219
銀行その他の金融機関が不況或は放漫な経営によって破綻した場合預金者は不測の重大な損害を被る︒預金保険制
度とは︑預金者保護の立場から預金者に︸﹂の様な損害を与えない様︑多数の銀行が協定してそれぞれ預金額等を基準
に資金を醸出し︑共同の基金を作り︑加入銀行中の或銀行が支払不能に陥入った場合この共同基金によって預金の支
払を確保する制度である︒これは数多くの小銀行によって銀行破綻が繰返しおこされたアメリカ合衆国において早く
から実施されており︑その金融制度の特色の一つをなしている︒
預金者保護の思想は古くから存在したが︑銀行券の信用がまだ低くその免換の俄務が亜要であった時代には銀行券
の保証の方に亜点が慨かれていた︒一八二九年初頭︑一ユーョーク州において制定された安全基金制度鯉帝ご蜀目口
碑い冨冒は主として銀行券保持者の保護を目的とした制度であった︒内容は概略次の通りである︒言lヨーク州内
における加入諸州立銀行に対して︑各々公称漬本金の三影に述する迄︑毎年払込資本金の弛%に当る額が賦課される︒
州金庫に納入された賦課金は共同の韮金としてプールされ︑この共同韮金によって支払不能に陥入った加入銀行の依
務が支払われる︒ アメリカ合衆国に於ける預金保険制度について且
ー
黒瀬美和子
ー . 一 一 ー 『 一
11全〃qIdⅡllqI1lll︲︲111トー1119︐1111︲11トー︲01︲1J・・l︲bIllllIiI・ql
220
保護の対象が銀行預金へと移行し劉金保険制度が実現されたのは一九○○年代に入ってからであった︒一九○七年
︵■ろ︾の恐慌によって多数の銀行が破綻したのに刺戟されて︑オクラホマ州を飴め幾つかの州に相次いで州法銀行に対する
預金保険制度が制定された︒その規定には州によって少しずつの相異が見られ︑①州の監督下に銀行の自発的な組合
を作り集団的に加入銀行の預金を保証するもの︒資金は各銀行の保険された平均預金に比例して醸出される︒②州全
体の強制的な制度であって州法銀行はすべて規則的な又は臨時の特別賦課金の酸出を要するもの︒③州法銀行に組合
を作らせ︑それを州の監督下に置かず︑銀行相互間で預金者の保護をするもの︒④州の活動から全く独立して銀行が
保険会社と契約し︑銀行に応じて保険会社の定める保険料を支払い︑預金の保証を保険会社にさせるもの︒等の秘類
があった︒これらは一様に好況の時はよく運営され成功をおさめたが︑一九二○年代に発生した恐慌には殆ど無力で 安全韮金制度は︑蝦初︑あらゆる債務を補償する躯を目的としたものであった︒発足した当時には︑この制度は順
調に巡営され︑或程度その目的を達する事が出来たが︑一八三七年に恐慌が起るとその影瀞を受けて貸金不足を来た
した︒この為︑基金の三分の二は破綻した銀行の発行した紙幣との交換に使用し︑基金の残り三分の一は銀行券以外
の依揃保有者︵預金者等︶の為に使用する様︑法神が改正された︒更にその後一八四一年から四二年にかけての恐慌
を紐験して資金が不充分な事が判明したので︑四三年には袖俄範囲を銀行券に限定する︑或は不他全銀行を排除する
あり相前後して皆廃止された︒ なすものと言える︒ 等の改良がなされた︒
しかし︑一八三八年︑同州において自由銀行制鹿が生まれて以来︑その発展につれて数多くの銀行が安全悲金制庇
より脱退する様になり︑恭金の僧用は低下してその効果は薄れ︑遂に一八四六年には法制的にも消滅したのである︒
この安全蕪金制皮は言Iヨーク州内の鮒銀行川に一称の相互保険を創設したものであって預金保険制庇の先駆を
111■・I・LlllI4Ⅱ1111卜︲0日I.︲1111111.4
− − ■ 句 −
1日rll︲■J
224
何処にでも支店の投慨を忽めているカリフォルニア州︑本店所在の都市内に限り支店般磁を偲める州のうち︑言−
ヨーク︑ペンシルヴェニャ︑マサチューセッツ州の大都市では支店制銀行が発遠している︒しかし一銀行の支店所有
数は一○○二○○が岐大級であり︑支店投置銀行の四分の三は一二の支店を持つに過ぎない︒又支店の約半数は 側法銀行は支店投雌に関して州法銀行よりも強い制限を受けているのであって︑州法が州法銀行に対し支店設臘を
認めている場合に限り︑而も本店所在の稲市内に限って支店を慨く躯が出来る︒支店州投が禁止されている場合でも
在米の独立銀行が他の銀行に吸収された際には︑その店舗は後者の支店となる鞭が昨されている︒しかし国法︑州法
銀行共にその所在する州以外には支店を置く鞭が出米ない為︑述鋼銀行制度︒冨一自冨鼻言い鴇蔚目采団銀行制度
︒g呂冨口蚕員遷降のョが発達している︒
一九五○年末における銀行総数は︑一四︑ご面行であるが︑支店を有するのはそのうち位か一︑二九一行であり
支店数も四︑八四二に過ぎない︵弟三表︶・大銀行は大都市︑特に支店制を認めている大都市に存在しており︑州内識川雑劃雪雲建載簿淳q料歸簿 d捗盆埴に伽に分れている︒
− −
支店に関して特に規定を披けていないもの︑︵多くの場合禁止と解されている︶
凶建薄闇駒
幸円
:│鱈
− − ■ = ←
2聾
本店所在の都市内に存在する︒他方︑シカゴ市の様な大都市でも支店制銀行が全く無いものが多く︑特に小都市では
本店のみの銀行が圧倒的多数を占めている︒従って一四︑○○○もの銀行があるにも拘らず一銀行市︵一銀行しか存
在しない都市︶が多いのである︒第四表︑第五表に見られる様に小規模銀行が数多く︑しかも普通的に分布している
状態は︑単一銀行制度を廸川としているアメリカ商業銀行紐織の特徴である︒
しかし大都市への金融勢力の菜中︑大都市内における少数銀行への勢力染中という自然的附勢は︑単一銀行制度に
︵角回︶よっても完全には阻止する事は出来ない︒資本の集中は主に既存銀行の合併という形式をとって行われている︒
商業銀行の特色として更に︑銀行の設立許可及監料権限が連邦と州に分れている躯︑その上それら銀行が連邦準燗
制度︑連邦預金保険制度へ加盟している事から生ずる銀行形態の多様性を挙げることが出来る︒国法銀行と州法銀行
の別については既に述べたが︑側法銀行は巡邦単伽制度︑述邦甜金保険制度への加入を強制されており︑又州法銀行
でも準伽制度に加盟した場合は必ず預金保険制度に加入せねばならない︒しかし州法銀行の螂伽制度への加盟は任意
であるから︑州法銀行は預金保険制度にのみ加入する率も︑.又どちらへも加入しないで留る躯も出来る︒こういった
鯏 四 表 預 金 額 別 被 保 険 銀 行 数
預 金 額 | 銀 行 数
%
0000加卯卯︑ 0.6
■P3915濁伽上恥下1.以
皿以一一一一
地卵釦叩伽叩220000
15509#09
201
18.2 55.4 20.6
75●■31
−
−−−−−
‐−−〜〜
100.0
第 五 表 1 1940年に】
け る 銀 行 j 在 市 の 人 |
叩位8000人
1 以 下
1 〜 5 5 〜 2 5
被保険銀行の分布
|
§│鋤趣馴愈
丙畜
一形迦
34.9 8.5 19.6 11.8 25〜100 642 ●①■ 939
11.3 100〜500 18.1
500以上 46.8
ミーー」''"│"'
節四表,第五 B、H・Beckart
表共1949.9.30 d6BankmgSystems p.842〜3より。
−−−−一一一一一
−一一一一
Ⅱ■Ⅱ13■911
2駈
11
第 六 表 種 類 別 商 業 銀 行 勢 力
へ尋互緬類、 加 盟 銀 行
〜 = 国 法 | 州 法
非加盟州法銀行
│非被保険 計 被 保 険
| 一心■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ⅡⅡⅡⅡ9 毒妬唖 8j
印落4印−1tl
〃I
% 35
(4,939)
|
銀 行 数
1 3 . 2
(22,000)I(2,000)
100
1165,0"1
鍋
(47,000)
57
④4,00の 要 求 払 預 金
2 1 1 0 0
露 盤 14
貸 出 投 資
│ "| | 。」 100
資 本 勘 定
|
1948.6.30
E.S.SImwgMoney‑IncomeandMonetaryPolicy"p.101より。
但()内は1951.12.31における実数,預金趾は単位100万ドル。
BeCkhart"BankmgSystems''p、847より。
なお1948.6.釦における銀行数実数は下妃の通りであり1951.12.31におけ るものと大差はない。
||
|
M,L,SlokesandC.I.And0CMoneyBankingnndtheFinancialSystem"p.
ユ より。
2
︿q︾岡法鯉行については通貨符理官が監将椛限を持ち︑巡邦準伽加盟釦行については迎邦期伽制座理邪会及び辿邦地側
銀行が︑被保険銀行については連邦預金保険会社が監粁栂限を持っている︒又州はその投立を許可した州法銀行を監
併するのである︒この様な監督権限の重複による衝 銀行の種類分けは第六表の通りである︒
銀行数の四六%︵小規模銀行が多い︶は連邦預金保険制度にのみ加入している︒比校的大きな州法銀行は連邦
耶伽︑従って預金保険に加入しており︑全州法銀行の預金総額の約六六彫に当る預金を所右しているが数の上で
は州法銀行総数の二○%を占めるに過ぎない︒辿邦準伽制度加盟銀行数は総銀行数の二分の一であるが預金では
八五影を占めている︒一般に強力な銀行は国法銀行となって連邦の規制をうけ︑弱小のものは州法を選んで被保
険州法銀行となり︑最も力の弱い銀行は非加盟非被保険銀行として州の権限の下に置かれている︒非加盟非被保険州法銀行となり︑最も力︵
険銀行数は僅か五%である︒
鰯
州垂銀行 突混乱を避けるため各機関の間で協定がなされている︒しかし︑それら機関の糞任の性質によって観点
︵のひ︶や強捌恵に差異がおこる吻合がある︒
これらはアメリカ銀行制度の襖雑さを示すもので
あるといえよう︒
F1●−11︲I︐ 1
理
一九三三年の銀行法の重要な規定事項にはFDICの設立の他に︑製行の貸出に対する厳格な統制︑投資金融業務
と商業金融業務との分離︑連邦準伽局の統制強化︑述蛾銀行集団銀行制度の抑制︑支店銀行制度の緩和︑国法銀行の
荊金利子制限︑般低資本額の引上︑加盟銀行資格の拡大等がある︒
一九三五年の銀行法嶢一九三三年の銀行法の諸規定を値久化すると共に︑それに袖足を加えて銀行法制の改革を
完成したものである︒第一部は巡邦預金保険制艇に関するもの︑節二部は巡邦地伽法の改正︑節三部は銀行諸法規の
修正である︒この二つの銀行法によりアメリカの金融機柵は辿邦準伽制度剛柵会を中心にして金融統制上十分な効果 述邦瀬金保険制腱の中核をなすものは連邦預金保険会社︑FDIC弓&︒且pg風舜冒胃自oo9﹃冒圖昏冒︶で
ある︒FDICは一九三三年の銀行法によって創設され︑一九三五年の銀行法により恒久的な制度として整燗された
ものである︒
一九三一差 ③一九三五年には数において三%の銀行が金銀行制金の七○筋を所有し︑一九四七年には一・三四%の銀行が五二・一影の預
金を所布する棟になった︒又一九四七年︑一二Iヨーク市における銀行一三六行の資唾は三︑七七四︑三○○万ドルであった
が︑そのうち五大銀行の資睡は四三%を占め︑一○大銀行では六○妬にものぼっている︒︵バンキング仰号︑矢島保男可米国
準側政策の変過﹂より︶
④通貨脊理官は一九三三年の銀行法により設置された︒上院の承認を経て大統伽によって任命され︑同法銀行券の管理国法
銀行の設立︑国内支店設睡の許可︑検査︑監督等の椛限を持つ︒国法銀行券の流通が少ない今日ではその主要機能は国法銀行
の検査監督機関たるにある︒
⑤一九五○年に通貨管理官が支店を二○以上追加設置する事を認めたが︑とれは当時連邦準備制度理事会が独占になる可能性
があるとして反対していたものであった︒又要求払預金の利子支払禁止に関して連邦準術制度理邪会と連邦預金保険会社との
間に意見の不一致がおこった︒︵嗣諺.︒︒壷昌君凰開﹃.R鈩目︒﹃冒冒三︒ご里島團一耳暮亨隠e
一一一
1
麹
b恒久的
この制度は一この制度は一九三四年七月一日以降実施される予定であった︒内容は次の通りである︒まず恒久的制度としてのF
DICの設置が定められている︒
FDICの資本金⁝⁝財務省から出演される一五︑○○○万ドル︵会社の脳求に応じ全部又は一部払込︶と︑迎邦
単伽銀行からの︑一九三三年一〃一日におけるその剰余の半額に相当する出資︵半額即時︑残額舗求に応じ払
込︶︑及び︑加入銀行からの︑各銀行における全預金の雛形に当る出盗︵半額即時︑残額請求に応じ払込︶と ○一九三三年の銀行法に規定された連邦預金保険制度︒これには暫定的制度と恒久的制度とがある︒
これは一九三四年一月一日より︑恒久的制度に移行する同年六月三○日迄の間実施される予定であったが︑実際に
は一部を改正して一年間︑一九五三年六月迄︑延艮継続され︑更に同年八月の新銀行法成立迄再度延期して実施され
たものである︒暫定的連邦預金保険避金を設椴し︑各被保険銀行に対し保険される盗格のある預金総額の苑%に当る
金額を賦課する︒預金の最高保証限度は各預金者につき二︑五○○ドルである︒加入の許可は連邦準側制度加盟銀行
及州法銀行のうち州の監督嬢関によって財政が健全である邪が保証されたものに限って与えられ︑銀行は加入と同時
に賦蝶金の半額を払込み残額は捕求に応じて払込む︑というものであった︒ が上る様整伽されたのである︒a哲定的制度
追加賦課金⁝⁝加入銀行は更に資金不足の場合にはその全繭金の苑影に相当する額迄追加賦課金を負担せねばなら
ない︒これはFDICの基金が術に十分である様袖充する為に規定されたものである︒ から成立つ︒ 制度
lI■lllIlIlIl1lilil⁝P1ll︲11︲1lllllIIlllll︲P!11︲U︲・rl︲ld0Ⅱ011JⅡ110.1.
霊 0
○一九三五年の銀行法による連邦預金保険制度
これは同年八月より恒久的な制度として実施された︒その後︑一九五○年九月一二日に成立した連邦預金保険法
蜀且の旦口go切岸冒頓昌冒8診鼻によってこれに改正が加えられて︑現行の制度が出来上ったのである︒
次に連邦預金保険法による改正をも加えて︑一九三五年に成立した連邦預金保険制度の内容について述べよう︒
㈲FDICの資金について 恒久的制度に対する反対意見には①保険によって保護すべき預金量が不必要に燗大する覗︒②保険されない預金をも含めた預金全額に基いて賦課金を算定する事は大口預金者の多い大銀行に対し公平を欠く
事︒大銀行は多額の賦課金を支払うが預金の保険される率は低い︒
③加入銀行が不定の追加賦課金を負担させられる鞭︒銀行は各々の全預金の苑影の範囲内でFDICの要求に応じ
何時でも賦課金を支払わねばならない︒
等があった︒これらの意兇にも検討が加えられ一九三五年︑迎邦預金保険制度が完成されたのである︒ げられた︒ 右の恒久的制度に対しては強い反対があったので改めて検討される事となり︑その実施が延期された︒そして一九三四年七月以後も彌定的制度が引続き実施されたのである︒但預金の保証限度額のみ改正され五︑○○○ドルに引上
盗本金⁝⁝旧銀行法に規定されたのとⅢじく︑財務行が一五︑○○○万ドルを川盗し︑迎邦地伽銀行は一九三四年 保険される預金額・・⁝・各預金者につき一万ドル迄は一○○%︑一万ドルから五万ドル迄は七五%︑五万ドル以上は
〜五○%である︒
h︐︲︲BbIIl1I︲111l︲Illl11日aPll
露 3
FDICの運営を司るのは理事会である︒理事会は大統領により︑議会の勧告と同意を得て指命された二人の理事
と︑一名の通歯符理官とによって柵成されている︒FDICの本店はワシントンに慨かれ︑支店はニューヨーク︑シ
カゴ等八つ・の準伽市及他の数市に在る︒
@財務省及び連邦準備銀行からの出資︵約二八︑九○○万ドル︶は剰余金の蓄積に伴って逐次償通され︑一九四八年八月に全
ではFDICの具体的な活動はどの様なものであろうか︒
︑FDICは蛎故発生を未然に防ぐ為に厳格な銀行検査を行う︒検査によって被保険銀行の法規違反或は不健全経営
を発見した場合はまずそれを改める様該銀行に対し鮮告を与える︒一二○日軽過してもその状態が改響されない場合
には更に三○日の猶予期間をもって連邦頂金保険制度から脱退させる旨の通告を行い︑一方ではその被保険銀行から
事情を聴取して原因の調査を行う︒調査の結果︑改善が不可能であると判明したならば︑FDICはその被保険銀行
に対し連邦預金保険制度からの脱退を命じ︑同時にそれを公表する︒この場合脱退を命じられた銀行は総ての預金者
に対し被保険状態が終了した躯を知らせ注意を喚起せねばならない︒ ⑦相互貯蓄銀行についてはその保険料が他の銀行より低率に定められた︒旧銀行法では同率であったが︑貯蓄銀行側の反対に
よって改正されたものである︒これにより栂成された特別保険寅金は分離して維持され︑他の銀行より払込まれた正規の保険
資金は貯蓄銀行の破綻による損失に対しては武任を負わないと規定されている︒角.︒弓言ョ届掌○目﹃冨乱の昌團鼻言い目1
冨呂呂頁電鼻のョごくo一隅亨旨巴
③蓄積基金は一九五三年末で一五︑○○○万ドルに上ったが︑これは被保険銀行預金総額の○・七六%︑被保険預金に対して
は一・三九影に当る︒︵紅林茂夫﹁蕪本銀行慨諭L六五頁︶ 額が返通された︒
四
露 5
右の場合には閉蝋銀行について清算が行われるcFDICは国法銀行の閉蝋に際して袴財人となるが︑州法銀行の
場合においても一般に管財人として指示されている︒滑算は公益上の必要から延期される場合もありやその時期は不
動産市場商品市場等に対する影響を簸少限に止める様配瞳して決定されるcそしてFDICは管財人としての役割を
果し︑預金のうち保険されていない部分︵保証限度を超過した部分︶についてもその支払を捗らせるのであるc
第二︑窮迫した被保険銀行に営業を継続させる場合︒
その銀行を閉鎖或は他の銀行と合併させると社会的に非常な悪影響があると認められる場合には︑FDICはそ
の窮迫銀行に対し資金を貸付けたり預金をなしたり或はその銀行から資産を質入れたり等の財政的援助を行ってそ
第三︑窮迫した被保険銀行に対し︑同一地域における他の被保険銀行と合併させる為に援助をなす場合︒
窮迫銀行と他の被保険銀行との合併が社会にとつて利益であり且FDICの危険を低下させ損失を防ぐ上に最良
であると判断される場合には︑FDICは︑窮迫状態にある銀行に対し合併が容易に出来る様貸付を行ったり︑或
はその銀行から資産の瞬入を行ったりする︒この方法は窮迫銀行の負債を他の被保険銀行に引受けさせるものであ
るが︑FDICは貸付その他の活動によって合併銀行の損失を保証しているのである︒・
右のうち第一の方法を採れば窮迫銀行における預金は預金者一人につき一万ドルだけ保護されるが︑第二︑第三の
方法を採れば預金は全額保護される事となる︒
創設以来FDICが主として採用してきたのは節一のa︑b︑或は第三の方法であり︑近年は通附節三の方法が用 ︽︾れを立直らせるのであるc c公益上必要な場合︑例えば︑その銀行を閉鎖する事によってその地域の人々が甚しい不便を蒙る一銀行市の場
︵9︶合等には︑新しい国法銀行を設立し︑この銀行に閉鎖銀行の被保険預金と同額の新しい預金をなして︑各々の合等には︑新し鵬
所有者に与える︒
qll︲︲−︲︲11酉l︲1︲b−lllII︲rll︲︲I.︲ll1ll01l
236
これらの活動の他︑FDICは過当競争及び不健全経営の原因となる銀行数の不当な増加を防ぐ為︑あらかじめF
DICが加入の同窓を与えた場合に限り新しく州法銀行投立の詐可を与える様︑州に対し働きかけを行っている︒こ
の為にFDICは常に各地方の経済状態を澗査しているのである︒
⑨この銀行は国法銀行であるが︑没立当初は貴本金も取締役会もなく︑FDICの業務執行口が巡営するものであって︑預金
の支払いのみを行う︒FDICの判断によって︑完全な銀行として存続させてよいということになると新たに株式が謀集され
法律上の条件をそなえた銀行となるのである︒
⑩第二の方法は一九五○年の連邦預金保険法においてはじめて認められたものであり︑これによってFDICの自由趣量の枠
は拡げられたのである︒
連邦預金保険制度が創設されてから五年後の一九三八年度FDICの年報によると︑.九三八年度にFDICが
保険を行った預金口腹数は加入銀行総預金口座数の九八%であり︑金額では四三.五彩に達する︒又右五年間に二五
二行の閉店又は立直しに関し︑七︑四○○万ドルの預金の支払又は保護を行った︒それで預金者数の九九彫以上と︑
︵皿︾預金の九六%以上が保護された︒﹂のである︒一九五○年の終りにおける連邦準伽制度加盟銀行は六︑八七三行にすぎ
︵唯︾ないが︑連邦預金保険制度への加入は一三︑四三五行であって商業銀行総数の約九五%という高い割合を示している︒
連邦預金保険制度が如何なる成果を収めているかという事については種々論ぜられて来たが︑その効果が認められ
ているのは概ね次の様な点である︒ いられている︒
①FDICが被保険銀行を検査監併する小によって銀行の破綻率を減少させ禅た鞭︒特にその効果は比校的規模の
小さい非加盟州法銀行が保険に加入した場合に認められる.
五
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●
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②FDICによって窮迫或は破綻した銀行の取扱が改善された邪︒
被保険銀行が窮迫した場合︑FDICはその銀行の状況に応じ種々の援助を行って営業を継続させたり或は他
の被保険銀行と合併させたりする︒又銀行を閉鎖した場合には直ちに被保険預金の支払或は保護を行い︑且管理
人として滴算に当ってはその銀行の資産を経済的に且他に影標を及さない様に処理して来たのである︒
迎邦預金保険制腿が実施される以伽を振返ってみると︑朔迫銀行は強制的に閉舗され︑その油界には多額の岱
用と長い期間を要し︑一方預金者は預金を長い間凍結されてその期間は銀行サービスを受ける鞭が出来ないとい
③連邦預
アメリカにおける商業銀行数及び同店舗数 牧
軸"
うのが普通の状態であった︒
連邦預金保険制度によって︑
"
諏
〃
〃預金取つけ〃による銀行破綻を予防する事が出来た事︒
が
ノ
ゴ
預金の効力について預金者が不安を抱かぬ様靴︒にし︑〃取つけ〃の発生とそれによって引起さり
坐れる銀行破綻を防いで来たのである︒特に小額p預金の〃取つけ〃防止には十分な効果があった︒
m預金保険は預金者側の不安を取りのぞき〃取伽恥つけ〃による銀行組織からの街幣の現実的な流
g獅出を防ぐと共に︑〃取つけ〃によって貨幣が流
a宅出するかも知れないという銀行側の恐怖をも柔伽唖らげる役割を果したのである︒
卿匪ここでFDIC設立以前及び以後の銀行数噸減
の推移を辿ってみよう︒
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一方︑巡邦預金保険制艇に対する批判も多くある︒
まづ保険料の問題を取上げてみよう.保険料については︑二つの而から批雌がなされている︒がその一つは︑加盟
銀行全体が︑その大小︑財政的強さ︑破産の可能性に関係なく一様の保険料を支払わねばならないという事である︒
これは主に大銀行側からなされる批難であって︑一般的に大銀行より弱小銀行の方が破綻率が大きいにもかかわらず
保険料が一様であるのは弱小銀行の不適当な経営からおこる損失を大銀行が引受ける事であるとしている︒この理由 グラフに表われた様に銀行数の股も多いのは一九三一年であって約三万を数えたが︑恐慌の影簿で七年後の一九二九年には約二万四○○○に迄減少した︒更に一九二九年秋の株式暴落に端を発した大恐慌によって九○○○行にも及ぶ銀行が勝業を停止し︑一九三三年三月恐慌が絶頂に連した時の銀行数は一九二二年の約半分となった︒一九三三年三五年の銀行制度の改莱により銀行は整理されて︑その数は減少を続けていたが四四年にはじめて他かながら墹加を見︑以後四七年迄俺かづつ地加している︒四七年以後は再び減少の傾向にあるが︑支店数の墹加を考え合せてみると︑この減少は合併によって従来の独立銀行が支店となったためであると判断される︒一九三三年三五年以後の銀行数の健実な足取りを総て連邦預金保険制度の成果と見る事は勿論出来ないが︑改革された銀行制度の一環としてその力も大きかったという事は出来よう︒
預金保険の成果を高く評価する者も︑保険される預金額が一万ドル迄という制限を受けているためその効果が弱め
られている事は認めている︒
⑪バンキング妬号﹁アメリカにおける銀行制度﹂より︒
@節三表参照︒
︷ハ
から大銀行側は破綻の可能性を雑礎として保険料を定める様主眼している︒しかし破綻の可能性を韮礎として保険料
を算定する率は容易ではなく︑その実現は困難であろう︒
他の一つは保険される預金額に一万ドル迄という制限があるにかかわらず保険料は預金全額に基いて支払わねばな
らないという事である︒小額預金を主として取扱っている銀行がその預金の殆んど全額を保護されるのに反して︑大
口の鯛金を取扱っている大銀行は総預金額に対し極く小さい刎合しか保護されない︒大銀行の中には保証限度を超過
︵咽︶する預金口座が多いために総預金額の一○%しか保護されないものもある︒従って大銀行の支払う保険料は非常に割
高であるという批判である︒
澗金の保険される額が制限されているため預金保険の効果が十分で無いという批判があるがこれは亜祝しなければ
︵脚︾ならない︒被保険預金額の制限のため繭金趾の約半分が保険されないままとなっている︒従って大口預金者による
〃取つけ″の危険は解消されていないし︑盗金が一つの銀行から他の銀行に移動する事も防止出来ない︒
大口預金者の〃取つけ〃は︑保証されていない一万ドル以上の預金について行われるわけであるが︑この超過額に
﹄ついてはFDICが窮迫銀行に対してとる処置如何によって保護の状態が変ってくる︒全く保謹されないかも知れな
いし︑又全額保痩されるという結果になるかも知れない︒しかし預金者はFDICが如何なる処慨を為すかⅡ以て知
る躯は出来ないのである︒現実に全額保護されるのであればそのまま預金しておけばよいが︑そうでないならば大口
繭金者は損失を防ぐため逸早く預金を引出しておかねばならない︒結果がどちらになるか予測出来なければより安全
な道が選ばれるのは当然であろう︒被保険銀行が窮迫した場合に起る可能性のある大口預金者による〃取つけ〃は︑
上述の様に大口預金者が各自の頗金について現実にどれだけ保護されるのか砿僧川来ない邪に原因するのである︒
この様な〃取つけ〃の危険性は迎邦預金保険制度の弱点をなしていると考えられる︒預金者が保険される預金額を
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以上述べた様な連邦預金保険制度の欠点は︑預金を一○○%保険する事及び総ての商業銀行がこの制度に参加する
①事によって取除くことが出来る︒従って全預金の保険︑全商業銀行の加入を主張する論者は多い︒
しかし一方ではこれに対して︑総ての預金を保険する事は銀行の不建全経営を助畏し銀行組織を弱化させるもので
あるという反対意見がある︒一○○%の預金保険の下では︑あらゆる預金が完全に保護されるため瀕金者は銀行の安
全性を考瞳する邪なく︑より高い利子を支払う銀行を選ぶ邪になるだろう︒そうすれば銀行間の利子引上戯争が盛ん
となり危険な結果を引起すであろうと主眼するものである︒
この主張は預金者が鈍全な銀行か否かをまづ見分けその上で茄金の安全性と利子の高さとを比鮫して劇金すべき銀
行を通ぶものであるという邪を鮒提にしている︒だが︑一般弧金者にとっては銀行が実際に健全に迎営されているか
否かを見分ける事は不可能に近い事であって︑従来から銀行選択の避単は主として利子の高さに世かれている︒従て ︵脂︺更に非被保険銀行についても問題がある︒預金保険に加入していない銀行は全商業銀行数の五%にすぎず︑その保
有する預金もごく値かである︒しかしそれらが破綻したならば他の銀行の偲川を傷つけ銀行組織に対して当然悪影響
を及ぼすであろう︒特に規棋の小さい被保険銀行に対する影瀞は無視出来ない︒
又非被保険銀行の預金者速の保遡も考賦されねばならない︒彼らが自由意志で保険に加入していない銀行を選んだ
一肥︶のなら保護の必要は無い︒しかしアメリカには一銀行市が非術に多いという特殊邪州があるために或地域に被保険銀
○行が全々存在せず︑従って預金者が否応なしに非被保険銀行を選ばねばならなかったという場合がしばしばある︒こ
の様な場合の預金者は保護する必要があると考えられる︒ 増大させようと思えば数多くの銀行の間に預金を散在させるという不便を忍ばねばならない︒
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一−−
型 1
一○○影の預金保険が実施されても競って利子が引上げられるとは考えられない︒又︑大口預金者は利子が商い事よ
りむしろ適当なサービスや他全な財政的按助を得る邪の出来る銀行を選ぶであろうし︑一方︑FDICの手には利子
支払を制限する楢限やその他の監督椛限が委ねられているから利子引上競争が激化する危険性はまづ無いといえる︒
総ての預金が保険される事により銀行の経営が安易に流れるという批難は次の邪︑即ち︑銀行が破綻した場合には
預金保険の有無にかかわらず損失を蒙り︑且︑預金者より一層大きい損失を蒙る株主達によって経営陣が選出されて
いるという事を考随に入れていないものである︒
それ故預金全額を保険する制度が不健全銀行にとって有利となり且不仙全銀行を墹加させ銀行組織を危険におとし
入れるという反対は敵視する必饗は無い︒
しかし全商業銀行の保険加入及び全預金の保険を実現させるについては︑FDICの運営上資金不足という困難な
問題が生じてくることも考えられる︒
現在の連邦預金保険制度についても︑資金の面から︑一九三四年以来好況の影響で銀行の破綻は少なかったがもし
不況に値面し多数の銀行が破綻すれば過去における得州の預金保険制度と側じく失敗するであろうと︑その銀行危織
に対処する能力について否定的な見方をしている者もある︒
又︑嗣切.馨画君は﹁預金者に対し苦術を与え無い様にして銀行を破綻させる一九三三年の銀行法を規定するより
はむしろ議会は一層健全な銀行を作る様にすべきであった︒まづ銀行組織及び資本の樵成︑営業に関する規則が改正
︵面︶さるべきである︒それ故FDICが銀行の清算に対して為す巧妙な処置に関する規定は余計のものである﹂と言い︑
銀行破綻を防ぐための韮本的な改革が行われたならば連邦預金保険制度の必要は無いと主張している︒
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⑭一九五一年九月一九日における︑FDICの特別検在の概告によると︑﹁FDICによって十分保艘されたのは被保険銀行