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( 続紙 1 ) 京都大学博士 ( 農学 ) 氏名根田遼太 Spatial structures of nitrous oxide fluxes from soil and its determining factors in Acacia mangium plantation 論文題目 (Acac

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Academic year: 2021

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(1)

Title Spatial structure of nitrous oxide flux from soil and itsdetermining factors in Acacia mangium plantation( Abstract_要旨 )

Author(s) Konda, Ryota

Citation Kyoto University (京都大学)

Issue Date 2011-03-23

URL http://hdl.handle.net/2433/142333

Right

Type Thesis or Dissertation

Textversion none

(2)

( 続紙 1 ) 京都大学 博士( 農 学 ) 氏名 根 田 遼 太

論文題目

Spatial structures of nitrous oxide fluxes from soil and its

determining factors in Acacia mangium plantation

(Acacia mangium 植林地土壌からの亜酸化窒素フラックスの

空間構造とその規定因子)

(論文内容の要旨) 東南アジア地域において近年急速に拡大したマメ科早生樹植林地では、その土壌が温 室効果ガスの一つである亜酸化窒素(N2O)の重大な発生源である可能性が指摘されて いる。またN2Oの地表面フラックスは、特定地点で極端に大きなフラックスが観察され るホットスポットの存在を含め、空間的に極めて不均一であり、このことがN2Oフラッ クスを面的に高精度で推定する際の問題となっている。更に、N2Oの地表面フラックス は降水の季節性と連動して変化することが知られ、その空間構造もまた季節性を持つ可 能性が高い。しかし、マメ科早生樹植林地土壌におけるこれらN2Oフラックスの空間構 造とその季節変化は全く未知であり、その植林地の持つ温暖化防止機能を正確に把握 し、かつN2Oの発生を抑制するためには、その空間変動の実態と形成メカニズムを明ら かにすることが必要である。そのため、本論文は土壌からのN2O放出を規定する要因と して降水の季節性ならびに地形要素に着目し、熱帯アジアの重要植林樹種であるAcacia mangium 植林地におけるN2Oフラックスの空間構造を地球統計学的手法によって明ら かにすると共に、その規定因子について検討を行ったものである。論文は次の3つのト ピックから構成されている。 1)上部平坦面から斜面谷底にかけての異なる地形要素を含むA. mangium 植林地土 壌において、少雨期のガスフラックスならびに関連する土壌パラメータを1mおよび10m の大小2つの間隔で多点観測し、その空間構造を地球統計学(ジオスタティスティク ス)の手法を用いた解析を行った。その結果、N2Oフラックスはサンプリング間隔に応 じた2段階の空間依存性を持ちそのレンジはそれぞれ3.5m、35mであり、更に、ガスフ ラックスに認められた大小2段階の空間構造の形成には微地形(~100 m)と中地形(~ 101m)の影響を受けた易分解性の炭素や窒素など土壌資源の空間分布が強く関与してい ることを明らかにした。

2)A. mangium 植林地土壌を対象に、少雨期ならびに多雨期におけるN2Oフラック

スを10m格子による多点観測により明らかにし、降水の季節性がこれらのガスフラック スの空間構造に与える影響について比較検討した。その結果、N2Oフラックスは季節に 関わらず約18mのレンジで強い空間依存性を持つことを明らかにした。更に、N2Oフラ ックスの空間構造を支配する要因は季節で異なり、多雨期には地形と容積重に応じて変 化するWFPSによって規定される土壌の好・嫌気環境の分布が、少雨期にはリター量に よって変動する土壌資源供給量の分布が、それぞれN2Oフラックスの空間構造を支配し ていることを明らかにした。また、N OフラックスとWFPSの関係から、多雨期におけ

(3)

1 3)少雨期のA. mangium 植林地土壌を対象に、林床の堆積腐植層(FH層)の除去操 作と、硝酸化成と脱窒の基質であるアンモニア態窒素(NH4—N)、硝酸態窒素(NO3— N)の土壌への添加操作を組み合わせた実験を現地において行い、少雨期におけるN2O 発生源の特定とその発生プロセスの解明を行った。その結果、FH層除去処理によって N2O発生量に変化は認められず、少雨期におけるN2Oの直接の発生源がFH層ではなく土 壌であることを明らかにした。また、NO3—Nの添加によってN2O発生量が大きく増大し たことから、NO3—Nの利用性が増大すれば少雨期にあっても脱窒の促進を通してN2Oの 発生量を増大させる可能性があることを示した。さらに、WFPSとNO3—N添加後のN2O 発生量の間に認められた正の相関関係と、高WFPS地点の斜面谷底地形面への偏在か ら、特に斜面谷底等の嫌気環境が形成され易い集水地形でNO3—N利用性が増大すれば N2O発生量を顕著に増大させる可能性を指摘した。一方、NH4—N添加はN2O発生量を 変化させず、本調査対象地ではN2O発生への硝酸化成の寄与は小さいことを示した。 以上のことから、降雨の季節性と地形によって変動する土壌水分環境に加え、リター 分解を通じて土壌へ供給される資源利用性の季節性が、主として脱窒プロセスから生成 されるN2Oの空間変動に季節間差をもたらしていることを推論した。また、N2Oフラッ クスへの地形の影響が顕著であることから、マメ科植林地からのN2O発生量を広域で精 度良く推定するためには、地形による層化手法を用いた評価が有効であることを指摘し た。

(4)

(続紙 2 ) (論文審査の結果の要旨) 東南アジア地域において近年急速に拡大しつつあるマメ科早生樹植林地では、その 土壌が温室効果ガスの一つである亜酸化窒素(N2O)の重要な発生源である可能性が 指摘されているが、N2O地表面フラックスの空間変動の実態とその規定要因は未知の ままである。本論文は、N2Oフラックス空間構造を規定する要因として、土壌水分環 境と関係が深い地形要素ならびに降水の季節性に着目し、熱帯アジアの重要植林樹種 であるAcacia mangium 植林地におけるN2Oフラックスの空間構造とその季節変化

を、地球統計学を用いて定量的に明らかにすると共に、その発生メカニズムについて 詳細に論じたものである。評価できる点として以下の3点をあげることができる。

1)A. mangium 植林地において1m間隔と10m間隔の大小2つのスケールでN2Oフラ

ックスの多点観測を行い、少雨期のN2Oフラックスは3.5mと35mのレンジで2段階の空 間構造を持つ事を明らかにした。この知見は、N2Oフラックスには明瞭な空間依存性 がないとする農地土壌での多くの報告と対照的な結果であり、森林土壌では農地と異 なり幅広い地形要素を含みしかも土壌の均質化が行われないことが、森林でのN2Oフ ラックスに強い空間依存性を生み出す原因であることを指摘した。また、少雨期の N2Oフラックスの空間変動には土壌水分環境ではなく、地形の影響を受けた土壌資源 量の分布が関係していることを明らかにした。

2)A. mangium 植林地土壌のN2Oフラックスには多雨期に高く少雨期に低い季節

変動が認められており、その空間構造とその支配要因もまた季節変動する可能性があ る。このため本論文では、少雨期、多雨期にそれぞれN2Oフラックスの多点観測を行 い地球統計学的手法によって解析することで、N2Oフラックスは季節に関わらず約18 m のレンジで強い空間依存性を持つが、N2Oフラックスの空間構造を規定する要因 は季節で異なり、多雨期は地形と容積重の分布に支配された土壌水分環境の空間的異 質性が、少雨期はリター存在量と関連した土壌資源供給量の不均一分布がそれぞれ規 定因子であることを実証的に明らかにした。このことから、地形による層化が広域の N2O発生量を精度良く予測する際に有効であることを示した。 3)リター層除去と窒素基質添加の2つの処理組み合わせた現地実験に基づき、N2 Oの直接の発生源はリター層でなく鉱質土層であることを明らかにすると共に、N2O の発生プロセスは多雨期のみならず少雨期にあっても主として脱窒であり、NO3—Nの 利用性増大がN2O発生の増加をもたらすことを明らかにした。また、多雨期はもとよ り少雨期の比較的乾燥した土壌でも脱窒ポテンシャルを持つ嫌気的な微小領域が存在 する可能性を示し、当該林地でのN2Oフラックスの発生メカニズム解明に重要な示唆 を与えた。更に、窒素に富んだA. mangium リターが窒素や炭素基質の供給者となる ことで、土壌中でのN2O生成を含む窒素形態変化が促進されることから、A. mangium 植林地土壌におけるN2O発生抑制には、地形に対応したN2O発生場の特性に応じたリ ター投入の削減・管理が有効な施業オプションとなりうることを示した。

(5)

3 ラックスの空間構造とその季節変動を現地での多点観測と地球統計学に基づいて明ら かにし、その規定要因を地形要素と降雨の季節性に対応した土壌特性との関連の下に 解明したもので、森林立地環境学、森林生態学、土壌学、森林管理学の発展ならび に、熱帯早生樹植林地の環境サービス機能の評価・増進に貢献するところが大きい。 よって、本論文は博士(農学)の学位論文として価値あるものと認める。 なお、平成23年2月16日、論文並びにそれに関連した分野にわたり試問した結果、 博士(農学)の学位を授与される学力が十分あるものと認めた。 注)Webでの即日公開を希望しない場合は、以下に公開可能とする日付を記入すること。 要旨公開可能日: 年 月 日以降

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