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岡 林 隆 敏 *

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(1)

長崎大学工学部研究報告第

1 4

号 昭 和 田 年

l

69 

確率変量を有する力学系の非定常不規則応答

岡 林 隆 敏 *

Nonstationary Random Response o f   Dynamic Systems with  Uncertine Properties 

by 

Takatoshi OKABA  YASHI  ( D e p a r t m e n t  o f   C i v

i1 

E n g i n e e r i n g )  

N o n s t a t i o n a r y  random r e s p o n s e s  o f   d y n a m i c a l  s y s t e m s  w i t h  u n c e r t a i n  p r o p e r t i e s   a r e  s t u d i e d  i n  t h i s  p a p e r .  H i e r a r c h y  methods a r e  a p p l i e d  t o  t h e  c o v a r i a n c e  e q u a t i o n   d e r i v e d  from t h e  s t o c h a s t i c  d i f f e r e n t i a l  e q u a t i o n .   The cumulant t r u n c a t i o n  scheme  i s   employed t o   t r u n c a t e  t h e  i n f i n a t e  h i e r a r c h y  o f   moment e q u a t i o n s .   The v a l i d i t y   o f  t h e  t r u n c a t i o n  h i e r a r c h y   method  i s   i n v e s t i g a t e d   by  comparing  w i t h  a Monte  C a l r o  s i m u l a t i o n .  

N u m e r i c a l  r e s u 1 t s show t h e  h i e r a r c h y  method i s   s u c c e s s f u l  u n t

i11 

t h e   c o e f f i c i e n t   o f   v a r i a t i o n  o f  u n c e r t a i n  s y s t e m  p a r a m e t e r s  0 . 3 ,  and t h e  r o o t   mean s q u a r e   v a l u e s   o f   r e s p o n e s  i n c r e a s e  w i t h  an i n c r e a s e  i n  t h e  u n c e r t a i n t y  o f   s y s t e m   p a r a m e t e r s  f o r   s t a t i o n a r y  and n o n s t a t i o n a r y  w h i t e  n o i s e  e x c i t a t i o n s .  

1 .  

はじめに

多くの土木構造物に作用する外力は,発生する間隔 が不規則であるばかりでなく,荷重そのものも確定的 でない複雑な形状を呈するものが多い。典形的なもの に,地震,台風による風荷重および波浪がある。また,

橋梁に作用する車両の接地力のようなものもある。乙 のような不規則な外力を受ける構造物の解析は,不規 則振動論の応用としてすでに定着しているものと考え られる。一方,実在の構造物から解J斤モデノレを構成す る際,解析モデjレには多くの不確定要因が含まれるが,

乙の不確定要素が応答解析の結果に及ぼす影響は少な くない。構造物の解析モデルに内在する不確定要因と しては,質量,間

j

性,靭性,強度および減衰等のばら つきがある。乙れらは,材料そのものに内在するもの と,測定誤差の結果生ずるものである。さらに,橋梁 上を走行する車両も,橋梁一車両系を 1つの系と見な 昭和

5 4

9

2 6 日受理

*土木工学科

した場合,力学特性が不確定な系と考えられる。乙の ような確率変量を有する系の応答解析には,まだ一般 的な解法があると言えない。

確率変量を有する系の解析の初期のものとして,

Ke

l1

e r 1 )

のランダム媒体中の波動伝播の研究がある。

さらに,

B o g d a n o f f  

C h e n e a

幻および

K o z i n 3 )

確率変量を有する

l

自由度系の解析を行っている。確 率変量を有する系の解析の手法は

B o y c e

引によって まとめられている。しかし,多くの問題に適用されて いるものと言えば,摂動法と階層法である。摂動法は 確率変量の変動が小さい場合にしか有効でない乙乙が 知られている。松島引は,多自由度せん断型建物モデ ルに定常ホワイトノイズが作用した場合,質量および 剛性の不確定性が応答に及ぼす影響を,摂動法を用 いて解析した。星谷・千葉

6)

は,この解析結果の精

(2)

70 確率変量を有する力学系の非定常本規則応答 度をシミュレーションにより点検している。

 一方,不確定変量の変動の大きい場合,有力な手法 が階層法である。階層法の手順は次のようにしてなさ れる。与えられた運動方程式の両辺に不確定変量によ る平均操作を施し,モーメントに関する方程式を誘導 する。このモーメントに関する方程式は,無限に連鎖

したものになる。そこで,適当な打切りを行い,適当 な近似操作を導入して,閉じた方程式群を誘導する。

Rtchardson7)は階層法を初期値問題に適用し,打切

り近似について,(a)相関関数打切,(b}キュムラント打

切,IC最小二乗誤差を提案している。 Haines8)は階 層法を境界値問題に適用した。岩壷9)等は,確率変量 を有する1自由度系の非定常不規則外力による応答解 析を,階層法を用いて行っている。

 本論文は,非定常不規則外力を受ける,確率変量を有 する力学系のr.m.s.(root mean square)応答解 析の手法を提案するものである。すなわち,伊藤形の 確率微分方程式から誘導される共分散方程式に,階層 法を適用することにより,応答の共分散の時間的変化 を支配する微分方程式を誘導した。階層法の打切り近 似には,中心モーメント打切とキユムラント打切を適 用した。数値計算例として,質量をばね定数が確率変 数である1自由度系に,定常および非定常不規則外力 が作用する場合を考え,確率変量の変動と応答の関係

について検討した。

を表す演算子である。

K

C

x(t)

2 力学系の表現

  (1}係数が確定量の場合

 図一1に示されるような1自由度系に,外力 f(t)

が作用する場合,系の運動方程式は

 日劇(オ)十 ココ(孟)十々記(zケ)=∫(の        (1)

で表される。なお,初期条件は

       

 エ(診0)=∬0,¢(彦0)=¢0

である。ここに,窺,Cおよび々はそれぞれ質:量,

減衰係数およびばね定数である。また・は時間微分を

表すものとする。

 外力としては,正規性白色雑音過程η(のが,確定 関数g(t)で変調された

 ∫(の=9(の●π(の      (3)

の形の非定常確率過程を考える。正規銀白色雑音過程 の確率特性は

 E〔π(の〕=o      .       (4)

 E〔π(オ1)π(ち)〕=3δ(オ1一オ2)      (5)

で規定される。ここに,Sは白色雑音過程のパワース ペクトル密度,δ(のはDiracのデルタ関数, EOは 考えている確率変数または確率過程に関する集合平均

Fig. l Single degree−of−freedorn system

 (1)式を状態空闇でベクトル表示するために,状態ベ

クトル

         

 [二じ1」じ2]「£= [必∬]T      (6)

を導入し,これをX(ので表す。この状態ベクトル を用いて,(1)式は伊藤型の確率微分方程式10)

 4X(孟)=AX(孟)4診十B(オ)4礪7(オ), X(オ。)=Xo   (71

で表現できる。ここに,係数行列AおよびBは,

A一 mO     l一々/窩一6/7η,]   (8)

     0    0

       ]     (9)

B(の一[

     0 9(の加

である。初期条件X。は外力と独立な正規確率変数と する。またW( )はブラウン運動過程(Wiener過程)

であり,

 (i) 

E[VI/(オ)]=0      (10>

 (ii)甦E[4w(の4w(のT]=Q4≠       (11)

のような確率特性を有する正規性確率過程である10)

ブラウン運動過程は,白色雑音過程と形式的に

 4W(オ)==こQ   22(オ)6『オ]

の関係がある。なお,⑳式のQは

Q一[0  0 O  5]

であ・る。

α2

 (7)式の応答X(のは,外力が正規過程であり,かっ 線形系であるから,正規過程となる。従って,時刻t における応答の確率特性は,・平均値と分散,共分散に より規定される。本研究は,系の分散・共分散応答に 着目するものであるために,解析の対象を

 .E[X(のコ=O       働 の場合に限定する。このことにより,解析の一般性を

失うことはない。

 ベクトル過程X(のの共分散をRx(ので表すと,

これは

 R・(の一E[X(のX(の円       ㈲

で定義される。この共分散の時間的変化は,(7)式の確

率微分方程式から誘導される共分散方程式

(3)

 Rx(の==ARx(の十Rx(のAT十B(のQB(彦)T

 Rx(彦0)一RxO

に支配される。10)11)

 ② 係数が確率変量の場合

 ここでは,(1}式の係数ηz,ゐ,

期条件と独立な確率変数と考える。 さらに,

々,Cを新たな確率変数鴻,為,為

合を

 」一(π、,濯2,∠3)

で定義する。また,左の実現値の集合を

 A=(λ 1,)㌧2,λ 3)

岡 林 隆 敏

(16)

cを外力ならびに初

     1/m,

  で表し,この集

(17)

      (18

で定義する。(7)式の係数がこのような確率変数である

と,応答X(のは外力さらに係数の確率特性に依存し た確率変数となる。このことを強調して,係数が確率

変数である場合,応答をX(ちz歪)で表す。(7)式は,

 4X(ちz重)一A(のX(ち孟)4オ+B(ち歪)4W(の,

 X(の一X。       (1窃 のように書き改められる。

 この確率微分方程式に対応する,共分散方程式を誘 導するために,応答X(ちzl)の共分散を定義する。

濯=AのときのX(ち1歪)の条件付確率密度関数は,

×(ち∠)と漆の結合確率密度関数p(x,のと4の確率 密度関数p(のを用いて,

 ρ(謬レ1一λ)一ρ(κ,λ)/ρ(え)         ⑳

により定義される11)。なお,κはX(ちA)の実現値で ある。濯=λのときの×⑰,1のの共分散Rxα,A)は,

条件付期待値となり,

E〔x(ち差)×(剛輔一∫κ勘(κ陶蜘21)

で定義される。この共分散職(ちλ)の時間的挙動を支

配する方程式は,(16)式を誘導した同じ手続きにより得

られ,

』R・(ちλ)一A(2)R・(オ,λ)+R・(ちλ)A(え)・

†8(ちλ)9B(ちえ) ・R・α・)一感1 9  ㈱ となる。ここで,詫を確率変数濯とすると,R・(ち遷)

は運に関する確率変数とぢり,㈱式は確率微分方程式

となる。『

 本研究の解析の対象は,Rx(ち護):の蓬に関する平均値

〈Rx(ち謹)〉一∫R・(ちλ)ρ(λ)4λ   ⑳

       一∫∫罵鴇μ繍   、⑳

である。ζこに,護に関する平均操作を〈〉で表すも

のとする。

3.階層法による定式化

(1>階層方程式の誘導

Ri・h・・d…7)・・は・確率過程を係数賄する線形

71 系の初期値問題に,階層法を適用している。本研究は,

この手法を,非定常不規則外力を入力とする,確率変 量を有する力学系の非定常不規則応答解析に拡張する

ものである。

 ここでは,⑳式の共分散方程式に階層法を適用する。

解析の便宜上,マトリックス形式で表現された㈱式の 微分方程式を,ベクトル形式の微分方程式に変換する。

共分散行列は対称行列であるから,(n×n)の共分散

行列Rx(ちのはn(n十1)/2のベクトル取ちのに変

換される。この変換によって,幽晦は,

 の H(ち遜)=6(∠)H(ち∠)十F(ち∠)        ⑳

となる。係数行列G(五)は(n(n十1)/2)2のマトリ ックスで,㈲式のA(のの要素から構成され.る。

A(のマトリックスからG(のマトリックズへの変換

についてはBe111nan(12)およびChen(13)等により 研究され,変換のための演算が明らかになっている。

Fx(ちのは勧式の翫孟,A)QB(ちのTをベクトルに変 換したものであり,n(n+1)/2次元ベクトルである。

 次に,G(のおよびF(ちのがオ、の2次の項まで

含むものと仮定する。この仮定は,(8)(9)式において,

A(逐),賦ち滋) マトゾックスの要素が,ん/解,c/アη

以上の積の項を含まないことより妥当なものである。

この場合,G伝)および F(ち遵)は次式のように表す

ことができる。

        3      3  ∫

 e(∠)=G。+.Σ」1e」+ .Σ 』 」、π」G、」  ⑳

       ガ=1   ∫=1ブ=1

          3  1   3 ゴ

 F(ち差)一F。(の+万∠、F、(の+ΣΣ』〃」F,」(の・

         ∫=l    f=1ゴ=1

       (2の ここに,(∋oおよびF(のは,6(遜)およびF(ち涯)

において,確率肇数濯を含む要素を除いたマトリッ

クスである。

 階層方程式を誘導する。⑳(27式を⑳式に代入し,.両

辺に濯に関する平均操作を施せば,

  .           3

〈H(ちの〉一G・〈解(ち護)〉+.ΣG・<蝋ち溢)>

       z=1

   3 』f

 +.Σ〜6・」〈躍」R(ちの〉+F。(の   Z目1ノ=1

   3         3  ガ

 →一  2『  <ノ歪i>F」(オ)十  29     Σ   <ノ1iノ望j>1=、j(彦)    (28)

  ♂一1      ガ=1ブー1

を得る。H(ち1盃)はベクトルに展開したしたもので

あるから,罠Xα,のの竣幽

ノ関する平均値ナなわち,

〈Rx(ちの〉はく畝ち歪)〉より求められる。この微

分方程式を解くためには,〈オ、闘(ちノ)〉およびく法4j

目(ちの〉が確定しなければならない。 そこで,⑳

式の両辺にπ。を掛けて,両辺に謹に蘭する平均

(4)

72 確率変量を有する力学系の非定常不規則応答

操作を施すと,〈∠fkレ1(言,ノ歪)〉に関する微分方程式を

得る。

   。       3

 〈∠kH(ち頭)〉一G・〈濯・H(ち濯)〉+Σ9・〈〃・

       f・=1

      3  f

 H(ちの〉+2 Σ G且」〈頭!π」4H(ち4)>

      2寓1ノ講1          3

 十Fo(診)<!fk>十Σ<!fi・4k>F1(の

        f=1

   3 ま

 十 2  27 <zfl/1」ノ望k>Fij(オ)       (29》

  9嵩1ノ=1

この式では,さらに新たな未知数として,

〈ノ1i、4』ノ1k目(ちZ置)〉が現れる。さらにく三期H(ちの〉

に関する微分方程式を得るために,⑳式の両辺に 4、∠。を掛けて,両辺に」に関する平均操作を施す。

この操作を続ける限り,この連鎖は無限に続くことに なり,閉じた形の方程式は得られない。そこで,適当 な段階でこの操作を打切り,何らかの仮定を導入する ことにより,解析可能な微分方程式群を得るための手 段を考えなければならない。

 本研究では,四式の段階の階層で打切りを行う。こ

の・とき,〈ノ11∠lk日(ち∠皇)〉およびくム角4kH(ち淫)〉は未

知数として残るが,これを低次のモーメントを用いて 記述する手段を考える。高次のモーメントを低次のモ 両メントで近似する手段としては,(a沖心モーメント

打切,(b)キユムラント打切,(c最小二乗誤差による近 似等が提案されている。WUcox等14)ぽこれらの打

切り精度について検討した結果,キユムラント打切が 良い精度を示すことを指摘している。本研学では,中

心モーメント打切とキユムラント打切の2つの近似手

法について検討した。

 ② 中心モーメント打切

 〃をn次元ベクトルとして,n次元結合確率密度

関数をP(〃)で表す。このとき,k且…k。次の結合中 心モーメントは

・M…k・一轣iツ5槻μ1)・1…(錐噛)・ラ(・)4(・)⑳

 篇E[(ッ1一μユ)起!…(ッ甑一μ。)翠馳]       ㊤1)

で定義される。ここで,1次のモーメントに限り,

μ、,…,μnは,それぞれE[ッ、],…,巳[ッ。]を表すもの とする。

 (i)1次の中心モーメント

   E[.y1一μ!]鵠0       鵬

 (ii)2次の中心モーメゾト

   E[(ッ,一μ、)(ッ2一μ2)]轟σ二22    尉

    .2次のモーメント

   E〔y1ッ,]一σ、,2+μ、μ,      {鋤』

 (111)竃次の中心モーメント

 E[(ッ1」μ!)(ッ2一μ,)(ッ3一μ3)]謡μ、、、

  3次のモーメント

 E[ッ、ッ2ッ3]漏μ111+σ・12μ3+σ232μ、一σ3、2μ2  十4μ!μ2μ3

(iv)4次の中心モーメント

(i蜀

   E[(ツ1一μ1)(ッ2一μ2)(y3一μ3)(ッ、一μ、)]

   編0      ㈱  (v)5次の中心モーメント

   E[(ツ1一μ租)(ッ,一μ,).(ッ、一μ3)(ッ、一μ、)

   (ッ5一μ,)]謬0        ㈱  4次,5次の中心モーメントを0とすることにより,

4次,5次のモーメント

   E[ッ1ッ2ッ3ッ、],E[こ)ノ℃こ)ノ2二)ノ3∠)ノ4ツ5]

は3次以下の中心モーメントで記述される。

 そこで,4次以上の中心モーメント打切りを,

〈ノ41バjH(ち∠置)〉および〈4互4晦H(ち1歪)〉の表現に

適用する。H(ちのの要素をE[蜘職]とする。(19式 の応答X(ち∠)の平均値は0と仮定しているので

   { τ皿}雲{銑}=0      ㈹

となる。ここで,{}の記号は,∠のみの平均値:〈〉

と区別して,外力の確率過程および確率変数∠の両

者に関する平均値を表すものとする。

 ㈲ 4次のモーメント

   砿π』¢m副=一μ1μ」{灘mπ。}+μ星{濯幽婦

(b)

十μ童{!望」¢m灘n}

5次のモーメント

{ノ為ノfjノ望影じm5ロn}隅=一2μiμ3μk {謬mごご織}

十μ1μk{バ」∬m≦τn}+μ」μk{4為銑}

+μ正μ」{ノk謬m副

ここで,

{π互 τm}騙{躍二κn}謹{バμm}=偽編}

螺{4コじ鵬}={∠k謬、}=0『

ω

㈱ の関係を用いた。㈲幽式より,次の2式が得られる。

   〈!41143H(ちノ置)〉躍=一μ!μ」〈}4(ち∠霊)〉

+μ」〈∠置監卜1(∫,∠匠)〉+μ、〈瓜H( ,の〉  ㈱

〈!1藍∠置」イ4kH(診,ノ1>漏一一・2μ μ3μ」kH〈(≠,∠量)〉

+μ」μKπ、H(ち濯)〉+μ,μ、〈π泪(ちの〉

+μ1μ」〈んH(ち∠)〉         ㈲ ただし,

   μF〈4雪〉,μド〈オ、〉,μ・=〈π・〉

である。

 (3}キユムラント打切

(姻

 (21で示したn次元結合確率密度関数の特性関数は.

   φ(t)イ・ψ(糊ρ(〃)4(〃)  ㈲

で定義される。ここに,毛はn次元ベクトルであり,

ゴは虚数単位ゾー1である。このとき,k1…k.次のキ

鱗ラン1は淑式で臓され畿縄15)である9

(5)

岡林 隆敏

姶・三一(f)一Σ畳=一∂z}ユユ_鳶_k_ Z72φ(t),一〇㈱

 次に,5次までのキユムラントを示すが,記述の便 宜上,0平均の場合のキユムラントである。平均値を

         ム

有する場合は,変数ッ葦をッi一μ1に置き換えること       へ により,容易に変換可能である。なお,ッ、は平均値

回りの変動である。

 (i) 1次のキユムラント

 k1=μ1雛G

(ii) 2次のキユムラント

     ムノ 

 k11==E[y1」y21=σ122

(iii) 3次のキユムラント  kln=μ:1ユ

(iv) 4次のキユムラント

 k1111=μ1111一μuooμoo11一μ010μOiO1  一μ1001μ0110

(v) 5次のキユムラント

(5①

61)

   k1隻録1=μm鷲1一μ11100μ00011一μ11010μ00101

     一μ11001拶00110}μ10101μ01010一μ100nμOnOO

     一μ010Uμ10!OO{μ01101μ蒐000一μ00111μ録000

     一μ0:鷲0μiOOO1一μ10110μ01001     ⑬

 4次,5次のキユムラントを0とすることにより,

4次,5次の中心モーメントは,62㈹式を用いて3次

以下の中心モーメントで記述される。§3②に用いた 同じ条件に基づいて,4次以上のキユムラント打切を

く為オ」H(ち孟〉および〈π鴻為H(t,」〉 の表現に 適用する。

  〈H(ち滋)〉

  の  ヒ

〈zf1ト4(診,ノf)〉

   の1<ノ・H(ち∠)>

i ・

/〈π3H(ちの〉

GoO GO墾G。2 Go3

Glo 6疑e12 G重8

e20 G21 G22 G23

G30 G31 G32 G33

73

{a}4次のモーメント

  {〃」¢m∬。}一(σ2,一絢μ」){∬訟。}+μ1{肋mコじ。}

  +μ1{4ぼmτ。}

(b}5次のモーメント

  {ノ望iノ定」諾mのn}冨(μijk−2μiμjμk){τmτn}

  +(σ2」k+μjμk){如渦}+(σ2,k+μiμ、)

  {∠j謬皿必。}+(σ2、j+μ,μ」){オ、∬m婦

従って,次式を得る。

{5の

   〈zl」14jH(ちz重)〉=(σ2ij一μ1μ」)〈トi(ち謹)〉

   十μ」〈πiH(ち透)〉十μi<4:ト1(ち4)>   66>

   〈zff/1j∠fk}弓(ちノ歪)〉=(μ」jk−2μ;μ」μk)

   〈凹(ち遵)〉+(σ2」、+μ、μ」)〈4目(ちの〉

   +(σ2k、+μ。μ、)〈∠jH(ち濯)〉+(σ2、」+μ、μ」)

   <4H(ち躍)>       67)

4の統計量として,次の諸量を用いた。

1:前出1企淵≧路野ブ 々)}㈱

 (4)階層方程式の構成

 3個の確率変量π、42および編を係数に有する場

合,それぞれ中心モーメント打切およびキユムラント

打切の仮定を用いて,(28×29)式を閉じた連立微分方程式

に書き改める。すなわち,中心モーメント打切の場合

は,圏四面に(44)㈲式を代入することにより,この目的.

は達せられる。他方キユムラント打切の場合は,66㈲

式を用いれば良い。確率変量を3個有する場合,各打 切に対する階層方程式は次のようになる。

「〈H(ちの〉

〈濯1H(ち遜)〉.

〈ノ2H(ち躍)〉

〈濯3H(ちz歪)〉

_   、 Fo

下霊

コミ2

(59

ここに,係数行列および外力ベクトルは次の通りである。

㈲ キユムラント打切の場合       3

G。o螺。⑬十 2

     ゴ誰1

GOk=e致十μ盆(∋敏牽 f

ブ講1

 3

∫累1

Gi」(σij一μ…μ3)

μkGlk   (々篇1,2,3)

G1!謀Go十μ1GI十(σ12十μ12)G11十

      

      3   ∫、

    十2 Σ(μψ」十σlj2)G日      z器1 フ饗1

    3      3   ゴ

G正。犀 Σ  Gi(q H2一μ・隻μ三)十  ・ε   Σ  (μ藍jk−2μiμ3μ1)e2」  σ算1,2,3)

   ∫=1      ∫驕1 ゴ鵠1       3

Glk謀μβ垂十(μ1μ:k十σ1のelk 十  Σ  (μ1μi十σH2)G藍k (」瓢1,2,3,ゐ漏し2、3,々≠♂)

       f鴬1

       3

      Σ(μ聾G嚢十(σ呈12十μiμ監)Gi塞)

       誠1

(Z零1,2,3)

(6)

74 確率変量を有する力学系の非定常不規則応答

  _        3         3   f

  Fo(彦)=Fo(t)十Σμ!F1(∫)十2 2(σ・ij2十μ!μ」)F!」(の

         f=1幽      f=1 ブ鶉1

  _         3      3   f

  FIω=F。(のμ1+万 (σゴ12+μ且μ1)F豊(の+ Σ Σ Fd(の(μ、」1+σ、」2μ1+σ」12μ1

      ∫=1      f=1 ブ嵩1

      +2σ11+μ1脳)(1−1,2,3)

㈲ 中心モーメント打切         3   ∫

Goo=60一 Σ

     f=1

Σ  μ且μj(3i1.

ブ隅1

_       3

GOk=Gk十μkGkk十  Σ  μ置Glk  (々臨1,2,3)

         ガ=1

     3         3   f

Glo= 一      

μ1μ童e且一2  Σ     Σ   μ1μ3μ16」」   (♂=1,2,3)

     ゴ=1      ガ=1 ブ=1

_       3

Glk=μIGk十μ1μkGik十μ1万  μiG!k(の  σ諸1,2,3,々=1,2,3, Z≠々)

      f=1

       3       3   ∫

Gii=60十μIG1十μ2βu十 Σ  (μ竃G1十μ阻1eu)十 Σ   万  μ聾μ」《5,5  (♂=1,2,3)

f=1

 F。,Fzはキユムラント打切の場合と同じ式にな

る。このように,,中心モーメント打切では,係数行列 に確率変数の変動を示す統計量が表れない。このこと は,中心モーメント打切による近似では,確率変量の 変動が応答に及ぼす影響は評価できないことを示して

いる。

 4.数値計算と考察

 数値計算は図一1に示した1自由度系について行ら

た。一般性を失うことなく解析を単純化するために,

系のパラメーターであるばね定数kと質量mを正規確

率変数とし,減衰係数。は確定量とした。§3の解析

と対応させると,ノ、=k,為=1/rnとなる。しかし,

本解法は,確率変量が正規確率変数に限定されること なく,一般的な確率分布の場合にも適用できる。

 解析に必要なk,mの統計量を次のように定義する。

 質量の平均値     <rn>       μm  ばね定数の平均値   <k>       μk  質量の分散      <(m一μm)2>   σm2

 ばね定数の分散    <(k一μk)2>    σk2  質量とばね定数の共分散〈(m一μm)(k一ノ・1,)〉σ2融

質量の変動係数 ばね定数の変動係数 質量とばね定数の   相関係数

σm/μ皿 圏σk/μ』

σmk2

^(μmμk)

Vn}

v二

rmk

数値計算の対象にした1自由度系の諸元は,次の通り

である。

 質量の平均値  ばね定数の平均値

メノm1  (kg.sec2/cm)

1!k 4π2     (kg/cm)

∫=1 ブ盟1

i翻

62)

減衰係数    cO・4π (sec/cm)

 減衰定数の平均値   五一〇.2

 固有振動数の平均値  可2π   (rad/sec)

 外力のパワースペクトル密度S1  (kg2・sce)

数値計算において,質量およびばね定数の分散・共分 散は,それぞれの変動係数Vm, Vkならびに相関係数

rmkにより規定するものとする。本研究では,質量m

を正規確率変数と仮定しているので,1/mは正規確率

変数とはならない。そこで,1/mを平均値回りの変

動で展開して,

      さ   ヰ

 1/m一(1−m+m−m+m)/<m>  纐

平均値回りの変動mの多項式として処理する。rnを正 規確率変数と仮定した場合,この統計的特性は次式で

与えられる。(16)

  E[費{一}一{02n!2π1 2σnr((n十1)/2)翼:=蔑難  (6蜀

この関係を用いて,変動係数を4次の項まで考慮する と,解析に必要な統計量は表一1のように得られる。

確率変量が正規確率変量でない場合,所定の確率分布 に対応した統計的特性値を用いることにより,表山1 に対応する統計量を計算するは可能である。

 (1)定常応答解析

 定常応答とは,(3)式の形状関数に単位階段関数を用

いて,t→。。としたときの応答である。このとき,応

答の共分散は定数になる。従って,本解法による定常

応答は囎式の微分方程式の時聞微分の項を0とした連

立方程式より求められる。

(7)

岡 林 隆 敏 75 Table l Statistics of k and 1/m

<k>

〈1/m>

〈(k一μ1)2>

<(1/m一μ2)2>

〈(k一μ、)(1/m一μ2)〉

<(1/m)2>

<(1/m)3>

<k/m>

<k/m2>

〈(k一μ1)2(1/m一μ2)〉

〈(k一μ1)(1/血一μ2)2>

μ1

μ2 σ!2

σ22

σ122

rno2

mo3 m11

m12

μ21

μ21

 μk

(1+Vm2+3v皿4)/μm

 σ・k2

Vm2(1+8Vm2)/μ㎜2

「μkV皿v、Vm、(1+3Vm2)/μ孤  (1十3v皿2十15v珈4)/μm2

(1+6v瓢2+45Vm4)/μm3

 μ1μ2+σ22

 μ虻 {1十3vm2十1SVm4 −2vmvkr皿k (1十6vm2) }/μm2  2拶k2v皿2Vk2r組k2/μm

−4μkVkV凱3rmk/μm2

 階層方程式の誘導は,階層方程式の打切,さらに中 心モーメント打切およびキユムラン、ト打切のような仮 定1と基づいている。ゆえに,確率変量の変動係数が大 きくなると,階層法による応答と,実際の応答との間 に誤差が生ずることが予想される。そこで,階層法の 妥当性を検討するために,解析解とシミュレーション による結果を比較レた。セミュレーションの手順は次

の通りである。

 ①白色雑音は0〜4(H:z)区間で帯域制限された

白色雑音で近似するものとして,この区間を400分割

して波形を合成する。

 ② 合成された波形に対応して,応答の標本関数が 得られるが,各回の試行において,ばね定数と質量は 二次元正規乱数より発生させている。

 ③シミュレーションの結果は200本の標本関数を

平均することにより得る。

 図一2は,質量およびばね定数の変動係数λと,変位 応答の標準偏差の関係を示したものである。変位応答 は,変動係数が0のときの応答を基準として,変化を

増分で示した。(a}および(b》は,それぞれ質量とばね定

数の相関係数が0および0,5の場合である。変動係数 の変化に対して応答の変化が小さいために,シミュレ ーションの結果が変動することは免れ得ないが,変動

係数と応答の傾向は示されている。.K層法による解と

シミュレーションの結果を比較すると,相関係数が0 および0.5いずれの場合でも,変動係数が0〜O。3の範 囲では,解析解とシミュレーションは良い一致を示し ている。この計算結果より,階層法による解析は,変

6

4

3 62

.)

x10檜2

 r=0

0

  o

_1

Hierαrchy

o

  o

♂imulαli。・

o

0      0・1       0.2      03   C。e鷲1clent・f・。・iqti。n(入〉

8

2

6

4

2

0

_1

 一2

×10

  r=0.5

Hierαrchy

o

Simu1α霊ion

o     o

0     0・1     012    0・3   Coe貿icient ofvαriαtion(λ}

Fig.2 Root mean square value of stationary resporlse ({a}coefficient

    ・f・・rrelati・n・r・、一〇1(b)・・effi・i・・t・f・・rre1・ti・耳・r・・一Qゴ・の

(8)

76 確率変量を有する力学系の非定常不規則応答 動係数が0.3程度まで信頼性のある解析が可能である

ことが確認できる。

 (2)非定常応答解析

 本解法では,非定常応答解析は,司式を直接数値解

析することにより遂行できる。十一4は,外力が階段

関数である場合,変位の過渡応答を計算したものであ

る。応答は変動係数がOであるときの最大応答で基準 化してある。定常応答の結果と同様に,変動係数の増 加に伴って,応答も増加している。

 三一5は,形状関数として

9(t)一

o曹αt/3)0手二な3圃

を用いた場合である。

 1.〇

毫 セ モ

^05

λ謬0.3 λ題。②

λ30心

非定常不規則外力が作用した場合,r. m. s.応答の

確率変量に対する平均値を得るための解法を提案し

た。本解法は,階層法を伊藤型の確率微分方程式から

誘導される共分散方程式に適用することにより,従 来のDuhame1の積分を基礎とする解法を,微分方 程式で表現したものになっている。分散・共分散 の時間的な挙動を微分方程式で表現することは,非 定常応答解析の制約を,従来の解法に比べ大きく緩 和することになる。本研究では,階層方程式を閉じ た微分方程式群で表すために,2つの近似操作,す なわち中心モーメント打切およびキユムラント打切 を適用し,それぞれに対応する階層方程式を誘導し

た。

 数値解析例として,質量とばね定数が正規確率変数 である1自由度系が,定常および非定常白色雑音を受 ける場合の解析に,本解法を適用した。質量およびば ね定数の変動係数が0〜0.3の範囲では,本解法によ る解と対店するシミュレーションは良い一致を示し,

本解法の妥当性が確認できた。本解法によれば,非定 常応答解析は,微分方程式の数値解析に帰着させられ るために,形状関数の形式に関係なく実行される。

0    1

2    3    4

η麟ε  t T

Fig.3 Root mean square value of

    nonstationary reSPonse      (9(t)=1:t這0)

1.0

λ300

λ冨03

λ冒0.2

5

   0   1    2    3    4    5           「置岡E  t 了

Fig.4 Root mean square value of

    nonstationary resPonse

     (9(t)詔sin(t/3):

0≦;t≦;3,9(t)謹・O:t>3)

 このように,本解法では,非定常応答解は,微分:方 程式の数値解析の問題に帰着する。従って,解析の難 易は,形状関数の関数形に依存しない。

5.おわ りに

本研究では,係数が確率変量で表される力学系に,

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