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卒業レポート(歴史②) 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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【ゼミの概要】

本ゼミは、基本的に、日本近現代史、すなわち幕末から現代におよぶ歴史 を研究対象としている。しかし、日本中世史を専門とされる東島誠先生が 年度より他大学に転出されてより、本学科で唯一の歴史ゼミとなったことも あり、昨年度同様、前近代の歴史に関心を持つ学生も参加し、中世から現代 におよぶ多様なテーマが集まった。

昨年度同様、今年のテーマもどれも単なる懐古趣味から導き出されたもの ではなく、現代社会が直面する課題解決の糸口を掴みたいという強い問題意 識に支えられていたように思える。ここ数年の傾向として、効率性を追求す る現代文明に強く反撥する学生が多いのを感じるが、それは、多感な少年期 に東日本大震災を経験したことが大きな要因ではないかと推測している。そ れぞれ関東の各所にて震災の衝撃や恐怖を経験した今年度の卒業生も、現代 文明を懐疑的に観察することができたのではないかと思う。それが、中世の 思想や宗教に対する関心、あるいは、現代のゲームや妖怪の扱いに対する批 判へと繋がり、最終的に優れた学問的論考として結実したと考えられる。今 後も、そうした強い問題意識を保ちながら、それぞれの場で活躍されること を祈ってやまない。

【テーマ一覧】

J 秋本 拓人 「モンスターストライクから考える現代日本とゲ ームをめぐる若者たちの諸問題」

J 富田 駿輔 上杉謙信の思想

J 西島 広貴 日本の怪異・妖怪という文化について J 水野 俊 日蓮聖人の信仰について

【卒業論文講評】

秋本 拓人 「モンスターストライクから考える現代日本とゲームをめぐる 若者たちの諸問題」

現在のスマートフォンゲームアプリの頂点に君臨する「モンスターストラ 卒業レポート(歴史②) 担当 松 井 慎一郎

日本文化学科の活動

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イク」を文明批評的な観点から考察した力作である。家庭用ゲーム機(据え 置き機)が主流であったゲームの発展史を振り返り、 年から登場したス マホゲームがそれまでのゲームと違い、経済的社会的な面でいかに異質なも のであるかを指摘する。とくに、「モンスターストライク」は 年の売り 上げだけでも 億円を超えており、大きな社会現象となっている。筆者は、

現代の若者のインターネット依存症や引きこもり現象の一因をスマホゲーム の発展に見る。低コストでユーザーから簡単に売り上げを回収しようする制 作会社と、それに「搾取」される若者たちの関係を鮮やかに描き出している。

また、ゲームをこよなく愛する筆者は、そのデメリットだけでなくメリット にも注目する。「オンライン化」などを通じて外の世界に触れる機会を提供 することで、引きこもりの若者を社会復帰させることも可能ではないかと述 べ、ゲームの未来についても積極的建設的な意見を提示している。

西島 広貴 「日本の怪異・妖怪という文化について」

日本における「怪異・妖怪」という現象を古代から現代にいたるまでの歴 史的変遷のなかで考察した意欲的な論文である。とりわけ、井上円了、江馬 務、柳田国男、水木しげる、小松和彦をはじめとする近代以降の妖怪学ある いは妖怪論に関して丹念な考察を展開している。水木しげるの漫画に象徴さ れるように、本来形容化できない存在の妖怪がキャラクターとして完成して しまったことが、結果的に妖怪文化の衰退を招いたとの指摘は、大変興味深 い。以下の結語は、合理性や効率性を重視するあまり、人間にとって大切な 思考力や想像力を奪ってしまった現代文明に対する痛烈な批判である。「人々 が効率から目を背け「思考のゆとり」を手に入れない限り、効率外の存在で ある「不要な思考」である妖怪は存在を許されないのである。願わくば一人 でも多くの人間がこのことに気が付き、旧来の人間のような想像力を取り戻 すことを願いたい」。

参照

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