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電力用半導体整流器の異常電圧保護

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電力用半導体整流器の異常電圧保護

Protection of Semiconductor Power Recti丘ers Against AbnormalVoltage

夫*

彦*

Kazuo Morita Shigehiko Tsuzuki

力用筆導体整流器ほ多くの長所をもっているが,その反面,過 流,過 圧耐竜が比較的小さいという欠 点があり,使用する場合にほ,これらの特性を十分考慮する必要がある。特に整流器用変圧器一次側から侵入 する雷サージによる異常電圧にたいしてほ,従来の避雷器だけでは協調のむずかしい場合が多く, 装置が必要である。本文でほ現在,日立製作所で半導体整流器保 とセレン避雷署削こついて述べている。

1.緒

言 電力用半導体整流器ほ数年前より実用化され,日立製作所ではす でに昭和33年にゲルマニウム整流器として,14,000kWの大容量ア ルミニウム製鉄用電凍を昭和電コニ株式会社に納入し(1),またシリコ ン整流器は電鉄用(2)などに多数納入して(3〉目下好成績裡に運転を続 けている。これら半導体整流器は 容積が小さいこ と,運転保守が容易であることなどから整流器分野においてほ画期 的なものであるが,反面,熱容量的にほ過負荷耐量が比較的小さく また電圧にたいしては衝撃比が小さい欠点がある。したがって,そ の長所を最高度に発揮するためには上記の条件を考慮して,十分協 調のとれた保護設計を行う必要がある(1)(2)(4)(5)。弟】表ほ現在わが 国で使用されている半 体整流器の特性を示したものであるが,常 時使用電圧と破壊電圧との差ほきわめて小さく,外雷にたいして整 流器変圧器一次側に設けてある避雷器だけでは十分保護できない場 合が多い。耐圧に余裕をもたせるだけならば,エレメントの直列枚 数を増せば良いわけであるが,これはエレメントの正方向電圧降下 を増し,整流器の効率が低くなり,整流経設備も大形になることに よって経済的に不利である。したがって整流器に加わる過電圧をで きるだけ低くおさえることが半導体整流器設備を設計する上で重要 な問題の一つとなっている。これを解決するためには一般電力機器 用避雷器とは異なった特殊の保護装置が必要であって,日立製作所 では半導体整流器はもちろん,整流器用変圧静,その他の回路特性 を総合的に検討してきわめて保護能率の高い保護装置を開発し,す べての半導体整流器設備に適用している。以下その特性について述 べる。

2.変圧器移行電圧と整流器の関係

一般に電力用半導体整流器は弟l図に示すように整流器用変圧器 の低圧巻線に接続され,高圧で受 電流に された電力を,低電圧の直流大 えて負荷に供給している。したがって,送電線に侵入した 雷サージほ高圧巻線より低圧巻線に移行し,整流器に印加される。

ところが半導体整流器は前表のように,その定格電圧に比べて衝撃

圧耐量が,一般電力用機器に比較してはるかに小さい。したがっ て高圧側に一般 力用避雷器が設置してあったとしても,低圧巻線 への侵入サージほ,整流器耐圧をほるかに超過することがある。 第2表はゲルマニウム整流器用変圧器の低圧巻線へのサージ移行 電圧を め,また高圧側に・BIL相当の雷サージ 圧の侵入を考え た場合の整流器耐圧に対する倍数を示したものである。移行値ほ一 相または二相印加時が最もきびしくて,整流器耐圧の3倍強のサー ジが移行する計算となる。 * 日立製作所国分工場 12 殊の避雷 用として採用している,サージアブソーバ 第1表 電力用半導体整流器の電圧例 /:〃片′ .∴●∴∴ ∴:∴、・● 第1図 電力用半導体整流器設備例 弟2図ほ供試整流器の回路,弟3図は移行電圧の波形を示す。策 3図において,低圧巻線への移行 またがる振動波形の 時ほ,弟2図1-4端子間には,その負の部分のみが逆電圧としてか

(2)

器 第2表 変忙器移行電圧実測例 高圧巻線 給 繰 高圧巻線電圧 印加 条件 低圧巻線への移行電圧(端子間) 測定箇所 ノ r%) 〟(侶 歓) .ィ例 〟-ひ /.2√ JJ7 ∴+.- α♂才 β./∂ 〟-〟 /2 d2イ 〟爪 α -Z♪ α♂4 ♂ノβ Z/-∠〟 /2 j〟 α/-〟 /.ノ甘 ∴/∵

..一剛

-【Z′ α♂♂ d2/∫ ∴+∵ ♂♂♂ d2/ざ 比トー〟 戊♂♂ ∴/・

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比 -ひ /イ∠ ふ材 ひ一比† α7/ /♂2 J〟-比 ♂.J7 ′βノ ′二移行値の高圧側傑人波に対する百分率 〝:許容電圧に対する倍数 国中/-7は測定端子を示す 第2図 供託 整 流器 回 かり,4-7間には正の部分が通電圧として印加される。ト7間には それら両者の和が印加されることになり,明らかにサージに対して も整流作用を示している。サージが振動性の場合にほ,一カの整流 エレメントは単極性サージ電圧を聞けつ的に受けることになるが, 低圧巻線への移行電圧は通常第2波では相当減衰するので,最初の 第1波によって整流エレメントは劣化,あるいほ破壊することにな る。したがって,エレメントを保護する目的からは,第一波を十分 低い値まで低減することが必要である。

3.サージ電圧の低減

3.1サージアブソーパ(コンデンサ) 移行電圧低減のためまず考えられるのは,コンデンサであるが, この容量ほ 圧舘サージインピーダンスの値によって異なってく る。第4図ほコンデンサ容量と移行電圧低減率との関係を示したも 13 の

高圧端子 印カロ 低圧端子 移行電圧 整読東予 端子電圧 タイ三ング 原波形 〟一ひ /-♂ ♂-7 /一7 β J汐 /即 ノ睨7 ノ応 端子記舅は架2囲に同じ。 第3図 変肝器移行電圧波形 、∴ 、・ アアン ノ†容量レ′) (/ト移行偵は変圧器一次側印加電圧値に対する 百分率を示す。 r2)「朗プ/峨川棚/才〃〝柏c〟♂レ丸2 ・、 ∴・.J ・-・∴ ●・.・イ 第4図 アブソーバ容量と移行値 213 移行値r別 ヽヽ、 、、、-、 .∵ 、こJl、 ∴∴ のの一例で,(A)(B)とも50/∠F付近までほ低減効果が著しいが, それ以上でほ容量を増加しても効果は少ない。さらに振動 圧,閑 閉時のサージ発生などの点から必要以上に大きな容量にすることは 好ましくないことである。 一般にコンデンサをそう入することによって転流時にコンデンサ 容量と変圧器の漏洩インダクタソスとによる高周波減衰振動が発生 して,基本電圧波形に重畳されるので(6)コンデンサに直列に抵抗を 接続して,振動 圧をおさえエレメントに振動による過電圧が加わ らぬようにしている。 コンデンサは急しゆんで,短い波形のサージに対しては十分有効 であるが,長波屋の場合にほ波頭しゅん度の緩和のみで波高値の低 減効果ほ比較的少ないのであらゆるサージに対して十分とはいえな い。 3.2 非直線抵抗体 整流エレメントの辿特性は,大略g=Cf′うで近似される非直線性を もっている。 定 数 非直線性をあらわす定数 したがって,特性が上記の整流エレメントの非直線性と合致して, しかもこれより下回った非直線抵抗体を保護用にもちいれば,異常 圧は理想的に抑制される。 適当に処理されたセレン整流器の適特性はシリコン,ゲルマニウ ム整流器などの逆特性にほぼ合致させることができるので種々試験 の上,上記の条件を満足するものを選び,現在標準の保 方式とし

(3)

214 -、 -、: ●-第5図 整流器エレメント,セレンアレスタのサージ特性 電流i皮汗; 、 -・ t /β♂パ ● : /∠β月 β7イ月 ●= 、、、-〃.β√月 ・∴・ご ‥・・、・ √∴:・ 〝ノ抑ノ切貯′∫ 第6図 セレソアレスタの衝撃波電圧,電流波形 て採用している。 策5図は整流器エレメントおよびセレン整流器のサージに対する 逆特性の一例を示したものである。図に示すように両曲線は約160V で交さしており,それ以上の電圧ではセレン整流器は急激に過 圧 を低減することがわかる。第d図はこのときのセレン整流器の電 圧,および電流波形を示すもので,逆電圧の小さいときにほセレン 整流韓自体の容量性電流が流れるが,電圧が高くなるにしたがい逆 特性に従う抵抗性の電流が急増して低減効果が著しくなる。これは コソデソサと異なりサージ電圧の波形により低減効果が変化しない ことが特長である。ここで注意しなければならないことは,整流器 エレメントは整流器用変圧器の二次線間に接続されるので,従来の 機器のように対地電圧が問題ではなく,繰間にあらわれる電圧であ り,したがってアレスタも線間に直接そう入されることである。 弟7図ほ整流器用変圧器低圧巻線に非直線抵抗体がそう入された 場合の等価回路,および非直線抵抗体としてセレンアレスタを使用 したときの過電圧低減効果を示すもので Zl:変圧器低圧巻線内部インピーダンス Zg:非直線抵抗体インピーダンス Ep:Zぶ端子電圧 J: 14 第42巻 第2号 レ= 第7「当】アレスタによる低減効果 〟aむ斤C 衝撃亭圧発生装置 低圧巻線サージインピーク、ンス セレンアレスタ等伯り1ジインピーク・ンス 放電抵抗 アフソーハ、 第8図 実 回 路 等価 み 加 電 圧rレノ 第9[蛋】変圧器低圧巻線内部インピー∵ダソスと アレスタによる低減率の関係 とすれば,且pをZlによる Ep=E-JZl 一方,乙の非直線性から Ep=C∫β 圧降下であらわし (1)および(2)式であらわされる直線と曲線の交点0が非直線抵 抗の端子 圧,すなわち低減された 圧を表わすことになる。 以上のことから変圧器低圧巻線に移行されたサージ電圧の低減に は変圧器巻線の内部インピーダンスが関係してくるが,セレン整流 器のすぐれた非直線性が必要である。 第8図はコンデンサおよびセレソ整流器を並列に入れた場合の等 価凹路であり,弟9区ほこの回路を用いて変圧器低圧巻線内部イン ピーダンスとセレン整流器過電圧低減率の関係を求めたもので,変 圧器のサージインピーダンスによっても左右されるがセレン整流器 の特性の 安である。 なお,セレソ整流器は放電 流が大きい場合にほ整流えん層が破

(4)

rα)直 列 法 (ムノ並 列:五

(C)直 前 列 法 第10図 壌制放電形真空避雷器 ミし世相史陸相窯 、、 、 時 間 レJノ バニー般の場合 β二直列送 (1×400/∠S波による) 第11L当1鹿制放電形真空避雷器のⅤ-t特性 壊されるが,破壊部分は絶縁物化Lて,優秀な続流 断性能を示す。

4.放電管避雷器

前記セレン整流器とともに使川=ノて,後備保護の役目を果すため に放電管が採用される。これは一位の冷陰極放電管で,平行平板の アルミ電極を有し,ガスを封入L・たものである。これほ50%放電竃 圧のはらつきが小さく特性も良好であるが,続流 めヒューズを直列にそう入する。 いた 放電管を比較的電圧の高い設備に使用するときにほ,これらを直 列に接続して多隙避雷器として用いるが,そのⅤ一t特性を良好なら しめるため各避雷器と並列に蓄電器,抵抗器を酉己し,強制放電形避 雷器と名づけている。弟10図ほその結線例である。(a)の直列法 は常時商用周波では抵抗Rl∼R4の値よりも容量cによるリアクタ ンスが小さいため均等分布であるが,衝 正にたいしてはリア クタンスは無視され,抵抗のみによって分布が決定されるため Rl>R2>R3>R4 にえらぶと,衝撃電圧か侵入すればRlが接続さ れている放電管から将棋倒しに放電する。(b)ほ.(a)と逆に.,商用 周波では抵抗で分圧し,衝撃波にたいしてほ容量による分布とした ものであり,(c)は(b)の変形である(7)。→弟11図ほ避雷器を単に4 個直列に接続した場合と,弟10図の直列法を使用した場合のⅤ-t 特性の比較例で,t=15′∠Sで,30%強の特性改善が行われている。 また特性改善の手段である電圧の不均一分布状態は弟12図に示 すとおりで,商用周波電圧にたいしては均一の電圧分布となってい るが,衝撃波 圧にたいしてほ,初段放電管に印加電圧の80%強が 加わることを示している。 弟13図ほ20/ノS前後の放電電圧波形の測定結果を強制放電形 (直列法)と一般の直列接続の場合について示したもので,強制放電 形では放 管が順次放 していくことを示している。

15 、 樺 (R 山 価1 215

¢二交流電圧(〟℃J印加時分布

e)=衝撃波電圧(〝ズ棚伽JJ印加時分布 第12図 強制放電形真空避雷器の電圧分布 軟電開始 星・呈・;`=・± β. ∫ ル∫ ∂. ア.Jカ∫ 尻 ノ∠.∫ ノバ β. /♂.7.〟∫ /ズ∠♂q〟∫ √ズ狗〟∫ 直 列 う玉 ル ∵ 斤ブ ∴ 十 C 凡≠ 占 パ. 2ββレ ご. 丘/♂/・ 般 の 場 A a仰〆 」.【」 β. ♂プβ〆 β 勘∫ β ノ♂ 〟 J伽J 第13図 強制放電形真空避雷器と一般真空避雷器の放電波形 これら放電管を異常電圧の後備保護として使用するときには,常 時何路に発生する開閉サージでほ動作せず,たとえ動作しても直列 ヒューズの熔断するまで放` 管ほ劣化しないような耐 つ必要がある。また,ヒューズもサージでは ことが必要である。

5.結

言 流特性をも 断しないものを選ぷ 以上電力用半導体整流器の外雷による異常電圧保護について述べ たが,日立製作所でほ前述の諸手段を併用することによっ.て,整流 器の経済的設計を行っている。 異常 移行 圧保護でもっとも大切なことは,コンデンサ容量の選定で 圧の低減とともに転流時の高周波振動あるいは,開閉サージ にも影響があるため,これが選定をあやまると,かえってエレメン トを劣化させる結果となる。整流器納入に際してほ,念のため移行 電圧の確認を行っており,最適な保 いる。 装置であるよう万全を期して な串,本文中に述べた装置ほ,いずれも実運転に多数使用・してお り,第一号機運転開始からはすでに三年を経過しているが,夏期の 落雷時にも十分その保護能力のあることが実証されている。 1 2 3 4 5 ( ( ( ( ( 参 葛 文 献 近藤,森田,森山:日立評論40,929(昭33-8) 曽根田,金原,森田:日立評論4㍉353(昭34-3) 近藤:日立評論4l,363(昭34-3) 近藤,池田:日立評論39,1237(昭32-11) 森田:電力用半導体整流器の保護(昭34電学会棄海支都連 大33) (6)近藤,地福,金原:電解工業用ゲルマニウム整流器の逆偏 圧波形について(昭34連大353) (7)特許申請中

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