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シンポジウム「中世都市と宗教集団」編者あとがき

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Academic year: 2021

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シンポジウム「中世都市と宗教集団」編者あとがき

シンポジウムの開催から2 年半余を経て漸くこのプロトコルをお届けするにいたったこと を何よりもお詫びしなければならない。ひとつには報告者のおひとりの原稿がやや大幅に遅 れたという事情もあったが、引続き編者自身の不測の病気・入院が続いた関係で研究所の編 集態勢(予算や年次計画を含む)がずれ込んだためであった。報告者やコメンテイター、実 りある質疑を支えて下さった参加者の方々のご寛恕をお願いする次第である。

シンポジウムは、比較都市史研究会(代表 鵜川馨)の名誉会員でもあるクヌート・シュ ルツ氏(ベルリン自由大学)の来日を機に、同研究会と私どもICU アジア文化研究所との 共催のかたちで企画された。表題のテーマで日本とヨーロッパを比較してみようという趣旨 であった。

シュルツ教授には、ドイツ中世都市の形成・発展期にシトー修道会がどのようにかかわっ たかを問う近時ドイツ学界の研究状況を、東京大学の義江彰夫教授には、日本の佛教諸集団 の様態を中心に報告して下さることをお願いした。上條敏子さん(一橋大学)は、長年のベ ギン会研究の成果を踏まえて、女性の宗教諸施設との関連でヨーロッパの中世都市を考察し て下さることになった。上條さんには、プログラムの計画にあたって、他の2 報告よりは若 干短い時間配当でお願いしてあったことをお断りしておかなければならない。

シンポジウムは、報告、コメント、討論とも日本語を中心に進行した。ただしシュルツ報 告は、ドイツ語の草稿を予め出席者に配布しておいて私(魚住)が通訳を務めた。討論では、

日本語と英語の発言は原則そのままとし、ドイツ語の発言の翻訳と日本語発言をシュルツ氏 に説明する役割を都市史研究会の佐久間弘展氏(早稲田大学)が担当した。

プロトコルは、全体を日本語で統一し、報告者とコメンテイターにはそれぞれ事後の補足 をお願いした。シュルツ報告については、早川朝子さん(ICU) に私の翻訳草稿の検討補正を 委嘱し、後刻両人で協議して最終稿を作成した。義江教授はご多忙な時間を割いて数々の貴 重な図版 ── これだけでも学界にたいする大きな貢献となるに違いない ── を完成してく ださった。上條さんは、英文での掲載を強く希望されたが、上述の理由で、かつ日本語で報 告されたもののプロトコルという性質上、編集方針に従って日本語の原稿を収録することで 了承していただいた。なおこの記録集の公刊が遅れている間にご労作『ベギン運動の展開と ベギンホフの形成』(刀水書房 2002 年)が上梓されたので興味をお持ちの方は是非参照して いただきたい。

討論の部分は、録音テープを基に早川さんに纏めてもらった概要である。限られた時間で なんらかの結論が得られたわけではないが、コメンテイターの要望、参加者からの質疑にた いする報告者の応答や報告者相互の質疑応答を通して多くの点が明らかになり、企画した私 たちにも刺激的な知見を与えてくれたと思う。報告者、コメンテイター、そして遠くは九州 からも含む全参加者の皆さまに改めてお礼を申しあげるとともにこのプロトコルが比較史研 究のひとつの問題提起となることを願っている。

最後にシンポジウムの準備、運営を支え、プロトコル作成を援けてくれた研究所のスタッ フ、助手諸君への感謝を記すことをお許し願いたい。

(魚住昌良)

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