記者会見要旨 日 時:2018 年 11 月 30 日(金) 15:30~16:00 場 所:東証ARROWS プレゼンテーション・ステージ 会 見 者:取締役兼代表執行役グループ CEO 清 田 瞭 清 田 本日、私からご説明する事項は 3 点です。 最初に、先日公表した、私の上場インフラファンドの購入につ いて、あらためてご説明いたします。 社内規則で取引が禁止されている上場インフラファンドを、当 社の CEO である私が、当該規則を誤解して購入しておりました。 取引所のトップとして、株主・投資家の皆様をはじめ、市場関係 者の皆様にご迷惑とご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。 本日、取締役会において、「月額報酬 30%減額を 3 か月」とい う処分が決議されました。このような処分が出されたことについ て、真摯に受け止めております。 なお、今回の取引で私自身が得た利益相当額については、全額 を日本赤十字社に寄付しております。 再発防止策として、私自身が規則に則って判断、行動をするよ うに注意することは当然であり、さらに、私を含むグループ全役 員が保有するすべての上場有価証券について、半年ごとに監査委 員会等へ報告する制度を、本日より導入することを取締役会にお いて決議しました。 また、引き続き研修等を通じて、社内規則の遵守を徹底してま いります。 今後もより一層、市場利用者の皆様に信頼いただける市場の構 築に努める所存です。 続きまして、2018 年の IPO の状況についてご報告いたします。 まず、IPO の社数でございますが、東証では、本日までに 78 社の IPO が実現しており、既に上場承認済みで、今後上場予定の 会社を含めますと、年内に 98 社の IPO が見込まれております。 昨年は 93 社でしたので、本年は 5 社の増加ということになりま
す。 株式市況が堅調な中、IPO も活発な状況が続いており、今後に おきましても、引き続き IPO への意欲は根強いと認識しておりま す。 なお、東証以外の国内他市場においては、現時点で札幌証券取 引所に 1 社 IPO の予定が公表されておりますので、国内全体の IPO 社数は 99 社(昨年は 96 社)となる見込みでございます。 本年の IPO の特徴の一つとして、マザーズ市場での IPO が昨年 の 49 社から 64 社へと大きく増加し、全体の 6 割以上を占めてい るという点が挙げられます。なお、本則市場への新規上場会社数 は、12 社(昨年は 19 社)となる見通しでございます。 次に、本年注目を集めた IPO ということで申しますと、ソフト バンク社が 12 月 19 日に上場を予定しており、過去最大規模の IPO となる見通しでございます。また、本年 6 月に上場されたメルカ リ社も大変注目されました。 また、東京以外の地域に本社を置く企業の IPO 社数ですが、社 数としては 31 社と昨年よりも 3 社減少しておりますが、依然と して IPO の全国的な広がりは継続しております。 東証は、これまで、各地域の証券会社や監査法人などの関係者 と協力して、IPO を通じた地域経済への貢献に努めて参りました。 昨年から今年にかけては、11 行の地域の金融機関、1 大学と基本 協定を締結し、各機関と連携して活動しているところでございま す。 今後も各地域で、IPO 実現に向けたサポート体制を整えて参り ます。様々な地域の企業が上場を果たすことは、地域経済の活性 化の観点からも大変重要なことと認識しておりますので、今後も IPO 支援の取組みを継続して参ります。 社数や大型銘柄の上場なども重要なポイントですが、東証とし ては、IPO に対して、株主・投資者の方々の信頼性を確保するこ とが極めて大切なことであると考えております。 証券会社、監査法人、その他関係皆様のご協力を得ながら、IPO の品質確保に努めて参りたいと考えております。 なお、この IPO の状況につきましては、この後、事務局が詳細 を説明しますので、よろしくお願いいたします。
12 月 28 日に行う本年の大納会に、サッカー指導者の西野 朗さ んをゲストとしてお迎えすることとなりました。 西野さんは、大学在学中にサッカー日本代表に選出されベスト イレブンにも選ばれるなど、現役時代から大活躍されました。 引退後は、サッカー指導者として J リーグの監督を歴任され、 J1 リーグ優勝 1 回、天皇杯、AFC チャンピオンズリーグなど数々 のタイトルを獲得し、J リーグでは歴代1位となる通算 270 勝を 達成されました。 また、皆様ご存知のとおり、前日本代表監督であり、今年のロ シアワールドカップでは日本代表をベスト 16 に導かれました。 日本中を感動の渦に巻き込み、日本サッカーを世界に知らしめ た手腕はご記憶に新しいと存じます。これからも、さらにその存 在感を世界に知らしめていただくことを期待しております。 西野さんのその輝かしい実績と本年のご活躍にあやかり、来年 の証券市場の更なる飛躍を願うとともに、我々日本取引所グルー プも資本市場の一翼を担うものとして、日本市場の魅力とその存 在感をアピールしてまいりたいと存じます。 記 者 上場インフラファンドの購入につきまして、社内規則上、投 資可能な銘柄を正確にご認識されていなかったという部分で、 不注意な点があったとの指摘は免れないとの声も市場関係者か らは聞かれます。資本市場の運営を担う日本取引所グループの 経営のトップとして、改めて今回の事態に至ったことについて のご見解をお聞かせください。 清 田 冒頭、申し上げましたように、今回、この件につきましては、 ご指摘どおり、社内ルールで禁止されているインフラファンド への投資を、社内ルールそのものの理解が十分でなかったため に、誤解に基づいて、購入可能だと思って投資したわけでござ います。この立場にある者として、非常に重大な責任を感じて おりますし、二度と、自らはもちろん、私ども JPX グループと しても、こういったことが起きないための仕組み、ルールの新 たな導入も含めて、対応してまいりたいと思っております。大 変申しわけありませんでした。
記 者 今回の取引に関して、複数、聞かせてください。 まず、取引そのものの狙いというのは何だったのかというこ とを改めてお聞きしたいということと、今後、社内で大丈夫だ とされているほうの取引に関しては、今後も行う可能性はある という理解でよろしいのでしょうか。 清 田 この投資を行った私の狙いというのは、私自身は、これまで 長く勤めてきた大和証券の持株会と、JPX の持株会を通じて、2 つの会社の株を保有しておりますが、それ以外にも、長年の私 自身の貯蓄性の資金があったものを、今後、引退後の人生設計 も含めて、どういう資産運用をしたいのかということでですね、 自らの長期的な資産運用の一環として、安定した配当が見込め る商品として購入しようということで、買ってしまったわけで ございます。これについては、投資してはいけないものを買っ てしまったということで、大変反省しているところでございま す。 また、今後、そういったことをやるか、やらないかというこ とについては、もちろん当面、すぐに、今度は買えるものを買 うという気持ちでいるわけではございませんが、私自身が将来、 人生、何も運用しないでいいと考えているわけではございませ ん。世の中に対しても、資産形成、資産運用を訴えているとい う取引所の立場から見て、一般論としてあるべき姿としては、 国民の資産形成をお手伝いしていくための我々の役割として、 当然、考えなければいけないポイントではないかと思います。 ただ、私自身は、今回、こういったことを起こしましたので、 個人的に見ると、これからこういった形での有価証券投資とい うのは当面、控えようと思っております。 記 者 当面というのは、在任中はというわけではないという理解で よろしいですか。 清 田 私が何年ここにいるかというのは決まっていないものですか ら、そういう面で、明確に在任中やらないとか、やるとか軽々 しくは申し上げられませんが、今の気持ちとしては、この立場 にいる限りは、新たなる有価証券投資は控えておきたいという ふうに思っております。
記 者 今日の取締役会で決議されたということですが、全会一致な のか、あるいは、どんな意見が出たかなどを教えてください。 それから、今日、出た減給の処分は何番目に重いものと言って いいものか、そこを確認したいと思います。 清 田 最初のご質問、この処分については全会一致かどうかという ことにつきましては、私はこの決議のところで席を外しました。 それまでの論議には参加し、そして、私自身、自らご説明して、 最後に決議をとるに当たっては、私は席を外しておりましたの で、結果だけお聞きしておりました。ですから、全会一致かど うかは私自身が知っているわけではありませんが、おそらく全 会一致ではないかと想像はしております。 また、どういったお話があったかについてはですね、厳しい ご指摘もあってですね、最初に私自身が、この立場にありなが ら、こういった誤解に基づくルール違反をやったことについて、 重く受けとめているということを申し上げましたが、取締役会 の中でも、やはり通常の立場にある人とは違う、ですから一般 的なルールから予測されるよりも、重い処分をするべきだとい うご意見をお聞きしております。 司 会 私から補足させていただきます。JPX が 2013 年に発足して以 来、今まで最も重かった役員の処分は、2013 年にデリバティブ 市場で売買がとまったときの「月額報酬 30%減額を1か月」と いうものでした。 記 者 東京商品取引所との総合取引所構想の協議ですが、結論はい つ出すとか、発表はいつできるとかいうことは、今、何か言え ることはあるのでしょうか。 清 田 先月の会見でも申し上げましたように、東京商品取引所との 間で、秘密保持契約を結んで、交渉を始めているところでござ います。ですから、いつまでにとか、どういった内容にという ことを私どもが一方的に公表するわけにいかないので、そこは ご理解いただきたいと思います。 ただ、少なくとも、これだけ金融庁、経産省、規制改革推進
会議等、全体としてこの構想を実現すべしという方向を出して いただいている中ですから、ぜひとも、いたずらに時間をかけ ずに、合意に向けて努力をしていきたいというふうに思ってい ます。 記 者 インフラファンドの購入について、取引所のトップとして、 やはりインサイダー取引の疑念が持たれてしまうようなところ もあると思うのですけれども、改めて CEO の口から、インサイ ダー疑惑が持たれるような取引ではないという根拠をご説明い ただけないでしょうか。 清 田 一社員が、私がこういったインフラファンドを、一般的な感 覚でいえば非常に多額に保有していることを発見して、社内で 上司に相談し、そして、それに基づいて、東証の宮原社長が私 のところに直々に出向いて、厳重な注意を私に申し入れてまい りました。そして、その直後に自主規制法人で、私がどういっ た経緯で買って、そして発覚した後、早急に対応するために、 全保有口数を売却したということについて、点検してもらった 結果、私はもちろんそのつもりは全くありませんでしたけれど も、結果としてもインサイダー取引のおそれのある取引はない というご判断をいただいております。 記 者 IPO に関してですが、2018 年は 98 社が予定されており、去年 に比べて5社増え、またマザーズについては 15 社増えるという ことで、非常に活況だったようです。一方で、JASDAQ は昨年比 で4社減るということで、新興市場のマザーズと JASDAQ を比べ たときに、JASDAQ の特色がいまひとつはっきりしないという声 も聞かれたりします。IPO の数を見ていても、10 社台でずっと 横這いになっており、このあたりをどのように評価されている かというのが1点目です。 もう1点が、前回の記者会見でお話されていた、市場構造の 在り方等に関する懇談会について、今月中にも議論を始めるとい うような報道も出ています。現在の状況と、今後の予定をお聞か せください。 清 田 最初のご指摘にございましたような、IPO がマザーズに集中す
る一方で、JASDAQ の新規上場があまり活発でないといった問題 意識も含めまして、取引所の市場構造について様々なご意見が 寄せられるようになってきております。そうした背景もござい まして、現在、市場構造の在り方等に関する懇談会を設置して、 有識者の方に検討を始めていただいているところです。 最初のご質問ですが、JASDAQ とマザーズでこれほど IPO 社数 が違うのは、どのような特色の企業が IPO を目指しているかにも よると思います。マザーズは新興企業向けの市場ですので、発展 段階の新興企業が多く上場を目指しているときは、マザーズへの 新規上場会社数も多くなるということだと思います。一方、 JASDAQ も新興企業向けの市場の1つではありますが、マザーズ とは異なる特色があります。JASDAQ の原形は、日本証券業協会 運営の店頭市場であり、マザーズとは異なりステップアップを目 指す市場とは位置づけていません。こうした違いなども踏まえ、 IPO 数に差が出ているということではないかと思います。 2つ目のご質問ですが、新規上場する先のエントリー市場と言 われる市場は、マザーズと JASDAQ のほか、市場第二部も含める と3つございます。さらに、ステップアップ先の市場として市場 第一部があり、市場構造の在り方等に関する懇談会では、これら 各市場の位置づけについて、改めて有識者の皆様にご検討いただ くこととしており、これは先月の会見でも申し上げましたとおり です。 市場第一部については、ステップアップを目指していく先の 市場として、多くの企業経営者の方々の企業価値向上のインセン ティブとして機能してきた面もあります。また、最近の市場第一 部が、真の意味で、皆様方がイメージを持たれているような市場 第一部であるかどうかというポイントもございます。こうした点 も踏まえ、有識者の方々にはご検討いただきたいと思います。ま た、エントリー市場については、それぞれ違うところや重複した ところがありますので、それぞれの市場の特色なども踏まえて、 論点を整理していただきたいと考えております。 なお、当然のことですが、既に上場している会社、上場を目 指している会社、ステップアップを目指している会社の方々が いらっしゃいますので、在り方の検討だけでなく、どのように 実行に移していくかというポイントについても、よくご議論い ただきたいと思います。
今後につきましては、年内もしくは年明けに、整理された論 点についてパブリック・コメントを募集して、幅広く市場関係者 の方のご意見も伺ってまいりたいと考えています。皆様方からの ご意見も踏まえ、在り方としての絵姿がまとまってくれば、それ に向けて、具体的な工程表を作成していくというステップで考え ております。 記 者 インフラファンドの件で改めて確認ですが、「月額報酬 30%減 額を 3 か月」の理由としては、先ほどちょっとお話もありまし たけど、トップにいながらルール違反をしたことを重く受けと めてということでよろしいでしょうか。また、再発防止策のと ころですが、有価証券の保有状況を提出するのは役員の方だけ で、社員の方は含まれていないのか、定期的にというのは大体 どれぐらいの頻度なのかという点を教えてください。 清 田 「月額報酬 30%減額を 3 か月」というのは、質疑のみに参加 した取締役会で、非常に責任を重く受けとめているので、本当 に厳正に論議していただいた上で処分が決まれば、どんな処分 であったとしてもお受けいたしますという形でお話をさせてい ただき、その結果、取締役会において、これが相当であろうと いうことになったのだということであり、そういった面では、 ご指摘のとおりです。 また、再発防止策としての上場有価証券に対する保有残高の 申告については、おおむね半年に1回、監査委員会宛てにご報 告をしてもらうということで決着いたしております。 記 者 役員の方だけでしょうか。 清 田 役員だけです。 記 者 今回の調査ですけれども、宮原社長、監査委員会、あと自主 規制法人の調査も受けているのでしょうか。また、調査の第三 者性についてどういうふうに思われるか教えてください。 清 田 第三者委員会をというのは、一部メディアでそういったコメ ントをいただいたのは知っております。本日の取締役会でも、
その件について問題提起がありましたけれども、論議の中で、 今回の私の犯したルール違反については、第三者委員会を入れ て調べてというほど複雑なものではないので、社外取締役を含 む監査委員会および報酬委員会と自主規制法人の調査で十分だ という結論をいただいております。 記 者 清田さんご自身は、この枠組みが第三者性のあるものだと思 われますでしょうか。 清 田 ルール違反を犯した私自身がこんなことを言っても、なかな かお聞き入れが難しいかもしれませんけれども、社外取締役 9 人と社内取締役 5 人という役員構成の指名委員会等設置会社で あるということで、今回、指名委員会においても、私のこの件 については、解任するべきかどうかという論議も行われまして、 そして、解任には及ばないという結論はいただいておりますの で、十分な、しかも、私がいる前で解任すべきかどうかの論議 をやっていただいておりますので、十分な第三者性があるとい うふうに思っております。 記 者 日産自動車のゴーン容疑者逮捕の件について、清田 CEO のご 所感と、今後、取引所としてどういう対応をしていくか教えて ください。 清 田 取引所からも、折に触れ、日産自動車に情報開示を働きかけ てはおりますが、現時点では実態が明らかになっているわけで はないので、コメントは難しいです。いずれにせよ、事実関係 をしっかりと把握のうえ、株主・投資者への適時・適切な情報 開示をお願いしていくということに尽きると思います。 記 者 内規違反について質問です。誤解されたということですが、 さすがに取引所のトップの方が誤解されたというのは、にわか に信じ難いものがあります。もし誤解されたというのであれば、 まさにトップとしての資質が問われるような事態であるという ふうにも思うのですが、なぜそう誤解されたのかという理由を 改めてお伺いしたいのと、例えば、清田さんほどの有名人であ れば、販売されている会社から、例えば大丈夫ですかとか、照
会みたいなものが全くなかったのかどうか、2点伺えますか。 清 田 そういった働きかけはございませんでした。なぜ誤解したか ということについては、もうほんとうに、自らの軽率さを恥じ るしかないと思います。ETF と同じように、1つの上場ファンド だという感覚から、購入可能だと誤解して購入しました。ほん とうにそれが事実でございますので、誤解しているはずがない とおっしゃっても、私自身、誤解、まさに思い込んでおりまし たので、それ以上のご返事ができかねます。 以 上