• 検索結果がありません。

中山間雨よけハウスでのコマツナ周年無農薬栽培における虫害軽減対策

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "中山間雨よけハウスでのコマツナ周年無農薬栽培における虫害軽減対策"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

週一定量の無農薬栽培コマツナを契約出荷している農家 の雨よけハウスを対象として,防除対象害虫の洗い出 し,防草用シートによる発生源対策,塩化ビニールパイ プを利用したトラップによる物理的防除,天敵バンカー 法による生物的防除を試みた事例を紹介する。 I 問題の把握:中山間農業地域の無農薬 コマツナ生産圃場での害虫 1 圃場周辺環境で発生する害虫 対象地域で発生する害虫をモニターするために,プラ ンターにコマツナを植え,これを露地圃場 4 箇所に定期 的に設置・回収して,害虫の種類と数を調査した。その 結果,モンシロチョウ,コナガ,ヨトウガ等のチョウ目 (27%)や,ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi (KALTENBACH))を主とするアブラムシ類(25%),キス ジノミハムシ(Phyllotreta striolata(FABRICIUS)),ダイコ ンサルハムシ(Phaedon brassicae BALY)等のコウチュウ 目(21%),ハモグリバエ類やカブラハバチ類などが多 く見られた(図― 1;長坂ら,2003)。 2 コマツナ圃場での害虫の発生 美山町内 2 箇所のコマツナ生産圃場(K 圃場:6 棟, 1.0 ∼ 2.2 a,M 圃場:4 棟,各 2.5 a)では,無農薬栽培 を 5 年以上継続し,2001 年度に有機 JAS 認証を取得し た。これら計 10 棟の雨よけハウスでは,虫害軽減策と して,1 mm 目合いの防虫ネットを用いたハウス側面開 口部被覆(K 圃場),あるいは長繊維不織布によるべた がけ(K,M 両圃場)を実施していた。調査は,コマツ ナ 1 作につき 3 回程度,各畝 60 ∼ 100 株について,害 虫の種類と数,コマツナの本葉数,食害を受けた本葉数 を記録した。 この雨よけハウスのコマツナでは,前述の露地プラン ターで多かったチョウ目害虫やハモグリバエ類,カブラ ハバチ類等の密度は,被覆資材の利用によって低く抑え られていた(図― 1)。しかし,アブラムシ類は防ぐこと ができず,特にニセダイコンアブラムシが多かった。コ ウチュウ目ではキスジノミハムシやダイコンサルハムシ は じ め に 生産現場で具体的に総合的害虫管理技術(an IPM program)を組み立てるためには,対象とする作物・作 型で生産の安定と経営の向上が計れるよう,複数の防除 手段を合理的に統合することを検討していく必要があ る。その際,害虫は当然複数種を対象とすることにな り,加えて,病害防除,雑草防除との整合性も求められ る。さらには,栽培技術上の制約や経営的な制約も加わ ることとなる。 農薬の使用に制限のある条件での栽培(例えば,有機 農産物,特別栽培農産物等)についても,総合的病害虫 管理(IPM)の概念(深谷・桐谷,1973;中筋,1997) に基づいて害虫防除を考えていくことが肝要である。た だし,農薬使用に制限があるので,慣行栽培で農薬によ り抑えられていた潜在害虫が顕在化すると考えられる。 したがって,もともと存在する害虫がどの要因によって 抑えられているのか確認する必要があるだろう。 近畿中国四国農業研究センター野菜部(現 綾部研究 拠点)では,京都府北桑田郡美山町(現 南丹市美山町) を現地実証試験地として,地域先導技術総合研究「中山 間水田における害虫総合防除等による高品位野菜生産シ ステムの確立」(農研機構交付金プロジェクト,2001 ∼ 05 年度)に取り組んだ。本課題では,様々な分野の研 究者が協力して,減化学農薬,減化学肥料による野菜生 産における問題点の把握と,それを解決するための技術 を検討した。そして,小規模な生産者を組織化して町独 自の認証制度を立ち上げ,それをもって消費者団体と結 びつけ,販路を確保した(萩森ら,2005;尾島ら,2006)。 本稿では,上記取り組みの中から,小規模な経営で毎

An IPM Program for the Production of Cruciferous Green Vegetables throughout the Year with No Insecticide at Green Houses in a Hilly Area of Japan. By Koukichi NAGASAKA, Junichiro ABE, Kazushi OJIMAand Kazuo TANAKA

(キーワード:コマツナ,無農薬栽培,ニセダイコンアブラムシ, キスジノミハムシ,ダイコンサルハムシ,ヤサイゾウムシ,防除)

中山間雨よけハウスでの

コマツナ周年無農薬栽培における虫害軽減対策

なが

さか

こう

きち 中央農業総合研究センター

べ じゅん

いちろう

・尾

じま

かず

し 近畿中国四国農業研究センター

なか

かず

お 九州沖縄農業研究センター 特集:総合的病害虫管理技術の取り組み

(2)

時期が多く,被害葉率はコウチュウ目 3 種の密度と有意 な相関関係にあった。 以上のように,5 年以上無農薬栽培を続けたこの事例 では,一年中害虫の被害に悩まされ,生産が著しく不安 定な状態になった。特に,アブラナ科葉菜類の慣行栽培 では主要な防除対象とされてこなかったヤサイゾウムシ やダイコンサルハムシ,ニセダイコンアブラムシによる が多く発生し,ヤサイゾウムシ(Listroderes costirostris SCHOENHERR)も多く見られた。 これら主要な害虫の発生消長を見ると,アブラムシ類 は春と秋に多く発生し,ピーク時には 10%を超えるコ マツナ株でアブラムシ類の寄生が見られた(図― 2)。コ ウチュウ目は,キスジノミハムシが夏を中心に春から秋 まで,ダイコンサルハムシが秋に,ヤサイゾウムシが冬 に発生し,年間を通して害虫の発生は途切れることはな かった(図― 3)。食害のある本葉の割合は 50%を超える 株 当 た り 密 度 0.2 0.18 0.16 0.14 0.12 0.1 0.08 0.06 0.04 0.02 0 log(N + 1) キ ス ジ ノ ミ ハ ム シ ダ イ コ ン サ ル ハ ム シ ヤ サ イ ゾ ウ ム シ コ ウ チ ュ ウ 目 そ の 他 ニ セ ダ イ コ ン ア ブ ラ ム シ モ モ ア カ ア ブ ラ ム シ ダ イ コ ン ア ブ ラ ム シ ア ブ ラ ム シ 類 ︵ 未 同 定 ︶ ナ ガ メ カ メ ム シ 目 そ の 他 ハ モ グ リ バ エ 類 カ ブ ラ ハ バ チ 類 モ ン シ ロ チ ョ ウ 類 コ ナ ガ ヨ ト ウ ム シ 類 ウ ワ バ 類 チ ョ ウ 目 そ の 他 バ ッ タ 目 ア ザ ミ ウ マ 類 ・ ハ ダ ニ 類 0.495 プランター 現地ハウス 図 −1 露地プランターとハウス内でのコマツナの害虫相(2001 年度) 美山町内 4 箇所の露地に設置したプランター植えコマツナの害虫(無防除状態,冬期は除く) と,無農薬周年栽培圃場(防虫ネットによる側窓被覆あるいは長繊維不織布のべたがけ)に おける各種害虫の株当たり密度の年平均値. ア ブ ラ ム シ 付 着 株 率 ︵ % ︶ 20 15 10 5 0 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 株 当 た り 密 度 2001 年 2002 年 log(N + 1) ニセダイコンアブラムシ モモアカアブラムシ ダイコンアブラムシ 図 −2 コマツナ圃場におけるアブラムシ類の発生消長と 付着株率の推移 美山町内 2 圃場(10 棟のハウス)における月平均値. 被 害 葉 率 ︵ % ︶ 株 当 た り 密 度 100 80 60 40 20 0 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 0.3 0.2 0.1 0 2001 年 2002 年 log(N + 1) キスジノミハムシ ダイコンサルハムシ ヤサイゾウムシ 図 −3 コマツナ圃場でのコウチュウ目 3 種の発生消長と 被害葉率の推移 美山町内 2 圃場(10 棟のハウス)における調査での 月平均値.

(3)

の密度は減少しなかった(図― 4)。冬期に発生するヤサイ ゾウムシにとって,雪に覆われたハウス外の雑草は発生源 ではなく,むしろハウス内に居着いていた可能性がある。 III 物理的防除:ヤサイゾウムシ捕獲用 トラップの検討 ヤサイゾウムシに対して,簡易な捕殺用トラップを考 案し,成虫除去(③圃場内での増殖阻止)による被害軽 減効果を検討した。 1 ヤサイゾウムシ捕獲用トラップの構造 トラップとして溝幅が 15 mm 程度になるように,直 径 50 mm 程度の塩化ビニールパイプを縦方向に削った ものを用いた。トラップの溝を地表面に出して,パイプ を埋めることで,中に落ちた成虫が反りのある壁面によ り脱出が困難となる(図― 5)。継ぎ足しや,折れ曲がり の形状も市販のジョイントで容易に作成できる。また, トラップ両端はキャップ(水抜き用の小さな穴をあけて おく)で塞いでおく。コマツナ播種直後に設置し,収穫時 にはトラップの上を運搬車が支障なく通ることができる。 以降,このトラップを「C 字溝トラップ(仮称)」と呼ぶ。 2 C字溝トラップ設置の効果 M 圃場の隣接する 4 棟のハウスのうち 2 棟のハウス (M3,M4)で,2004 年 11 月から,C 字溝トラップ (長さ 3 m)を,栽培畝方向と直角に 7 m 間隔で 4 本設 被害が目立った。 II 発生源対策:防草用シートによる害虫 発生源の除去 圃場で害虫密度を抑制するためには,害虫の生活史を 理解し,害虫を増加させない方策を講じる必要がある。 例えば,①害虫の発生源を断ち切ること,②圃場への侵 入を阻止すること,③圃場内での増殖を抑制すること, ④収穫後の害虫の移動を阻止すること等があげられる。 これらのうち,今回調査した圃場では②の圃場への侵入 阻止策として,被覆資材がある程度機能していた。ま た,③,④についても,ハウス内に植物がない状態が一 時的にでもできるように播種スケジュールの改善を行っ た。問題としているコウチュウ目 3 種(キスジノミハム シ,ダイコンサルハムシ,ヤサイゾウムシ)の移動は跳 躍あるいは歩行によっており,行動範囲は比較的狭いと 考えられる。そこで,生産者が管理可能なハウス周囲の 発生源(①)に着目し,対策を検討した。 1 ハウス周辺のアブラナ科雑草における害虫の発生 状況 ハウス周辺で一年中見られるアブラナ科の雑草とし て,イヌガラシ(Rorippa indica(L.)HIERN.)があり, 対象圃場でも数百株程度確認された。このイヌガラシ上 の害虫を調査したところ,キスジノミハムシ,ダイコン サルハムシ,ニセダイコンアブラムシを含む,コマツナ と共通の害虫が 13 種以上観察された(長坂,2009)。特 に,キスジノミハムシはハウス内でコマツナが収穫され てしまうとイヌガラシに待避していることがあった。ま た,ダイコンサルハムシにとっては雑草地が休眠場所と なっている可能性があった。 2 コマツナ圃場における防草用シートによる虫害軽 減効果 ハウス周囲の害虫発生源をなくすために,M 圃場に おいて 2002 年 9 月に 4 棟のハウス(各 7.2 × 35 m)の 周囲約 1.5 m とハウス棟間(約 3 m)に防草用シートを 敷設した。その後,ハウス内の害虫密度と被害葉率の年 次変化を見たところ,キスジノミハムシとダイコンサル ハ ム シ は , 防 草 用 シ ー ト 敷 設 後 に 密 度 が 低 下 し , 2003 年  と 04 年の 2 年間は低く推移した(図― 4;長坂, 2009)。これら 2 種のハウス外での密度をプランター植 えのコマツナでモニターしたところ,2002 年と 03 年は 少発生であったが,04 年は 01 年並みに多かった。した がって,防草用シートにより両種の圃場内密度が低下し, 被害葉率も低下したと考えられる(図― 4;長坂,2009)。 しかし,防草用シートの敷設によって,ヤサイゾウムシ 2 0 0 1 年 度 と の 比 ︵ % ︶ 100 80 60 40 20 0 防草用シート敷設 2001 2002 2003 2004 被害葉率 ダイコンサルハムシ キスジノミハムシ ヤサイゾウムシ 年 図 −4 主要害虫の株当たり密度と被害葉率の年次変化 M 圃場ハウス 4 棟の株当たり密度,および被害葉率 の年平均(4 月∼翌年 3 月)について,2001 年度の 値を 100 とした各年度の値.

(4)

る。その方法の一つが,ナス科野菜の促成栽培で利用さ れている天敵バンカー法である(長坂・大矢,2003)。 害虫ではない天敵の鎭をハウス内に用意しておき(バン カー=天敵銀行),害虫の発生前からこのバンカー上で 天敵を維持し,害虫侵入直後の低密度状態で害虫を防除 するシステムである。 1 アブラナ科野菜のアブラムシ対策としての天敵バ ンカー法 ナス科野菜の栽培圃場では,バンカー法としてコレマ ンアブラバチが用いられるが,この天敵はニセダイコン アブラムシに寄生しないため,アブラナ科野菜のアブラ ムシ類の防除に使うことはできない。そこで,この地域 のアブラバチ類を調査したところ,アブラナ科野菜に発 生する 3 種のアブラムシ(ニセダイコンアブラムシ,ダ イコンアブラムシ,モモアカアブラムシ)のすべてに寄 生 す る ダ イ コ ン ア ブ ラ バ チ ( Diaeretiella rapae (M’INTOSH)(高田,1976)が普通に存在していた(巽ら,) 2004;長坂,未発表データ)。本種の代替鎭としては, ムギ類やトウモロコシ類などに寄生するトウモロコシア ブラムシ(Rhopalosiphum maidis(FITCH))が利用可能 である(高田,私信)。ただし,ハウス内にトウモロコ シアブラムシのついたオオムギを置き,ダイコンアブラ バチを放飼しただけでは,バンカー上にダイコンアブラ バチはほとんど定着しない(巽ら,2004)。そこで,ト ウモロコシアブラムシを着生させたオオムギのプランタ ーに網掛け(約 0.15 mm 目合)をして,ダイコンアブ 置した。ハウス内には二つの畝があり,トラップをそれ ぞれの畝の播種直後に設置した。なお,2003 年冬のヤ サイゾウムシの発生量は 4 棟のハウスでほぼ同等であ り,04 年冬には増加傾向にあった。 11 月から翌年 3 月までの間に,M3 ハウスでは 18 頭, M4 ハウスでは 93 頭のヤサイゾウムシ成虫がトラップ に捕獲された。成虫が数百の卵を産むことを考えると, 数千から数万の幼虫を防除したことに匹敵する。 作ごとのヤサイゾウムシの最高密度を比較すると,ト ラップなしのハウスでは平均 0.4 頭/株であったのに対 し,トラップを設置したハウスでは 0.2 頭/株と,約半 分となった。被害軽減効果は生産者にも一目瞭然であっ た(図― 5)。 IV 生物的防除:天敵バンカー法による アブラムシ対策 アブラムシ類は微小であるため,1 mm 目合いの防虫 ネットや長繊維不織布で被覆してもハウス内に容易に侵 入を許してしまう。また,増殖が早いため,いったんハ ウス内に侵入すると急激に増加し,生産者が気づいたと きには既に手遅れになっている場合が多い。特に,コマ ツナなど葉菜類ではアブラムシ類が付着したまま出荷す ると大きな問題を起こすので,出荷調整段階で除去でき ないほど多く付着している場合には,廃棄するしかない。 こうした問題を解決するためには,圃場へ侵入した直 後に防除すること(③圃場内での増殖抑制)が必要であ 塩化ビニールパイプ(直径 50 mm) ジョイントで継ぎ足し 端にはキャップ トラップ設置ハウス 対照ハウス 図 −5 ヤサイゾウムシ捕獲用トラップの形状と被害軽減効果

(5)

除 の 結 果 を ま と め る と , 食 害 の あ る 本 葉 の 割 合 は , 2001 年  と 02 年の年平均約 60%から,防草用シート敷設 後の 03 年と 04 年には約 40%へと低下した(長坂・安 部,2005)。健全葉の割合の変化(40%→ 60%)から, 防草用シート敷設により収穫量は 1.5 倍程度に増加した と推定される。また,アブラムシ付着株の減少効果も加 わり,実際にコマツナの 1 作・10 a 当たりの平均収穫量 は 2001 年の 447 kg から 04 年の 784 kg へと 1.75 倍に増 加した(尾島ら,2007)。また,労働時間の面では除草 や捕殺の作業が 40%節減された。食害葉やアブラムシ 付着株の減少により収穫調整作業も軽減された。そのた め,生産面積の拡大が可能となり,経営全体で見ると各 種技術の経費を盛り込んでも農業所得は 2.3 倍となった (尾島ら,2007)。 お わ り に この事例では,多少の虫食いは許される程度の出荷と いう条件で,農薬を使用しない害虫管理方法の可能性を 示した。より厳しいレベルの品質を求められる条件で は,例えば,ネット目合いの変更といった技術的な改善 の余地が残されている(長坂ら,2003)。 IPM の概念には,自然制御の機構をできるだけ効率 よく利用するという考えが打ち出されている(深谷・桐 谷,1973;中筋,1997;宮井,2008)。しかし,今回示 した事例では,ネット被覆など物理的防除を行わなけれ ばチョウ目害虫などにより収穫が見込めない。また,コ マツナは商品部分が直接加害されるため,害虫が発生し てから天敵がやってくるのでは,経済的に許容できない 被害が生じてしまう。こうした状況においては,物理的 防除を強化する一方,圃場内においては天敵を涵養する 方法を取り入れていくことも,一つの方向と考えられる。 引 用 文 献 1)深谷昌次・桐谷圭二編(1973): 総合防除,講談社,東京,415 pp. 2)萩森 学ら(2005): 平成 17 年度共通基盤研究成果情報, http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2005/kinki/ki05005. html 3)宮井俊一(2008): 今月の農業 特別増大号 : 18 ∼ 22. 4)中筋房夫(1997): 総合的害虫管理学,養賢堂,東京,273 pp. 5)長坂幸吉・大矢愼吾(2003): 植物防疫 57 : 505 ∼ 509. 6)――――ら(2003): 同上 57 : 169 ∼ 173. 7)――――・安部順一朗(2005): 野菜園芸技術 32 : 20 ∼ 21. 8)――――(2009): 農業総覧防除・資材編追録 14 : 1016 の 2 ∼ 7. 9)尾島一史ら(2006): 農業経営通信 229 : 18 ∼ 21. 10)――――ら(2007): 有機農業研究年報 7 : 171 ∼ 184. 11)高田 肇(1976): 昆虫 44 : 234 ∼ 253. 12)巽えり子ら(2004): 京都府立大学学術報告 人間環境学・農 学 55 : 87 ∼ 100. ラバチを放飼したところ,マミーが形成され,成虫も羽 化してきた。こうしたマミーつきのプランター(バンカ ー)を播種直後にハウス内に持ち込むことで,ハウス内 にあらかじめ天敵が存在する状態をつくった(長坂・安 部,2005)。 2 実証試験圃場での天敵バンカー法によるアブラム シ防除 M 圃場の 2 棟のハウス(M3,M4)において 2003 年 と 04 年に上記バンカー法を試みた。3 ∼ 6 月と 9 ∼ 12 月  にハウス内に 1 a 当たり 1 ∼ 2 個の割合でバンカー を設置した。これらのバンカーからは 2 ∼ 3 週間にわた って合計 500 ∼ 1,000 頭のダイコンアブラバチ成虫が放 飼されたと推定された。 天敵バンカー法を実施したハウスでは,アブラムシ類 の付着した株の割合が年平均で 0.6%程度と,当初に比 べ低下した(図― 6)。さらに,隣のハウス(M2)でも 付着株率は 1%以下となった。これらのハウスでは,ア ブラムシ類が発生したとしても,ほとんどの場合株当た り 10 匹以下であったため,生産者が収穫時に見つける ことはなかった。一方,バンカー法を実施せず,バンカ ー法実施ハウスと隣接していないハウス(M1)では, 付着株率は 4%程度のままで,減少しなかった。 なお,天敵ダイコンアブラバチと代替寄主トウモロコ シアブラムシは市販されておらず,その簡易な利用法に ついて,さらなる検討を続けているところである。 V 害虫防除対策の経営改善効果 前章までに述べた発生源対策,物理的防除,生物的防 ア ブ ラ ム シ 類 付 着 株 の 割 合 ︵ % ︶ 40 35 30 25 20 15 10 5 0 2001 2002 2003 2004 M3,M4ハウスでバンカー法実施 K 圃場平均 M1 ハウス M2 ハウス M3 ハウス M4 ハウス 年 図 −6 アブラムシ類付着株率の年次変化 K 圃場全体,あるいは M 圃場の各ハウスで,アブラ ムシ類が 1 匹でも付着している株(生育途上)の割 合の年平均値.

参照

関連したドキュメント

つの表が報告されているが︑その表題を示すと次のとおりである︒ 森秀雄 ︵北海道大学 ・当時︶によって発表されている ︒そこでは ︑五

例えば「駿河台ビル」では、2002 年(平成 14 年)の農薬取締法の改正を契機に植栽の管 理方針を見直して、総合的病害虫管理(Integrated Pest

2012 年度時点では、我が国は年間約 13.6 億トンの天然資源を消費しているが、その

2012 年度時点では、我が国は年間約 13.6 億トンの天然資源を消費しているが、その

そこで、そもそも損害賠償請求の根本の規定である金融商品取引法 21 条の 2 第 1

(コンセッション方式)の PFI/PPP での取り組 みを促している。農業分野では既に農業集落排水 施設(埼玉県加須市)に PFI 手法が採り入れら