Title
緑膿菌産生バイオフィルムに対するEDTAの抑制効果( 内容
の要旨(Summary) )
Author(s)
長井, 昭彦
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学)乙 第1045号
Issue Date
1996-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/15217
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氏名 (本籍) 学位の 種類 学位授I与番号 学位授与E_けj一 字位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 / ・′ 長 井 昭 彦(岐阜県) 博 士(医学) 乙第1045 号 平成 8 年 3 月 25 日 学位規則第4条第2項該当 緑膿菌産生バイオフィルムに対するEDTAの抑制効果 (主査)教授 岡 伸 光 (副査)教授 江 崎 孝 行 教授 渡 辺 邦 友 論 文 内 容 の 要 旨 縁膿菌をはじめとする多くの細菌は,「し_Lの発育にイこ利な環境卜におかれた場/た,【`lJを′巨/けるため保=本ム 面にゲライコカリックスと呼ばれる多樹木をト成う〉としたバイオフィルムを形成する。このバイオフィルムを形 成した菌は除菌に対して砥杭作で,炎症k応は弱いか再発件かある。すなわち抗菌葉が刷人順に対して卜分な感 受性をホすにもかかわらず除菌はれないため,臨昧的に難治件となり多くのfJり胤1、しを抱えている。そこでバイオ フィルム廿体を除去できればバイオフィルム形成菌の除菌が叶能となることが推測される。また,紺凰和こ無効 と言われているマクロライド系薬軋 特に1損環マクロライド系薬剤がこのバイオフィルム形成細凰釦こ対して 百効という報告があるが,これについてはマクロライド系抗菌剤かエラスター欄ゼインヒビターーとして作川するの ではないかと推測している。そこで,我々は同じエラスターゼインヒビターニでもあるii二r)′rノ1もイj 効ではないかと 考え,よ花Uか0において形成された緑膿菌ノヾイオフィルムについて,クラリスロマイシン(しA\′Ⅰ),レポフロキ サンン(1.VFX′)の2種畑の抗菌剤とjlf)「11Aの頼り`.し紺料を明らかにするため,走鉦じJ頒徴鏡卜において糾察し た。 実験方法 1.実験自(Jバイオフ了ルムの作成 試験管内に牛理食塩水雇人れ この申に滅菌したり.22/川lぴ〕メンブランフィルターを仁\1c‖、の人きさに淵 軽し,ナイロン糸を留吊,、王鮎院細御臭甘圭でJ.、号超した非ムコイト里緑膿菌(臨妹分離抹)を10fノmiになるよ うに加えた。これを370cにf来ら二川後,5=後.7=後のメンブランフィルタ・十川菌の所㍑を′上付呂/朝徴鏡 的に観察した。 2.実験的バイオフィルムに対するCÅ且′1・LVFX・El)7「Aの旨じ鸞 先の力法にて作成した′丹摘的バイオフィノLムがイ、用二したメンブランフィ′レターを5=後に収り出し軽く′=雄食 塩水【f-】に浸した後,CAM(1LLg′/ml・10〃を;//ml),いrFX(1〃㌢′ノ//nll・1り/1g・/′///ml),tl二[)TA(10〃g//ml・ 100〟g/ml),および〔二AMlO〃g′//ノⅠ-1iとE二f_ )「Il封0〃g/mlの濃F_法に混入された.試験11二i勺にそれぞれメンブランフィ ルターを留苫した。これらのメンブランフィルターーは3=胤 5=後にユー■■くり出し∴山′・跡榔紬‖質料として霊.-「は した。 3.走査電子鋸徴鏡による観察 ヒ記のん法で作成されたペイオフ仁・レムが形成されたメンづ、ランプィルターを定性じア朝徴鏡観察川の前処理 として,2%ダルクールアルナヒドで国定した後,0.1\ノ1I)BS(Ⅰ )‖7.∠i)で乱乱 その後オスミウム椴で90分間 再固定しエタノール(50%∼100%)で脱水後乾燥した。さらにイオン蒸イー`i・装吊を川いてプラチナ・パラジウム で蒸着後,走査電r朋!微鏡にて観察した。 4.イオンクロマトグラフィーによる/=肋甘配水中のCa‥の測定 卜実験に使用した′卜理食規水小のCと1‥の〃在を碓認するた裾こイオンクロマトグラフィーにより定量した。 果 1.実験的バイオフィルムの上・こ欄l 非ムコイド里緑膿菌もムコイト里緑膿菌H伎にバイオフィルムを彬成し,その形態は3=後には個々の ■lコerUgわosαがけいに緑維扶の情造物で繋がり,5=後にはf〕.rエビ′t堀m)S(7の某落は,緑維扶の構造物のほかにさ 171
らに厚い月割大の構造物が観察された。7日後になると線維状の構造物は姿を消し,面白体が厚い飴扶の構造物で 覆われているのが観察された。 2.緑膿蘭バイオフィルムの構造に及ぼすCAM・l.VFX・EDTAの影響 CAMl〃g/ml,3しj問・5=問インキュベーションではバイオフィルムの量的な差は認めるもののコント ロールとほとんど差を認めなかった。CAMlOpg/ml,3=閃・5川lりインキュベーションではバイオフィル ムの減少または消失を見た。この事からCAMにバイオフィルム抑制効果があることが示唆された。LVFXIpg /ml・10〃g/mlを3口問および5t- -Ⅰ問インキュベーションさせるといずれもバイオフィルムの減少は認めない もののわずかに菌体の傷害像がみられた。LVFXが緑膿菌に対して十分甘感受性があるにもかかわらずバイオフィ ルム形成緑膿菌に対しては無効であることが示唆された。EDTAlO〃g/ml・100FLg/mlを3し川;jインキュベー ションさせるとバイオフィルムの消失がみられ,同様に5「_1問インキュベーションさせるとバイオフィルムの消 失および菌体の傷害が認められた。この事からEDTAにもバイオフィルム抑制効果があることが示唆された。C AMlOpg/mlとEDTAlO〃g/mlの併川では3H問・5=問インキュベーション共にバイオフィルムの消失を み,5u問インキュベーションでは菌体の傷害懐かより多く認められた。この事から,CAMとEDTAの併[f=こ より相乗効果があることがホ唆された。以上の車より,CAMおよびEI〕「1「Aには走薫電-r髄徴鏡下において緑膿 菌バイオフィルム抑制効果があることが明らかになった。 考 察 緑膿菌バイオフィルムの構成成分はアルギン酸であることが知られているが,14艮瑞マクロライドにはこのア ルギン酸量を減少させる効果がありバイオフィルム形成阻直と酎妾な関係があると思われる。一一んで,緑膿蘭の 病厘因子の1つであるエラスターゼに対して,CAM等の14主i環マクロライドが抑制的に働くとi_ミ う報告もあり, ェラスターゼインヒビターとしてのマクロライド系薬剤の〃川性が期待されている。エラスターゼは硬蛋白質で あるエラスチンを分媚する蛋【∠1分解酵素の1種で,金属キレート射で帖壬持れる。我々が本尖験でEDTAを選ん だのは,14日環マクロライドにエラスターゼインヒビターとしての作川があるならばEDTAにもいj様の作川があ るのではないかと考えたからである。事′夫,本尖験で上二1)rl「AlO〃g//miおよび100〃g/□1Ⅰを3川礼 5=聞イン キュベーションするといずれも濃度の差にかかわらずバイオフィルムが汗jリこしている(〕i二1〕rllノ\がエラスターゼイ ンヒビターとして働くことは矢l】られているが何故バイオフィルムを形成しないのであろうか。緑膿菌菌体外毒素 であるエラスターゼがアルギン酸ハ成に何等かの形で作川しているとは考えにくい。本尖験で川いた生理食塩水 には徴竜ではあるがカルシウムイオンが混入していることがイオンクロマトグラフィーにより印リjした。したがっ て,/=甘食塩水巾で出来たメンブランフィルタートのバイオフィルム,すなわちアルギン懐がCa'●と結合しア ルギン慨カルシウムとなりEDTAのキレート作川によりバイオフィルムが形成されなかったのではないかと推測 される。しかしながら,バイオフィルムの形成に際し必ずCa‥の〃在が必要かホ明な∴l、しらあるため,今後さら に.…羊純な検.けが必要と想われる。 論文審査の結果の要旨 小占-一緒▲k川昭彦は,緑膿菌席/トバイオフィルムの抑制効果をⅠ_]D「1「Aを川いて揖「鋸微鏡「11」に検.;、fした結果, Ⅰ一二Ⅰ)「1「Aがバイオフィルムの確/トを抑制すること,さらにCANlと仰‡けることにより苦しノく抑制効果が増人する ことを明らかにした。この成果は難洲/f:感射1i÷の治填に新たな如上1を加え,感架症の化`、アニ療法′、デ:に寄1-するもの と.認める。 [し論文公ム誌] 緑膿菌丑/トバイオフィルムに女、けるEL)■「I「Aの抑制効果 \1ノ・成8隼1日発行 岐【ii▲人医紅ユ44(1):193∼200 172