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しています 3 社会参画力の育成 (1) 未来へチャレンジ! 職場体験推進事業 キャリア教育の一環として 職場体験活動を行っています 将来さまざまな生き方や進路選択 の可能性があること等の学習を通して 生徒の勤労観 職業観を育てています 地元企業のボランティア ( ビジネスパーク伊勢 ) の協力によ

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伊勢市教育委員会の学力向上に向けた取組

~平成 29 年度全国学力・学習状況調査の結果を踏まえて~

1 確かな学力と社会参画力の育成について

これからの日本社会は、将来の予測が困難な複雑で変化の激しいものとなるといわれています。 そのような社会で生きる子どもたちには、基礎的・基本的な知識および技能、それらを活用し課題 を解決するために必要な思考力・判断力・表現力、そして主体的に学習に取り組む態度をバランスよ く育成する必要があります。また、今後、子どもたちが社会で自立し、他者と協働しながら新たな 価値を創造していく力を身に付けるためには、課題の発見と解決に向けて主体的・対話的で深い学 びを実現させなければなりません。 そこで、教員が子どもたちの学習における状況を丁寧に把握したり、自ら指導方法を不断に見直 し、改善したりしていくことが必要です。そのため以下の事業を通して、幼稚園、小・中学校等が 連携し取組を進めることができるよう支援しています。

1 学力の育成

(1)学力向上推進事業 ・児童生徒の学習到達度を明らかにし、個に応じたきめ細かな指導に生かすために目標基準準拠 検査(CRT)を市内全小中学校で実施しています。 ・研究校を指定し、教育課程に係る実践研究を進めています。 (2)スクールイノベーション総合推進事業 ・「主体的・対話的で深い学び」を具現化した授業づくりや ICT 機器の効果的な活用についての 研究を通して、教職員の授業力向上や校内研修体制の確立を目指しています。 ・研究校を指定し、皇學館大学と連携して授業改善研究を進めています。

2 グローバル教育の推進

(1) エンジョイイングリッシュ事業 ・小学校では、新学習指導要領で求められている「外国語によるコミュニケーション能力」の素 地や基礎を養うために、ALT との交流を行っています。 ・研究校を指定して、外国語活動早期化、教科化に向けて、研究実践を行っています。 ・中学校では、授業の成果の発表する場としてスピーチコンテストを開催しました。 ・小中学生を対象に、英語検定にチャレンジすることを通して、英語への関心意欲を高めるため、 英語検定料の補助を行っています。 (2) ALT活動事業 ・小学校では、ALT は担当教諭とともに、5、6 年生の外国語活動で指導を行っています。1~4 年生では、歌やゲームを中心とした外国語の活動や国際理解教育を行っています。異文化理解 のため、ALT が行事等で児童と交流できるようにしています。 ・中学校では、授業に ALT が加わることで、生徒が生きた英語に触れる機会を増やし、授業が実 際のコミュニケーション場面の1つとなるようにしています。 (3) 研修講座の実施(外国語活動) ・小学校での外国語活動(中学年)、外国語科(高学年)が平成 32 年度に全面実施となること を踏まえ、グローバル化に対応する授業のあり方について模擬授業形式で学ぶ研修講座を実施

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しています。

3 社会参画力の育成

(1)未来へチャレンジ!職場体験推進事業 ・キャリア教育の一環として、職場体験活動を行っています。将来さまざまな生き方や進路選択 の可能性があること等の学習を通して、生徒の勤労観・職業観を育てています。 ・地元企業のボランティア(ビジネスパーク伊勢)の協力により「地域の子どもは地域で育てる」 という気運を高めています。 (2) 子どもたちとつくる「やさしいまち伊勢市」支援事業 ・市内小中学校の児童生徒を対象に「やさしいまち伊勢市発見大賞」を実施し、各校での学習活 動を通して全ての人が住みやすいまちづくりについて考え、気づき、行動した取組の成果を発 表する機会となるようユニバーサルデザインの部、発見・体験作文の部、俳句・短歌・川柳の 部の 3 部門で作品を募集しています。 ・事業推進校を指定し、自然や環境、伝統文化、福祉、ボランティア等に関する体験学習により、 児童生徒が「やさしいまち伊勢市」のまちづくりについて考え、気づき、行動する取組を推進 しています。 ・幼稚園では、地域の人とのふれあいを通した体験により、地域のよさや愛着を感じることがで きる活動を推進しています。 ・中学生対象に、赤ちゃんとのふれあい体験等を通したいのちの学習を進めています。 ・将来自分たちが住む町をより良いものにしていこうとする意欲を育むため、小中学校の代表者 児童・生徒による「子ども未来会議」を開催しました。 ・授業のユニバーサルデザイン化により、全ての児童生徒にとっての「わかる、できる」を保障 する授業づくりを行うことを目指しています。

4 情報教育の推進と ICT の活用

(1)情報モラル教育の推進 ・情報教育担当指導主事や ICT アドバイザーを派遣し、児童生徒や保護者、地域の人々を対象に 情報モラル学習の充実に努めています。 (2) 特別研修講座の実施(プログラミング教育) ・鳥羽商船高等専門学校と連携して、ICT を活用した学習活動の充実、児童生徒のプログラミン グ的思考の育成を目的とした授業づくりについての特別研修講座を実施しています。

5 幼児教育の推進

(1) 保幼小中の連携 ・途切れのない支援を充実させるため、保幼小中が連携できるように、教育・保育の参観の機会 拡大や情報交換会及び研修会の実施などに取り組んでいます。 (2) 教育研究プロジェクト(幼稚園教育) ・「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明確化し、発達段階を踏まえた幼稚園教育のあり 方について委託研究を進めています。公開保育研究会の案内を小中学校教員にも発信し相互理 解と連携を図っています。 (3) 研修講座の実施(乳幼児教育専門講座) ・乳幼児教育に係る今日的な課題を研修講座のテーマとして設定します。県内外の専門家を講師 に迎え、幼稚園教員、保育士、小学校教員等とともに実践的に学んでいます。

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2 平成 29 年度全国学力・学習状況調査の伊勢市の結果

1 平成 29 年度全国学力・学習状況調査について

(1)調査の目的 義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況 を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児 童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる。さらに、そのような取組を通じて、 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。 (2)調査日 平成 29 年 4 月 18 日(火)実施 (3)対象者 市内全小学校の第 6 学年(1050 名)、全中学校の第 3 学年(1074 名)で実施 (4)調査科目 小学校:国語・算数 中学校:国語・数学 (5)調査内容 ①主として「知識」に関する問題(A問題) ・身に付けておかなければ後の学年等の学習内容に影響を及ぼす内容 ・実生活で不可欠であり、常に活用できるようになっていることが望ましい知識・技能 など ②主として「活用」に関する問題(B問題) ・知識・技能等を実生活の様々な場面に活用する力 ・様々な課題解決のための構想を立て、実践し、評価・改善する力 など ③生活習慣や学習環境等に関する調査 ・児童生徒に対する学習意欲、学習方法、学習環境、生活の諸側面等に関する調査 (児童・生徒質問紙) ・学校に対する指導方法に関する取組や人的・物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 (学校質問紙) (6)調査結果についての考え方 ・伊勢市の教育施策・各学校の教育の改善、各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげる ことが重要である。 ・調査により測定できるのは学力の特定の一部分であること、学校における教育活動の一側面で あることを踏まえる。

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2 学校質問紙・児童生徒質問紙の調査結果

学校質問紙・児童生徒質問紙から伊勢市の学校の様子・子どもの様子をみていく。(3)からは、 主に、特に課題があった事項について取り上げ記載した。 ※以下、小学校対象の学校質問紙は(小学校)、中学校対象の学校質問紙は(中学校)、小学生の児童質 問紙は(児童)、中学生の生徒質問紙は(生徒)と記載。小学校のグラフの背景は水色、中学校はピン ク色にした。 (1)学校に行くのは楽しいか グラフ1(児童) グラフ2(生徒) 伊勢市では、小・中学校とも全国平均より多くの子どもが学校に行くのは楽しいと感じている。 また、「そう思う」という回答が多いことが特徴で、望ましい傾向である。ただ、「どちらかと いえば、そう思わない」「そう思わない」と回答している子どもがいることを意識することも大 切である。 (2)児童生徒の朝食について グラフ3(児童) グラフ4(生徒) 伊勢市の子どもが「朝食を食べているか」について、「している」「どちらかといえば、して いる」と答えている子どもは全国に比べ若干多い。 (3)児童生徒の家庭学習について 次に、児童生徒の家庭での学習の状況についてみる。 グラフ5(児童) グラフ6(生徒)

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グラフ5・6は、平日に、学校の授業以外に、どれくらい学習をするか(塾や家庭教師も含む) を回答したものである。 グラフ5・6をみると、伊勢市では、小・中学校ともに、全国と比較し、家庭学習の時間が短 い傾向がある。「全くしない」「30 分より少ない」という子どもは全国平均よりやや多く、改 善すべき結果である。 次に休日の学習時間についてみる。 グラフ7(児童) グラフ8(生徒) グラフ7・8は、休日に、塾や家庭教師も含み、どれくらい学習をするか聞いたものであるが、 休日も、小・中学校ともに、全国に比べ学習の時間は少ない傾向にある。そして、平日より学習 時間が減り、小・中学校ともに全く勉強をしない子どもは平日に比べ増えている。全くしない子 どもと1時間より少ない子どもを合わせると、小学校は 50%を超えており、気になる結果とな っている。家庭学習の充実・定着に向けて、取組を検討する必要がある。 次に、家庭学習における内容に注目し、以下の結果をみる。 グラフ9(児童) グラフ 10(生徒) グラフ9・10 をみると、小・中学校ともに、肯定的な回答は 50%以下であり、家で学校の復 習をしている割合は全国に比べても低い。計算や漢字など、反復練習が必要な基礎的な知識や技 能の定着にはある程度の学習時間が必要になる。復習をすることで、既習内容を忘れることを防 ぐ効果もある。学習したことについて、自分の考えを書いたり、学習を振り返り、さらに発展的 な学習につなげたりすることも大切なことである。 グラフ 11(小学校) グラフ 12(中学校)

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さらに宿題の内容をみていく。その宿題を与えているほど教科に関する調査の平均正答率が高 いとされている「調べたり文章を書いたりしてくる宿題を与えたか」についてである。 宿題が、計算・漢字練習など学習の定着に関わる内容だけではなく、予習、レポート作成、授 業で学んだことに対する自分の考えを書く等、様々な内容で与えることも子どもたちの力を伸ば す上で重要である。「よく行った」と回答している割合は、グラフ 11 の小学校では、昨年度よ り 13 ポイント増加している。グラフ 12 の中学校では 28 ポイント向上している。学校が、宿題 の内容について、意識を高めていることがうかがえる結果である。このような取組を継続してい くことが、子どもたちの学力を高めていくことにつながると考える。 グラフ 13(小学校) グラフ 14(中学校) 学校の宿題の与え方であるが、グラフ 13 をみると、小・中学校ともに全国に比べ共通理解を 図っている割合は低い。しかし、昨年度と比較をしてみると、小学校では、「よく行った」割合 は、13 ポイント向上している。一方、中学校では、「よく行った」と「どちらかといえば行っ た」をあわせたの割合は、昨年度 100 ポイントだったが、今年度は 72 ポイントだった。年度に より、変動が大きい傾向がみられることから、学校として共通理解を図る取組が必要である。 次に子どもたちの家庭学習の進め方についてみる。 グラフ 15(児童) グラフ 16(生徒) グラフ 15・16 をみると、「家で計画を立てて勉強しているか」について、中学校では、「し ている」「どちらかといえばしている」をあわせた割合は全国平均を上回っているが、小学校で 課題がある。計画を立てての学習は、学習における主体性とも関わっており、大変重要なことで ある。中学校のこの傾向は、小学校でも目指すべき、よい傾向であるととらえている。 ここまでの結果から、学校で、子どもたちの平日や休日の学習時間についても考慮し、宿題の 内容・与え方について学校内で共通理解を図りながら、効果的なものを考えていく必要がある。 また、家庭学習については、宿題だけではなく、自分で計画を立てて勉強することできるように、 学習のすすめ方のモデルを示し、やり方を伝えていくことも有効であると考える。

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(4)家庭での時間の過ごし方について 次に、子どもたちの家庭での時間の使い方についてみていく。以下のグラフは、テレビや DVD の視聴、テレビゲーム、携帯電話の使用について聞いたものである。 グラフ 17(児童) グラフ 18(生徒) グラフ 19(児童) グラフ 20(生徒) グラフ 21(児童) グラフ 22(生徒) グラフ 17~22 をみると、伊勢市では、テレビや DVD の視聴、テレビゲームやスマートフォン 等の使用時間が小・中学校ともに全国平均より多くなる傾向がある。 ゲームや携帯電話の使用が多くなるほど教科に関する調査の正答率が低くなるという相関関係 が文部科学省により示されている。伊勢市では、全国に比べ、テレビの視聴時間、テレビゲーム の時間、携帯電話やスマートフォンの使用時間が多い傾向があるので、携帯電話やゲーム、イン ターネットの適正な使用について約束事をつくるなど、学校と家庭が連携して、子どもの発達段 階に応じた取組を行う必要がある。

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(5)学校における授業について 現在、小学校で平成 32 年、中学校で平成 33 年から実施される学習指導要領の改訂作業が進ん でいるが、現在の審議で、新学習指導要領では、「『学び』の本質として重要となる『主体的・ 対話的で深い学び』の実現を目指した『アクティブ・ラーニング』の視点から、授業改善の取組 を活性化していくことが必要」であるとされている。 児童生徒質問紙でも、子どもたちの授業での取組が、「主体的・対話的で深い学び」を目指し たものになっているかということに関連した以下のような質問がある。 グラフ 23(児童) グラフ 24(生徒) グラフ 25(児童) グラフ 26(生徒) グラフ 24 をみると、中学校では、「先生から示される課題や、学級やグループの中で、自分 たちが立てた課題に対して、自ら考え、自分から取り組んでいた」生徒の割合が全国平均より高 く 75%以上である。また、グラフ 26 をみると、授業で自分の考えを発表する機会では、自分の 考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組立などを工夫して発表していた生徒も全国平均よ り高いが「当てはまる」という回答が若干少ない。小学校では、グラフ 23・25 をみると、肯定 的な回答の割合について、全国平均より低く、また「当てはまる」という回答も少なく、課題が あると考えられる。全国と同様、伊勢市でもこの設問に肯定的な回答を選択した児童生徒の方が、 教科における平均正答率が高い。 中学校では、新学習指導要領で重要とされている取組を実施している生徒が全国を上回ってい る。さらにこの強みを伸ばしていくことが大切である。小学校では、今後、授業でさらに問題解 決的な授業を行うとともに、自分の考えを発表する機会を教員が意識して与えることが必要であ る。また、その際に、課題解決の方法や発表の工夫などの指導も必要である。その上で、主体的 に課題解決や発表での工夫に取り組む子どもたちを育てていきたい。 次に、総合的な学習の時間の取組についてみる。 探究的な活動に取り組む学校ほど教科に関する調査の結果が高いと文部科学省の調査で実証さ れている。グラフ 27・28 は、児童生徒が「総合的な学習の時間では、自分で課題を立てて情報 を集め整理して、調べたことを発表するなどの学習活動に取り組んでいますか」について回答し た結果である。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 全国 伊勢市 当てはまる どちらかといえば当てはまる どちらかといえば当てはまらない 当てはまらない その他 無回答 授業で、自分の考えを発表する機会では、工夫して発表していたか(小学校)

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グラフ 27(児童) グラフ 28(生徒) 自分で課題を立てて情報を集め整理して、調べたことを発表するような探究的な総合的な学習 の時間では、地域の特色に応じた課題に対して、各教科で培った知識や能力を横断的に活用し取 り組んでいく。この過程で知識はさらに発展し、活用力も向上する。伊勢市では、全国平均より 探求的な活動への取組が少ない。小・中学校ともに、総合的な学習の時間を充実させ、児童生徒 が探究的な活動に取り組むよう授業改善を検討する必要がある。 授業の進め方について、子どもたちにその時間の最後に到達すべき目標(めあて)を示し、そ れに向かって活動をさせ、授業の最後に学習したことを振り返る活動を行っている学校の児童生 徒の教科の平均正答率が高い傾向があることが文部科学省によって示されている。伊勢市では以 下のような状況であった。 グラフ 29(小学校) グラフ 30(中学校) グラフ 31(小学校) グラフ 32(中学校) 伊勢市では、これまで特に中学校でめあてを示すことや振り返る活動を計画的に取り入れるこ とは課題であったが、改善し、全ての中学校で取り入れている。めあてを示すことは、子どもが 自分がその時間でたどりつくゴールを知ることにつながり、それを見据え、目的意識を持って1 時間の学習活動に意欲的に取り組む効果がある。振り返りについては、その時間の自分たちの学 習の成果を感じたり、学習したことをより定着させたりする他、最後のおさえとして、忘却を防 ぐ効果もある。

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今後さらに、「めあて」「振り返り」を重視した授業改善の取組を充実させていく必要がある と考える。 (6)放課後の補充学習について 次に、放課後の補充学習サポートについてみていく。 グラフ 33(小学校) グラフ 34(中学校) グラフ 33・34 からは、放課後の補充サポートについて、伊勢市では「行っていない」割合は 全国平均より低い。放課後の時間を生み出すことは大変であるが、学校が工夫して時間を生み出 していることがわかる。今後も継続し、さらに充実していくことが望ましい。 (7)全国学力・学習状況調査結果の活用について 次に、学校での前年度の全国学力・学習状況調査の結果の活用状況についてみていく。 「昨年の結果を学校全体で教育活動の改善に活用したか」については、小学校は、全ての学校 で結果を学校全体で教育活動の改善に活用している。また、中学校で「よく行った」と回答した 割合が全国平均よりも高かった。子どもたちの学力向上に向け、本調査結果を分析し、全教職員 で課題を共有して改善に向けた組織的な取組を行っていくことが大切である。 グラフ 35(小学校) グラフ 36(中学校)

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3 教科に関する調査の結果

(1)各教科の正答の状況 教科に関する調査の平均正答率・正答数は次のとおりである。 ※国語A、国語B、算数・数学A、算数・数学Bごとの平均正答率は、それぞれの平均正答数を 設問数で割った値の百分率(概数)である。 ※平均正答率概要については、全国と伊勢市の差異が±3%以内をほぼ同じと表している。 (2)各教科の結果概要 ※「平均正答数」は児童生徒の正答数の平均 ※「平均正答率」は平均正答数を百分率で表示 ※概要の「各領域の平均正答率の状況」は、文部科学省から提供されたグラフであり、学習指導 要領に示されたその教科における各領域の、伊勢市と全国(公立)の平均正答率を表したもの である。 ※「特徴的な結果であった設問とその出題の趣旨」に記載の記号の見方 ○:正答率が、全国平均よりも3ポイント程度以上高い設問のうち主な設問 ▽:正答率が、全国平均よりも3ポイント程度以上低い設問のうち主な設問 ※設問ごとの平均正答率は、それぞれの正答児童生徒数を全体の児童生徒数で割った値の百分率 である。

H29年度の教科に関する調査の概要

A(知識) B(活用) A(知識) B(活用) A(知識) B(活用) A(知識) B(活用)

H29全国 平均正答数 11.2/15 5.2/9 11.8/15 5.1/11 24.8/32 6.5/9 23.3/36 7.2/15 H29三重県平均 正答数 11.0/15 5.1/9 11.6/15 4.9/11 24.6/32 6.4/9 23.5/36 7.1/15 H29全国 平均正答率 74.8 57.5 78.6 45.9 77.4 72.2 64.6 48.1 H29三重県 平均正答率 73.6 57.0 77.4 44.6 76.9 70.7 65.3 47.3 H29伊勢市 平均正答率概要 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ H28伊勢市 平均正答率概要 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 全国と ほぼ同じ 小学校調査 中学校調査 国語 算数 国語 数学

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小学校〈国語〉

①概要 小学校〈国語〉A 問題 小学校〈国語〉B 問題 各 領 域 の 平 均 正 答 率 の 状 況 各 領 域 の 平 均 正 答 率 の 状 況 課 題 等 A(知識) ・今回出題された学習内容の知識・ 理解の定着について、「話すこと・ 聞くこと」「書くこと」で課題が みられる。 課 題 等 B(活用) ・今回出題された学習内容に係る知 識・理解を活用する力で、「話すこ と・聞くこと」「読むこと」で課題 がみられる。 具体的な課題 ・漢字を正しく書くことに課題がある。 ・実用的な文章で、基本的な構成に基づいて、手紙を書くことに課題がある。 ・無解答率を平均した数値は、全国と比較すると、A 問題・B 問題ともに、全国より若干 高く、最後まで粘り強く取り組むことに課題がある。B 問題における記述式の問題の無 解答率を平均した数値も全国より高く、課題がある。 ②特徴的な結果であった設問とその出題の趣旨 ア:話すこと・聞くこと A(知識) ▽1 互いの話を聞き、考えの共通点や相違点を整理しながら、進行に沿って話し 合う B(活用) ▽1一 目的に応じ、適切な言葉遣いで話す。 ▽1二 話の構成を工夫して話すことができるなどのスピーチメモのよさを捉える。 ▽1三 目的や意図に応じて、話の構成や内容を工夫し、場に応じた適切な言葉遣い で自分の考えを話す。 書くこと 読むこと 伝統的な言 語文化と国 語の特質に 関する事項 話すこと・聞 くこと 伊勢市 全国(公立) 書くこと 読むこと 伝統的な言語 文化と国語の 特質に関する 事項 話すこと・聞くこ と 伊勢市 全国(公立)

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イ:書くこと A(知識) ▽2一 目的や意図に応じ、内容の中心を明確にして、詳しく書く。 ▽2二 手紙の構成を理解し、後付けを書く。 B(活用) ▽3三 物語を読み、具体的な叙述を基に理由を明確にして、自分の考えをまとめ る。 ウ:読むこと A(知識) ▽4一 俳句の情景を捉える B(活用) ▽3二 自分の考えを広げたり深めたりするための発言の意図を捉える。 ▽3三 物語を読み、具体的な叙述を基に理由を明確にして、自分の考えをまとめ る。 エ:伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 A(知識) ▽4一 俳句の情景を捉える。 ▽6 古文における言葉の響きやリズムを楽しみながら読む。 ▽7(1) 漢字を正しく書く。(4年生のきぼう者)

中学校〈国語〉

①概要 中学校〈国語〉A 問題 中学校〈国語〉B 問題 各 領 域 の 平 均 正 答 率 の 状 況 各 領 域 の 平 均 正 答 率 の 状 況 書くこと 読むこと 伝統的な言 語文化と国 語の特質に 関する事項 話すこと・聞 くこと 伊勢市 全国(公立) 書くこと 読むこと 伝統的な言語 文化と国語の 特質に関する 事項 話すこと・聞く こと 伊勢市 全国(公立)

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課 題 等 A(知識) ・今回出題された学習内容のうち、 「話すこと・聞くこと」「書くこ と」の知識理解の定着に若干課題 がみられる。 課 題 等 B(活用) ・今回出題された学習内容に係る知 識・理解を活用する力で、全領域で 若干の課題がみられる。 具体的な課題 ・伝えたい事柄や意見を明確にし、文章の構成を工夫して書くことに課題がある。 ・無解答率を平均した数値は、全国と比較すると、A 問題・B 問題ともに若干低い。しか し、B 問題に無解答率が5%を越える問題があるため、最後まで粘り強く考え、記述す ることに課題がある。 ②特徴的な結果であった設問とその出題の趣旨 ア:話すこと・聞くこと A(知識) ▽7一 相手にわかりやすいように語句を選択して話す。 イ:書くこと A(知識) ▽5一 文章の構成を工夫してわかりやすく書く。 ウ:読むこと B(活用) ○1二 場面の展開や登場人物などの描写に注意して読み、内容を理解する。 エ:伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 A(知識) ▽1 話し言葉と書き言葉との違いを理解する。 ○9-1 文脈に即して漢字を正しく書く(組織のキボを大きくする) ○9三ア 語句の意味を理解し、文脈の中で適切に使う(えりを正して話を聞く) ○9七2 古典には様々な種類の作品があることを知る。

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小学校〈算数〉

①概要 小学校〈算数〉A 問題 小学校〈算数〉B 問題 各 領 域 の 平 均 正 答 率 の 状 況 各 領 域 の 平 均 正 答 率 の 状 況 課 題 等 A(知識) ・今回出題された学習内容のうち、 全ての領域で課題がみられる。 課 題 等 B(活用) ・今回出題された学習内容のうち、全 ての領域で課題がみられる。 具体的な課題 ・小数の乗法や分数、最小公倍数を求めること、数量の関係を表す式の理解、二次元表の 理解に課題がある。 ・仮の平均を用いた考え方や目的にあった適切な表やグラフを選択すること、基準量・比 較量・割合の関係を的確に捉え、判断理由を数学的に表現することに課題がある。 ②特徴的な結果であった設問とその出題の趣旨 ア:数と計算 A(知識) ▽1(2) 1より小さい小数をかける乗法の問題場面を理解し、数量の関係を数直線 に表すことができる。 ▽2(4) 商を分数で表すことができる。 ▽3 二つの数の最小公倍数を求めることができる。 イ:量と測定 B(活用) ▽3(2) 仮の平均を用いた考えを解釈し、示された数値を基準とした場合の平均の 求め方を記述できる。 量と測定 図形 数量関係 数と計算 伊勢市 全国(公立) 量と測定 図形 数量関係 数と計算 伊勢市 全国(公立)

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エ:数量関係 A(知識) ▽8 未知の数量を表す□を用いて、問題場面を除法の式に表すことができる。 ▽9(2) 資料から、二次元表の合計欄に入る数を求めることができる。 B(活用) ▽4(2) 割合を比較するという目的に適したグラフを選ぶことができる。 ▽5(2) 身近なものに置き換えた基準量と割合を基に、比較量を判断し、その判断 の理由を記述できる。

中学校〈数学〉

①概要 中学校〈数学〉A 問題 中学校〈数学〉B 問題 各 領 域 の 平 均 正 答 率 の 状 況 各 領 域 の 平 均 正 答 率 の 状 況 課 題 等 A(知識) ・今回出題された学習内容の全ての 領域で、全国の平均正答率を上回 り、取組の成果がみられる。 課 題 等 B(活用) ・今回出題された学習内容の全ての領 域で、全国の平均正答率を上回り、 取組の成果がみられる。 具体的な課題 ・立方体の面上の線分の長さの関係を読み取ることや変化の割合の意味を理解すること、 証明した事柄を用いて新たに性質をみいだすことに課題がある。 ②特徴的な結果であった設問とその出題の趣旨 イ:図形 A(知識) ▽5(3) 見取図に表された立方体の面上の線分の長さの関係を読み取ることができ る。 図形 関数 資料の活用 数と式 伊勢市 全国(公立) 図形 関数 資料の活用 数と式 伊勢市 全国(公立)

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○8 命題の仮定と結論を区別し、与えられた命題の仮定を読み取ることができる。 B(活用) ▽4(3) 証明した事柄を用いて、新たな性質をみいだすことができる。 ウ:関数 A(知識) ○10(3) 与えられた反比例の表で、比例定数の意味を理解している。 ▽11(2) 与えられた一次関数の表で、変化の割合の意味を理解している。 B(活用) ○3(3) 数学的な表現を事象に即して解釈し、的確に処理することができる。 エ:資料の活用 A(知識) ○14(1) 範囲の意味を理解している。 ○14(2) 与えられた度数分布表について、ある階級の相対度数を求めることがで きる。 ○15(1) 「同様に確からしい」ことの意味を理解している。

4 課題がみられた設問の指導に当たってのポイント

(1)小学校国語 ①司会などの役割を果たしながら話し合い、互いの考えの共通点や相違点を整理する。(対応設問 A- 1) 話合いには、一つのことにまとめていく、合意を形成する、考えを広げたり深めたりするな ど、様々な話合いがある。いずれの場合も、話合いの目的や目指す到達点、そこに向かう話合 いの進め方などを確認し、司会者や提案者、参加者などの役割に基づいて、話し合う目的や必 要性を意識して話合いを進めていく必要がある。さらに、様々な話合いの場面で、児童一人ひ とりがそれぞれの役割について学ぶことができるように、意図的、計画的に機会を設定するこ とが大切である。 具体的には、教師の演示などによる話合いのモデルを提示し、互いの考えの共通点や相違点 を確認しながら話合いを進めている様子を具体的に示すことが考えられる。その際、考えが相 違するときには、それぞれの考えがどのようなことに基づいているのかということに着目する ことができるように指導することが大切である。 また、特別活動で集団としての意見をまとめる話合い活動を行うなど他教科等とも関連付け、 児童の日常生活に生きて働くように多くの場を設定することが重要である。 ②実用的な文章で、基本的な構成に基づいて、手紙を書く。(対応設問 A-2一二) 実生活では、依頼状や案内状、礼状などの実用的な文章としての手紙を書くことが求められ る。その際、目的や意図を明確にして、書く事柄を選び、書きたいことの中心が伝わるように 詳しく書いたり簡単に書いたりすることができるように指導することが大切である。また、書

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いた手紙を互いに読み合い、伝えたいことが適切に相手に伝わるかどうかを考えることができ るように指導することも大切である。さらに、相手と自分との関係を意識し、相手や場面に応 じて、丁寧語や尊敬語、謙譲語を適切に用いることができるよう、児童の発達の段階に合わせ て繰り返し指導することが大切である。 また、依頼状や案内状など手紙にはそれぞれ特徴があり、「前文」「末文」「後付け」とし て書かれている内容はほぼ同じであるが、「本文」は、手紙の特徴によって、構成や内容に違 いがあることに気付くことができるように指導することも大切である。 さらに、書写に関する事項との関連を図り、ボールペンや筆ペンなどの様々な筆記具や、便 せん、封筒などの用材の特徴を生かし、丁寧に手紙を書くことができるように指導することも 考えられる。 ③音読することで、古文の楽しさを実感する。(対応設問 A-6) 古文や漢文などは、読んで楽しいものであること、自分を豊かにするものであることを実感 することができるように指導することが重要である。そのためには、古文や漢文などの文章の 解釈に重点を置くのではなく、できるだけ多くの文章に触れていく中で、自然と興味・関心を もてるようにすることが大切である。 低学年の段階から、児童の実態に応じて、教科書に掲載されている作品と関連するものを多 く提示し、音読や暗唱をするなどして、古文の楽しさを実感できるように、計画的、継続的に 指導することが大切である。 また、こうした関連図書を教室や学年の本棚に置いたり、児童の発達の段階に応じた図書や 音声による教材などの紹介コーナーを学校図書館に設置したりすることも考えられる。 ④当該学年までに配当されている漢字を習得する。(対応設問 A-7(2)) 学年別漢字配当表に示されている漢字を、各学年で正しく読んだり書いたりして、各教科等 や日常生活で使用する文や文章の中で適切に使うことができるように指導することが重要であ る。 そのためには、学習した漢字を字形に注意しながら繰り返し書いて練習することのみならず、 漢字のもつ意味を考えながら、文や文章の中で正しく使うことができるように指導することが 大切である。 同音異義語に注意するなど、漢字のもつ意味を考えて使う習慣が身に付くようにすることが 重要である。また、日常的に相手や目的に応じて適切に漢字が用いられているかどうかを確認 することができるように指導することも考えられる。 ⑤目的や意図に応じて、自分の考えが伝わるように話す。(対応設問 B-1一二三) スピーチを指導する場合には、自分や友達の発表の様子を動画で撮影し、観点に沿って振り 返ることができるように指導することが考えられる。その際、スピーチの目的や意図、指導の ねらいなどに応じて、話の構成や内容、話し方についてなど振り返るための観点を明確にする ことが大切である。 また、相手の意図に応じて、自分の考えが伝わるように複数の事例を取り上げたり、話す速 さや間の取り方を工夫したりするなどして、考えながら話すことができるように指導すること が考えられる。 上記のこと踏まえ、目的や意図に応じて、自分の考えが伝わるように話すためには、話の構 成や内容を工夫し、場に応じた適切な言葉遣いで話すことができるようにする必要がある。話

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の構成や内容を工夫するためには、自分の立場を明確に説明したり、事実と感想、意見とを区 別したり、結論付けを明確にしたりすることなどについて指導することが大切である。また、 場に応じた適切な言葉遣いで話すためには、声量や速度、抑揚や間の取り方、改まった言葉や 丁寧な言葉、敬体と常体との使い分けなど、その場に応じた最も適切な表現の仕方について指 導することが大切である。言葉遣いは、音声の使い方、語や文、表情、仕草など広い範囲に及 ぶことにも留意し、指導することが必要である。 ⑥物語を読み、自分の考えをまとめる。(対応設問 B-3二三) ものの見方や考え方を広げるために、物語を読んで感想を伝え合い、一人ひとりの感じ方に 違いがあることに気付き、自分の考えを広げたり深めたりすることができるようにすることは 重要である。 また、一つの場面の叙述だけを対象とするにとどまらず、複数の場面の叙述を相互に関係付 けながら読むことができるようにすることが大切である。具体的には、物語全体を見通すこと ができるような学習シートを用いたり、感想を記入したカードやノートを活用したりしながら、 どの叙述に着目したのかを明確にすることができるように指導することが考えられる。 さらに、それらの叙述を取り上げながら、「叙述を基にしてどう考えたのか」を交流するこ とで、それぞれの考えが自分の体験や読書経験に基づいていたり、他の叙述と関係付けられて いたりすることに気付くことができるように指導することも大切である。 こうした交流を行うための基盤として、互いの違いを認め合う学級の雰囲気をつくるととも に、自分の考えをまとめ、伝え合うことの意義を感じることのできる学習集団をつくることが 重要である。 (2)小学校算数 ①1より小さい小数をかける乗法の問題場面を理解し、数量の関係を数直線に表すことができる(対応 設問 A-1(2)) 問題場面を的確に捉え、数量の関係を図や数直線などに表すことは、問題を解決する上で大 切である。その際、数直線上の数量の対応関係や大小関係を的確に捉えることが大切である。 ②商を分数で表すことができる(対応設問 A-2(4) ) a ÷ b(a、b は整数で b は0でない)の商をa bという分数で表したり、 a bを a ÷ b と表し たりすることで、除法の被除数、除数と商の分子、分母の関係を確実に理解できるようにする ことが大切である。 ③二つの数の最小公倍数を求めることができる(対応設問 A-3) 具体的な問題場面を基に、最小公倍数や最大公約数の意味について確実に理解できるように することが大切である。 ④未知の数量を表す□を用いて、問題場面を除法の式に表すことができる(対応設問 A-8) 未知の数量を□などの記号を用いて表現することにより、文脈通りに数量の関係を立式する ことができるようにすることが大切である。 ⑤資料から、二次元表の合計欄に入る数を求めることができる。(対応設問 A-9(2)) 二次元表に示された数値が適切なものであるかどうかを確かめる方法の一つが、「合計」の

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数値に着目することである。そのためにも、二次元表の合計欄の意味を理解することが大切で ある。 ⑥仮の平均を用いた考えを解釈し、示された数値を基準とした場合の平均の求め方を記述できる(対応 設問 B-3(2)) 測定値の平均を求める際は、平均がおよそどのくらいになるのかを見積もったり、能率的に 処理するために工夫して計算したりすることが大切であり、仮の平均の考え方を活用すること で、平均を工夫して処理することができる場合があることを実感できるようにすることが大切 である。 ⑦割合を比較するという目的に適したグラフを選ぶことができる(対応設問 B-4(2)) 問題を解決するために、目的に合った適切な表やグラフを選択し表したり、読み取ったり、 グラフどうしを関連付けて解釈したりするなど、目的に応じて表やグラフを活用できるように することが大切である。その際、棒グラフは数量の大きさを示し、帯グラフや円グラフは数量 の割合を示すなどの目的があることを理解できるようにすることが大切である。さらに、同じ 割合を表すグラフであっても、目的に応じて表現の仕方が異なる場合があることを理解できる ようにすることも大切である。 ⑧身近なものに置き換えた基準量と割合を基に、比較量を判断し、その判断の理由を記述できる(対応 設問 B-5(2)) 日常生活の中には、算数で学習したことを活用して、数理的に処理し合理的に判断できる場 面がある。日常生活の事象を、割合を活用して数学的に解釈するためには、数量の関係を身近 なものや図などに置き換えて、基準量・比較量・割合の関係を的確に捉え判断することが大切 である。また、判断した理由や問題を解決した過程を数学的に表現することができるようにす ることも大切である。 (3)中学校国語 ①伝えたい事柄や意見を明確にし、文章の構成を工夫して書く。(対応設問 A-5一) 伝えたい事柄や意見などを読み手にわかりやすく伝えるためには、伝えたい事柄や意見を明 確にし、どのような順序で示すことが効果的であるかを考えながら書くように指導することが 大切である。例えば、本設問のような生徒会だよりや係からのお知らせなど、生徒の日常生活 の中にある例を取り上げ、それらの構成の工夫や効果について互いの考えを述べ合うなどの学 習活動が考えられる。その際、交流を通して学んだことを、その後の自分の表現の参考にする ように指導することが重要である。 (4)中学校数学 ①見取図に表された立方体の面上の線分の長さの関係を読み取ることができる(対応設問 A-5(3)) 見取図と空間図形を対応させながら、辺の長さや角の大きさの関係などを確認する活動を通 して、見取図の特徴を理解し、必要な情報を読み取ることができるように指導することが大切 である。 ②与えられた一次関数の表で、変化の割合の意味を理解している(対応設問 A-11(2)) 一次関数 y = ax + b のグラフについて、a の値と b の値をそれぞれ変化させたときの式

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とグラフの様子を関連付けて捉える場面を設定し、a が直線の傾きであること、b が切片であ ることを理解できるように指導することが大切である。 ③証明した事柄を用いて、新たな性質をみいだすことができる(対応設問 B-4(3)) 条件を保ったまま図形の形を変えながら観察し、辺や角について変わらない性質をみいだす 活動を取り入れ、ある条件の下でいつでも成り立つ性質や関係をみいだすことができるように 指導することが大切である。

5 結果を踏まえた取組の重点

(1)よりよい集団づくりと授業改善の取組の充実 伊勢市では、目標基準準拠検査(CRT)と hyper-QU(よりよい学校生活と友達づくりのための アンケート)を実施していますが、その両方の検査を合わせて活用することで、よりよい集団づ くりと授業改善の取組をさらに充実させています。今後、年度2回目となる hyper-QU を実施し、 子どもたちの生活の実態や集団の実態をつかみ、よりよい集団づくりに活用するとともに、集団 の状況に応じた授業改善の取組を進めます。そのために、校内研修を充実します。伊勢市教育委 員会では指導主事を各校に派遣し、校内研修を支援します。 (2)平成 29 年度全国学力・学習状況調査等の結果の活用 平成 29 年度全国学力・学習状況調査や CRT 等の結果を踏まえ、学校訪問等により学力向上の取 組について各学校と情報共有を行い、具体的な取組の支援により子どもたちの確かな学力の定着 を図ります。 (3)学力向上推進事業の研究指定校の研究とその成果の普及 学力向上推進事業の研究指定校で、平成 29 年度全国学力・学習状況調査や CRT 等でみられた課 題を解決する授業改善の取組を研究し、その研究の一端を公開します。全小中学校では、積極的 に研究会に参加し、その成果を校内研修等で活用します。 (4)ICT 環境の充実と整備 伊勢市では、ICT 環境は整っており、活用も進んでいますが、さらに研究を進め、タブレット 端末等を使った学習の充実に向け取り組みます。また、インターネットでの問題配信サービスを 活用します。 (5)校内研修の充実 各校では、各校の課題に応じた研修体制を充実します。伊勢市教育委員会では、指導主事等が 学校を訪問し、校内研修を支援します。指導主事は、学習指導要領の内容を踏まえ、ねらいを明 確にした授業のあり方やめあて・振り返りの充実等について、積極的に啓発を行います。 (6)家庭・地域との連携 各校で、家庭学習の手引や学校便り等を通じて、平成 29 年度全国学力・学習状況調査等の結果 を説明するとともに、家庭や地域と連携して家庭学習状況や生活習慣・学習習慣・読書習慣の改 善を図ります。

参照

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