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Effect of nematode Trichinella infection on glucose tolerance and status of macrophage in obese mice

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Academic year: 2021

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Title

Effect of nematode Trichinella infection on glucose tolerance and

 status of macrophage in obese mice( 内容と審査の要旨

(Summary) )

Author(s)

岡田, 英之

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学) 甲第930号

Issue Date

2013-10-16

Type

博士論文

Version

none

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/47865

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 審 査 委 員 岡 田 英 之 (岐阜県) 博 士(医学) 甲第 930 号 平成 25 年 10 月 16 日 学位規則第4条第1項該当

Effect of nematode Trichinella infection on glucose tolerance and status of macrophage in obese mice

(主査)教授 犬 塚 貴 (副査)教授 中 島 茂 教授 塩 入 俊 樹 論 文 内 容 の 要 旨 近年, 耐糖能やインスリン感受性悪化の一因として, 慢性細菌感染症による炎症が注目されている。 脂肪組織における慢性の弱い炎症は, 炎症惹起性の M1 マクロファージが, 抗炎症性の M2 マクロフ ァージに比較して増加することにより引き起こされ, それがインスリン抵抗性の主要因となってい る。歯周炎などの慢性細菌性炎症は耐糖能を悪化させるが, 同じ慢性感染症である寄生虫感染の耐 糖能への影響は知られていない。寄生虫は宿主からの攻撃を抑制するために, 免疫抑制物質や抗炎 症性物質を分泌する。そこで本研究では, 寄生虫の耐糖能への影響を明らかにするために, 肥満マ ウスと非肥満マウスにTrichinella spiralisを感染させ, 耐糖能や脂肪組織でのマクロファージ機 能に与える影響について検討を行った。 【対象と方法】

C57/BL(通常食と高脂肪食負荷)マウスと ob/ob マウスに, Trichinella spiralisを経口的に 400 匹感染させた。これは長期的な体重減少がみられない匹数である。感染後 1 週間で腸炎による体重 減少が生じ, その後徐々に回復するため, 体重が回復した感染 4 週間後のマウスを使用した。

Trichinella 感染群と非感染群に分け, 血糖値, 体重, 脂肪重量, インスリン値, 腹腔内糖負荷試 験, 腹腔内インスリン負荷試験, 脂肪組織での組織学的検査, 腹腔内遊離マクロファージ, 脂肪組 織, およびその stromal vascular fraction (SVF) での mRNA 発現について比較検討した。 【結果】 通常食 C57/BL マウス, ob/ob マウスは, 空腹時血糖が各非感染群 156±9 mg/dl, 257±32 mg/dl か ら感染群 121±6 mg/dl, 175±22 mg/dl へ, それぞれ有意に低下した。一方インスリン値, 体重, 脂 肪重量に変化はなかった。腹腔内糖負荷試験では, 高脂肪食負荷の C57/BL マウスは非感染群に比較 して感染群で耐糖能が有意に改善した。この効果は 12 週間後にも認められた。インスリン負荷試験 においても, 感染群は非感染群に比較してインスリン感受性が改善した。総じて, Trichinella 感 染により, 体重を変化させることなく耐糖能とインスリン感受性が改善することが判明した。また Trichinella感染群では, 傍精巣脂肪組織において, M1 マクロファージマーカーである CD11c 陽性 細胞の減少と, M2 マクロファージマーカーである CD206 陽性細胞の増加を認めた。また, 脂肪組織 の炎症を示すとされる crown like structure の1視野当たりの出現頻度は, 非感染群で 2.6±0.6 から, 感染群で 0.7±0.2 と減少していた。また感染群は脂肪組織において M2 マクロファージマー カーの CD206, arginase1, IL-10 の mRNA が, それぞれ 205±15 %, 225±14 %, 186±16 %増加し, 一 方, 総マクロファージ数を表す CD68, M1 マクロファージマーカーの CD11c, NOS2, IL-6 の mRNA は, それぞれ 52±3 %, 45±3 %, 51±4 %, 38±2 %減少した。腹腔内マクロファージ, 脂肪組織 SVF で も同様の結果で, これにより, Trichinella感染により M1 マクロファージから M2 マクロファージ

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へのシフトが生じ, 脂肪組織での全マクロファージ数が減少することが判明した。PPARγやアディ ポネクチン, MCP-1, レプチンといった脂肪細胞特異的遺伝子の発現レベルに影響はなかった。 【考察】 種々の肥満動物や肥満症例の脂肪組織において, 多数のマクロファージの浸潤が認められるという ことが報告されている。その浸潤マクロファージのほとんどが TNFαや IL-6 といった炎症性サイト カインを発現する M1 マクロファージである一方, M2 マクロファージによる IL-10 などの抗炎症性 サイトカインの産生減少が, 生活習慣病の病態形成に中心的な役割を果たしていると考えられてい る。今回の研究では, 寄生虫が宿主からの攻撃を抑制するために, 免疫抑制物質や抗炎症性物質を 分泌することに着目した。このような免疫抑制物質や抗炎症性物質を産生する寄生虫を, 高脂肪食 で栄養した肥満マウスに感染させることにより, 脂肪組織での炎症を抑制し, インスリン抵抗性を 改善させることができるのではないかと仮定した。研究の結果, 体重, 脂肪重量を変化させること なく血糖値が低下し, 一方インスリン負荷試験により感受性の改善が認められたこと, 腹腔内耐糖 能試験で耐糖能の改善が認められたことにより, 寄生虫感染によりインスリン感受性を改善させ, その結果耐糖能を改善することが判明した。そのメカニズムとして, 寄生虫の分泌する抗炎症物質 により, M1 マクロファージの発現の低下と, M2 マクロファージの増加が考えられた。これまでの研 究で, 寄生虫の分泌物を使用し,培養マクロファージにおける IL-6 の mRNA レベルの減少と, IL-10 の mRNA レベルの増加を確認している。しかしながら, 寄生虫の分泌するいかなる物質が抗炎症作用 を発揮し, 今回の研究の結果をもたらしたのかは不明である。今後それを同定することで, 将来の 2 型糖尿病に代表される生活習慣病や, 他の炎症性疾患に対する新しい治療法につながると考えて いる。 【結論】 Trichinella 感染症は, マクロファージの M2/M1 遺伝子発現比率を増加させることにより, 肥満マ ウスにおける脂肪組織の炎症を改善し, その結果耐糖能を改善すると考えられた。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 申請者 岡田英之 は, C57/BL(通常食と高脂肪食負荷)マウスと遺伝的肥満マウス(ob/ob) にTrichinella spiralisを経口感染させることにより, 脂肪組織をはじめ全身のマクロファージ分 画が, M1 マクロファージから M2 マクロファージへシフトすることを, 免疫組織学的検討および炎 症関連サイトカインの mRNA の動態変化によって示し,さらに肥満における耐糖能が改善することを 見出した。これまでの報告と併せ,Trichinella spiralisから分泌される何らかの物質が作用して いることを示唆した。このことは, 内分泌・糖尿病学の進歩に少なからず貢献するものと認める。 [主論文公表誌]

Hideyuki Okada, Takahide Ikeda, Kazuo Kajita, Ichiro Mori, Takayuki Hanamoto, Kei Fujioka, Masahiro Yamauchi, Taro Usui, Noriko Takahashi, Yoshihiko Kitada, Koichiro Taguchi, Yoshihiro Uno, Hiroyuki Morita, Zhiliang Wu, Isao Nagano, Yuzo Takahashi, Takuya Kudo, Kazuki Furuya, Takahiro Yamada, Tatsuo Ishizuka : Effect of nematode

Trichinella infection on glucose tolerance and status of macrophage in obese mice Endocrine Journal 60,1241-9(2013)

参照

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