目 次
会長挨拶 佐治 英郎 ……… 1
退任のご挨拶 半田 哲郎 ……… 3
乾 賢一 ……… 4
富岡 清 ……… 5
就任のご挨拶 石濱 泰 ……… 6
松本 明 ……… 7
内海 潤 ……… 8
最先端創薬研究センターについて ……… 9
京都大学薬学記念事業レポート「第 2 回 薬学の未来を考える京都シンポジウム」に参加して ………… 11
旧師探訪 ……… 14
会員便り∼近況報告 ……… 15
人事異動 ……… 18
受 賞 ……… 20
博士(薬学・薬科学) ……… 21
修士(薬学・薬科学) ……… 23
分野(教室)だより ……… 27
薬友会部報 ……… 45
京大薬友会会則 ……… 47
薬学研究科教員 電話番号・
E
メール一覧
……… 48
広告索引 ……… 53
薬友会員の皆様にはお元気でご活躍のことと お喜び申し上げます。伊藤信行前薬学研究科長・ 薬学部長の後任として、本年 4 月から私が薬学 研究科長・薬学部長に任じられ、併せて薬友会 会長を務めることとなりました。ここに、薬友 会会誌第 62 号をお届けするにあたり、薬学研 究科・薬学部の近況をご報告申し上げ、ご挨拶 とさせていただきます。 ご存知のとおり、平成 18 年より新しい薬学 教育制度が始まり、本学部では創薬科学研究者・ 技術者の育成を主たる使命とする 4 年制の教育 課程(薬科学科)と、高度な先端医療を担う薬 剤師・医療薬科学者の育成を主たる使命とする 6 年制の教育課程(薬学科)とを並置し、それ ぞれの志望進路を通して薬学領域の将来を支え る人材の育成に努めているところです。教職員 の皆様には一致協力してこの新教育体制の実施 に取り組んでいただいており、その結果、新制 度での教育はスムーズにスタートし、本制度で の 4 年制の第 1 期生を本年 3 月に卒業させ、ま た 6 年制の第 1 期生の 5ヶ月間の実務実習(2ヶ 月半ずつの病院実習、薬局実習)も本年度初め から順次開始し、現在まで順調に進んでいると ころです。今後とも教職員一同全力で取り組ん でいく所存ですので、皆様の一層のご支援とご 鞭撻をお願い申し上げます。 学部の新教育制度による体制整備に伴って、 大学院の教育体制の整備も進めています。最近 の医薬品開発方法の多様化に対応できるように 統合的な薬学大学院教育を目指して、従来の創 薬科学、生命薬科学、医療薬科学の 3 専攻を 1 専攻(薬科学専攻)に改組し、本年度から実施 しています。さらに現在、6 年制の学部教育課 程の卒業生を対象とする博士課程(4 年)の 24 年度からの設置に向けて努力しているところで す。 また、更なる薬学教育の充実を求めて、現在 の個別の専門領域の資質育成教育に加え、分野 横断的な創薬・育薬力を持った先導的創薬研究 リーダーを育成するための横断的統合型教育の プラットフォームを築き、学士力を総合的に高 める教育システムを構築することを目的として 「横断的統合型教育による創薬・育薬力育成プ ログラム」を文部科学省の支援のもとに始めま した。また、その実施にあたって、拠点となる 「統合薬学教育開発センター」を医療薬学教育 棟(旧 RI 学生実習室を改修)に設置しました。 本センターを核とする薬学教育の充実に向けた 活動は、本研究科・学部における薬学教育の発 展に大きく貢献するものと期待されます。 一方、時代の先端を拓く薬学研究の新しい展 開を求めて、それに対応した研究組織の構築に も務めており、その一環として本年 3 月に研究 科内に「最先端創薬研究センター」を設置し、 現在 3 名の特定拠点教授、4 名の特定拠点助教 を採用して活動を開始しています。本センター は、昨年秋に開始された、科学および科学技術 の領域で世界をリードする研究開発のための大 型国家プロジェクト「最先端研究開発支援プロ グラム(FIRST プログラム)」の中で採択された、 ノーベル化学賞受賞者の島津製作所の田中耕一 フェローを中心研究者とする「次世代質量分析 システム開発と創薬・診断への貢献」というプ ログラムにおいて設置したものです。すなわち、 京都大学薬学研究科の先生方が本プログラムの 共同提案者として研究の一翼を担うために、京 都大学側の研究拠点として、本センターを本年 3 月に本研究科内に設置しました。本センター では、現在医療で最も対応に難渋している、が んとアルツハイマー病を対象として最先端質量 分析研究に基づく新たな治療戦略の構築、さら にはこの領域を開拓し、その将来を担う人材の 育成を目指して研究を推進しているところで す。また、このプログラムを推進するために、 田中耕一先生には本年 3 月から本センターの客 員教授としてご指導を頂いています。先月 10
ご 挨 拶
会長佐 治 英 郎
月 30 日に開催しました本会主催の 「第 2 回 薬 学の未来を考える京都シンポジウム」において、 田中先生をはじめ、本プログラムの中心となっ ておられる先生方に研究の概要と方向性につい てご講演を頂きました。新しい科学技術の創出 による創薬、医療の新領域の開拓が強く期待さ れます。 さて、研究科構成員の異動の面から 1 年を振 り返りますと、本年 3 月末をもちまして、製剤 機能解析学分野の半田哲郎教授、協力講座であ る医学部附属病院薬剤部の医療薬剤学分野の乾 賢一教授が定年でご退職されました。また薬品 合成化学分野の富岡 清教授も定年まであと 2 年を残されていましたが、同志社女子大学薬学 部への異動のため、ご退職されました。3 名の 先生方には、長年の薬学研究科・薬学部の研究・ 教育へのご貢献に対して心から御礼を申し上げ ます。 また、京都大学薬学研究科にとりましては初 めての寄附講座として、エーザイ株式会社のご 寄付により平成 15 年 4 月に設置されました創薬 神経科学講座が本年 3 月末をもって終了しまし た。2 期 7 年間にわたり、本研究科の大きな期 待に応えて活発な研究活動を展開され、多大な 功績を挙げられ、研究はもちろんのこと、本研 究科の教育にもご貢献いただきましたことに厚 く御礼を申し上げます。本講座のスタッフ、関 係者の方々の今後のご活躍を祈念いたしており ます。 一方、ご退職やご栄転の先生方の後任や新設 の「最先端創薬研究センター」などに新しく多 くの先生方をお迎えしました。製剤機能解析学 分野の担当教授として石濱 泰先生、「最先端 創薬研究センター」の特定拠点教授として松本 明先生、内海 潤先生、さらに、本年 3 月末を もって終了しました創薬神経科学講座の特定教 授の杉本八郎先生がご着任されました。「統合 薬学教育開発センター」の特定教授には、「統 合薬学教育フロンティアセンター」教授であっ た栄田敏之先生が本年 8 月にご異動されまし た。さらに、平成 20 年 10 月から京都大学理事・ 副学長として京都大学の発展のためにご尽力頂 きました藤井信孝先生には、2 年間の本部での ご活躍を終えられ、本年 10 月より本研究科の 特別教授としてご着任頂き、引き続きご指導を いただいております。また、准教授、助教にも 新進気鋭の先生方をお迎えしました。ご栄転に なられた先生方、新たにご着任になられた先生 方の益々のご活躍を祈念いたします。 現在、国家予算の削減、競争原理の導入、評 価の導入、グローバル化などにより、大学は厳 しい教育・研究環境に直面しています。厳しい 環境ではありますが、京都大学薬学研究科・薬 学部は日本の薬学教育・研究のリーダーとして、 これからも新しい薬学像の構築を目指して努力 していく所存です。薬友会会員の皆様には引き 続き相変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますよう 重ねてお願い申し上げます。最後になりました が、薬友会会員の皆様方の一層のご健勝とご活 躍を心より祈念いたします。
退任のご挨拶
半 田 哲 郎
本年 3 月末日をもちまして、京都大学を定年 退職いたしました。 私は、昭和 40 年に京都大学薬学部に入学、 49 年に大学院博士課程を中途退学し、その後 36 年間、京都大学薬学部・薬学研究科と岐阜 薬科大学で物理化学、生体の界面科学および製 剤学の研究・教育を行ってまいりました。京大 薬友会には学部入学以来 45 年間半もお世話に なっています。 高校時代までは野良仕事を手伝う農村の生活 でした。大学に入学し、歴史の長い都市、京都 に飛び込んできました。農村共同体から近代的 個人が集まる都市に投込まれたのです。ルネッ サンスの諺どおり、都市の空気は自由でしたが、 しかし、自分自身の位置がわからなくなり、体 重も 5kg ほど減るというパニック状態でほぼ約 2 年間を過ごしました。それでも、これを機会 に自己や周りの社会をじっくり考えてみようと いう意気軒昂な気分も残っておりました。その ときの難問は、結局、答えを得ることなく今日 に至っています。しかし混沌と迷いのなかで、 なんとか自己の平衡を保つことを学び、学部時 代の後半からは物理化学や界面化学に興味を向 けていくことが出来ました。昭和 40 年代はよ い時代でもありました。 私の研究は、中垣正幸先生のもとで、界面の 脂質単分子膜の相平衡から出発しました。単分 子膜は 2 分子膜の半分の構造を有するもので す。肺胞表面では呼吸機能に、血漿中ではリポ タンパクの代謝と機能調整に重要な役割を担っ ています。単分子膜の基礎研究は比較的順調で、 その理論・技術を用いて米国留学でも成果を出 すことが出来ました。米国化学会のコロイド界 面討論会にも発表できましたが、今までに経験 したことのない厳しくて真剣な討論にも出会 い、強いインパクトを受けました。その経験を もとに、脂質̶タンパク複合ナノ粒子(HDL)、 脂質エマルション(キロミクロンモデル)、ミ セル・リポソームの分光学的性質や物理製剤学 などに研究領域を広げる努力をいたしました。 HDL の研究では医学や分子生物学の専門家と ともにプロジェクトを展開できました。広い領 域の皆さんと交流し、サイエンスの広がりを楽 しむことができたのは大変に幸福でありまし た。恩師の中垣先生をはじめ、尊敬する先生や 先輩に引っ張って頂き、また多くの優秀な後輩 達に押してもらい、ようやく定年退職にたどり 着くことができました。皆様、本当に有り難う ございます。 ご縁があり、定年後の 4 月より鈴鹿医療科学 大学薬学部の教壇に立つことになりました。こ ちらは創設 3 年目の 6 年制薬学部であり、私の 他にも 7 名の京大薬友会の皆様が教授を努めて います。京都大学では、世界的に新しい課題に 優秀な学生をも巻き込むように努めて参りまし た。鈴鹿医療科学大学では、日本を支える多数 派の若い人が薬学の実務家としてスタートに立 てるよう、その育成に努めております。この地 の歴史や風土にも新鮮な印象を感じています。 もちろん、教育・研究環境の大きい変化を予感 しておりましたが、実際はそれ以上であり、試 行錯誤の毎日が続いています。また、長い間、 構想していた薬学・生命科学領域の学生のため の、物理化学の視覚的教材の開発に手を付けま した。自然の自発的方向を示す熱力学の難解で 特異な概念を、離散的に熱運動する粒子集団よ り説明し、生体分子の機能までも解説できれば と考えています。 京大薬友会の皆様には、これからもご指導や ご鞭撻を頂きたく思います。皆様のますますの ご健勝とご発展をお祈りして、退任の挨拶に代 えさせて頂きます。退任のご挨拶
乾 賢 一
平成 6 年 1 月に堀 了平先生の後任として、 京都大学医学部附属病院薬剤部(薬学研究科医 療薬剤学分野)を担当して早くも 16 年が経過 し、本年 3 月末に無事定年退職いたしました。 これも偏に諸先生、諸先輩、同僚、後輩の皆様 のご指導とご支援の賜物と深く感謝し心から御 礼申し上げます。 顧みますと昭和 44 年に京都大学薬学部を卒 業後、大学院を経て広島大学、京都大学、東京 医科歯科大学、京都大学に 37 年余の期間勤務 し、その内、医学と薬学の接点である大学病院 薬剤部に 30 年余在籍しました。そして、前任 地東京医科歯科大学と京都大学で併せて 20 年 間教授・薬剤部長を勤めたことになります。医 療環境が大きく変化し、また国立大学の法人化 や薬学教育 6 年制の改革が進む激動の中で、薬 剤部の職員と大学院学生が一丸となって 21 世 紀の医療を見据えながら先駆的な薬剤業務・教 育・研究を目指して歩んできました。大学病院 薬剤部の役割・使命としては、(1)医薬品の安 全管理、適正使用、経済性への貢献、(2)高度 医療における薬物治療の支援と科学性の確保、 (3)医学教育・薬学教育への参画 等が最も重 要であると考えて実践してきました。 教授・薬剤部長を拝命して以来、臨床医学が 基礎医学と一体となって発展を遂げつつあるこ とを目の当たりにして、薬学においても医療薬 学や薬剤業務の科学的基盤構築に向けての努力 が必要であることを痛感していました。そのよ う な 中 で「 医 薬 品 の 適 正 使 用 を 目 指 し て ∼ From Bench to Bedside ∼」 と い う キ ャ ッ チ フ レーズは自然発生的に生まれました。京大病院 の幾つかの診療科との共同研究を通して、基礎 研究成果の臨床応用を目指しました。また、症 例が契機となって開始した研究の成果や、それ が如何に臨床に還元できたかというアプローチ も重視しました。これらの成果は、薬剤管理指 導など薬剤業務の科学的基盤、テーラーメイド 医療などに着実に繋がっています。 平成 18 年 4 月に待望の薬学 6 年制がスタート し、わが国の薬学・薬剤師にとって歴史的な改 革が実現しました。私は平成 14 年 10 月から始 まった文部科学省の「薬学教育の改善・充実に 関する調査研究協力者会議」のメンバーとして 加わり、1 年余にわたる会議において発言を重 ねてきましたので特別の思い入れがあります。 この薬学教育改革では、薬の専門家としての十 分な知識、技能、態度を身につけた質の高い薬 剤師の育成が期待されていますが、これは取りも 直さず、Science(科学)、Art(技術)、Humanity (人間性)をバランス良く統合した教育と言え ましょう。先行して進められてきた医学教育改 革 で は、 優 れ た 研 究 能 力 を 備 え た 臨 床 医 「Physician Scientist」の養成が現在求められて います。6 年制薬学教育においても「Pharmacist Scientist」養成の必要性を訴えたいと思います。 そして同時に、この教育改革は臨床を指向した 薬学の新しい研究展開、トランスレーショナル リサーチ(探索的臨床研究)に繋げるチャンスと して捉えることができると思います。京都大学 薬学部から世界に向けて情報発信が続くことを 願っています。薬学教育改革の真の成果が出る のは、まだ 10 年以上先になるでしょうが、成 功に向けて行方を見守り続けたいと思います。 私は 4 月から京都薬科大学学長を拝命しまし た。もとより微力ではございますがこれまでの 医学・医療での経験を生かしながら、輝ける薬 学・薬剤師の未来に向けて最善を尽くす所存で ございます。 最後に、京大薬友会並びに会員の皆様の益々 のご発展を祈念するとともに、引き続きご指導・ ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。退任のご挨拶
富 岡 清
2010 年 2 月 12 日都ホテルにて記念講義と記 念祝賀会を開催させて頂き、1996 年 1 月に薬学 部に務め始めて以来 2010 年 3 月末まで京都大学 での 14 年間を締め括りました。偏に、諸先生、 諸先輩、同僚、後輩の皆様方のご指導、ご鞭撻、 ご支援、そしてご協力の賜物と厚く感謝致して おります。京都大学の志優れた学生院生諸君と 一緒になって、研究に没頭できましたことは大 変幸福でした。自由の学風の中で伸び伸びと精 一杯やらせて頂きました。 思い起こせば、1967 年に東京大学教養学部 に入学以来、1 年半に及ぶ東大闘争、圧縮授業 と想定外の薬学部進学、6 月卒業、有機合成化 学に没頭した東大大学院と米国コロラド州立大 学のポストドク時代、東大学薬学部での助手、 助教授、そして教授として 4 年間務めた大阪大 学産業科学研究所有機材料合成部門と息も吐か せぬ魅力に溢れた大学生活でした。 京都大学に拠点を移してからも、薬用植物化 学講座から薬品合成化学分野への主題転換、大 学院重点化、中期目標設定、自己点検評価、法 人化、さらには 6 年制薬学科と 4 年制薬科学科 併存の新教育体制、等への対応で不断に研究教 育の足を取られる日々が続きました。対応した からといって、研究テーマに跳ね返すことはせ ず、学問として面白い、学生院生の育成に相応 しい、を絶対基準に研究課題を設定し続けまし た。考える深さが勝負だと理解し実践する新進 気鋭の育成が夢でした。それも、支援部隊員で はなく最前線突撃部隊のリーダーや一匹狼の育 成を目標に掲げたので、院生やスタッフの中に は、顎を出し悲鳴を上げてしまう方々もおいで になりました。 大阪大学には 4 年間務めただけでしたが、理 学研究科を兼任させて頂いたお陰で、薬学を外 から客観視致しました。阪大産研に教員純増付 きで薬学部門の新設を頂いたのも薬学の科学レ ベルの向上への思いからでした。調べたり検査 するようなことが科学研究であるとしてまかり 通っているところが薬学にはあります。そんな 薬学の次代を舵取りする新しい道は情報科学と の融合であると信じておりましたが、青天霹靂 の研究科長という機会と運に恵まれて医薬創成 情報科学専攻の新設が、教員純増のおまけ付き で、叶いました。ご支援頂いた文科省高見功薬 学教育専門官から「奇跡」ですよと言われた時 の嬉しさと責任の重さは昨日の事のように蘇り ます。実学の色濃い薬学はややもすると科学の 応用に堕す恐れがありますが、原理原則の追究 を命とする虚学としての薬学の科学化に役立つ ように大事に育て上げて頂きたい思いで一杯で す。 薬学教育者ワークショップでは近畿の先生方 や薬剤師の方々と薬学並びに薬剤師教育の夢を 共有致しました。少しでも良い講義をという思 いでしたが、京大の先生方の無私のご協力を得 て、近畿の薬学教育の中心は京大薬であること を示せたのではないかと自負しております。し かし、未知との遭遇そのものでした。 知識、技能、態度が薬学の三種の神器のよう に唱えられていますが、高い志と研究マインド を培わなければ単なる科学の消費、浪費である ことを自覚すべきです。大学の第一義は若者の 育成にあることを肝に銘じて、縁あって研究室 の立ち上げを許された同志社女子大学薬学部で の教育研究生活を楽しむ所存です。末筆になり ましたが、京大薬友会の皆さま方の益々のご活 躍とご発展を心の底から祈念いたします。就任のご挨拶
製剤機能解析学分野石 濱 泰
薬友会会員の皆様には益々ご健勝のこととお 喜び申し上げます。平成 22 年 10 月より、製剤 機能解析学分野を担当させていただくことにな りました石濱でございます。本紙面をお借りし まして自己紹介かたがたご挨拶申し上げます。 私は平成 2 年に本学工学部工業化学科を卒業 し、平成 4 年に同大学院工学研究科工業化学専 攻を修了いたしました。学部卒業研究では有機 フッ素化学を石原孝先生(現京都工芸繊維大学 教授)に、修士論文研究ではキャピラリー電気 泳動を中心とした分離分析化学を寺部茂先生 (現兵庫県立大学名誉教授)にご指導いただき ました。その後、エーザイ(株)筑波研究所で 14 年間勤務した後、山形県鶴岡市にあります 慶應義塾大学先端生命科学研究所で特別研究准 教授として 4 年半在籍し、このたび現職に採用 していただきました。エーザイ在籍中には医薬 品の微量分離分析や物性測定の新規手法開発等 を行い、平成 10 年に中川照眞先生(薬品機能 解析学分野教授(当時))にご指導をいただき ながら博士(薬学)(論博)を取得いたしました。 その後、平成 13 年− 15 年に南デンマーク大学 Matthias Mann 教授の研究室へ 2 年間留学した ことをきっかけとして、質量分析計や微小化液 体クロマトグラフィーを駆使したプロテオミク ス研究に課題をシフトし、現在にいたっており ます。 現在進行中の研究テーマは主に 2 つあり、 (1)新しい分離系の開発とヒトプロテオーム一 斉解析システムへの応用 (2)リン酸化修飾を主とした細胞内シグナル伝 達ネットワークの解明 であります。(1)では、今まで培ってきた微量 分離分析学に基づき、非常に複雑でダイナミッ クレンジの広い試料を究極の分離分析法でオン ライン分離しながら質量分析計に送り込んでい くシステムを現在開発中であります。すでに大 腸菌などの生物では発現している全タンパク質 の一斉分析が可能になっており、ヒトプロテ オームへの展開が大いに期待されております。 (2)では、リン酸化されているものだけを高選 択的に濃縮する技術を開発し、リン酸化タンパ ク質の解析をプロテオーム規模で行うことが可 能となりました。その結果、機能未知のシグナ ル伝達関連タンパク質が数千個も見つかってき たため、現在はこれらの未知タンパク質をプロ テオーム規模で細胞内シグナル伝達ネットワー ク中にマッピングしていくことが課題となって います。 私は、これまで一貫して、“Technology-Driven Science”をキーワードに、新規分析技術開発 と生命科学への応用を中心テーマにして研究を 展開してまいりました。プロテオミクスはここ 数年の質量分析計の著しい高性能化にも関わら ず、いまだに Technology の進歩が Science の前 進の律速段階になっています。常に新しい鍵 (計測技術)をもって、新しい Science のドア を開けるパイオニアとなれるよう、今後も研究 に尽力いたす所存です。それとともに、グロー バル化してゆく明日の日本を切り拓いていく優 れた人材を産業界・学術界に送り出せるよう、 教育にも力を入れていきたいと考えています。 薬友会会員の皆様からの温かいご支援とご指 導、今後ともよろしくお願いいたします。就任のご挨拶
最先端創薬研究センター アルツハイマー・オミックス部門松 本 明
京都大学薬友会会員の皆様方にはご清栄のこ ととお慶び申し上げます。 2010 年 4 月大学院薬学研究科に設置されまし た最先端創薬研究センターのアルツハイマー・ オミックス部門において診断法の開発研究を担 当させて頂くことになりました。 本研究センターは、内閣府最先端研究開発支 援プログラム「次世代質量分析システム開発と 創薬・診断への貢献(中心研究者:田中耕一客 員教授)」に関わるもので、質量分析解析技術 の進歩と応用手法の至適化を基盤として、がん 及びアルツハイマー病という極めて社会的重要 度の高い疾患の新たな診断・治療手法の開発を 目指す研究プログラムです。 私は神戸大学医学部を卒業後、内科臨床を経 験した後、生化学専攻の大学院生として研究生 活をスタートしました。木幡陽教授により確立 された複合糖質の分子構造解析手法を用い、香 港型インフルエンザウイルス赤血球凝集素の糖 鎖構造決定(学位論文)、赤血球系細胞の癌化 に伴う膜蛋白複合糖質構造の分子変化、乳汁中 ラクトトランスフェリンの新規糖鎖構造発見等 を行いました。当時の生化学系講座では、対象 研究試料蛋白の精製から構造解析に用いるエキ ソグリコシダーゼ等の精製に至るまで自ら行う のが原則で、この経験がその後の研究遂行で大 変役立ちました。次いで大学院特別研究学生と して中西重忠教授(京大・医・免疫研究施設) のもとで分子生物学研究手法の指導を仰ぎまし た。その後母校の教官(放射線基礎医学講座) となり、興味を持ったヒトの脳老化の生化学的 アプローチ、特にアルツハイマー病(AD)の 病態生化学の領域に進み、現在に至っています。 まず家族性 AD 由来 B リンパ芽球細胞系に おいて β セクレターゼ様作用を示す 68kDa セリ ンプロテアーゼの発見に至りましたが、これは ヒト脳由来 β アミロイド含有ペプチドには全 く作用せず、β アミロイドの形成・分解系は組 織特異性の厳格な反応系であることが判明しま した。その後ヒト脳から精製した酵素の活性探 索と同定を網羅的に行った過程で、ヒト脳型カ ルボキシペプチダーゼ B(HBCPB)を発見・同 定いたしました。本酵素は特に海馬菱形ニュー ロンの細胞質に著明な発現を認めますが、AD 脳では著減し、β アミロイド 1-42 の C 端アミノ 酸を消化する活性を持つことが明かになり、そ の生理的機能を解明する研究を継続しておりま す。2003 年から、(財)先端医療振興財団の研究 部長として、質量分析解析システム(SELDI-TOF-MS、MALDI-TOF-MS/MS)を用いた解析 により、髄液中あるいは血液中から HBCPB 結 合蛋白群(CPB-BPs)を新に探索・同定し、適 切な特異抗体の作成、早期 AD 病態診断候補 マーカーとしてアッセイ系の構築に努めていま す。 確実な診断方法の開発と根本治療薬の開発は 治療の両輪です。AD の殆どを占める孤発型は 高齢者での発症率が極めて高く、患者本人のみ ならずその家族の負担も大きい疾患であり、少 子高齢化社会が進む我が国にとってその本質的 な診断・治療手法の確立は喫緊の課題です。そ の早期診断法は画像診断とともに、脳老化の本 質に関わりながら末梢での検出が可能な立体構 造特異的エピトープをいかに多く見出し、汎用 性の高いアッセイ系に纏め上げることができる かにかかっていると思います。それゆえ今後の 質量分析機の解析感度の向上と前処理手法の至 適化は、未同定のエピトープ発見の可能性の向 上に大きく関わっていると考えています。 さて、私は大阪市に在住し、久しぶりの長距 離通勤にはこの夏の猛暑が大変こたえました。 今後の皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げ ます。就任のご挨拶
最先端創薬研究センター がん・オミックス部門内 海 潤
薬友会会員の皆様には益々ご健勝のこととお 慶び申し上げます。私は平成 22 年 3 月に大学院 薬学研究科に設置された最先端創薬研究セン ター(がんオミックス研究グループ)に特定教 授として 6 月に着任いたしました。本紙面をお 借りいたしまして自己紹介と就任の挨拶をさせ ていただきます。 私は、北海道大学獣医学部及び大学院獣医学 研究科で放射線生物学を専攻し、学位取得は理 学研究科(タンパク質化学)でした。卒業後は 東レ株式会社に入社し、28 年間に亘り医薬研 究と臨床開発を担当いたしました。その後、文 部科学省国家プロジェクトのアドバイザーを兼 務したのを契機に東レを早期退職し、北大教授 /知的財産部長として産学連携・知財管理業務 を 4 年間担当いたしました。 研究歴からは京都大学とは少なからず「縁」 を感じております。まず、北大時代の指導教官 (吉井義一先生)は京大原子炉実験所助教授か ら北大教授になられた方で、教室では 1 人関西 弁で意気軒昂な方でした。東レ入社後の最初の 開発テーマであったインターフェロン(糖タン パク質医薬)では、京大ウイルス研が学術分野 のトップを走っており、学会で教えを乞う状況 でもありました。同様に二番目の開発テーマの 新規オピオイド系化合物でも、京大薬学部がオ ピオイド系受容体研究を精力的に行っていたこ とから、研究論文をよく読ませていただきまし た。こうした京大の活動を知るにつけ、さすが に独創性と存在感のある大学だなという感想を 持っておりました。 製薬企業で在職中に新薬創出につながる研究 開発は数分の一とも聞いておりましたが、私が 関わった二つのテーマはいずれも医薬品化に成 功し、大変幸運であったと思っています。特に 後者のテーマは、私が企画提案した適応症が薬 理活性にフィットして開発が進み、日本オリジ ンで世界初のκオピオイド系止痒薬として厚生 労働省から承認を取得することができました (2009 年 1 月)。さらに大変光栄なことに、この 成果で当時の同僚と一緒に平成 22 年度の日本 薬学会創薬科学賞をいただくことができまし た。 北大の知的財産部長時代は年間 300 件位の大 学特許の審査に当たる一方、地域クラスターや トランスレーショナルリサーチなどの連携研究 の仕組み作りとプロジェクトマネジメントを経 験いたしました。その中で、産学連携は大学の 優れた研究があってこそ成功するもので、それ なくしては徒労に終わる、という感慨を強く持 ちました。 その後、創薬経験と産学連携の実践を活かし たく、京大最先端創薬研究センターに応募する 機会を得て、このたびメンバーの一員に加えて いただきました。同センターは、国の最先端研 究開発支援プログラム(FIRST プログラム)で 島津製作所の田中耕一フェローを中心研究者と する「次世代質量分析システム開発と創薬・診 断への貢献」のサブテーマ研究部門です。次世 代システムを研究現場で評価しつつ、疾患バイ オマーカーと創薬標的分子候補を探索すること が目的です。研究の舞台となるプロテオミクス 分野は世界的にも非常に競争が激しい分野でも ありますが、私は今までの知識と経験をフルに 使って若いメンバーと一緒に見るべき成果を出 すよう尽力する所存です。 最後に、伝統を誇る薬友会の一員に加えてい ただいたことに感謝しつつ、会員の皆様からの ご支援とご指導を何卒よろしくお願い申し上げ ます。■設立の経緯と目的
昨年、国(内閣府総合科学技術会議)は、基 礎研究から出口を見据えた研究開発までの様々 な分野で、「研究者最優先」の研究支援制度と して 「最先端研究開発支援プログラム」(FIRST: Funding Program for World-Leading Innovation R&D on Science and Technology)を創設しまし た。本プログラムは、優れた研究者を中心とし て 3∼5 年で世界のトップを目指した先端的研 究を推進することにより、産業、安全保障等の 分野における我が国の中長期的な国際的競争 力、底力の強化を図るとともに、研究開発成果 の国民及び社会への確かな還元を図ることを目 的とし、30 のプロジェクト(研究課題と中心 研究者)を設定して平成 21∼25 年度で実施さ れます。 そのひとつの、島津製作所フェローの田中耕 一氏を中心研究者として採択された課題「次世 代質量分析システム開発と創薬・診断への貢献」 は、島津製作所と京都大学が連携して実施する プロジェクトです。田中フェローは、質量分析 (Mass Spectrometry: MS)の専門家であり、MALDI (マトリックス支援脱離イオン化法)-MS の発明 者として 2002 年ノーベル化学賞を受賞いたし ました。生体高分子のイオン化の主要な方法と なっている MALDI は、発明から 25 年を経過し た現在も発明者自らが感度や汎用性の向上に向 けて精力的に活動を継続していることは、その 発明と共に世界に高く評価されています。 連携研究を行う学術機関としては、京都大学 が選ばれました。これを受けて、薬学研究科で は新たに最先端創薬研究センターを設置いたし ました。 創薬研究は最先端の技術と科学の融合で初め て世界と競争出来ます。薬学研究科では、従来 より時代の先端を拓く創薬研究を目指し多面的 研究を展開してきておりますが、同センターで は、現在早期診断・治療で最も難渋している疾 患である、がん(乳がん、食道がん)、アルツ ハイマー病に対しての新たな治療戦略構築を目 指し、京都大学医学部付属病院と連携して臨床 オミックス研究を推進します。研究陣には田中 フェローを客員教授としてお迎えし、がんオ ミックス部門とアルツハイマー病オミックス部 門には新進気鋭の研究者を結集して研究を展開 いたします。さらに同センターは、新たな医学・ 薬学研究における質量分析技術の応用、“質量 分析学”を開拓する人材の育成を図っていきます。 ■研究概要と体制 本プロジェクトは次の 3 つのサブテーマに分 けて推進されます。 ①サブテーマ 1/次世代質量分析システムの開 発(リーダー:田中耕一・島津製作所 田中 最先端研究所長) 本サブテーマは、次世代の質量分析(MS) システムの開発です。仮説等に基づいてター ゲット物質を絞り込み、それを釣り上げるため の前処理法、極微量しか回収できない化合物を 高効率でイオン化する手法、感度が高く微細な 構造の違いまでをも見分ける質量分析装置、得 られたスペクトルから有意義な情報を導き出す 解析ソフトを開発することなどにより、より優 れた疾患関連マーカーを発見することや超早期 診断が可能な診断システムを構築することがで きる、従来機に比べて世界最先端の超高性能な 次世代 MS システムの製作が目標です。 ②サブテーマ 2/乳がん等の新規バイオマー カー同定と創薬ターゲット探索(リーダー: 辻本豪三・京都大学大学院薬学研究科教授) 本サブテーマは、次世代 MS システムを用い るプロテオーム解析技術を最大限活用し、新規 な乳がん関連バイオマーカーの探索・同定を中 心に、その利用から導かれるテーラーメード医 療と新規治療法の開発への貢献を目的としてい ます。そのため、京都大学医学部付属病院と連 携して乳がんの早期診断バイオマーカーの探索 と新規治療法の開発のための標的分子の探索等 を進めています。本研究で確立する次世代 MS システムを用いた疾患プロテオーム解析プラッ
最先端創薬研究センターについて
トフォームは、他の疾患にも展開できるため、 基礎研究あるいは臨床研究上の価値も非常に大 きいと期待できます。 ③サブテーマ 3/アルツハイマー病の早期診断 方法の開発(リーダー:杉本八郎・京都大学 大学院薬学研究科客員教授) 本サブテーマは、次世代 MS システムを駆使 することにより β アミロイド仮説および過剰リ ン酸化タウに基づいたアルツハイマー病治療薬 の開発を支援するために、アルツハイマー病と その予備群である軽度認知機能障害の血液サン プルを用いた診断方法の開発を目指します。血 液サンプルからの診断することで、脳脊髄液か らの診断に比べて一般の人も気軽に受診するこ とができ、疾患の早期診断・治療に大きく貢献 します。
平成 22 年 10 月 30 日(土)に第 2 回 薬学の未 来を考える京都シンポジウム―創と療の伝統と 革新―が、学内外から 116 名の参加を得て、本 学薬理ゲノミクス分野 辻本豪三 世話人の下で 本研究科記念講堂にて開催された。本シンポジ ウムは、“日本の薬学”が今後進むべき道筋を 示すことを目的として、これまでの「21 世紀 の薬学を探る京都シンポジウム」をさらに発展 させたものであり、今回が第 2 回目の開催と なった。今回のシンポジウムでは、島津製作所・ 田中耕一フェローを中心研究者とする最先端研 究プログラム共同提案者の採択を受け、本年 3 月 1 日に京都大学薬学研究科に設置された最先 端創薬研究センターの紹介が行われた。最初に 佐治英郎研究科長から挨拶があり、本シンポジ ウム開催の経緯と、最先端創薬研究センターに ついて紹介があった。次にセンター長、辻本豪 三教授より最先端研究プログラムの位置づけ、 センター設置の経緯と組織概要について紹介が あり、引き続き本研究科、赤池教授、佐治教授、 辻本教授、金子教授を座長として、センターに 着任された田中耕一客員教授、内海潤教授、杉 本八郎客員教授と学外からお招きした島津製作 所ライフサイエンス研究所 兼 経営戦略室の佐 藤孝明先生の 4 名による講演会を開催した。以 下にその内容を略述する。 内海 潤 先生 (本研究科最先端創薬研究センター・教授) 「世界初の新規止痒薬ナルフラフィンの開発と その意義」 最初に日本における創薬の現状について、 年々膨大になる研究開発費用、基礎研究から臨 床試験への移行における開発戦略等についてご 説明頂いた。次に、先生がこれまでに企業で携 わってこられた世界初の新規止痒薬ナルフラ フィン開発の経緯を示された。当初の痛みの治 療薬開発から痒みの治療薬開発へと方針を変更 することになった研究経緯と開発戦略について 当時の開発現場の様子を交えながら説明され た。また新薬開発において臨床ニーズを的確に 捉えるための市場調査、臨床医との綿密なコ ミュニケーションが重要となること、さらには 実際の治療効果について臨床データを交えなが ら解説された。最後に、基礎研究から臨床試験、 特許・知的財産等の幅広い先生のご経験を基に、 大学における創薬研究のあり方についても示さ れた。 杉本八郎 先生 (薬学研究科最先端創薬研究センター・客員教授) 「アルツハイマー病の診断と治療、現状と将来 展望」 高齢化社会を迎えた我が国の大きな医療問題 の一つであるアルツハイマー病について日本に
京都大学薬学記念事業レポート
「第 2 回 薬学の未来を考える京都シンポジウム」に参加して
おける現状、また治療戦略に関して世界の動向 を交えながら説明された。また、先生が開発に 携われた日本で唯一のアルツハイマー病治療薬 「アリセプト(塩酸ドネペジル)」と、海外で使 用される治療薬の現状についても解説された。 アルツハイマー病の進行を遅らせ、症状を改善 させる対処療法薬としてのアリセプトと共に、 今後はアルツハイマー病の根本治療に向けて、 病態と関連する β アミロイド、タウタンパク 質等が創薬ターゲットとなり得ること、さらに Mild Cognitive Impairment(MCI)と呼ばれるア ルツハイマー予備軍に注目し、早期発見のため のバイオマーカー探索から創薬に向けた研究を 展開される強い意欲を示された。 田中耕一 先生 (薬学研究科最先端創薬研究センター客員教授・ 島津製作所フェロー) 「創薬・診断に貢献する次世代質量分析システ ムを構築する」 最初に本プロジェクト中心研究者として、プ ロジェクトが目指す研究の方向性と医療への貢 献という道筋を示された。田中フェローが確立 された質量分析を基盤とした最先端技術の解説 と医療応用への可能性を独自の視点を交えて興 味深く解説された。本プロジェクトが掲げる目 標の一つである現状の 1 万倍の高感度分析を可 能とする次世代質量分析計の開発により、がん やアルツハイマー病等の革新的臨床診断手法開 発や分子標的薬の創薬を図り、医療費の軽減や 国民の健康増進に結びつくことを説明された。 最後に、本プロジェクトが若手研究者の育成に も力を入れており、自由な発想を大切にするこ とが次世代の優秀な研究者育成に繋がるという 考えを示され、田中先生のお人柄が現れたご講 演であった。 佐藤孝明 先生 (島津製作所ライフサイエンス研究所兼経営戦略室) 「最先端プロにおける診断・創薬技術への展開」 質量分析計を利用したプロテオミクス分野に おける最新のテクノロジー開発とその現状、ま た診断・創薬への応用を目標とした研究戦略を 説明された。質量分析計と顕微鏡を組み合わせ た革新的技術である質量顕微鏡についての解説 と本装置を用いることにより可能となる組織切 片の高解像度の新規イメージング技術について 解説された。次に高感度に標的タンパク質の検 出を可能にする超可変抗体技術の説明と本抗体 により補足されたタンパク質を質量分析計によ り同定する技術について、それぞれの有用性を 具体的なデータを交えながら示された。質量分 析の新たな可能性を多方面のプロテオミクスア プローチと融合させた研究展開と、医療への応 用という観点も含めて説明された。 最後に清水一治教授より、「科学と技術」と 題して本プログラムで開発が期待される次世代 超高感度質量分析計という技術の進歩が科学を 大きく発展させる技術革新になり得ることを、 科学の歴史を振り返りながら解説された。さら に、日本の科学の発展と、国民の健康への貢献
という観点から、本プログラムに期待される創 と療の革新的進歩の重要性について示され、閉 会の辞となった。 本講演会は多くの方にご出席頂き活発な質疑 応答が行われた。引き続き教育棟 1 階ホールに 会場を移して懇親会が開催された。懇親会では、 学生、若手研究者と講演された先生方の活発な 意見交換がされていた。また、名誉教授の先生 方、卒業生の方々、教職員並びに学生が講演会 の余韻を楽しみながら親睦を深め合い、本シン ポジウムは盛会のうちに終了した。最後に、ご 講演頂いた先生方と参加者の皆さんに厚く御礼 を申し上げ報告を終えたい。 平澤 明(薬理ゲノミクス分野) 原 貴文(最先端創薬研究センター)
残暑がまだまだ厳しい八月末日(火曜日)、 恩師 河合明彦先生の勤務先である(財)生産 開発科学研究所(通称「生研」)を酒井博幸(京 大ウイルス研・准教授)、中村暢宏(京都産業大・ 教授)、栃倉匡文(薬学研究科・特定准教授) の 3 名で訪問しました。生研は下鴨神社にほど 近いところに在りますが、実は薬学部とも縁が あり、昭和 22 年に京大薬学部の一室を借用し て発足した(財)生活科学研究所がその前身で す。今から 50 年程前に現在地に移転され、産 学連携の専門機関として多岐にわたる自然科学 分野の研究が行われています。 河合先生は、京大を定年退職された平成 18 年に生研に移られ、現在に至っておられます。 久し振りにお会いした先生はお元気そうで、大 学におられた頃の雑務から開放されたことも あってか、以前にも増して一層生き生きと見受 けられました。生研本館 1 階にあるレストラン 「グリル生研」でランチをご馳走になりながら 近況をお話していただきました。まず河合先生 が「トリプルワーク」と呼んでおられる現在の ライフスタイルですが、大事な収入源として、 週に 3 回伏見にある介護老人保健施設で医師と して認知症やリハビリ中のお年寄りの診療を 行っておられます。また、京都文教短大におい て非常勤講師として解剖学や医学一般の講義を 週 3 回されています。そして、3 つ目は学術研 究ですが、基本的には土・日曜を含めて、診療 と講義以外の全ての時間を研究に充てておられ るそうです。現役時代と変わらぬ研究漬けの 日々で、「毎日が充実していて、とても楽しい」 とおっしゃっていました。生研でもご専門の狂 犬病ウイルスの研究を続けられておられ、現在 の研究テーマの一つは「食材に含まれる抗ウイ ルス活性物質の探索」だそうです。アズキが出 芽に際して放出する種々の生理活性物質の中に 抗ウイルス活性物質が含まれることに着目さ れ、その活性物質本体を明らかにすることを目 的として他大学と共同で精力的に研究を進めら れています。先生によると、赤アズキには抗ウ イルス活性があるが白アズキにはないそうで、 その理由としてアントシアン関連物質の有無を 考えておられるようです。ほかに、現役時代か らのウイルスタンパク質の構造と機能との関連 性の研究も続けておられます。 レストランで 2 時間程お話を伺った後、記念 撮影をし、最後に研究室を見せていただきまし た。第 5 研究室と書かれたドアを開けると、い きなりそこには昔の教授室さながらの、うず高 く積まれた書籍の山々が…。横の流しにはさり げなく水に浸かった白アズキがありました。何 日浸しておいても腐らないそうで、白アズキに はアントシアン以外の抗菌性物質の存在が期待 されるそうです。奥の部屋には安全キャビネッ トと倒立顕微鏡が、また右の部屋にはディープ フリーザー(3 台)および最新式の蛍光顕微鏡 が置いてありました。外の雑音は殆ど聞こえず、 研究に没頭するのにはピッタリの環境でした。 薬友会の皆様には河合先生がお元気でお過ご しのご様子であることをご報告し、また分子微 生物学講座の同窓生の皆様には先生をご訪問さ れることを是非お勧めします。昔にタイムス リップしたような懐かしいあの時代に戻れま す。河合先生のご多幸と益々のご発展をお祈り して本稿の結びとさせていただきます。 酒井 博幸(院 35 回卒) 中村 暢宏(院 35 回卒) 栃倉 匡文(分子微生物学講座・元助手)
旧師探訪
∼河合明彦先生∼
京都大学大学院薬学研究科では、創薬の魅力 を広く一般にアピールするため、講談社ブルー バックスより「新しい薬をどう創るか 創薬研 究 の 最 前 線 」 を 刊 行 し、 好 評 を 得 て い ま す (ISBN978-4-06-257541-6)。これまでに 1 万 8000 部を発行しました。 10 名の教員の分担執筆で、創薬の基本的な 考え方から、ドラッグデリバリーシステム、ゲ ノム創薬など最新の研究まで幅広く紹介してい ます。まだ、お読みになっておられない方は、 是非この機会にご一読下さい。 (編集担当:松崎勝巳)
「会員便り∼ブルーバックスをもう読まれましたか?」
松崎 勝巳(薬品機能解析学教授)
目 次 第 1 章 薬創りは『健康と病気の違いを知ること』から始まる (中山和久) 第 2 章 薬を合成する∼薬創りに王道なし、薬の創造から製造 まで∼ (竹本佳司) 第 3 章 薬のターゲットタンパク質の構造を決定する (加藤博章) 第 4 章 薬をデザインする∼勘と経験からコンピューターナビ ゲーションへ∼ (仲西 功) 第 5 章 薬がなぜ効くかを調べる (金子周司) 第 6 章 抗ウイルス剤の開発 (大高 章) 第 7 章 日本発 世界が驚いたアルツハイマー病治療薬の開発 (杉本八郎) 第 8 章 生体防御の仕組みから抗菌剤を創る∼平成版ガマの油 の話∼ (松崎勝巳) 第 9 章 体の中の薬の動きを自由にあやつる (高倉喜信) 第 10 章 ゲノムで変わる医療、創薬 (辻本豪三)薬学部記念講堂で「薬学の未来を考える京都 シンポジウム」が開催された 10 月 30 日に、私 達 37 回卒 23 名は京都岡崎に集まりました。近 畿に最接近した季節外れの台風 14 号も、私達 の熱い思いが南に押しやり、集合時間の午前 10 時過ぎには雨も止み、午後には晴れ間さえ 見えました。 首都圏では年に数回、関西地区でも数年に一 度有志が集まってはいましたが、卒業生全員に 呼びかけての全体会は卒業後19年振り1995年3 月、阪神大震災の2ヶ月後に芝蘭会館で開催した のが初めてでした。2 回目は 9 年後の 2006 年 10 月京大会館で開催し、今回は3回目になります。 卒業以来、日本全国、世界各地で活躍してい る仲間ですが、同窓会は懐かしい京大周辺でと いう声が多く、今回も岡崎「白河院」で同窓会 を行いました。 前回までの会では卒業後 20 年以上経って初 めて会う人が多く、出席者の自己紹介だけで結 構盛り上がって終わりました。今回は趣向を変 えて同窓会の前に、岡崎に散在する有名な別荘 群の中のひとつ、住友家の別荘「有芳園」拝観 ツァーを計画しました。隣接した住友コレク ションを保有する「泉屋博古館」で数々の中国 青銅器や日本美術(屏風絵、襖絵、茶碗、磁器 等)を三々五々鑑賞した後、住友史料館の研究 員の方の案内で、雄大な別荘内を回遊しました。 古の都の岡崎にひっそりと佇む別荘。内に能舞 台まである邸宅の縁側に座り、住友家の好むシ ンプルさを庭師の小川治兵衛さんが東山を借景 にし、疎水の流れを取り入れ、見事に築いた庭 を眺めて、ひととき住友家の当主になったよう な気持ちになりました。普段私達が関わってい る医療と全く異次元の世界に触れて、暫し現実 を忘れた時間を過ごしました。 同窓会場の白河院では同じ小川治兵衛さんの 築庭を眺めつつ、会席料理に舌鼓を打ちながら、 ひとり一人が前回から 4 年の間の近況報告をし ました。自分の事、子供の事、孫の事、4 年間 にそれぞれ波瀾万丈、変化に富んだ人生があり、 感慨深く聴きました。 また、卒業時にはその存在すら知らなかった 京都大学 1976 年卒全理系学部卒卒業アルバム を藤吉彰君が持参してくれ、参加者は 34 年前 の自分の姿に驚愕の思いを抱きました。 同窓会を終えて懐かしい京大周辺を散策しつ つ、10 月 1 日に約四半世紀振りに再オープンし た楽友会館の会議室で全員参加の二次会をし、 同窓会の最後をしめくくりました。 今回の参加者の近況報告で、皆が激動の時代 を生きており、また、年齢的にも社会で、家庭 で、変化の大きな時期に来ていますので、次回 は早い目 2∼4 年後の還暦前後に元気で再会出 来ることを約束して楽しい一日を終えました。
「会員便り∼第 37 回卒業生同窓会」
西村 桂子(第 37 回卒)
有芳園門前にて 白河院庭園にて2010 年 3 月 13 日にホテルフジタ京都にて第 51 回卒業生の同窓会を開催しました。薬学部 創立 70 周年記念式典の際、大学に残っている 西川君の発案で、卒後 20 年になるので同窓会 をやろうという話になったようで、鳩野君とと もに同窓会の開催に奔走して頂きました。この 話を聞いて、ちょうど我々が学部 4 年生の時、 50 周年記念式典が現在の新研究棟の建ってい る場所(当時は駐車場)で行われたことが懐か しく思い出されました。 当日は 30 名に、参加できないかもしれない、 との連絡があった 2 名の飛び入り参加で 32 名で の開催となりました。今は亡き友人 2 名の冥福 を祈り、黙祷を捧げた後、乾杯、歓談、近況報 告と進んでいきました。20 年という歳月が流 れ、会社、大学、地域で頑張っているもの、子 育てに奮闘しているものなど、学生時代とは まったく状況は異なるのは当たり前ですが、一 瞬で昔に戻れるのが同級生の良いところ。楽し い一時を過ごすことができました。卒業アルバ ムの写真の上映も行われ、懐かしい思いに浸る と共に、当時、不勉強だった私を(恐らく私だ けではないはず)無事、卒業させてくれた恩師 の寛大さに、今更ながら感謝するばかりです。 また、HP に同窓会の掲示板を作成してくれた お陰で、仕事の都合などで参加できなかった方 からも、近況報告を頂くことができました。今 回の同窓会を企画、運営してくれた友人に御礼 申し上げます。 同窓会の後、新しくなった薬学研究棟を見学 させてもらい、その変容ぶりに驚くと共に、現 在、薬学部で学んでいる学生さんが羨ましくも なりました。テニスコートは昔のままでしたが、 以前は近衛通が透けて見えていたのが、今では 木が覆い茂り、通りがまったく見えなくなって おり、時の流れを感じました。「友情は成長の 遅い植物である」とはジョージ・ワシントンの 言葉ですが、学生時代の友人たちとの友情をこ れからも大切に育んでいきたいと思います。末 筆になりましたが、薬友会会員の皆様のご健勝 と、当会の益々のご発展をお祈り申し上げます。
「会員便り∼第 51 回卒業生同窓会」
青木 宏光(第 51 回卒)
人 事 異 動
(平成 21 年 11 月 1 日∼平成 22 年 10 月 31 日) 氏名 年 月 日 異動内容 山﨑 哲男 平成 21 年 12 月 15 日 辞職(生体分子認識学分野准教授) (徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部教授へ) 鈴木ちぐれ 平成 21 年 12 月 31 日 辞職(サービス・イノベーション人材育成特定助教) (順天堂大学助教へ) 山内 肇 平成 22 年 3 月 31 日 辞職(大学院教育改革支援プログラム特定助教) (京都大学大学院薬学研究科助教へ) 富岡 清 平成 22 年 3 月 31 日 辞職(薬品合成化学分野教授) (同志社女子大学教授へ) 山森 元博 平成 22 年 3 月 31 日 辞職(統合薬学フロンティア教育センター助教) (武庫川女子大学薬学部講師へ) 村田 克美 平成 22 年 3 月 31 日 辞職(システムケモセラピー(創薬計算化学)助教) 半田 哲郎 平成 22 年 3 月 31 日 定年退職(製剤機能解析学教授) (鈴鹿医療科学大学薬学部教授へ) 乾 賢一 平成 22 年 3 月 31 日 定年退職(医療薬剤学教授) (京都薬科大学学長へ) 新留 徹広 平成 22 年 3 月 31 日 任期満了退職(創薬神経科学講座准教授) (エーザイ株式会社筑波研究所研究員(室長)へ) 木原 武士 平成 22 年 3 月 31 日 任期満了退職(創薬神経科学講座講師) (洛和会みささぎ病院常勤医師へ) 山本 康友 平成 22 年 3 月 31 日 任期満了退職(統合薬学フロンティア教育センター助教) (同志社女子大学特任助手へ) 服部 正泰 平成 22 年 3 月 31 日 辞職(統合ゲノミクス助教) (東京工科大学応用生物学部准教授へ) 柿澤 昌 平成 22 年 4 月 1 日 採用(生体分子認識学分野准教授) (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科講師より) 山内 肇 平成 22 年 4 月 1 日 採用(遺伝子薬学分野助教) (大学院教育改革支援プログラム特定助教より) 松本 明 平成 22 年 4 月 1 日 採用(最先端創薬研究センター特定拠点教授) ((財)先端医療振興財団脳疾患病態解析部部長より) 小澤健太郎 平成 22 年 4 月 1 日 採用(最先端創薬研究センター特定拠点助教) (金沢大学医薬保健研究域医学系助教より) 津元 裕樹 平成 22 年 4 月 1 日 採用(最先端創薬研究センター特定拠点助教) (名古屋市立大学大学院薬学研究科特任助教より) 寺澤 和哉 平成 22 年 4 月 1 日 採用(最先端創薬研究センター特定拠点助教) (NEDO 助教より)氏名 年 月 日 異動内容 原 貴史 平成 22 年 4 月 1 日 採用(最先端創薬研究センター特定拠点助教) (立命館大学生命科学部助教より) 佐野 紘平 平成 22 年 4 月 1 日 採用(病態機能分析学分野特定助教)CK プロジェクト (九州大学大学院薬学研究院助教より) 内海 潤 平成 22 年 6 月 1 日 採用(最先端創薬研究センター特定拠点教授) (北海道大学創成研究機構特任教授より) 山岡 清 平成 22 年 6 月 29 日 休職期間満了退職(病態情報薬学准教授) 栄田 敏之 平成 22 年 7 月 31 日 辞職(統合薬学教育フロンティアセンター特定教授(特別 教育研究)) (統合薬学教育開発センター教授へ) 栄田 敏之 平成 22 年 8 月 1 日 採用(統合薬学教育開発センター特定教授(特別教育研究)) (統合薬学教育開発センター教授より) 天野 博夫 平成 22 年 8 月 1 日 採用(統合薬学教育開発センター特定助教(特別教育研究)) (病態機能分析学研究員より) 石濱 泰 平成 22 年 10 月 1 日 採用(製剤機能解析学分野教授) (慶應義塾大学政策・メディア研究科特別研究准教授より) 藤井 信孝 平成 22 年 10 月 1 日 採用(統合薬学フロンティア教育センター特定教授(特別 教育研究)) (理事より)
受 賞
(平成 21 年 11 月 1 日∼平成 22 年 10 月 31 日)
氏 名 年 月 日 受 賞 名
高倉 喜信 平成 21 年 11 月 8 日 Fellow of the American Association of Pharmaceutical Scientists
川上 茂 平成 21 年 11 月 28 日 DMPK Award for the Most Frequently DownLoaded Review Article in 2007 山本 康友 平成 22 年 1 月 8 日 平成 21 年度 日本薬学会近畿支部奨励賞 中川 貴之 平成 22 年 3 月 17 日 第 25 回日本薬理学会学術奨励賞 土居 雅夫 平成 22 年 3 月 25 日 (社)日本内分泌学会 平成 21 年度 第 10 回若手研究奨励賞 内海 潤 平成 22 年 3 月 27 日 平成 22 年度 日本薬学会創薬科学賞 瀬木(西田)恵里 平成 22 年 3 月 27 日 平成 22 年度 日本薬学会奨励賞 塚野 千尋 平成 22 年 7 月 7 日 第 10 回天然物化学談話会奨励賞
橋田 充 平成 22 年 7 月 13 日 Controlled Release Society, Fellow of the CRS
橋田 充 平成 22 年 8 月 29 日 International Pharmaceutical Federation, FIP Fellow Award 2010
平成
22
年1
月25
日 勝 見 英 正高分子型一酸化窒素供与体の開発とその体内 動態制御に関する研究
寺 北 晃
Effects of Additives on Physical and Chemical Stability of Drug in Solid State Formulation(固 体製剤中の薬物の物理的及び化学的安定性に 及ぼす共存化合物の影響に関する研究) 平成
22
年3
月23
日 相 田 一 樹 高感度バイオ蛍光分析のための含ランタニド 蛍光試薬の開発に関する研究 太 田 悠 介Synthesis of Nitrogen-Containing Polycyclic Compounds through Copper-Catalyzed Multi-Component Reaction(銅触媒による多成分反 応を利用した含窒素多環式化合物の合成) 渡 部 敏 明
Synthetic Studies on Nitrogen Heterocycles by Transition Metal-Catalyzed C-H Bond Function-alization and Their Synthetic Application to Biologically Active Compounds(遷移金属触媒 を用いた C–H 結合官能基化による含窒素複 素環の合成と生物活性物質への応用) 佐 藤 智 洋 エナールの閉環反応を鍵とする光学活性 5 員 環化合物の合成研究 榎 本 太 郎 カチオン性 Au(I)触媒によるアルキンの活 性化を基盤とする含窒素複素環構築法の開発 とヒドロイソキノリンアルカロイドの合成研究 上 﨑 春 陽 パラジウム触媒を用いた分子内アミド化を経 由するラクタム環化反応の開発 江 川 響 子
Structural Biology Studies on the Overexpression and Translocation of Peroxisomal Membrane Protein(ペルオキシソーム膜タンパク質の大 量発現と膜局在化に関する構造生物学的研究) 阿 部 峰 大
Development of peptide inhibitors of the receptor
tyrosine kinase activity in a novel inhibitory mechanism(受容体型チロシンキナーゼに対 する新規メカニズムを有する活性阻害ペプチ ドの開発)
福 田 正 和
Spontaneous Reconstitution of Discoidal HDL from Model Membranes by Apolipoprotein A-I (アポリポタンパク A-I によるモデル膜の自 発的なディスク状 HDL 化) 宇留野 義 治 D, L-型オリゴマーの構造特性を利用した新 規物質創製 宇 田 篤 史 小胞体における新規タンパク質の生理機能解析 森 田 一 平 神経可塑性における HNK-1 糖鎖機能に関す る研究 三 輪 裕 幸 神経系特異的に発現する新規 BMP アンタゴ ニ ス ト Brorin 及 び Brorin-like の 発 見 と そ の 機能解析 齋 藤 明 奈
Three Homologous ArfGAPs Participate in Coat Protein I-mediated Transport(ArfGAP1-ArfGAP3 は COPI 依存的な輸送経路で働く) 森 﨑 達 也 マルチ亜鉛フィンガータンパク質の細胞内挙 動に関する研究 大 西 正 俊 出血性脳障害におけるミクログリアおよび MAP キナーゼ経路の役割に関する研究 呉 曉 峰
Roles of angiotensin type 1 receptor signaling in neuroprotection(アンジオテンシン 1 型受容 体による神経保護作用の研究) 髙 橋 淳 アルツハイマー病治療薬としてのカーバメー ト系コリンエステラーゼ阻害薬に関する研究 松 田 賢 ミ ク ロ グ リ ア 及 び 成 体 神 経 幹 細 胞 か ら の ニューロン新生を制御する因子に関する研究
博士(薬学)の学位授与される
森 大 輔
脳内ニコチン性アセチルコリン受容体の核 医学分子イメージングのためのテクネチウ ム-99m 標識分子プローブの開発に関する研究 関 心
Development of DNA vaccine-based anti-tumor immunotherapeutic system(DNA ワ ク チ ン に 基づく抗腫瘍免疫治療システムの開発に関す る研究) 小笠原 健 腎有機イオントランスポータの転写制御に関 する研究 津 田 真 弘 遺伝子発現系及びノックアウトマウスを用い た H+/ 有機カチオンアンチポータ MATE の 薬物動態学的役割に関する研究 西 原 久美子 単離尿細管を用いた腎病変進展の分子機構解 明に関する研究 塩 瀬 能 伸 カテプシン感受性ペプチドスペーサーを有す る抗癌剤―カルボキシメチルデキストランポ リアルコール結合体の薬物遊離特性と抗腫瘍 効果の関連に関する研究 藤 田 恵 美
Stabilization of a Formaldehyde-Sensitive Drug Substance by Meglumine and a Compression-Sensitive Drug Substance by a Wet-Granule Tableting Method(ホルムアルデヒドにより 分解する薬物のメグルミンによる安定化及び 加圧により分解する薬物の湿製錠法による安 定化) 山 本 康 友 高活性複合系リチウムエステルエノラートの 不斉 Michael 反応と3連続不斉点構築への展開 平成
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年7
月23
日 相 根 康 司 神経系特異的 ADAM 分子の機能解析研究 平成22
年9
月24
日 張 凱 琳Development of histidine-modifi ed gene carriers for improving transfection via enhanced endosomal escape(エンドソーム脱出による 遺伝子導入改善を目的としたヒスチジン修飾 遺伝子キャリアの開発) 平成
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年3
月23
日 類 家 慶 直 トランスクリプトーム・メチローム解析に基 づく網羅的遺伝子機能探索に関する研究 岡 野 晃 典Development of Efficient Methodologies for Construction of Bicyclic Heterocycles by Palladium-Catalyzed Domino Cyclization(パラ ジウム触媒を用いたアレン及びアルキンへの連 続環化反応による二環性複素環構築法の開発) 佐 藤 美 穂 核 – 細胞質間輸送因子 Transportin1 の発現解 析と遺伝子欠損マウスの作出 山 田 裕 之
Molecular Clocks in Mouse Skin(マウス皮膚
における分子時計) 財 部 将 孝 ネットワーク情報に基づく薬物相互作用の特 徴解析 田 中 道 廣 真核生物ゲノムの多様性とリン脂質分子種の 多様性の関連解析 平成
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年9
月24
日 孫 琦GPR120 Receptor-Ligand Interaction: Design and Pharmacological Characterization of Novel GPR120 Agonist(GPR120 受容体とリガンド の相互作用:GPR120 の新規アゴニストの開 発と薬理特性に関する研究)
平成
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年3
月23
日 今 井 こずえ ゲル化能を増強する直鎖ジアミドの添加化学 金 東 鉉 環状テトラアミドゲル化剤の創製 高 濱 佑 次 イソシアナートのアルキル化―ブロモラクタ ム化ワンポットプロセス 那 須 裕 之 リチウムアミド―キラルジエーテル配位子錯 体の NMR 解析 原 田 慎 吾 リチウムアミドの不斉共役付加―アルキル化 反応を鍵とするアスピドスペルマアルカロイ ドの不斉全合成 坂 本 翔 太 アミノチオウレア触媒を用いた不斉ニトロシ クロプロパン化反応の開発 永 本 祐 樹 スピロシクロプロパンを与える環縮小転位反 応の開発と生理活性物質創製へのアプローチ 幸 林 美由紀 シソ属植物の精油成分生合成に関する検討― GPP からシトラ−ルに至る反応について― 増 本 直 子 シソ属植物の精油成分生合成に関する検討― ゲラニオールおよびリナロール合成酸素につ いて― 大 前 薫 新規小分子蛍光ラベル法による生細胞での GPCR オリゴマーの検出 小 川 麻里子 アミロイド β 蛋白質(1-42)と(1-40)の細胞膜 上における凝集挙動の比較 平 松 直 子 転写因子 Sp1 における転写活性化ドメイン間 相互作用の解析 増 原 泰 英 高分解能 NMR 解析のための分子シャペロン カプセル化システムの構築 中 村 駿 概日時計関連タンパク質 Cryptochrome の X 線結晶構造解析に適した分子種の探索 東 拓 人 ホスホリパーゼ D 反応性に対するリン脂質 膜環境の影響 宮 崎 公 一 脂質蛍光プローブを用いたディスク状 HDL の構造評価 山 本 容 輔 脂質ナノディスクに再構成した上皮成長因子 受容体のリン酸化活性および新規阻害剤の機 能評価 和 田 祏 典 蛍光分光法および時分割中性子散乱法を用い たリン脂質輸送タンパク質 Sec14 の機能解析 上 田 善 弘 求核触媒を用いる糖類の位置選択的官能基化 坂 井 啓 紀 不斉軸に直結したカルベン炭素を有する新規 NHC の開発 多久和 正 訓 α-アミノ酸を出発物質とする多置換 β-ラクタ ムの不斉合成 三 代 憲 司 基質認識型触媒を用いる D-Glucose 特異的ア シル化 大 﨑 真佐子 calumin 欠損マウスにおける血管形成異常 合 田 隆 久 骨格筋における小胞体膜タンパク質ミツグミ ン 23 の役割 鮫 島 健 彦 高度な糖鎖付加を受ける接着分子 SynCAM の神経突起伸長作用に関する研究 三 島 彩 肺胞上皮細胞における小胞体膜タンパク質 TRIC-B の生理的機能 矢 野 理 史 BSRPs 欠損マウスにおける薬物誘発性けい れん感受性の低下 大 橋 正 和Analysis of the interferon system in mouse neuroblastoma C1300 cells(マウス神経芽細胞