4.報 告 2010-June No.9 39 滋賀大学 産業共同研究センター 教授* 山﨑 一眞 〈 研究の背景と目的 〉 平成 19 年の「国宝・彦根城築城 400 年祭経済効果」、平成 20 年度の「彦根市観光の経済効果」に引き続き、本年 度も彦根市観光の経済効果を科学的に計測するものである。 本年度の彦根市観光の特徴は「井伊直弼と開国 150 年祭」というロングイベントが行われたことである。 〈 研究の内容と方法 〉 〈1〉 観光客の消費行動を把握するために、3 回に亘ってアンケート調査を実施した。実施日は、通常の休日 [10/17(土)]、イベント日[11/3(祝)]、平日[11/19(木)]で、1759 票の有効回答があった。調査地点は、いろ は松駐車場、京橋口駐車場、表門橋、大手門橋、四番町スクエアの 5 か所とした。 〈2〉 駅前観光案内所、駅前レンタサイクル店、花しょうぶ通り、七曲がり仏壇街で留置き調査を、10/1(木)から 11/30(月)の 2 か月に亘って実施した。 〈3〉 観光消費額がもたらす経済波及効果を計測するために、宿泊・飲食・交通・土産品などを扱う事業所を対象に、 原価構成・域内調達率などに関する実態調査を実施した。 〈4〉 一連の研究指導は、産業共同研究センターの山崎一眞教授と経済学部の得田雅章准教授の二人が担当し た。また、彦根市企画振興部企画課の統計担当者も研究に参加した。 〈5〉 観光客の消費行動に関するアンケート調査には、滋賀大学の学生が調査員として参加した。観光客に学生 がアンケート依頼をするなどを通して、新鮮で刺激に富む機会となった。 〈 成果の概要 〉 ① 観光客数は、210 万人であり、そのうち、宿泊者は 17 万人、日帰り客は 193 万人と推計される。 ② 観光客の消費行動アンケート調査によると、1 人当たりの観光消費金額は、宿泊客で 20.6 千円、日帰り客で 3.7 千円であるため、観光客の消費総額は 108 億円と推計される。 ③ 108 億円の観光消費額がもたらす経済波及効果総額は 211 億円と推計される。これは、観光関連産業の原 価構成や域内調達率などを勘案したうえでの、産業連関による経済波及によっている。 ④ 経済波及効果総額 211 億円は、彦根市の第三次産業総生産の 8.9%に相当する。また、生み出される雇用効 果は、常雇用者数換算で年間 1,200 人と推計され、これは彦根市労働力人口の 3.4%に相当する。 * '10. 4 月~ 滋賀大学 地域連携センター 特任教授
4.報 告 2010-June No.9 40 【 波及効果イメージ 】 単位百万円 市内に残る観光消費計 6,830 割合 平均金額 割合 平均金額 割合 平均金額 割合 平均金額 割合 平均金額 割合 平均金額 割合 平均金額 割合 平均金額 交通費 18% ¥3,786 27% ¥1,004 19% ¥5,636 38% ¥1,947 13% ¥2,917 23% ¥1,168 21% ¥7,234 34% ¥3,525 宿泊費 40% ¥8,141 0% ¥0 41% ¥12,059 0% ¥0 43% ¥9,961 0% ¥0 37% ¥12,774 0% ¥0 飲食費 18% ¥3,682 29% ¥1,069 17% ¥5,109 35% ¥1,807 19% ¥4,364 25% ¥1,277 25% ¥8,508 37% ¥3,876 お土産購入費 18% ¥3,756 29% ¥1,083 17% ¥5,102 38% ¥1,953 20% ¥4,592 28% ¥1,437 13% ¥4,486 21% ¥2,181 内ひこにゃんグッズ 17% ¥654 32% ¥346 22% ¥1,111 23% ¥442 47% ¥2,160 35% ¥504 その他 6% ¥1,212 16% ¥586 6% ¥1,648 18% ¥953 6% ¥1,475 25% ¥1,302 4% ¥1,225 9% ¥928 合計 宿泊客 日帰り客 ¥29,554 ¥6,660 H21年調査(本調査) (参考) ¥10,510