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Microsoft Word - コストダウン第10回 doc

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Academic year: 2021

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業務運営コスト削減に向けた方法論とその実践

第10回:設計・開発コストの削減 【増加する研究開発費】 総務省の「科学技術研究調査報告」によると、民間企業の研究費は年々増加の傾向にあり、 その一因として、商品の多品少量化とライフサイクルの短縮があげられます。特に食品・日 雑業界などにおいては、10 年前に比べて1年間に上市した商品点数が 10 倍以上に膨れ上が っている商品カテゴリーも珍しくありません。その一方で、メーカー側の研究・開発の体 制やプロセスは多品種少量・短ライフサイクルに対応しきれておらず、従来型の体制やプ ロセスで設計・開発が行われているため、工数が膨れ上がっているケースが散見されます。 また、これまで設計・開発部門は、メーカーの命である製品を生み出す部門であることか ら聖域とみなされて、中々業務改革のメスが入りませんでした。しかし、設計・開発部門 の改革は、部門のコスト削減のみならず、後工程(生産準備、調達、生産など)の効率や コストへの影響が多大であるため、近年、その取り組みが活発化してきています。 今回はその設計・開発部門のコスト削減を中心とした改革について事例を交えて述べてい きます。 民間企業における研究費の推移(実績) 8.6 8.1 8.0 8.3 8.9 9.5 9.3 9.2 9.6 10.3 10.6 10.3 10.6 11.4 12.0 12.7 0.9 0.9 0.9 1.0 1.2 1.1 1.3 1.3 1.2 1.1 0.9 1.4 1.3 1.3 1.3 1.1 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 (年度) (兆円) 平成 資本金10億円未満の企業 資本金10億円以上の企業 社内使用研究費総額 9.5 9.0 8.9 9.3 10.0 10.6 10.7 10.5 10.8 11.4 11.5 11.7 11.8 12.7 13.3 合計 13.8 (年度) 0.80 0.81 0.79 0.84 0.95 1.07 1.06 1.17 1.24 1.36 1.47 1.58 1.54 1.79 1.79 2.03 0.05 0.04 0.05 0.05 0.07 0.08 0.07 0.07 0.11 0.07 0.08 0.11 0.12 0.10 0.10 0.11 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00 2.20 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 (年度) (兆円) 平成 資本金10億円未満の企業 資本金10億円以上の企業 社外支出研究費 0.86 0.84 0.84 0.90 1.02 1.15 1.13 1.24 1.35 1.44 1.55 1.69 1.66 1.89 1.89 合計 2.14 (年度) 出所:総務省統計局(科学技術研究調査) 民間企業における研究費の推移(実績) 8.6 8.1 8.0 8.3 8.9 9.5 9.3 9.2 9.6 10.3 10.6 10.3 10.6 11.4 12.0 12.7 0.9 0.9 0.9 1.0 1.2 1.1 1.3 1.3 1.2 1.1 0.9 1.4 1.3 1.3 1.3 1.1 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 (年度) (兆円) 平成 資本金10億円未満の企業 資本金10億円以上の企業 社内使用研究費総額 9.5 9.0 8.9 9.3 10.0 10.6 10.7 10.5 10.8 11.4 11.5 11.7 11.8 12.7 13.3 合計 13.8 (年度) 8.6 8.1 8.0 8.3 8.9 9.5 9.3 9.2 9.6 10.3 10.6 10.3 10.6 11.4 12.0 12.7 0.9 0.9 0.9 1.0 1.2 1.1 1.3 1.3 1.2 1.1 0.9 1.4 1.3 1.3 1.3 1.1 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 (年度) (兆円) 平成 資本金10億円未満の企業 資本金10億円以上の企業 社内使用研究費総額 9.5 9.0 8.9 9.3 10.0 10.6 10.7 10.5 10.8 11.4 11.5 11.7 11.8 12.7 13.3 合計 13.8 (年度) 0.80 0.81 0.79 0.84 0.95 1.07 1.06 1.17 1.24 1.36 1.47 1.58 1.54 1.79 1.79 2.03 0.05 0.04 0.05 0.05 0.07 0.08 0.07 0.07 0.11 0.07 0.08 0.11 0.12 0.10 0.10 0.11 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00 2.20 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 (年度) (兆円) 平成 資本金10億円未満の企業 資本金10億円以上の企業 社外支出研究費 0.86 0.84 0.84 0.90 1.02 1.15 1.13 1.24 1.35 1.44 1.55 1.69 1.66 1.89 1.89 合計 2.14 (年度) 0.80 0.81 0.79 0.84 0.95 1.07 1.06 1.17 1.24 1.36 1.47 1.58 1.54 1.79 1.79 2.03 0.05 0.04 0.05 0.05 0.07 0.08 0.07 0.07 0.11 0.07 0.08 0.11 0.12 0.10 0.10 0.11 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.00 2.20 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 (年度) (兆円) 平成 資本金10億円未満の企業 資本金10億円以上の企業 社外支出研究費 0.86 0.84 0.84 0.90 1.02 1.15 1.13 1.24 1.35 1.44 1.55 1.69 1.66 1.89 1.89 合計 2.14 (年度) 出所:総務省統計局(科学技術研究調査)

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【設計・開発コストダウンのポイント】 設計・開発のコストダウンにおいて最も重要なのは、そもそもの設計工数(回数?)を減 らすことです。もちろん先端技術を取り入れてより良い製品を設計することは、メーカー の設計・開発部門の最も重要なミッションであり、また、その行動は技術者のDNA に埋め 込まれているといっても過言ではありません。しかし、昨今の多品種、短サイクルでの設 計・開発が要求される経営環境下においては、闇雲にすべての製品、部品を新規に設計し ていたのでは到底、市場から要求されているL/T(リードタイム)に対応することは出来な いし、設計工数(≒コスト)は膨れ上がってしまいます。 また、新規設計の製品、部品が増加すれば、設計・開発の工数が増加するのみならず、後 工程での生産準備や試作・テストの工数も膨大となり、トータルでの製造原価の高騰を引 き起こし、商品の競争力にも影響しかねません。この様な状況に陥るのを回避するために は過去の設計を流用し、出来るだけ新規の設計作業を減らすことが必要となります。 我々の過去の設計・開発コストダウンのプロジェクト経験上、新規設計の削減においては、 以下のポイントが重要だと考えています。 „ 部品、モジュールの汎用化、共通化 „ 技術の引き出しの作成(過去の設計情報の一元管理) „ 設計情報の互換性の担保 „ 手戻り削減(フロントローディング) まずは、部品、モジュールの汎用化、共通化についてですが、これについてはその必要性 を疑う意見は皆無だと思います。しかし、いざこれを実行しようとすると様々な障害がつ いて回ります。その一つは過去の設計情報が共有される状況になく、設計情報の検索が困 難なケースです。さすがに個人ベースの設計情報のありかは把握されていることと思いま すが、隣の設計者の情報、他部署の情報については如何でしょうか?商品化されて上市し た製品の設計情報はそのありかが明確であったとしても、上市出来なかった製品の設計情 報は?生産現場で不具合が生じて現場レベルで加えたマイナーな変更はきちんと設計情報 に反映されているのでしょうか?仮に情報はすべて保管されていたとしましょう。では、 その情報を検索しようとした段階で図面と仕様書は紐付けて管理され、すぐに一緒に取り 出すことは出来るのでしょうか?マスター部品とサブ部品の紐付けは?外部委託先の設計 した設計情報と内部の設計情報は必要に応じて同時に取り出すことは可能でしょうか?こ の様に過去の設計情報を流用しようとするとその情報収集、保管管理を余程しっかり行わ ないと活用の段階で情報検索に多大な工数が必要となり、新規設計の工数より情報収集・ 検索の工数の方が大きくなってしまうなどの事象も発生しかねません。

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次に設計情報の互換性の担保についてですが、これについては大きな課題が2つあり、そ の1つは設計標準の整備・浸透です。社内の設計標準はもとより、設計の外部委託を行っ ている場合や、組み立て製造で多くのサプライヤーから部品・モジュールの供給を受けて いる場合は、外部の協力会社を含めて設計標準を整備・浸透させる必要があります。これ が無いと、いざ過去の設計情報を活用しようとした段階で、設計情報の理解に時間がかか ったり、設計情報の読み間違えによるトラブルを引き起こしたりしかねません。2つ目は、 設計ツールの互換性の担保です。設計する部品(金型、機構部品など)の特性やサプライ ヤーの業界によって使用している情報システム、CAD(Computer Aided Design)や CAM (Computer Aided Manufacture)などが異なるケースがあります。例えば、機構部品の設計 には3 次元 CAD が広く利用されていますが、金型設計はまだまだ 2 次元 CAD が利用され ているケースが多くあります。その異なる複数種類の情報システムのデータを合わせて実 際の製品の組み立て時の干渉などを検証する場合には、一つのシミュレーターにデータを 取り込む必要があり、データの変換が必要となります。ところが、データの互換性が無い、 あるいは一部の機能しか担保されていない場合には、データの再入力や補正を行わなけれ ばなりません。設計・開発業務の効率化やスピードアップにおいては、DE (Digital Engineering)の導入は不可欠となってきていますが、利用するツールの組み合わせによっ ては多大な工数と時間が必要となってしまいます。 最後に、手戻りの削減についてです。フロントローディングという言葉は、製造業に携わ っている皆さんにはもう一般用語化していると思われます。その概念は、文字通り、初期 工程(フロント)に負荷をかけ(ローディング)て、初期工程で品質の作り込みを行うも のです。設計・開発におけるフロントローディングは、その業務自体がそもそもの製品ラ イフサイクルの本当の初期にあたるため、効果は絶大です。設計・開発における不備が上 市後に発覚したら、場合によってはリコールに繋がってしまいます。その前の生産準備段 階で発覚すると、工場ラインの組み直しが必要になるかもしれません。試作・テスト段階 だと場合によっては大幅な設計変更のリスクを孕んでいます。こう考えるとその重要性は 言わずもがなでしょう。従って、企画・構想~設計・開発~試作・テスト~生産準備~生 産の各プロセスの中で、出来るだけ前倒しで品質検討業務を実施していくことが求められ ます。設計・開発業務内でのフロントローディングと聞くと CAE(Computer Aided Engineering)などのシミュレーション・ツールを活用し、試作回数を削減することを想像 する方も多いと思われます。確かにCAE ツールを使いこなして上手く設計できれば試作回 数は減るでしょう。しかし、フロントローディングの本質は、業務の各プロセスの中で徹 底的に検証作業を行い、後工程に不備を引き継がないことにあります。前工程(企画・構 想、設計)に時間と工数を投下することにより手戻りリスクを削減して、トータルの L/T

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を短縮すると同時に、時間当たりの工数(≒コスト)をより必要とする後工程(試作、テ スト)の工数を削減してトータルコストの削減を狙う。これらを実現するためには、例え ば、製造装置メーカーであれば、ラインの状況、前後工程の装置のスペックやインターフ ェース時の注意事項、過去のトラブル情報などの、設計に必要な情報を出来るだけ網羅的 に沢山集める事が必要となり、また、実績があり安定稼動が確認されている部品・モジュ ールの積極的な活用が求められます。 【フロントローディングによる工数削減イメージ】 【設計・開発業務における主な手戻りの原因】 企画・構想 基本設計 詳細設計 総合検証 組み合わせ試験 単体試験 作り方 間違い 設計ミス 性能が不十分 設計矛盾 機能不足 要求を間違えて把握 仕様の誤設定 作業ミス 企画・構想 基本設計 詳細設計 総合検証 組み合わせ試験 単体試験 作り方 間違い 設計ミス 性能が不十分 設計矛盾 機能不足 要求を間違えて把握 仕様の誤設定 作業ミス 試験 製作 詳細 設計 基本 設計 企画 構想 試験 製作 詳細 設計 基本 設計 企画 構想 工数 (大) (小) 工数 (大) (小) 試験 製作 詳細 設計 基本 設計 企画 構想 試験 製作 詳細 設計 基本 設計 企画 構想 工数 (大) (小) 工数 (大) (小)

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【設計・開発業務における手戻りの大きさイメージ】 【設計・開発業務見直しの課題と対応策】 本項では、設計・開発部門のコストダウンを中心としたプロセスの見直しについて、機械 メーカーX社の製造装置製作部門のプロジェクト事例をもとに、課題とその対応策につい て説明していきます。 X社はグローバルに事業を展開しており、海外に多数の製造・販売拠点を持っています。近 年、競争激化に起因する短サイクル多モデル化の波にさらされ、設計・開発部門の工数は 膨大化しており、人材不足に起因する上流工程で発生した積み残しなどの事象は、下流工 程に影響し、設計情報の混乱も伴って品質不良などにつながると同時に開発の効率低下を 引き起こしていました。X社の抱える主要な問題点は以下の4 点に集約されます。 „ 情報収集に手間がかかる ¾ 製造装置部門で設計・開発~製作された機械は、製品製作部門に引き渡される。 製造ラインに設置された後は、製品製作部門の生産管理担当者に管理が移管さ れ、その後の保守メンテナンスは製品製作部門が担当する。 ¾ そのため、生産現場で行われた製造装置の微修正の情報は、製造装置部門には 戻りにくい構造的な問題を抱えている。特に海外の情報については殆ど情報収 集されていない。 ¾ 従って、新たな製造装置を設計する段階で、設計・開発担当者が製品製造部門 製 作 企画・構想 基本設計 詳細設計 総合検証 組み合わせ試験 単体試験 手戻り特大 手戻り大 手戻り中 手戻り小 製 作 企画・構想 基本設計 詳細設計 総合検証 組み合わせ試験 単体試験 手戻り特大 手戻り大 手戻り中 手戻り小

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の生産ラインの最新状況をこちらから取りに行き、装置の微修正情報を入手し ているため、設計準備のための工数が肥大化している。 ¾ その結果、フロントローディングで最も重要な事前情報の収集がやり切れてお らず、匠(ベテラン社員)の勘だよりで何とか乗り切っている状態である。 ¾ 情報収集不足によるトラブルは年間2~3件発生し、その対応で数千万円のコ ストが発生するケースもある。 „ 過去の設計情報の流用が困難 ¾ 装置設計部門と製品製作部門の生産管理が更新している装置設計情報が一元管 理されていないため、生産管理での修正情報は設計部門に一部しかフィードバ ックされていない。 ¾ 過去情報の保管が図面、仕様書の作成、更新日付順に行われており、検索に必 要なインデックスが整備されていないため、一部の匠を除いて過去情報の検索 に非常に時間がかかっている。 ¾ 若手社員を中心に「過去情報を検索するより新しく図面を起こしたほうが早 い?との認識が蔓延⇒不必要な新規設計により図面情報が増加する⇒図面点数 が増え検索がさらに困難になる」の悪循環に陥っている。 ¾ 汎用設計・改修が出来ていないことによる1製品製作ラインあたりの潜在削減 可能コストは1,500 万円~2,000 万円と推定された。 【情報保管における問題イメージ】 設計担当者 Index z 機種・ライン単位に図面番号、ライン仕様 の情報が必要 - 1工場当たり80冊の紙媒体 - 日付、工事単位毎にファイリング 行いたい検索方法の通りに情報が整理さ れていない 設計担当者 Index z 機種・ライン単位に図面番号、ライン仕様 の情報が必要 - 1工場当たり80冊の紙媒体 - 日付、工事単位毎にファイリング 行いたい検索方法の通りに情報が整理さ れていない

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„ 設計管理の不備 ¾ 外部委託先との同時並行設計を実施している際に、外部委託先からのデータと 自社設計データとの統合作業が煩雑であり、部分的に過去バージョンに戻って しまうなどの混乱が発生している。 ¾ 図面、仕様書を管理している設計担当者の体力的、精神的負担は大きく、また、 もし見落として後ろ工程まで影響が及んだ場合のコスト負担は計り知れない。 【設計変更管理の問題イメージ】 „ 現場主導のIT 導入でシステムが不整合性 ¾ 現場最適でCAD を導入したため社内に複数の CAD が存在し、そのデータ変換 の際に版ズレや色落ちが発生し補正に工数がかかる。 ¾ 外部メーカーの業界特性により、2D CAD での業務依頼が必須のため、3D モデ ルを2D 図面に変換するため工数が発生する。 ¾ 手作業での補正となるため見落としやミスにより1機種導入毎に3~10 のトラ ブルが発生し、その対応に製品製作部門の工場で生産管理部門のメンバーを総 動員して改修にあたったこともある。 部品Bの設計 X社 部品Aの設計依頼 外部の委託先 A B A´ Version0.1 Version0.2 A B´ Version0.3 Version0.2 B 部品Aの設計 A´ B 最 新 の 仕 掛 図 面 の 版 数 が不明 更新してはいけ ないB図面が更 新される 部品Bの設計 X社 部品Aの設計依頼 外部の委託先 A B A´ Version0.1 Version0.2 A B´ Version0.3 Version0.2 B 部品Aの設計 A´ B 最 新 の 仕 掛 図 面 の 版 数 が不明 更新してはいけ ないB図面が更 新される

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【設計変更管理の問題イメージ】

これらの問題点に対して、X社が取った主要な対応策は以下の3点です。

„ 製品製作工場の最新設備情報、図面を最新状態に保ち・容易に検索可能なシステム の構築

¾ 図面や仕様書などの設計情報を共有し関係各所での入力・更新が可能で、且つ 版数管理が可能なPLM(product lifecycle management)ツールを導入した。 ¾ 加えて、製品製作工場での設備の変更情報をグローバルに取りまとめる担当者 企画・構想 (3D) 企画・構想 (3D) X社 金型設計 (2D) 金型設計 (2D) 検査 検査 金型製造 (2D) 金型製造 (2D) 外メーカーへの 2D図面出力 3Dモデル作成と並行し て2D図面への落とし込 みを行うため工数が掛 かる 機構設計 (3D) 機構設計 (3D) 金型メーカー 異なる機種の3D CA D同士でデータ変換を 行うため版ズレ⇒補正 が発生 組み立て検証 (3D) 組み立て検証 (3D) 企画・構想 (3D) 企画・構想 (3D) X社 金型設計 (2D) 金型設計 (2D) 検査 検査 金型製造 (2D) 金型製造 (2D) 外メーカーへの 2D図面出力 3Dモデル作成と並行し て2D図面への落とし込 みを行うため工数が掛 かる 機構設計 (3D) 機構設計 (3D) 金型メーカー 異なる機種の3D CA D同士でデータ変換を 行うため版ズレ⇒補正 が発生 組み立て検証 (3D) 組み立て検証 (3D) Ⅰ製品製作工場の最新設備情報、図面を最 新状態に保ち・容易に検索可能なシステ ムの構築 Ⅲ 属人的業務からの脱却ルール確立と仕組 みつくり 図面情報の変換(2D⇒3D、3D⇒3D)に多 大な労力を必要としている 製品製作工場からの情報収集に多大な労力、情報 が不足して不具合が発生する 現場設備等の最新情報の入手に手間がかかり、流 用が阻害されている 個人ベースの版数管理による手戻りや誤った 図面更新 課題 Ⅱ 流用できるかどうかの即時判断方法の確 立 業務・プロセスの問題 Ⅰ製品製作工場の最新設備情報、図面を最 新状態に保ち・容易に検索可能なシステ ムの構築 Ⅲ 属人的業務からの脱却ルール確立と仕組 みつくり 図面情報の変換(2D⇒3D、3D⇒3D)に多 大な労力を必要としている 製品製作工場からの情報収集に多大な労力、情報 が不足して不具合が発生する 現場設備等の最新情報の入手に手間がかかり、流 用が阻害されている 個人ベースの版数管理による手戻りや誤った 図面更新 課題 Ⅱ 流用できるかどうかの即時判断方法の確 立 業務・プロセスの問題

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を任命し、設計に必要な生産ライン情報などを一元的に管理できる仕組みを作 り上げた。 ¾ また、情報の検索性を向上させるため、最終製品の品番、工場・ライン、工事 番号、設備名、設計日付、設置日付などの検索用インデックスを設定した。 ¾ 図面情報の変換については、当該ツールのジェネレーター機能を活用すること により自動変換の適用範囲が大幅に拡大した。 „ 流用できるかどうかの即時判断方法の確立 ¾ 上記の取り組み(設計に必要な情報が最新かされたことと、検索インデックス の整備)に加え、現状の生産ラインの状況を分析して製造装置の標準仕様を設 定し、今後発せする設備の更新のタイミングで標準化を実施していく方針を定 めた。 ¾ 現段階では、ほぼ同一機能であっても前後工程で使用している設備の関係上、 複数パターンの標準が存在しうるが、最終的には1 機能 1 標準とし汎用性を高 めていく。 „ 属人的業務からの脱却ルール確立と仕組みつくり ¾ これまで匠のみが知っていた(あるいは勘を働かせて見つけ出していた?)設 計に必要な情報を網羅的に収集・保管し、また、匠が流用可能性のある情報を 見つけ出してきた切り口をインデックスに設定することにより、匠のノウハウ の共有が進んだ。 ¾ また、設計情報の一元管理についての役割責任を明確にし、その管理ルールの マニュアル化を図った。 今回ご紹介させていただいたX社の取り組みは、現在進行中でまだ完全な定量的成果は明 確になっていません。しかしながら、これまで情報収集やその維持管理にかかっていた工 数は明らかに削減され、その空いた工数(情報収集のみで推定 2,400 人日)で今まで十分 に実現できていなかったフロントローディングや DE の充実に努め、より大きなコストダウ ン効果を目指しています。 次回は「IT コストの削減」と題して、IT の導入から運用保守に渡る全般のコストダウン手 法について事例を交えてご紹介させていただきます。 CDI ソリューションズ 取締役 小川 克己 (おがわ かつみ)

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