1個ずつ発達していた。T8では,肩部の

隆起は目立たないが,外突起が発達して症状に 突出したものがあった。

T6及びT8の子房突起や頂環の発達の程度

は様々で,変異に富んでいた。 2.果実サイズの変異 各系統の果実サイズは,年により多少のばら つきがあるが,計測部位により系統間の差異が 表3.(つづき) 部 位 計 測 値(mm) h2 he

5.9

8.4/軋0∼11.1 4.2/2.0∼7.3 6.8/4.9∼9.1 5.1/−0.5∼6.8 6.7/2.9∼10.8 4.4/1.3∼臥9

5.1

5.7/3.8′−6.9 7.4/4.2∼10.0 6.7/3.8∼8.9 6.3/4.0∼10.4 4.7/1.6∼6.7 6.7/5.2∼7.7 0.8/−1.9∼3.2 5.5/1.2∼9.6 3.7/1.0∼12.5 3.8/1,6∼9.1 軋2/4.4∼9,5 5.7/3.4∼7.0 4.1/0.8∼7.1 5.1/−3.5∼7.0 4.3/1.1∼6.4 2.6/一0,7∼4.7 3.0/−0.4∼4.7 5.9/3.9′−9.0 −0.3/−3.0∼1.9 −0.7/−2.5∼1,9 1.0/−1.4∼3.1 8,2/6.5∼10.3 8.0/6.4∼9.1 6,0/4.3∼8.0 図3.発芽果実の大きさの変異,

a:2001年産T6果兎 b:2007年秋に発芽した2007年産T6果実,C:2001年産T7果実,

d:2006年産T8果実. 各系統とも同一年に発芽した果実の内左端が最大,右側が最/卜 物 差の目盛り数字はnm. − 5 −

(6)

表4−.未熟/ト型果実各部位の計測値い 計測可能な果実のみとし,萎縮腐敗した果実の欠矢部位は 除く.、 部 位 計 測 値(m) 系統番号 生産年 WI HI DI D3 Dh hw 11い9 29..2 6.. 3 11小2 29‖6 5.2 9.2 20..7 4.3 23..3 18..3 4.8 2001 2軋0 13い4 6..0 19.5 11..5 4り0 T6 9.6 22.4 5..0 2002 23..4 13い4 2003 20..4 17巾7 5..0 11..0 27..8 3..7 27い5 126 5..5 2001 28い3 12.2 5..4 13一.6 4‖9 T7 2003 22.9 101.2 5‖6 6.6 2005 8い3 軋7 2007 18一.8 8..3 5”8 6い8 nU 企U 9 9 1 2 1 ︵ソ︼ l 1 1 良U 4 /卜型発芽果実 2 7 ハ︼U 1 3 0 2 2 2 10 12 8・ 1 1 8 2003 4 5 4一L l り一 1 、ソ一 00 1 Åソ︼ ︻一− ︻n ■n 1臥4 11.5 21..4 10.5 9 4 7 7 1 1 1 1 5 2 1 0 ︵VO 5 2 5 1 1 1 1 19小9 9..8 16..0 8.2 12..1 9.0 18..0 11い4 ハn︶ 0 00 00 4 4 4 5 T8 2005 11い0 24.8 1一.7 5..6 23.0 2006 ︵VO 3 ハhU 6 4 3 5 7 9..3 30一.7 5.3 9..2 4一.8 臥2 15一.0 2り3 8..5 24り4 4.6 19..3 2.7 2 9 26..6 13.1 28..4 13.2 15.0 9.9 21…4 9‖2 18..9 6.5 16HO 7 5 7 9 9 3 5 1 5 5 2 5 3 3 2001 T6 2007 23い7 13..7 8. O ll..9 27.2 4.9 27.7 12り0 22.0 8..7 9 1 4 4 小型未発芽果実 T7 2005 19い9 8、.9 5..3 7..5 17∼2 1..6 7..8 20..6 4.4 7.6 21..7 3..9 17.7 10‖7 9.2 20.9 9..8 2003 20.6 11り2 5.3 7.6 18.3 2..4 23い0 臥6 4一.4 7。4 21..6 2.4 2005 12..2 9,.9 5..4 7り1 11..5 1い5

(7)

2006・2007),今回対象とした3系統において も成熟果実の1/4∼2/3程度の小型果実でも発 芽するものがあった(図3a・C・d)。この小 型果実で,発芽したものと未発芽のものの大 きさについて−はあまり差異がなかった(表 4)。 なお発芽に.関して,2007年にて6は,5個 の通常サイズの果実を生産したが,このうち 1個が生産年に発芽して,長さ7cmまで生育 しているのを11月17日に発見した(図3b)。 継続栽培試験を開始した2000年以来初めての 現象であり,結実当年でも発芽する事を初め て−知った。 考 察 こ.れまでに既報(久米,2006・2007)と合 わせて,大型,中型,′卜型果実を着ける8系 統のヒシ属について報告してきたが,他のヒ シ属の果実とは明確に区別出来るTlのトウ ビシとT5のヒメピシを除いた6系統の果実 のサイズを比較してみた。 4刺の系統に着目すると,T6の上刺と下 刺の形態は,T2の様に盛り上がった厚みが 無く,平滑であった。T6とT2の大きさを 比較すると,Hl,D3,Dhは近似して−いるが, Wl,e,hw,heはT2が大きかった。Wlについ て−は,T6がT2とT8の間にあった。T8 の下刺の太さhwは,T2,T6の中で4刺性 の値としては最も細かった。角野(1987) は,下刺について,幅が広く厚みのあるもの から細いものまであって変異に富むと言って いるが,T2,T6,T8の関係がこれに該 当している事になる。T8は,総体的な大き さとして,T2,T6よりも小型の4刺であ り,コオニビシに該当すると思われた。T6 は,オニビシでもコオニビシでもなく,既知 の呼称に該当しないものである。 2刺の系統を見ると,T4の計測値はどの 部位も,T3,T7より大きかった。T7と T3のHlは近似していた。Wl,D3の大きさ は,T4,T3,T7の順であった。T7 は,総体的な大きさとして,T4,T3より も′ト型の2刺であり,ヒシに該当すると思わ れた。角野(1988)は,ヒシの上刺間幅を30 ∼50mmとしている。これには刺針部が含まれ ている事から,今回の結果と直接比較する事 は出来ないが,T7のWlと概ね合致して−いる と思われる。 2刺と4刺を問わず果実の大きさで比較し てみると,中型のT7とT8では,Wlは変動 幅が大きいが近似しており,Hl,D3はほぼ−・ 致して−いた。この様な関係は大型4刺と2刺 についても観察され T2とT4では,Hl, D3はT2よりT4がやや大きめであったが, Wlは近似していた。この事だけで,分類形質 としての下刺の意味合いを論じる事は出来な いが,興味深い対応である。 既報の系統T3,T4において,擬角或は 下刺の有無や形態に大きな変異が見られる事 を報告したが,今回報告した系統では4刺, 2刺の形質は,継続栽培中いずれも安定した ものであった。安定した形態を示すものと, 形態変異の生じやすい系統が存在するのかも しれない。 文 献 角野康路1987… 日本産ヒシ属の変異に関す る予察的研究い 植物分類地理38:199− 210.. .1988.ヒシ属における種の問題. 日本の生物2(12):21−25.. 1994.日本水草図鑑.文一L総合出 版,東京 久米 修2006..ヒシ属の継続栽培試験に見 られる変異1.香川生物33:1−12小 い 2007..ヒシ属の継続栽培試験に見 られる変異2..香川生物34:13−19.. 三木 及1953..遺体からみたヒシ(ル呼α) − 7 −

(8)

の形態的諸性質と水生への適応等につい て..生態学会報2(3):111−116.

Nakano,H.1964,.Further Studies on 71qpa

蝕OmJapan anditsAqjacentCountries.Bot.. M咽い Tokyo77:159−167..

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