U.D.C.d21.039.51
原子炉燃料からの気体状核分裂生成物放出量の測定
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東京原子力産業研究所の日立教育訓練用原子炉に常圧貫流形のガスループを設置し,昭和40年,原子炉燃 料の照射実験に着手した。発電用原子炉における燃料の使用状態に実験条件をあわせ,電気加熱の補助手段を 用いて燃料温度を上げ,燃焼中のUOヱ燃料からの気体状核分裂生成物の放出現象を究明している。実験開始 以来,高温照射を目標に逐次ループを改造し,UO2燃料を装てんする照射要素の改良を続けてきた。この間, 燃料温度1,200℃以下でUO2燃料中の格子欠陥の消滅が核分裂生成物の放出に重要な役割を果たすことを指 摘し,結晶成長が進行する2,000℃の高温時の気体状核分裂生成物放出に関する新い、知見を得た。1.緒
R 核分裂性物質を含む原子炉燃料は燃焼の進行に伴い多種多様の核 分裂生成物を生み出し,その多くは放射性核種である。沸騰水形原子 力発電所では各種の安全防護施設を備え放射性廃棄物処理装置を設 けており,核分裂生成物の外部放出を完全に防止している。これら 施設および装置の枚能向上の基礎資料となり,また原子炉燃料(現 在多くはUO2燃料を実用)の被覆管強度に保証を与えるものの一つ に,原子炉燃料における核分裂生成物の挙動に関する実験的研究が ある。 この研究を遂行する手段がインパイル・ループである。燃料試料 を装てんした照射要素を原子炉内にそう入して,核分裂の進行およ び温度を調節制御し,これらの関数として燃料性能を評価し核分裂 生成物の挙動を解明することができる。ループ配管内をガスが循環 あるいは貫流している場合は,ガスループと呼ぶ。この報文はこう したインパイル・ガスループの実験に関するもので,実験技術の進 展について述べ,その間に得られた気体状核分裂生成物(核分裂生 成ガスと略称する)の放出に関する知見を概括している。 2.インパイル・ガスループ 昭和38年帆 核分裂生成ガス放出量測定を目的とした特殊設計 冷却水加空欄路「りウム流路空気涜路管保鮒空納鵬貰
ぃタ \ 冷却水流路 \ ■ \\ \\ j表・@l
戎 \ 】 ア、 \二ヽ\蔽終、′
やせも≠.・. 暮、 千言† l l ⊂⊃ N \泣こさ  ̄ ̄ヾ だ/ノ 1=)N(♪∝),→1寸--- --一ニー -5 江′二1_ワー ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄_ ̄iぷ言
空気復路 ■尊 さゝ=_ :羊 轟 ∠J -Dr斬 40-▼1 1,040 リードターミナル 頒‥◎1′丘Jン tF.しサ一∴ の小形ガスループの予備設計を開始し,昭和40年秋から東京原子 力産業研究所の日立教育訓練用原子炉(HitachiTrainingReactor, HTRと略称)で実験に着手した。このHTRは熱出力100kWのス イミング・プール形式の原子炉で,透明な水で炉心放射線を遮蔽 (しゃへい)しており原子炉炉頂からループの燃料試料を装てんした 照射要素をそう入することができる。照射要素を原子炉炉心にそう 入したときにほ,燃料試料表面で1×1012n/cm2sの熱中性子束が得 られる。なお,反応度事故現象の究明のためHTRにほ原子炉出力 を急激に上昇させる枚器が併設されていて(1)(2〉,昭和43年夏には 1・2%』k/kの反応度を投入したパルス運転を行なった。現在まだ パルス運転炉心にガスループをそう入していないが,原子炉事故を 仮想した条件下で核分裂生成ガス放出量を測定し,燃料破損検出あ るいは破損現象の究明に資することが可能である。従来,二種類の 照射要素(A形とB形)を実験に使用してきた。図1はA形照射要素 を,また図2はB形照射要素のHTR炉心へのそう入状況を示した ものである。 インパイルリレープは基本的に次の構成をもっている。 + 母 くJ D' 痢団 B-B一断面図 (単位はmm) d 8' 図1 インパイル・ガスループ用A形照射要素 * 日立製作所中央研究所王禅寺支所理学博士 ** 日立製作所中央研究所王禅寺支所 ー1-図2 ガスループ用B形照射要素の 原子炉炉心へのそう入状況198 1打て和44年3 上-J 立 評
論
第51巻 第3号 (a)担体ガス(燃料.試料から放出さ′れる核分裂生成ガスを炉外 装置に搬出する)を′し-プ内に送入し,純化する機器 (b)燃糀訪〔料を巷!主てんL炉心にそう入される照射要素 (c)担体ガス中にはいった核分裂生成ガスの放射能を計測する 棟器 (d)放射能を除去あるいは城東させてのち,担体ガスを安全面 で管理Lつつ排出する機器 このうち1照射要素について,A形照射要素(3-,B形照射要素(4),な らびに照射前試験をすべて終j′したC形照射要素の構成と機能を一 括して表lに記入し,ガス′L-- の進妓を明らかにしたこつ B形 照射要素班什川手のガス′L-ブ系統略図を図3に,HTRへの配置模 式図を図4に示す二.担体ガス中にはいった核分裂生成ガス放射能の 計測には工とLてrlう子拳法の400チャンネ′し波高分析器付きのガンマ 表1 各種のガスノL-ブ用照射要素の構成と機能 要素の ̄主二村即 弄主人燃料婆与てん_旨l二 燃料一、こしット寸言+二 A形照射要素 2SAl B形照射要素【 C牙ラ照射要素 SUS-27 SUS127 100g 1 100g 10mm∼1×10mmL 12mm¢(0.D.1 ×4mm≠・■て.D.1 ×10mm L 100g 8mm¢×8mmL毒気加紫一方式1
′芯†式加奈子=措造 位■l一石燃料温度 摂梓川勺温度こう配 倖 辛熊 ■;小 心 加 熱 ステンンス湘う ̄′七卜鞍抑 ̄トLにダンケスl ′+の外帆二二こ′?ロ∴テン持ヒータを配繹警ヒ ̄■買をまき/つこ`レi左右孟‡こ.こ低駅電
傍 執 燃料を対向L′たタン グステン振田に装着 し,タングステン板 i・二低電圧電流を流す 800℃ 1 2,400℃ 2,000℃ ′_、 しlあ り 木与 体 ガ スlヘ リ ウ ∴l ′ン ゴ ソ 放射能減衰容ち1二lた 糾本ウ′ス楠慕た7iミt; 抑性そ しiあ り な ゴ 】/ ア あ l 頃卜t∼りこⅠ白i 照射要素 r京イ・心jれL、 UO2壊料 /ウシ輔て′\hl ーレク 17Jいl【 悦トニこ1iフール 囲3 B形見鯛寸要素使用時のカ■スルーープ系統略図 ント筒 スキンレ1鋼製ウイセ,ン 熱絶練物 紫郎寸〔3本:・郎洞窟祇 UO2姫潮 ヒ ̄タ 線スペクトロメークを用い,担体ガス流路の一部を厚さ100mmの 鉛遮蔽でかこみ検出部(NaIシソチレ一夕)をここにそう入して継続 的に測定する方法とガス捕集びんに採取しで実験室で測定する方法 の両者で,核分裂生成ガスの放出状況を調べている。照射要素の担 体ガス出口の近くに,負電圧を印加したステンレス鋼の棒(通称, ド一夕・トラップ(5-)を配置して,数秒程度の半減期で減衰する核 分裂+三成ガスの放出量を低蒸気圧で長寿命の娘核種への放射性填変 を待ちこれの棒上への付着量を計測して,貸出できるようにした.。 実験に使用して放射能を帯びた照射要素ほ東京原子力産業研究所内 の原子炉炉室に接しているホットセルに搬入Lて解体し,照射実験 終了後の照射要素ならびに燃料試料の状況を観測することができ る。また,関連測定機器として,マス・スペクトロメータ,ベータ 線スペグトロメータ,Ⅹ線てイクロアナライザ,ガスクロマトグラ フなど.各種の計測器を備えている⊃3.人形照射要素左使用した実験
A形照射要素ほ表1でその構成と機能を概括したとおり,燃料温 度800℃までの照射実験用己・こ設計された。+図5ほその主要部分を示 すものて,燃料試料(R立製のUO2ペレット,理論密度比は94タ左, 0/U比は2.00,焼結粒径は数ミクロン)をステンレス鋼のカプセル に収納し,カプセル外壁に巻いたニクロム線ヒータに通電して加熱 する構造であった(3)。 燃料温度150℃で連日断続的に5時間だけ1×1012n/cm巳sの熱 中性子如で照射したとき,担体ガスとともにループ配管中を流れた 核分裂生成ガスの放出量の時間的変化を示したのが図dである(3)。 150℃の燃料温度では核分裂生成物放出に成立する放出機構は分裂 核の反跳が関与するものである(6)(7ノ.。その一つは反跳した分裂核の とび出しであり(8),他の一つほこれによって生じた熱スパイク(9〉で 誘起される二次的な核分裂生成物の放出である。二次放出式を設定 ロ ノーク シ㌧/√t7、排=けンプ t7柑一能モニター カプセル土措管 (.担体ケて復路背 空1ミ ←水 172rnm-し司5 A形阜曝射要素主要部の断面閃 _ ワ 】 †烏=■・・わi水Ⅰ巾 ∠)三挽
q ∂ 苧‡射能絨妄吉′デ主謀 膚 ①③④耳⑥ {リ ム∵ .rサ トト 7てf那各号 ヤ■■ニマ稚てべ? ー‡守 一々弔′†--r'■ l_ズⅠ4 B形照射要素とその仁 ̄r鶴部品の 原子炉】勺配置模式図瞑子炉燃料か
らの気体状核分裂生成物放出量の測定
199 u≡一「ニー三二1丁 .∵二二二三 【 〔ト†丁【上ぎぎ二、試ノ「こ三■、一丁叩/
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図6 分裂核反跳のl苅与する放出が支配的な温度領域における 気体状核分裂七城物の放出量曲線 しく=主),短半減期核種のもつ放射能の重畳,長半減期の先行核種の放 射能壊変,さらにガスループで担体ガスが放射能計測部に到達する までの過渡応答などの補正を加えながら,実験条件を二種類の核分 裂乍三成放出式に代入Lて比較検討L・た.。この結果,図dに示Lた核 分裂生成ガスの放出現象を解釈するためにほ上記の両放出機構がと もに成立しているとすべきことが確認され,次の場合に二次放出が 顕一風こなることを放出式の表示から推測した.。 (a)単位時間あたりの核分裂量が大きい場合,UO2燃料に対し ては濃縮度が高く熱中性子女が大きい場合 (b)幾何学的表面積に対する微細な凹凸まで考慮に人月tた全表 面積の比率が大きい場合,すなわち燃料密度が低く閉孔に 対して閃孔が大きな割合で存在する場合 (c)燃料をとりまく気体層の厚さが薄い場合,したがって,ペ レット燃料よりはむLろ振動充てん燃料あるいほスエージ 燃料を使用する場合 (d)短半榔明で減衰するものよりも長身命の核分裂牛成物の放 出に着目する場合 ただし、発電用原子炉燃料は1,000℃をはるかに越える高温で使 用され,分裂核の反跳が関与する放出校構は核分裂生成物放出量が ′トさい点で尖際上電要ではない。たとえば,上記(a)の場合には 核分裂による燃料の口己発熱が人になって燃料温度を高め,後述の 燃料温度に依存する核分裂生域物の放出か支配的になり,分裂核の 反銚が関与する放出機構を検討する意義がうすれるっ なおこの実験 解析で決定した,UO2燃料太血をi7通してとび出す分裂核1個あた りのU原子の放出数は5×104であった(3〕。この放臼_ミ数は公表され ている照射後測定値(り)(10)とだいたい一致することを見いだした。 図7ぱ正気毛加熱で急速に燃料温度を上舛させたときの核分裂生成 ガス放出量変化の実験例である。核分裂生成ガスのバースト放出 (′図7)を観測できたけれども,単結晶のUOヱ燃料の照射実験例(T) から予測したバースト放汁はりも小さく,燃料温度をさらにi島めて UO2燃料(焼結)からの核分裂生成ガス放f-H量の測定を行なうべき ことと,燃椰見直に依存する核分裂生成物の放出枚構のうち欠陥ト ラップ説rll)を中心とした理論解析の必要を認識した。な二㌻ゴ,前記の 分裂核の反跳に基づく二次放J_⊥_1は次に述べる欠陥トラップ説で解釈 することができる。4,気体状核分裂生成物放出の実験解析
従来,核分裂生成ガス放出量がUOヱ燃料の温度とともに指数関 数的に増大する観測事実れ 等価球拡散モデル(12)を適用した拡散 さ00 士・4()0 至 0 O i5 3() -15 ニ十三り:「7】;t¶叶・ 図7 24時間の照射継続性,急撤にUO2一㌍岬梢い江を 高めたときの気体核分裂生収物故i+_l並の時間的変化 (ザ∽∈ヱ爪子㍑二二望 、り二二≡一三・ニ三芸L¥雲り千丁試や望害葺J 0 】n 0 2 05 5 2 ℃ か⊥ =■L 爪り ■佃 nU .. qU VH ≠∵ nU O 0,8 ().9 1,000 71..CKl 601) 射いトーとJ'▲火 3.6xlO!3∩′ぐm2s 3.2二り013rl/tmZs 3.1)こ1〔)Ⅰ3n 七m2s 2.0汁1013n′ノ←m2s 】..1ヽ1()13n′′′七m2s 1.1 1.2 ・・/這常的牧丘打七輪1 図8 分裂核の反跳がと対与する紋付i王ミニを蓋リlいて 決定さj・tた,気体状核分裂f仁収物しり放州境と 燃料温度との関係 理論式で解析されてきた。UO巳燃料Cり†糾寸後測〉上によ一-1て得られた 核分裂生成ガスの拡散己・こ対する活性化エネ′Lギ〉の伯ほ,1注い一致 をホすことなく20′、120lくCal/mol(B-ノー旧Jに散在Lていたここjtほ等 価球拡散モデノしに_おける等価球半繕のナノざポの困任さや閉孔を測広で きずその寄与を明確にし待なかったことこ鵜づき,さらに拡散係数 を等価球半径の二乗-・さ割った値が核分一変粘の関数(111でもある敵維 さに原田する。アメリカのオークリッジ[臥二子二研溌巾のDr.Carrollは この紋日_i現象の解明に努め,■疑似柑引成し7)インパイル・ガス′L-プ(13)■ を用い,1,200℃以下の燃糊乱立て心1度依存性をもつ核分掌㌢_l三成ガス の放出量な測嬉した.。このガスノい-プは燃料払い空あるいは主汁位帖l川 あたりの核分裂品を独立Lて正弦似ノミに変化させる挺詩語を術え,こ れにより核分裂生成ガスの定1削勺肘iは間瓢lγル州ミの両者を特出の 燃料武村に対して容易に観測できた(取2i省のひとりも射換に参 加り1)。以下,拡散理論式に欠陥トラリソ湖を碍入LたDr.Perezの 核分裂生成ガスの定常放川式(15、に立脚Lて行なった,上粥甜-のUO2 燃料に対する実験解析の結果(16)について.言上述するニ Dr・Perezの定常放出式は.有〔来の拡散理論式から予期される核 分裂生成ガスの放出量に†1十伊(ス十∂) ̄11 ̄長の旅数を乗ずべきこと を指摘したものであった。ここiこ,打ほUO。小で核分雲、拙攻ガスが トラップされる jは核分裂†卜岐ガスの填変止数,ゐは核分裂 射文ガスが上記のトラップから脱出する確率であり,この二種の確 率は核散係数とともに温度依存性を有するとLた√延滞的肘1-1の火 験結果(図8)(7)の数値解析によって,上記の両確率ならびに拡散係 数に含まれているテ六性化エネルギーの値を決定し、樫論的考察を加 ー 3-200 昭和44年3月 日 立 評
論
第51巻 第3号 (∈告岩-エ繕二壷∈「→Jぐ二叩≡′罠ご耳 G(認L竺蜜ぜ部課人こ¶芸皇媒 ハhリ ーa 5.2 4.8 4.4 4.0 3.6 3.2㌔
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ヽ 「ぢ 4 6 8 10 12 14 16 18 時 間 仰 (周期的放出実験) 図9 単位時間あたりの核分裂量を一定に保ち, 燃料温度を正弦波状に変化させたときの気体状 核分裂生成物の放出量曲線 (∈nUM≡×) ドニ壷らこ七√二】芳一蒜ご廿 蒜?L里空軍丁諜や空当室)) 誌仙人忘T「三七ぺE+買三.罫 5 -q つJ 3 2 1▲ つJ 3 3.0 0 亡J ハリ 5 4 4 (∽N∈て∈巾一〇マ) 潔++亨廿薮岬十冒一当‥】 トー605T605へ
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20r195+州.25
、/ヽ/ヽ
\ ノ \ / \/ 600 教科i■誌慢8400c 20/へ\
しノ
\ \ ノ \ノ 12 16 20 24 28 32 36 40 44 婚「指】しh:・ (周期的放出実験) 図10 燃料温度を一定に保ち,単位時間あたりの 核分裂量を正弦波状に変化させたときの気体状 核分裂生成物の放出量曲線 えて下記の物理的現象にそれぞれ対応することを指摘した。 (a)焼鈍効果によるUO2燃料中の空格子点消滅の活性化エネ ルギーの値は20kcal/mol (b)焼鈍効果によって核分裂生成物をトラップした格子欠陥が 消滅するときの活性化エネ′レギーの値は40kcal/mol (c)トラップから脱出した核分裂生成物がUO2燃料内を拡散 移動するときの活性化エネルギーの値ほ30kcal/mol さらに,定常放出式を摂動論的手法によって周期的放出を解析し 得る式に発展させ,定常的放出実験の解析で見いだした活性化エネ ルギーの値を代入して,燃料温度を正弦波状に変化させたときの核 分裂生成ガス放出曲線の位相の進み(図9)(14)と単位時間あたりの 核分裂量を正弦波状に変化させたときの核分裂生成ガス放出曲線の 中間極大値の出現(図10)(14)を説明した。核分裂生成ガスの定常的 放出実験で見いだされ,周期的放出実験で裏付けられた前記の活性 化エネルギーの値から,単結晶のUO2燃料に対し照射後測定で観 測されるべき核分裂生成ガス放出の活性化エネルギーの値は約70 kcal/molであることが判明した。焼結したUO2燃料では本来的に 結晶粒界や空孔などの深いトラップが内在し,また高度の燃焼をし たUO之燃料では転移網ならびに気泡の形成が進行して深いトラッ プができ,核分裂生成ガス放出の活性エネルギーの値はトラップか らの脱出が困難になるに従い増大すると推測される。 加熱電流主導1E触・、Cul 燃料保持筒(Ta: 熱絶縁戸部ThOヱ・ ヒータ掛1l'1l
l l l l l 安生■一にり 叶綺・:SUS) 熱絶絶唱ペし UO2′準料 、A 盲\ ・D ⊂⊃熱E対⑧
輿石吋・舎
しノノしノ
粒体カナ1トー40mm・♪→
国11 B形照射要素主要部の断面図 2,500 2,000 i 単1・500 1,000 500 mE:=≡コ Il■ UOっ E≡:E::コ Th()2'1'a ト(TbO2) ロ Eコ:=コ Cu Sし'S Hリ0 0 こ〉 10 15 2:l 要素内半径方IFりの臣巨離(mm) 図12 B形照射要素内温度分布5.8形照射要素を使用した実験
B形照射要素ほ表1でその構成と機能を概括したとおり,燃料温 度2,400℃までの照射実験用に設計されている。図11にその主要 部分の断面を示す。燃料試料(日立製のUO2ペレット,理論密度比 は95%,0/U比は2.00,使用前の焼結粒径は数ミクロン)には中心 軸部分が中空のものを使用し,ここにタングステン棒ヒータを通し て低電圧電流で加熱する。加熱時の要素内温度分布を図12に,加熱 によるUO2燃料の結晶成長の状況を図13に示す。ヒータに近い側 の燃料内部には柱状晶の成長が観察された(4)。 図14に示したガンマ線エネルギー・スペクトルは,ループ配管中 を流れる担体ガスにはいった核分裂生成ガスの放出量の温度依存性 を明確にするものであり,この場合,特定の光電ピークを形成する計 数値の総和がその核分裂生成ガスの放出量に比例するよう実験条件 を選定してある。図15では核分裂生成ガス放出量を照射実験時間 の関数として整理し,破線で示した放射能壊変だけを考慮して算出 した核分裂生成ガスの存在量変化曲線と対応させた。図15によっ て,UO2燃料に対し結晶成長が進行する温度頃域における核分裂生 成ガスの放出現象を考察する際には,燃料内での放射能壊変ととも に放出による存在量の減少をも考慮すべきことを明確にした。 ー4
-原子炉燃料か
らの気体状核分裂生成物放出量の測定
201 (増Ⅱ軸世)梱至芸G〔一ぐ礁匡曽望卑 小哺桂悼アニ搬輩G(霊+里奈増山叫諸人小ぜ実車拐 0 0 0 0 5 2 燦札■法!空1,760寸C 松山㌫二 / //存 鮮少Hヒ 2 3 4 〇 時 間(h) トー 照射-、+ (加 熱 前) (加 熱 後) 図13 中心加熱後のUO2燃料における 結晶成長の進行状況 0 0 (増皿鰯碧空撃芯苦守山彗b書留廿鞘七空軍善小5¶端吋′七せ思 102し 0一
等・-〕-∽㌘T芸 -∈の∽Lヒ ⅦM†む× ∈∽MTむ米 ∽∞1Lヒー
(一寸Ld+ 1,250ウC ∞仙Th】-一・I ト的・L】 --芸L】 1-叫MJTむ×1
独苧
C O (LU 9 1,830】C 1.7600C 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 ガンマ線エネルギー(MeVJ 注:国中に用いた記号○●は放出量算出の基礎とした ガンマ線エネルギー・スペクトルにおける光電ピ ークの別を示す。 図15 UO2燃料の結晶成長が進行する温度領域における 気体状核分裂生成物の放出量曲線 5ロ rし ハU 5 2 ∩∠ l (増正伸±)蛸三党Gへ∼J嶋 宣告望卑G蜜鸞丁試な蟹害せ}t、 J坪きミ判盲ふ1性l,760】c / X一× _′×一一× Kll-88(a〉 Kr-88(b.ト Kr-87 1 ワ 5 10 20 50 柑FiJ(h) 注:国中,Kr-88に対して(a)と(b)ほ放出量算出の基礎とした ガンマ線エネルギー・スペクトルにおける光電ピークの別を 示し,ガンマ線放射率,その他の補正を加えていない。 図16 気体状核分裂生成物放出量と加熱継続時間の関係 図14Ⅰ王形照射要素使用時のループ配管中を流れる 担体ガス(アルゴン)ならびに気体状核分裂生成物 のガンマ線エネルギー・スペクトル 図Idは核分裂生成ガス放出量と加熱継続時問を関係づけるもの である。一方,実験室において得た結晶成長状況(図17にその実験 例として,燃料温度に対して結晶成長の観測結果を図示する。)に基 づく知見があったので,図1占の核分裂生成ガスの放出量がUO2燃 料の結晶粒粗大化とともに増大し,粒径の2分の1乗に比例した放 出量を示すことを見いだした。なお,図けには海外で得られた UO2燃料を均一温度を保ちつつ加熱したときの結晶成長データ(17) も記入されており,UO2燃料内に温度こう配がある本報の中心加熱 実験時にほ結晶成長が著しく促進されることも明らかになった。 B形照射要素を使用した核分裂生成ガス放出実験は現在なお進行 中である。表1で記述したC形照射要素も昭和43年秋から照射実 験に用い,UO2燃料内の温度こう配の有無を明確に区列して,結晶 成長が進行する温度領域における核分裂生成ガスの放出現象を究明 してゆく。d.結
ロ この報文の内容を要約すると次のとおりである。 (1)東京原子力産業研究所の日立教育訓練用原子炉に設置した-5
-nUO (Nヱ㌔?Nq当字L∴ごソ≡夏毛怒G√q望遠若一手〔∵ミq出立謀足 燃料温度(8C) 2,100 2.000 1.900 1.8()O l.7nO 5柑2弓】 日 ▼1 11/ 【J り.ん+-㌧
㌧♪ ナ\=パ 川崎J7t…ぎ集
いA卜H、1
1ごけ阜 ィi.2 4.6 5.0 1 テ ̄モ面×104 国17 実験室で観測したUO之燃料における 結晶成長と燃料温度との関係202 昭和44年3月 日 立
詳
論
第51巻 第3号 常圧貫流形ガスループは,B形照射要素と呼称する中心加 熱方式の燃料試料装てん部を用いて,UO2燃料の結晶成長 力;進行する2,000℃の燃料温度で照射実験を実施して いる。 (2)A形照射要素を用い,カプセル内に収納した燃料試料から の分裂核の反跳に茄づく気体状核分裂生成物の放出量を測 定Lた。被覆管装てん燃料の場合には分裂核の反跳による 直接的な放出よりも,反跳路に沿っで局所的な高温部分が できるため,燃料内に静止していた核分裂生成物が放出さ れるとする二次的な放出が女配的になることを述べ,その ための要凶を指摘した一、 (3二)7メリカのオークリッジ国立研究所のループ実験(報告者 のひとりが参加ノで得られた気体状核分裂生成物の放出デ ー_タを解析した。.UO2燃料の結晶成長がみられない1,200℃ 以下の燃料温度でほ,燃料中の格子欠陥の消滅が気休状核 分裂生成物の放出に重要であることを指摘し,欠陥トラッ プ説を導入した拡散理論式における三種の活性化エネルギ ーの値を決定したこ. (4) B形照射要素を用い,中心加熱方式でUO2燃料を結晶成長 二三′二進行する温度韻域まで昇温し,気体状核分裂生成物の放 王≠量を測定した。この実験から,温度こう配のあるUO2燃 料における結晶成長ならびに結晶成長進行中の気体状核分 裂生成物の放出に関する知見を得た。 終わりに臨ム,本報の実験に先だらループ実験ならびに気体状核 分裂生成物の放出に関して御指導を受けたDr.R.M.Carro11(Oak Ridge Nat'1Lab.)と,本報の実験と解析の両面でご指導いただいた 矢島聖便数授(東北大学)に,深甚の謝意を表する。ループ実験全般 にわたって日本原子力研究所燃料工学部の上田隆三部長,武谷活眼 Vol.51 次長のご指導を受け,東方ミ原子力産業研究所の浜田秀則社長,西掘博 所長のご支援をいただいた。ループの設置と一部の実験は昭和39 年度の原子力平和利用研究補助金によって行なわれ,科学技術庁原 子力局のご指導のもとに遂行した.。ここに厚くお礼申し上げる。ま た,昭和38年の計画着手以来,口立製作所中央研究所の神原一豊三所 長,島史朗支所長(現在,動力炉核燃料開発事業団)の研究指導を受 けたことを付記する。 (4) (5) 678 9101112(13)
(14) (15) (16) (17) 日 立 目 持論 文 ・日 立 に お こう ̄る 遮 断 器 〔㌻ 収 り三 鋲 ・巨+ 折 格 子 の 巷廷 作 。最 新 の 火 力 計 算 株 制 御 技 術 ・日 動 復 旧 装 置 ・滋 近 の デ ス ケ ー リ ン ブ 設 備 ・移行式窒素 プ ラ ズてジ ェット 切断装置の特性 ・新 形 汎 用 モ ー ト /L-∬Nシリ ー ズー ・LP8000リ ニアプロ プラ ミ ソ グシ ステムの開発稲作術置備竺
.り 抜 設のズ 置一 収製御装ク装り 人[ + ′ 析シ 器の静 ン釧N新陳旧∵∬
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