2014年11月6日
ケンコーコム株式会社
ケンコーコムのECビジネスにおける
クラウド活用
AWS Cloud Roadshow 2014 福岡
佐甲 真吾
目次
21. ケンコーコムのご紹介
2. クラウド化の経緯
3. クラウド化のメリットと課題
4. 今後のECビジネスの展望とITの課題
3
¶ 所在地
¶ URL
¶ 業務内容
¶ 経営理念
¶ 設立
¶ 従業員数
¶ 資本金
福岡
(本店所在地)/ 東京
http://www.kenko.com/
健康関連商品のEコマース
Eコマースを通じて、お客様の健康づくりに貢献する
1994年11月
312名
(連結ベース)20億5,085万円
(2013年12月末) 4事業系統図
当社は、主に健康食品や化粧品、医薬品等の健康関連商品のEコマースを
一般消費者向けに行っている。
リテイル事業健康関連商品
メ
ー
カ
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・
卸
一
般
消
費
者
商品仕入 リテイル事業 その他の事業健
康
E
C
プ
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ッ
ト
フォ
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ム
(当社)
法人事業者等ECサイト
(当社)
ドロップシップ 5健康食品、医薬品、化粧品等の健康関連商品および日用品を、3つのウェブサイト
を軸に販売している。
ケンコーコムのリテイル事業
楽天市場支店 ケンコーコム本店 モバイル支店 スマートフォン支店 楽天24 6売上推移
Eコマース立ち上げ以来、順調に成長。2014年1月には楽天24事業を開始。
さらなる成長を睨む。
※2013年度より12月決算に変更したため、2013年度は9ヶ月決算 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 売上高 340 369 294 444 1,065 2,282 3,371 4,748 6,565 8,022 10,312 12,508 13,178 17,167 17,902 14,168 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000 18000 20000 売上高 海外事業 開始 最高裁勝訴 第一類・第二類 医薬品の ネット販売再開 モバイル支店 オープン スマホ支店 オープン 医薬品の 取扱開始 Kenko.com サイトオープン 楽天市場支店 オープン 72000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 商品点数 618 1,623 10,030 19,565 40,441 60,394 70,759 101,739 129,409 115,198 136,306 176,499 201,104 185,869 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 取扱商品数の推移
取扱商品数
成長の原動力の一つとして豊富な品揃えが挙げられる。
現在約18万点の商品を取り扱っている。
8海外展開
2009年にシンガポールでの事業を開始。さらに中国・東南アジア各国に展開。
・日本の安全かつ高品質な健康関連商品を、海外のお客様へ向けて販売
・日本と香港を出荷拠点として、東南アジア各国に個人輸入形式ビジネスを展開
2009年10月 シンガポール子会社設立。 「ケンコーコムSG」サイトオープン 2013年7月 中国最大のB2Cインターネットモール 「天猫(Tmall)」に 「kenko 海外旗舰店」出店 2013年9月 シンガポールECモール「Qoo10」に 「Kenko.com@Qoo10」出店 2013年12月 シンガポール「楽天アジア」に「Kenkocom @ Rakuten Singapore 」出店 2014年8月 香港出荷センター稼動開始。 「ケンコーコムGlobal」にサイトリニューアル 九州出荷 センター 香港出荷 センター 中国 SG 9
ITシステム概略
受注から出荷までのシステムが緊密に連携をとっている。
商品管理
フロント 商品管理 顧客情報 管理 コンテンツ 出力 受注管理 財務会計 発注管理 管理会計 顧客対応 管理 Function 債権管理 引当管理 倉庫管理 システム構成(模式図:網掛がクラウド化領域:2014年7月時点)在庫管理/引当
モール連携
受注管理
/顧客管理
コールセンターシステム
債権管理システム
SAP
管理会計システム
サイト
倉庫管理
1011
クラウド化サーバ数推移
ITインフラ面でのクラウドの活用がケンコーコムの事業展開・拡張を支えている。
2011年 2012年
2013年
2014年
7月
1月 7月
1月
7月
1月
7月
50
クラウドサーバー数推移2009年
クラウド
導入
開始
本格利用
SAP
基幹システム
イベント
海外システム
122013 2014 13
クラウド化経緯まとめ
2009 2010 2011 2012 本番稼動 開発 ▲ES2のSAP認定 USリージョン ▲AWS東京リージョン開設 ▲東日本大震災 構築 東京リージョンにて稼働 ▲並行して新iDCへサーバー移動 クラウド 導入開始 Amazon S3 Bucket クラウド 本格利用 SAP on Cloud 基幹 システム on CloudSAP導入後、基幹システムを切り替える際のインフラとしてクラウドを採用。
本番稼動 ▲ R24サイト運営開始 ▲ R24システム統合 ▲ ケンコーコムglobalサイト運営開始 商品管理システム 倉庫管理システム 海外システム 本番稼動 開発 開発 本番稼動2013 2014 14
クラウド化経緯-(1)AWS導入開始
2009 2010 2011 2012 本番稼動 開発 ▲ES2のSAP認定 USリージョン 構築 東京リージョンにて稼働 ▲並行して新iDCへサーバー移動 クラウド 導入開始 Amazon S3 Bucket クラウド 本格利用 SAP on Cloud 基幹 システム on Cloud膨大な商品画像の送出用に、安価なS3を活用。
本番稼動 ▲ R24サイト運営開始 ▲ R24システム統合 ▲ ケンコーコムglobalサイト運営開始 商品管理システム 倉庫管理システム 海外システム 本番稼動 開発 開発 本番稼動 ▲AWS東京リージョン開設 ▲東日本大震災• AWS USリージョンのS3に商品画像を保存し、
CDNを利用してキャッシュサーバーへ送出
•
2011年3月、AWS東京リージョン開設を機にUS
リージョンから東京リージョンへ変更
15 施策 状況と施策の進捗 2011年3月 6月 9月 10月 震災の 影響 本社機能一部移転 クラウド化 物流拠点の移転
クラウド化経緯(2)-本格利用
東京オフィス
福岡オフィス
クラウド移行前 クラウド移行後
データセンター利用料 セキュリティ監視 保守管理費 ハードウェア刷新費など 9百万円/月 クラウド費用 3百万円/月 了 完 10月末完了 9月末完了 5月上旬完了 了 完 了 完 削減額 約6百万円/月50台以上のサーバーを
統廃合しAWSへ移行
東日本大震災を機に、安定的事業運営体制を構築するため、2011年5月より
本社機能の一部を福岡オフィスへ移転。その際にクラウド化を進める。
クラウド 導入開始 クラウド 本格利用 SAP on Cloud 基幹 システム on Cloud16
クラウド化経緯(3-1)–SAP on Cloud (概念図)
商品数、顧客数が急激に増加する中、スピード重視での導入を図る。
AWSとオンプレミス間で多数のインターフェースを持つ構成とした。
ドロップシップ パートナー (社外) モール支店 販売管理 仕入先 (社外) 倉庫 (オンプレミス) リテール 販売管理 (オンプレミス) 販売サイト (PC,スマホ, モバイル,FB) ドロップシップ 販売管理 有効在庫 各種マスタ 発注 基準量 入庫 予定 入庫 実績 注文 注文 売上 実績 売上 実績 納期回答 自動発注 EDI/FAX 発注基準量 計算 (オンプレミス) 入庫 実績 有効 在庫 庫内 移動 在庫引当 商品 各種マスタ (オンプレミス) 在庫/購買管理 (MM) 財務会計 (FI) 管理会計 (CO) 注文 クラウド 導入開始 クラウド 本格利用 SAP on Cloud 基幹 システム on Cloud17
クラウド化経緯(3-2)–SAP on Cloud(AWS選定の背景)
SAP導入期間の長期化は許されない状況で、短期間で稼動させるためのインフラ
としてAWSを選択するのは自然な流れだった。
クラウド 導入開始 クラウド 本格利用 SAP on Cloud 基幹 システム on Cloud■活用メリットの実感
• 2011年にオンプレミス(⾃社運⽤)からクラウドへの移⾏を行い、 既に活⽤メリットを実感していた。 ・ AWS選定にあたり、他企業が提供するクラウドの比較はしなかった。■将来の二重投資の回避
• 当時、AWSはまだSAP ERPの認証プラットフォームではなかったため、導⼊には慎重な 判断が必要だった。 • ⻑期的視点に⽴って考え、今後クラウドが当たり前のインフラになることは必至との 判断から、将来の⼆重投資を回避するために稼動時からAWS利⽤を決定■要件定義・調達の早期完了
• ハードウェアなど、リードタイムの⻑い調達はボトルネック要素と思われた • 最初にプロトタイプ環境としてAWSを利⽤した結果、すばやく要件定義を実施でき、短 納期で稼動させる⾃信につながった18
クラウド化経緯(4-1)–基幹システム on Cloud-概念図
運用効率向上のため、並列で運用されていたシステムを統合。R24サイトで受けた
受注を、KCサイトと同一の倉庫から出荷できるようにするための取り組みを推進。
R24サイト KCサイト KC受注管理 システム (オンプレミス) R24 受注管理 /商品管理 システム KC商品管理 システム (オンプレミス) R24 倉庫管理 システム KC倉庫管理 システム (オンプレミス) R24サイト KCサイト KC受注管理 システム 新商品管理 システム 新倉庫管理 システム KC受注管理 システム2014年1月~7月
統合後(2014年7月~)
新規構築 オンプレミ スで構築 処理ボリューム増 加に耐えうるイン フラへの移管 処理ボリューム増 加に耐えうるイン フラへの移管 新規構築 新規構築 クラウド 導入開始 クラウド 本格利用 SAP on Cloud 基幹 システム on Cloud19
クラウド化経緯(4-2)–基幹システム on Cloud-導入の背景
クラウド 導入開始 クラウド 本格利用 SAP on Cloud 基幹 システム on Cloud業務効率・システム運用効率を早期に高めることが求められる中、既に導入実績
もあり、ノウハウも蓄積してきたAWSを選択することは自然な流れだった。
■蓄積したノウハウの活用
• SAP導入後、運用ノウハウも蓄積してきた。SAPとの連携も必要なシステムをAWSで 構築することは自然な流れ。 ・ AWS選定にあたり、他企業が提供するクラウドの比較はしなかった。■パフォーマンス懸念の解消
• 倉庫管理システムに関しては、パフォーマンスが懸念された。 • 一旦AWSで構築・テストを行い、パフォーマンステストの結果を見てオンプレでも対応 できるよう両にらみで推進。■構築後の柔軟性の確保
• 今後のビジネス環境の動向に応じて、処理件数が増大したとしても柔軟に対応でき るインフラの構築が求められていた。 • 設計時点での処理ボリュームの算出が困難な状況でもあった。■要件定義・調達の早期完了
• ハードウェアなど、リードタイムの⻑い調達はボトルネック要素と思われた • 最初にプロトタイプ環境としてAWSを利⽤した結果、すばやく要件定義を実施でき、短 納期で稼動させる⾃信につながった20
クラウド化経緯(5)–海外システム on Cloud
クラウド 導入開始 クラウド 本格利用 SAP on Cloud 基幹 システム on Cloudシンガポールにあったシステムをクラウド化。香港倉庫の早期稼動を可能とした。
KCGlobal サイト 海外受注管理 システム Singapore Region 倉庫管理 システム 3PL Hong Kong 倉庫管理 システム 3PL Singapore KCSG サイト (オンプレミス) 海外受注管理 システム (オンプレミス)21
22
クラウド化のメリットと課題
ビジネス環境の変化に迅速に対応することが求められる当社にとって、クラウド化
のメリットは「柔軟性」と「迅速性」に尽きる。一方でパフォーマンスとセキュリティの課
題をクリアしておくことが求められる。
クラウドを最適活用する上では、専門家の知見を得られるようにしておくことが重
要。
IT ビジネス環境の変化 ・顧客 ・競合他社 ・サプライヤー … 「柔軟」かつ「早期に対応」できるITインフラ ・チャネル戦略 ・商品戦略 ・サービス戦略 ・物流戦略 環境変化に応じて 変化し続ける クラウド パフォーマンス・セキュリティ課題の解決 専 門 家 の 知 見23
クラウド化のメリット-具体的には
クラウドの持つ「柔軟性」と「迅速性」が、当社のシステム導入にあたっての課題を解
決した。
システム構築までのスピードを上げる • アーキテクチャ設計における、サーバースペック見積りなどの設計工数を考慮しなくてよい • ハードウェア調達リードタイムを考慮しなくてよい プロジェクトリスクを下げる • プロトタイプによって、要件定義・技術検証を早期に開始でき、リスクを早期につぶすことが できる • 余裕を持って必要以上にスペックの高いマシンを選定しまうことを回避できる 処理ボリュームの変動に即座に対応する • テストやデータ移行など、サーバー利用の要求が急激に高まるときでも、複製した環境を並 行で稼動させることができる • 一時的にアクセスが集中するような事態が予測される場合でも、サーバーのスペックを短 時間で上げるができる 場所を選ばずに使う • 海外でのサービス展開を検討する際に、土地勘のない国・地域でのデータセンター探しなど を気にせずに検討できる24
クラウド化の課題
クラウドベースのシステムを構築する上で、パフォーマンスとセキュリティの検証は欠
かせない。
パフォーマンス
•
倉庫システム導入時に、それまで倉庫にあったサーバーがクラウド化するこ
とによるパフォーマンスの懸念があった。
→パフォーマンステストを実施
•
擬似的に複数のPCで数秒ごとに入庫をつけている状況を再現
•
その状態での在庫引当処理などを実施して挙動を確認
セキュリティ
•
IDCにサーバを置く場合と考え方は変わらない方針。
→クラウドと事務所内サーバ間をVPN接続する構成のネットワークを構築
•
クラウドの接続はオフィスからのみに限定する
25
クラウドとオンプレミスとのコスト対比
クラウド月額費用 オンプレミス必要台数 必要となる予備機の台数 クラウド台数 DBサーバ必要台数 DBサーバ導入初期費用 サーバ購入・構築費用 DC費用 1台あたりのラック単価 オンプレミス必要台数 保守監視体制(24時間) 運用人月単価 人数 オンプレミスの場合 の月額費用換算2014年9月現在、当社内の試算では、すべてオンプレミスで構築した場合の約半分(55%)
で運用できている。
パラメータ
9
:
5
今後の展開 -国内の健康関連マーケット
273
※1~5
※2兆円
ドラッグストア市場
ヘルスケア市場 健康食品市場 スポーツ市場 ペット市場 ※1 「平成19年度商業統計2次加工業態別(小売業)データ」経済産業省 ※2 「ドラッグストアの現在と成長予測」 日本チェーンドラッグストア協会 2009/4/3ドラッグストア業界は、高齢化や健康ブームを背景に拡大傾向にあり、
さらに健康食品から日用品などを幅広く扱う大規模事業会社が増加しつつある。
ベビー市場 介護市場28 2009 2010 2011 2012 EC市場規模 3770 4360 5320 6050 EC化率 0.62% 0.71% 0.85% 0.96% 0.00% 0.20% 0.40% 0.60% 0.80% 1.00% 1.20% 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 2009 2010 2011 2012 EC市場規模 2250 3,120 4200 5,010 EC化率 2.14% 2.85% 3.64% 4.02% 0.00% 0.50% 1.00% 1.50% 2.00% 2.50% 3.00% 3.50% 4.00% 4.50% 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 (億円) 医薬品化粧品小売業ECマーケットの推移)
食品小売業、および医薬品化粧品小売業いづれも顕著な伸びをしめしている。
今後の展開
-健康Eコマースマーケットの規模
食品小売業のECマーケットの推移 「平成24年度電子商取引に関する実態・市場規模調査」経済産業省 (億円)成長しつづける 健康関連マーケット BtoC 5~10年程度の期間で EC化率 10~20% (現在は3~4%) 全体
10兆円
全体1兆円
このマーケットでリーダーシップを 取り続ける国内における健康EC市場は今後も成長し有望である。
この市場でリーダーシップを取り続けることを目指す。
29今後の展開 -国内マーケットとポジション
まとめ
30クラウドは、特に成長途上の企業・事業を支えるITインフラを
構築する際の「最初に考える選択肢」。
ただし、クラウド化自体が目的ではない。ビジネス戦略の要
請、それを実現するためのビジネスモデルやビジネスプロセス
にあったITアーキテクチャーを構築するための有力な選択肢
の一つとして考えるべき。
クラウドは一度導入したらそれで終わりということではない。
今後クラウド化の領域が増えることが予想される中、ITを見
る立場のものには、個々のサーバーレベルでの運用状況を把
握し、常に最適活用を模索し続けることがより一層強く求め
られる。
http://www.kenko.com/